JP2539653B2 - 加熱殺菌処理を施す食品の原料として使用する魚介類及び肉類の製造法 - Google Patents
加熱殺菌処理を施す食品の原料として使用する魚介類及び肉類の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、レトルト食品等の加熱殺菌処理を施す食品
の原料として使用する魚介類及び肉類の製造法並びに上
記の製造法により得られた魚介類及び肉類を使用した加
熱殺菌済食品の製造法に関する。
の原料として使用する魚介類及び肉類の製造法並びに上
記の製造法により得られた魚介類及び肉類を使用した加
熱殺菌済食品の製造法に関する。
(従来の技術) レトルト食品等加熱殺菌処理を施す食品の原料として
魚介類及び肉類を使用する場合には、食品を一定期間保
存後喫食する際に、魚介類及び肉類の食感が硬く乾燥し
たものとなり或いはこれらが変色することがある。例え
ばレトルト米飯の原料としてえび等を使用する場合は、
殺菌処理に先立って除菌の目的でボイルされたえびを米
飯に混ぜ、これをレトルト殺菌処理してレトルト米飯を
製造する。上記のレトルト米飯では、喫食時にえびが非
常に硬く、乾燥してボソボソとした食感となり、また保
存中にえびが本来の淡い赤黄色を失して黄褐色に変色す
る。上記の現象は、ボイル処理及びレトルト殺菌処理の
際にえびが脱水され、また保存時にえびの水分が米飯に
移行して更に脱水が進むため、或いは保存中に油脂等が
何らかの化学変化に関係することによって起こるものと
考えられる。
魚介類及び肉類を使用する場合には、食品を一定期間保
存後喫食する際に、魚介類及び肉類の食感が硬く乾燥し
たものとなり或いはこれらが変色することがある。例え
ばレトルト米飯の原料としてえび等を使用する場合は、
殺菌処理に先立って除菌の目的でボイルされたえびを米
飯に混ぜ、これをレトルト殺菌処理してレトルト米飯を
製造する。上記のレトルト米飯では、喫食時にえびが非
常に硬く、乾燥してボソボソとした食感となり、また保
存中にえびが本来の淡い赤黄色を失して黄褐色に変色す
る。上記の現象は、ボイル処理及びレトルト殺菌処理の
際にえびが脱水され、また保存時にえびの水分が米飯に
移行して更に脱水が進むため、或いは保存中に油脂等が
何らかの化学変化に関係することによって起こるものと
考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、保存後の喫食時に食感が硬化せず本来のウ
ェット感のある食感を有し、同時に変色の起こらない、
レトルト殺菌等の加熱殺菌処理を施す食品の原料として
使用する魚介類及び肉類の製造法、並びに上記の製造法
により得られた魚介類及び肉類を使用した加熱殺菌済食
品の製造法の提供を目的とする。
ェット感のある食感を有し、同時に変色の起こらない、
レトルト殺菌等の加熱殺菌処理を施す食品の原料として
使用する魚介類及び肉類の製造法、並びに上記の製造法
により得られた魚介類及び肉類を使用した加熱殺菌済食
品の製造法の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは上記の目的を達成すべく研究を進める過
程で、食品の保水性を有するリン酸塩及び食塩に注目
し、これらを特定の方法、条件で使用させることによっ
て求める魚介類及び肉類が得られることを見出した。
程で、食品の保水性を有するリン酸塩及び食塩に注目
し、これらを特定の方法、条件で使用させることによっ
て求める魚介類及び肉類が得られることを見出した。
上記知見に基づいて成された本発明の要旨は、未加熱
の魚介類及び肉類をリン酸塩及び食塩を含む水溶液中に
浸漬し、その後食塩を含む水溶液中で加圧加熱処理する
ことを特徴とする加熱殺菌処理を施す食品の原料として
使用する魚介類及び肉類の製造法及び上記の製造法によ
り製造された魚介類及び肉類を使用した加熱殺菌済食品
の製造法である。
の魚介類及び肉類をリン酸塩及び食塩を含む水溶液中に
浸漬し、その後食塩を含む水溶液中で加圧加熱処理する
ことを特徴とする加熱殺菌処理を施す食品の原料として
使用する魚介類及び肉類の製造法及び上記の製造法によ
り製造された魚介類及び肉類を使用した加熱殺菌済食品
の製造法である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の対象である魚介類としてはえび、かに、い
か、たこ、各種魚類等が、また肉類としては牛肉、豚
肉、鶏肉等が各々列挙される。本発明は魚介類、中でも
えびに対して特に有効である。上記の原料としては生の
もの等未加熱のものを使用する必要があり、加熱済みの
ものでは下記する本発明の処理を施してもリン酸塩及び
食塩が充分に作用せず、求める食感の硬化防止及び変色
防止効果を得難い。
か、たこ、各種魚類等が、また肉類としては牛肉、豚
肉、鶏肉等が各々列挙される。本発明は魚介類、中でも
えびに対して特に有効である。上記の原料としては生の
もの等未加熱のものを使用する必要があり、加熱済みの
ものでは下記する本発明の処理を施してもリン酸塩及び
食塩が充分に作用せず、求める食感の硬化防止及び変色
防止効果を得難い。
本発明では上記の魚介類及び肉類をリン酸塩及び食塩
を含む水溶液中に浸漬し、その後食塩を含む水溶液中で
加圧加熱処理する。
を含む水溶液中に浸漬し、その後食塩を含む水溶液中で
加圧加熱処理する。
上記の浸漬処理は、原料をリン酸塩0.1〜3.0重量%
(好ましくは0.5〜1.5重量%)及び食塩1〜27重量%
(好ましくは5〜15重量%)を含む水溶液に5〜960分
間(好ましくは120〜180分間)浸漬して行うのがよい。
水溶液中のリン酸塩、食塩の含量及び該水溶液での浸漬
時間が上記の条件を下回る場合は、続いて後記の加圧加
熱処理を施しても魚介類及び肉類の保存中の食感硬化及
び変色防止効果が顕著でなく、一方これらが上記の条件
を上回る場合は原料の食味へ悪影響を与える傾向があ
る。かくして上記の条件によって、後記の加圧加熱処理
と相俟って原料の保水効果を得、保存中の食感硬化及び
変色を良好に防止し得る。
(好ましくは0.5〜1.5重量%)及び食塩1〜27重量%
(好ましくは5〜15重量%)を含む水溶液に5〜960分
間(好ましくは120〜180分間)浸漬して行うのがよい。
水溶液中のリン酸塩、食塩の含量及び該水溶液での浸漬
時間が上記の条件を下回る場合は、続いて後記の加圧加
熱処理を施しても魚介類及び肉類の保存中の食感硬化及
び変色防止効果が顕著でなく、一方これらが上記の条件
を上回る場合は原料の食味へ悪影響を与える傾向があ
る。かくして上記の条件によって、後記の加圧加熱処理
と相俟って原料の保水効果を得、保存中の食感硬化及び
変色を良好に防止し得る。
尚、上記の水溶液のpHは6〜10であるのが好ましく、pH
が6より低い場合は原料が酸により蛋白変性を起こして
原料の食感及び食味へ悪影響を及ぼし、pHが10より高い
場合は原料の食味に悪影響を及ぼしやすい。浸漬時の水
溶液の量は、原料が漬かるだけの量があれば限定され
ず、通常原料1重量部に対して2〜10重量部使用するこ
とができる。
が6より低い場合は原料が酸により蛋白変性を起こして
原料の食感及び食味へ悪影響を及ぼし、pHが10より高い
場合は原料の食味に悪影響を及ぼしやすい。浸漬時の水
溶液の量は、原料が漬かるだけの量があれば限定され
ず、通常原料1重量部に対して2〜10重量部使用するこ
とができる。
上記の水溶液中に使用するリン酸塩としては、ピロリ
ン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩等の縮合リン酸塩
及びオルトリン酸塩等が例示されるが、縮合リン酸塩の
使用が特に好ましい。
ン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩等の縮合リン酸塩
及びオルトリン酸塩等が例示されるが、縮合リン酸塩の
使用が特に好ましい。
次に浸漬処理後の原料を必要に応じて浸漬水溶液から
取出し、水切り或いは水洗い後水切り等したものを食塩
を含む水溶液中で加圧加熱処理する。上記の加圧加熱処
理は、原料を食塩1〜27重量%(好ましくは1〜10重量
%)を含む水溶液中で圧力0.5〜3kg/cm2(ゲージ圧、以
下単にkg/cm2と記す)、温度100〜135℃で3〜30分間行
うのがよい。食塩の添加量及び加圧加熱の条件が上記の
条件を下回る場合は、先の浸漬処理を施しても原料の保
存中の食感硬化及び変色防止効果が充分でなく、一方こ
れらが上記の条件を上回る場合は原料の食味に悪影響を
及ぼし、また加圧加熱処理後又は更に後の工程の加熱殺
菌処理後の原料の歩留(加圧加熱処理後の原料の重量/
未加熱の原料の重量又は殺菌後の原料の重量/未加熱の
原料の重量)が低下する傾向がある。かくして上記の条
件による加圧加熱処理を施すことによって、前記の浸漬
処理に加えて更に原料の保水効果を向上し、保存中の食
感硬化及び変色防止効果を向上し得る。また加圧加熱処
理後又は加熱殺菌処理後の原料の歩留を高めることがで
きる。
取出し、水切り或いは水洗い後水切り等したものを食塩
を含む水溶液中で加圧加熱処理する。上記の加圧加熱処
理は、原料を食塩1〜27重量%(好ましくは1〜10重量
%)を含む水溶液中で圧力0.5〜3kg/cm2(ゲージ圧、以
下単にkg/cm2と記す)、温度100〜135℃で3〜30分間行
うのがよい。食塩の添加量及び加圧加熱の条件が上記の
条件を下回る場合は、先の浸漬処理を施しても原料の保
存中の食感硬化及び変色防止効果が充分でなく、一方こ
れらが上記の条件を上回る場合は原料の食味に悪影響を
及ぼし、また加圧加熱処理後又は更に後の工程の加熱殺
菌処理後の原料の歩留(加圧加熱処理後の原料の重量/
未加熱の原料の重量又は殺菌後の原料の重量/未加熱の
原料の重量)が低下する傾向がある。かくして上記の条
件による加圧加熱処理を施すことによって、前記の浸漬
処理に加えて更に原料の保水効果を向上し、保存中の食
感硬化及び変色防止効果を向上し得る。また加圧加熱処
理後又は加熱殺菌処理後の原料の歩留を高めることがで
きる。
加圧加熱処理の方法は特に限定されず、バッチ式の加
圧加熱装置(レトルト等)等を使用して行えばよい。
圧加熱装置(レトルト等)等を使用して行えばよい。
以上説明した本発明の製造法における浸漬水溶液或い
は加圧加熱用の水溶液には、前記の条件を逸脱しない限
りにおいて各種調味料、香料、安定剤等を添加し、溶液
中での処理により調味等が達成されるようにしてもよ
い。尚、加圧加熱用の水溶液にはリン酸塩が含まれても
よく、この場合にも保存中の原料の食感硬化及び変色防
止効果を良好に達成することができ、従って浸漬水溶液
をそのまま加圧加熱用の水溶液として用いることもでき
る。この場合は処理工程が簡単化される利点がある。但
し、加圧加熱用の水溶液を食塩のみを含むものとする場
合は、リン酸塩を含む場合に比して加圧加熱処理後又は
加熱殺菌処理後の原料の歩留及び原料本来の食味を保持
する効果が更に向上するので好ましい。
は加圧加熱用の水溶液には、前記の条件を逸脱しない限
りにおいて各種調味料、香料、安定剤等を添加し、溶液
中での処理により調味等が達成されるようにしてもよ
い。尚、加圧加熱用の水溶液にはリン酸塩が含まれても
よく、この場合にも保存中の原料の食感硬化及び変色防
止効果を良好に達成することができ、従って浸漬水溶液
をそのまま加圧加熱用の水溶液として用いることもでき
る。この場合は処理工程が簡単化される利点がある。但
し、加圧加熱用の水溶液を食塩のみを含むものとする場
合は、リン酸塩を含む場合に比して加圧加熱処理後又は
加熱殺菌処理後の原料の歩留及び原料本来の食味を保持
する効果が更に向上するので好ましい。
前記のように水溶液に浸漬後食塩を含む溶液中で加圧
加熱された魚介類及び肉類は、水切り、調味等の適当な
処理を施すか若しくは施さずにレトルト食品、湯殺菌食
品等の加熱殺菌処理を施す食品の原料として使用するこ
とができる。
加熱された魚介類及び肉類は、水切り、調味等の適当な
処理を施すか若しくは施さずにレトルト食品、湯殺菌食
品等の加熱殺菌処理を施す食品の原料として使用するこ
とができる。
具体的には、本発明により製造された魚介類及び肉類
を(1)そのまま或いは各種食品と混合したものを容器
に充填密閉して殺菌処理する、(2)連続無菌処理シス
テムで処理するスープ、飲料等の具材として使用する等
により加熱殺菌済食品を製造することができる。
を(1)そのまま或いは各種食品と混合したものを容器
に充填密閉して殺菌処理する、(2)連続無菌処理シス
テムで処理するスープ、飲料等の具材として使用する等
により加熱殺菌済食品を製造することができる。
尚本発明により製造された魚介類及び肉類は、保存時
の食感硬化現象が著しいレトルト食品(通常圧力1〜2k
g/cm2、温度100〜130℃で30〜60分間殺菌処理される食
品)の原料として使用する場合に特に有効である。また
米飯、麺類、ベーカリー製品、ケーキ等保存時に吸水作
用のある食品の具材として特に好適に使用される。
の食感硬化現象が著しいレトルト食品(通常圧力1〜2k
g/cm2、温度100〜130℃で30〜60分間殺菌処理される食
品)の原料として使用する場合に特に有効である。また
米飯、麺類、ベーカリー製品、ケーキ等保存時に吸水作
用のある食品の具材として特に好適に使用される。
[実施例1] 冷凍むきえび100gを解凍し、水洗い・水切りし、これ
をポリリン酸塩1.0重量%及び食塩10重量%を含む水溶
液300g(pH8.56)に2時間浸漬処理した。
をポリリン酸塩1.0重量%及び食塩10重量%を含む水溶
液300g(pH8.56)に2時間浸漬処理した。
次に上記浸漬水溶液から取出して水切りしたえびを、
加圧釜により食塩3重量%を含む水溶液300g中で圧力1.
5kg/cm2、温度121℃で10分間加圧加熱処理した。処理後
水溶液からえびを取出して水切りし、求める原料である
えびを得た。
加圧釜により食塩3重量%を含む水溶液300g中で圧力1.
5kg/cm2、温度121℃で10分間加圧加熱処理した。処理後
水溶液からえびを取出して水切りし、求める原料である
えびを得た。
上記のようにして得られたえびを調理した米飯(ピラ
フ)3kgと混合し、耐熱性合成樹脂製のパウチに200gず
つを充填密閉して容器入りピラフを製造した。これをレ
トルトで圧力1.5kg/cm2、温度121℃で10分間レトルト加
熱殺菌処理した。
フ)3kgと混合し、耐熱性合成樹脂製のパウチに200gず
つを充填密閉して容器入りピラフを製造した。これをレ
トルトで圧力1.5kg/cm2、温度121℃で10分間レトルト加
熱殺菌処理した。
上記の容器入りピラフを180日間常温にて保存後ヒラ
フを食したところ、ピラフに含まれるえびはやわらか
く、適度なウェット感を有し、本来のえびらしい食感の
ものであった。またえびは黄褐色に変色しておらず、自
然感のある淡い赤黄色をしていた。
フを食したところ、ピラフに含まれるえびはやわらか
く、適度なウェット感を有し、本来のえびらしい食感の
ものであった。またえびは黄褐色に変色しておらず、自
然感のある淡い赤黄色をしていた。
[比較例1] 実施例1における浸漬後の食塩を含む水溶液中での加
圧加熱処理に代えて、121℃の水蒸気で10分間蒸煮する
こと以外は実施例1と全く同様にして原料であるえびを
得た。
圧加熱処理に代えて、121℃の水蒸気で10分間蒸煮する
こと以外は実施例1と全く同様にして原料であるえびを
得た。
以下このえびを使用して実施例1と全く同様にして容
器入りピラフを得、同様に保存後これを食した。
器入りピラフを得、同様に保存後これを食した。
[比較例2] 冷凍むきえび100gを解凍し、水洗い・水切りし、これ
を加圧釜により実施例1の浸漬水溶液と同じポリリン酸
塩1.0重量%及び食塩10重量%を含む水溶液300g(pH8.5
6)中で圧力1.5kg/cm2、温度121℃で10分間加圧加熱処
理した。処理後水溶液からえびを取出して水切りし、求
める原料であるえびを得た。
を加圧釜により実施例1の浸漬水溶液と同じポリリン酸
塩1.0重量%及び食塩10重量%を含む水溶液300g(pH8.5
6)中で圧力1.5kg/cm2、温度121℃で10分間加圧加熱処
理した。処理後水溶液からえびを取出して水切りし、求
める原料であるえびを得た。
以下このえびを使用して実施例1と全く同様にして容
器入りピラフを得、同様に保存後これを食した。
器入りピラフを得、同様に保存後これを食した。
次頁の表1は、各々実施例1及び比較例1、2により
製造したえびの性能(水分、歩留)、並びに各々により
製造したえびを使用して実施例1と全く同様にして製造
及び保存した後の容器入りピラフに含まれるえびの性能
(食感、色調)を示す。
製造したえびの性能(水分、歩留)、並びに各々により
製造したえびを使用して実施例1と全く同様にして製造
及び保存した後の容器入りピラフに含まれるえびの性能
(食感、色調)を示す。
表1から明らかなように、実施例1で本発明によりリ
ン酸塩及び食塩を含む水溶液での浸漬処理及び食塩を含
む水溶液中での加圧加熱処理を施して得られたえびは、
加圧加熱処理後も充分な水分を保持し、かつレトルト殺
菌後の歩留も高い。更に180日間保存後にも本来の柔か
い食感及び色調を有し、極めて品質の優れたものであ
る。
ン酸塩及び食塩を含む水溶液での浸漬処理及び食塩を含
む水溶液中での加圧加熱処理を施して得られたえびは、
加圧加熱処理後も充分な水分を保持し、かつレトルト殺
菌後の歩留も高い。更に180日間保存後にも本来の柔か
い食感及び色調を有し、極めて品質の優れたものであ
る。
これに反し、実施例1における食塩を含む水溶液中で
の加圧加熱処理を施さず、これに代えて水蒸気による蒸
煮処理を施した比較例1、並びにリン酸塩及び食塩を含
む水溶液での浸漬処理を施さず、上記水溶液中でいきな
り加圧加熱処理を施した比較例2により得られたえびで
は、加圧加熱処理後の水分及びレトルト殺菌後の歩留が
ともに低くなっている。また180日間保存後のえびの食
感は硬く、色調も黄褐色に変化している。
の加圧加熱処理を施さず、これに代えて水蒸気による蒸
煮処理を施した比較例1、並びにリン酸塩及び食塩を含
む水溶液での浸漬処理を施さず、上記水溶液中でいきな
り加圧加熱処理を施した比較例2により得られたえびで
は、加圧加熱処理後の水分及びレトルト殺菌後の歩留が
ともに低くなっている。また180日間保存後のえびの食
感は硬く、色調も黄褐色に変化している。
(発明の効果) 以上の如く、本発明によって製造された魚介類及び肉
類によれば保存後の喫食時に食感が硬化せず本来のウェ
ット感のある柔かい食感を有し、同時に変色が起こらな
いため、レトルト殺菌等の加熱殺菌処理を施す食品の原
料として好適に使用することができ、これを使用した加
熱殺菌済食品は極めて品質の優れたものとなる。
類によれば保存後の喫食時に食感が硬化せず本来のウェ
ット感のある柔かい食感を有し、同時に変色が起こらな
いため、レトルト殺菌等の加熱殺菌処理を施す食品の原
料として好適に使用することができ、これを使用した加
熱殺菌済食品は極めて品質の優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 ゆかり 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品工業株式会社内 審査官 植野 浩志
Claims (10)
- 【請求項1】未加熱の魚介類及び肉類をリン酸塩及び食
塩を含む水溶液中に浸漬し、その後食塩を含む水溶液中
で加圧加熱処理することを特徴とする、加熱殺菌処理を
施す食品の原料として使用する魚介類及び肉類の製造
法。 - 【請求項2】魚介類及び肉類を浸漬するための水溶液が
リン酸塩0.1〜3.0重量%及び食塩1〜27重量%を含むも
のである請求項(1)記載の製造法。 - 【請求項3】浸漬時間が5〜960分である請求項(2)
記載の製造法。 - 【請求項4】魚介類及び肉類を浸漬するための水溶液の
pHが6〜10である請求項(1)〜(3)の何れか1項に
記載の製造法。 - 【請求項5】魚介類及び肉類を加圧加熱処理するための
水溶液が食塩1〜27重量%を含むものである請求項
(1)〜(4)の何れか1項に記載の製造法。 - 【請求項6】加圧加熱処理が圧力0.5〜3kg/cm2、温度10
0〜135℃で3〜30分間行なわれる請求項(1)〜(5)
の何れか1項に記載の製造法。 - 【請求項7】未加熱の魚介類及び肉類をリン酸塩及び食
塩を含む水溶液中に浸漬し、その後食塩を含む水溶液中
で加圧加熱処理して得られた原料又はこれを含む食品を
加熱殺菌処理することを特徴とする加熱殺菌済食品の製
造法。 - 【請求項8】魚介類がえび、かに、いか、たこ、魚類で
ある請求項(1)又は(7)記載の製造法。 - 【請求項9】魚介類がえびである請求項(1)又は
(7)記載の製造法。 - 【請求項10】加熱殺菌処理がレトルト加熱殺菌処理で
ある請求項(1)又は(7)記載の製造法。
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JPH01181767A JPH01181767A (ja) | 1989-07-19 |
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Cited By (1)
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1988
- 1988-01-12 JP JP63005354A patent/JP2539653B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
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JPH01181767A (ja) | 1989-07-19 |
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