JP3352030B2 - 緑色野菜の製造方法 - Google Patents

緑色野菜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理した後、軟化
や変色がなく、食感、色の優れた調理食品の材料となる
緑色野菜の製造方法、それによって製造される緑色野
菜、及びこの緑色野菜を含む調理食品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】キャベツ、ピーマンなどの緑色野菜は、
煮る、炒めるといった加熱処理を施したり、あるいはド
レッシングのような酸性の調味料を添加したりすると、
組織の軟化、褪色が起こり、新鮮な野菜らしい色、食感
を保持することが難しい。緑色野菜は、加工または製品
貯蔵中に組織内のクロロフィルが分解され、フェオフィ
チンなどに変化することにより褪色が起こる。これらの
褪色を防止するためには、クロロフィルの分解に関与す
る要因を取り除くか、または分解を阻止する状態に保つ
か、あるいはクロロフィルを安定な化合物に誘導する
か、などの方法を採用する必要がある。食品加工に当た
って最も一般的に知られている方法は、ブランチングに
よるクロロフィルの安定化や弱アルカリ性(pH7〜8)
の状態に保つことで、褪色物質であるフェオフィチン複
合体への変化を抑える方法である。
【0003】これまでに、炭酸ナトリウム溶液に浸漬、
水酸化カルシウムでブランチング、水酸化マグネシウム
に浸漬する方法(Ind. Eng. Chem.,35,85,1943)、水酸
化カルシウムやグルタミン酸カルシウム溶液でブランチ
ングする方法(Food Eng., 36,6,93,1964 )が報告され
ている。特許出願としては、pHが7ないし10であり、マ
グネシウムイオンを0.01ないし20g/l 含む水溶液でブラ
ンチングした後、乾燥することを特徴とする乾燥野菜の
製造方法(特公昭60-58033号公報)、ブランチング後ア
ルカリ性溶液とともにパウチ詰めし、これを加熱するこ
とを特徴とするパウチ詰め緑色野菜(特開昭61-47141号
公報)がある。
【0004】しかし、これらの方法を用いた場合、アル
カリによりクロロフィルが安定化され、緑色野菜の褪色
を防止できたとしても、組織の軟化による食感の低下、
風味の変化が起こり、十分な品質のものは得られない。
このような野菜組織の軟化による食感の低下は、比較的
低温下の湯水中で予備加熱することにより防止できるこ
とが知られている。これは予備加熱中に生体内のペクチ
ンエステラーゼが活性化され、細胞壁や細胞間物質の構
成成分であるペクチン質に作用して脱メチル化を促す。
【0005】さらに、遊離したカルボキシル基に組織内
の二価の陽イオンが結合して架橋が形成され、ペクチン
質を不溶化するため、組織が硬化すると考えられてい
る。また、二価の陽イオン、特に、カルシウム塩の添加
はペクチン質との結合により、細胞壁をより強固にする
ことも知られている。これまでに、60℃〜70℃で最大で
2時間加熱を行い、組織を硬化させる方法(J.ARG.FOOD
CHEM.,20,2,266,1972)、60℃、30分でペクチンエステ
ラーゼを活性化し、10mMの塩化カルシウム水溶液でブラ
ンチングする方法(北海道工業試験場報告、285 、189
、1986)が報告されている。
【0006】特許出願としては、水、希酸性水、糖液の
いずれかで少なくとも表面品温を45℃〜75℃、10〜180
分予備加熱することを特徴とする野菜、果実の軟化防止
方法(特開昭54-107542 号公報)、野菜類をカルシウム
水溶液中に低温下で浸漬した後、その状態のまま該水溶
液の温度を40〜70℃の範囲に上昇させ、一定時間保持す
ることを特徴とする野菜類の軟化防止方法(特開昭60-2
37957 号公報)、野菜類に49〜70℃の温度範囲で5分以
上保持する中温加熱処理を、惣菜及び漬物の製造法に組
み込むことを特徴とする惣菜及び漬物の製造法(特開5-
68505 号公報)、野菜類を40〜70℃の温度で油脂類を使
用せずに炒めることからなる野菜類の調理方法(特開平
7-250643号公報)、丸のままあるいは大きくカットした
大きさの野菜類を、その組織の強化処理を施した後、冷
凍処理することを特徴とする冷凍野菜の製造方法(特開
平8-140570号公報)、カルシウム塩の水溶液に浸漬処理
した野菜類を、場合によって他の材料と一緒に遠赤外線
放射性の容器に充填してレトルト処理することを特徴と
する野菜類の煮崩れ防止方法(特開平8-173079号公報)
がある。
【0007】しかし、これらの方法を用いた場合、軟化
による食感の低下は防止できたとしても、組織硬化処理
中に、クロロフィルの分解による褪色の問題が起こる。
また、褪色防止方法と軟化防止方法の単純な組み合わせ
だと褪色、軟化のどちらかの問題が起こり、十分な品質
の製品を得ることは不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱
処理や酸性調味料の添加といった調理を行った後でも、
軟化や変色がなく、食感、色の優れた調理食品の材料と
なる緑色野菜の製造方法を提供することである。更に、
本発明の目的は、前記方法によって製造される緑色野
菜、及びこの野菜を含む調理食品を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、組織を損傷させた緑
色野菜をアルカリ性溶液、次いで、多価陽イオンを含む
溶液への浸漬、あるいは40〜80℃の温度処理を行うこと
により、調理した後、軟化や変色のない緑色野菜を製造
できることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、緑色野菜の組織に損傷を与えた後、それをアルカリ
性溶液に浸漬し、次いで、多価陽イオンを含む溶液への
浸漬及び/又は40〜80℃の温度処理を行うことを特徴と
する緑色野菜の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の緑色野菜の製造方法は、組織を損傷させた緑色
野菜をアルカリ性溶液中に浸漬した後、(1) 多価陽イオ
ンを含む溶液への浸漬、(2)40 〜80℃の温度処理のいず
れか、又は両者を組み合わせて行うことを特徴とする。
両者の組み合わせとしては、(a) 多価陽イオンを含む溶
液への浸漬を行った後に 40 〜80℃の温度処理を行う方
法、あるいはその逆に(b) 40〜80℃の温度処理を行った
後に多価陽イオンを含む溶液への浸漬を行う方法のほ
か、(c) 40〜80℃に調整された多価陽イオンを含む溶液
への浸漬を行う方法などを例示することができる。
【0011】本発明の対象とする緑色野菜は、クロロフ
ィルをわずかでも含んでいる緑色の野菜であればいずれ
でもよい。また、一種類の野菜だけでなく、野菜の混合
物を対象としてもよい。対象とする野菜は、ペクチンエ
ステラーゼを十分含むものが好ましいが、ペクチンエス
テラーゼがもともと含まれていないか、または少量しか
含まれていない野菜でも構わない。具体的には、キャベ
ツ、ピーマン、ブロッコリ、ホウレンソウ、コマツナ、
エダマメ、インゲン、サヤエンドウ、グリーンピース、
グリーンアスパラガスなどを例示できる。本発明で使用
される野菜は、野菜全体であっても、その一部であって
もよく、丸のまま、または最終的な用途に合わせた様々
な大きさに切られた野菜を使用してもよい。
【0012】緑色野菜の組織を損傷させる方法は、アル
カリ性溶液の浸漬を高める方法であればどのような方法
でもよく、例えば、(1) 凍結・解凍処理、(2) 剣山状の
器具を使用した処理、(3) 超音波による処理などを挙げ
ることができる。これらの処理を行う順序は特に限定さ
れないが、凍結・解凍処理と剣山状の器具を使用した処
理に関しては前者を先に行うことが望ましい。
【0013】凍結処理の温度及び時間は特に限定されな
いが、−5℃以下で1時間以上とするのが好ましく、−
5〜−10℃で4時間以上行うことが更に好ましい。ま
た、解凍処理は、野菜の品質を損なわない限り、自然解
凍、加熱解凍のいずれを採用してもよい。この凍結、解
凍処理によって、組織を僅かに損傷及び軟化させ、アル
カリ性溶液の浸透を高め、アルカリ性溶液の濃度及び処
理温度の低下、浸漬処理時間の短縮を可能にする。ま
た、この凍結・解凍処理を剣山状の器具を使用した処理
の前に行うことにより、野菜に傷をつける作業を容易に
するとともに、野菜の割れを防止する。また、野菜の傷
を目立たなくさせる効果もある。この処理を行うことに
より、野菜の部位ごとの褪色防止効果のムラを抑えるこ
とができるとともに、色保持のよい優れた野菜を得るこ
とができる。
【0014】剣山状の器具としては、剣山、ピン、針、
錐等を挙げることができるが、これらに限定されるわけ
ではない。剣山状の器具を使用した処理は、手作業で行
ってもよく、機械を用いてもよいが、野菜の組織全体を
まんべんなく、処理することが望ましい。この処理によ
って、組織細胞を僅かに損傷させ、アルカリ性溶液の浸
透を高め、アルカリ性溶液の濃度及び処理温度の低下、
浸漬処理時間の短縮を可能にする。また、野菜の部位ご
との褪色防止効果のムラを抑えることができるととも
に、褪色防止効果を確実なものとする。超音波による処
理は、試料を含む液体中に超音波を発振させることによ
り行う。この際、液体の種類、濃度、温度などは特に限
定されない。超音波の周波数、出力及び発振時間も特に
限定されないが、周波数は20〜50Hzとするのが好まし
い。この処理によって、組織を僅かに損傷させ、アルカ
リ性溶液の浸透を高め、アルカリ性溶液の濃度及び処理
温度の低下、浸漬処理時間の短縮を可能にする。
【0015】アルカリ性溶液としては、カルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウム
イオンなどを含み、pHが7〜12付近に調整でき、なおか
つ人体に無害なものであればいずれでもよい。具体的に
は、炭酸カリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、水酸化カ
リウム溶液、水酸化カルシウム溶液、水酸化マグネシウ
ム溶液、炭酸水素ナトリウム溶液、かんすいなどを使用
できる。アルカリ性溶液への浸漬により、クロロフィル
を安定化し、褪色を防止することができる。アルカリ性
溶液へ浸漬する時間及び温度は特に限定されないが、高
温によるクロロフィルの分解、ポリフェノール物質の酸
化を抑制するために、溶液の温度は40℃〜80℃とするの
が好ましく、40℃〜60℃とするのが更に好ましく、浸漬
の時間は1〜240 分とするのが好ましく、30〜240 分と
するのが更に好ましい。このような条件での浸漬によ
り、前記したクロロフィルの安定化とともに、野菜類に
含まれるペクチンエステラーゼを活性化し、アルカリ性
溶液による組織の軟化を抑制する。前記の条件よりも低
い温度、もしくは短い時間ではペクチンエステラーゼの
活性が弱く、組織の軟化抑制は不十分である。また、前
記の条件よりも高い温度、もしくは長い時間であると、
クロロフィルの分解、ポリフェノール物質の酸化による
褪色が起こるとともに、ペクチンエステラーゼは失活し
てしまい、組織の軟化は抑制されない。
【0016】多価陽イオンを含む溶液は、カルシウムイ
オン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンなどを
含み人体に無害なものであればどのようなものでもよ
い。具体的には、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウ
ム、クエン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、塩
化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化
マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硫酸アルミニウ
ムカリウムなどを含む溶液を例示することができる。こ
れらの溶液の中でも溶解性、呈味性の点から乳酸カルシ
ウム溶液が最も好ましい。多価陽イオンを含む溶液への
浸漬により、多価陽イオンとペクチン質との結合によ
り、組織が強固なものとなる。多価陽イオンの濃度は、
使用する多価陽イオンの種類に応じて決めればよい。例
えば、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンでは、
1〜500 mMとするのが好ましく、5 〜100mM とするのが
更に好ましい。また、アルミニウムイオンでは、1〜20
0 mMとするのが好ましく、1〜50mMとするのが更に好ま
しい。これらの条件より低い濃度では、多価陽イオンと
ペクチン質との結合が不十分で、組織が強固なものにな
らず、好ましい食感にならない。また、これより高い濃
度では過度に組織が硬くなり好ましい食感、食味ではな
くなる。多価陽イオンを含む溶液へ浸漬する時間は特に
限定されないが、浸漬の時間は1〜240 分とするのが好
ましく、30〜240分とするのが更に好ましい。このよう
な条件での浸漬により、野菜類に含まれるペクチンエス
テラーゼを活性化し、野菜類の組織をより強固なものに
することできる。
【0017】温度処理は、高温によるクロロフィルの分
解、ポリフェノール物質の酸化を抑制するために、温度
は40℃〜80℃とするのが好ましく、40℃〜60℃とするの
が更に好ましい。処理時間は1〜240 分とするのが好ま
しく、30〜240 分とするのが更に好ましい。温度処理の
ための手段としては、浸漬、温風、蒸煮などが挙げられ
るが、これらに限定されるわけではない。
【0018】
【実施例】〔実施例1〕新鮮なピーマンを半割し、種を
取り除き、これを−20℃で1晩凍結した後、室温(20
℃)で1時間放置し、自然解凍した。次に、ピーマンの
裏側から剣山(ピンとピンの幅4mm、ピンの直径1mm)
を押し当て、ピーマンの表側に僅かに突き抜ける程度ま
で刺し込んだ。この処理によりピーマン全体にまんべん
なく微小な傷をつけた後、適当なサイズに整形した。
【0019】整形処理を行ったピーマン500gを50℃の1
%重曹溶液1500g に45分間浸漬し、液切り後、更に50℃
の10mM乳酸カルシウム溶液1500g に45分間浸漬した。ピ
ーマンを冷水中で冷却後、水から取り上げ、液切りし
た。このピーマンを材料として、市販の酢豚の素(「今
夜は酢豚を作ろう」、(株)ニチレイ製)を使用して酢
豚を作った。酢豚の調理は、記載してある調理方法に準
じて行った。まず、凍ったままの豚肉とタレを袋ごと電
子レンジに入れ解凍し、次に、整形した玉葱1個、ピー
マン2個分をフライパンで火が通るまで炒め、これに解
凍した豚肉とタレを加えて軽くからめ、全体があたたま
るまで加熱し、酢豚を作った。
【0020】加熱から5時間10℃で放置した後、酢豚中
のピーマンの官能評価を行い、その結果を表1に示し
た。官能評価は、7点─大変良好、6点─良好、5点─
やや良好、4点─普通、3点─やや劣る、2点─劣る、
1点─大変劣る、の7段階で行った。また、対照とし
て、凍結処理だけを行ったもの、剣山処理だけ行ったも
の、どちらも行わなかったものについて同様に処理し、
この結果も表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】〔実施例2〕実施例1と同様にして酢豚中
のピーマンの色及び食感の官能評価を行った。対照とし
て、重曹溶液への浸漬だけ行ったもの、乳酸カルシウム
溶液への浸漬だけ行ったもの、どちらも行わなかったも
のについて同様に処理し、その結果を表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】〔実施例3〕実施例1と同様にして酢豚中
のピーマンの色及び食感の官能評価を行った。ただし、
50℃の10mM乳酸カルシウム溶液に45分間浸漬するところ
を4℃の10mM乳酸カルシウム溶液に90分間浸漬した。対
照として、重曹溶液に浸漬だけ行ったもの、乳酸カルシ
ウム溶液に浸漬だけ行ったもの、どちも行わなかったも
のについて同様に処理し、その結果を表3に示した。
【0025】
【表3】
【0026】〔実施例4〕実施例1と同様にして酢豚中
のピーマンの色及び食感の官能評価を行った。ただし、
50℃の1%重曹溶液1500g に45分間浸漬するところを4
℃の1%重曹溶液1500g に4時間浸漬した。対照とし
て、重曹溶液に浸漬だけ行ったもの、乳酸カルシウム溶
液に浸漬だけ行ったもの、どちも行わなかったものにつ
いて同様に処理し、その結果を表4に示した。
【0027】
【表4】
【0028】〔実施例5〕実施例1と同様にして酢豚中
のピーマンの色及び食感の官能評価を行った。ただし、
50℃の1%重曹溶液1500g に45分間浸漬するところを4
℃の1%重曹溶液1500g に4時間浸漬を行い、50℃の10
mM乳酸カルシウム溶液に45分間浸漬するところを4℃の
10mM乳酸カルシウム溶液に90分間浸漬した。対照とし
て、重曹溶液に浸漬だけ行ったもの、乳酸カルシウム溶
液に浸漬だけ行ったもの、どちも行わなかったものにつ
いて同様に処理し、結果を表5に示した。
【0029】
【表5】
【0030】〔実施例6〕実施例2と同様の処理を処理
A、実施例3と同様の処理を処理B、実施例4と同様の
処理を処理C、実施例5と同様の処理を処理Dとした。
また、処理Aにおける「10mM乳酸カルシウム、50℃、45
分間浸漬」を「湯、50℃、45分間浸漬」とした処理を処
理E、処理Aにおける「10mM乳酸カルシウム」を「10mM
塩化マグネシウム」とした処理を処理F、処理Aにおけ
る「10mM乳酸カルシウム」を「10mM硫酸アルミニウムカ
リウム」とした処理を処理Gとした。
【0031】更に、新鮮なピーマンを半割し、種を取り
除いた後、整形する処理を処理1とし、整形後、沸騰水
で1分間ブランチングを行い、冷水中で冷却後、水から
取り上げ、液切りする処理を処理2とし、整形後、沸騰
した1%重曹溶液中で1分間ブランチングを行い、冷水
中で急冷後、水から取り上げ、液切りする処理を処理3
とし、整形後、沸騰した1%重曹溶液中で1分間ブラン
チングを行い、冷水中で急冷後、水から取り上げ、液切
りし、次いで、50℃の10mM乳酸カルシウム溶液に45分間
浸漬を行い、冷水中で冷却後、水から取り上げ、液切り
する処理を処理4とし、整形後、50℃の10mM乳酸カルシ
ウム溶液に45分間浸漬を行い、液切りし、次いで、沸騰
した1%重曹溶液中で1分間ブランチングを行い、冷水
中で急冷後、水から取り上げ、液切りする処理を処理5
とし、整形後、50℃の1%重曹、10mM乳酸カルシウム溶
液中で45分間浸漬を行い、冷水中で急冷後、水から取り
上げ、液切りする処理を処理6とした。以上の処理が行
われたピーマンを実施例1と同様の方法で調理し、官能
評価を行い、その結果を表6に示した。
【0032】
【表6】
【0033】処理1〜処理3の結果が示すように、ブラ
ンチングを行うことにより、褪色を防止できるが、組織
の軟化が起こり、食感が劣化してしまう。組織の軟化は
ブランチング後に乳酸カルシウム溶液に浸漬することに
よりある程度抑制できるが、このような処理は同時に褪
色防止効果も減退させてしまう(処理4)。また、処理
5及び処理6の結果が示すように、乳酸カルシウム溶液
への浸漬をブランチング前、あるいはブランチングと同
時に行うと、褪色及び組織軟化防止効果ともに減退して
しまう。
【0034】
【発明の効果】本発明により、調理した後、軟化や変色
がなく、食感、色の優れた調理食品の材料となる緑色野
菜を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−237957(JP,A) 特開 昭61−47141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/212

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑色野菜に、凍結・解凍処理、剣山状器
    具による処理又は超音波による処理を施した後、それを
    炭酸カリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、水酸化カリウ
    ム溶液、水酸化カルシウム溶液、水酸化マグネシウム溶
    液、炭酸水素ナトリウム溶液及びかんすいからなる群よ
    り選択されるアルカリ性溶液に浸漬し、次いで、乳酸カ
    ルシウム溶液、グルコン酸カルシウム溶液、クエン酸カ
    ルシウム溶液、パントテン酸カルシウム溶液、塩化カル
    シウム溶液、酢酸カルシウム溶液、炭酸カルシウム溶
    液、塩化マグネシウム溶液、硫酸マグネシウム溶液及び
    硫酸アルミニウムカリウム溶液からなる群より選択され
    多価陽イオンを含む溶液への浸漬及び/又は40〜80℃
    の温度処理を行うことを特徴とする緑色野菜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アルカリ性溶液の温度が、40〜80℃であ
    ることを特徴とする請求項1記載の緑色野菜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 アルカリ性溶液及び/又は多価陽イオン
    を含む溶液への浸漬時間が1〜240分であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の緑色野菜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    方法によって製造された緑色野菜。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の緑色野菜を含む調理食
    品。
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