JP2839455B2 - 冷凍野菜の製造方法 - Google Patents

冷凍野菜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、解凍、調理した後、軟
化や煮崩れがなく、食感の優れた調理食品となる丸のま
まあるいはットした大きさの野菜類の冷凍品の製造方
法に関する。本発明の冷凍野菜は、肉ジャガなどの惣菜
用に用いる二次加工用、おでん種などの長時間加熱用、
レトルト加熱加工用に使用される。
【0002】
【従来の技術】冷凍した野菜素材の多く、特にジャガイ
モ、ニンジンなどは、調理の際に組織が軟化してしまい
冷凍前の食感を保持することができない。また、そのた
めに解凍調理加熱時に茹で溶けや煮崩れを生じその商品
価値を著しく落とすことになる。たとえば冷凍処理しな
いジャガイモであればホクホクとした食感であったもの
が、冷凍解凍後はボソボソとした食感となり容易に煮崩
れてしまう。また、料理店やコンビニエンスストアでの
店頭で提供されるおでんなどに入れられる野菜類は、長
時間煮込むのが普通のことであり、冷凍品はもとより、
下ごしらえに手間のかかる生鮮物から調理したものでも
煮崩れ易いために十分な品質のものを提供できない。そ
のために、ある種の冷凍野菜は製造されていなかった
り、製造されていても、大きさや用途が限定されていた
り、品質面で問題のあるものが多かった。
【0003】冷凍解凍後の食感の低下を防止する方法と
しては、一般に使用されている急速に凍結する方法、有
機酸塩水溶液を用いて表面処理し冷凍処理する方法(特
開平3−32337号)などがある。しかし、このよう
な方法を用いた場合、1cm角程度に小さくカットした
ものでは効果がみられるが、丸のままのジャガイモや大
きくカットした人参などの「大切り野菜」は、急速凍結
や表面処理の効果が表面組織にとどまり、内部は緩慢凍
結となり内部組織が変性してしまい解凍時の食感が低下
してしまう。また、組織が軟化してしまい解凍時の加熱
によって煮崩れ、茹で溶けが生じ商品価値が著しく低下
してしまう。
【0004】上記問題は、凍結解凍時の物理的変化に対
応できるように野菜組織を強化することで解決できると
考えられる。野菜組織を強くする方法に関しては、植物
体の骨格形成成分としてのペクチン物質とカルシウム塩
との結合により細胞壁を強固にすること(Food R
esearch 6,449,1941)、カルシウム
の添加が冷凍による軟化に対しても効果が期待されるこ
と(日本食品工業学会誌25,213,1978)が報
告されている。また、その作用が植物体の持つペクチン
エステラーゼを活性化しペクチン質の脱メチル化を促
し、遊離したカルボキシル基が共存する組織内のカルシ
ウムを含む2価カチオンと結合して硬化するためによる
ことも(Food Technology,15,16
0,1961)報告されている。また、外部からカルシ
ウムを添加することをせずとも、60℃から70℃の温
度で最大で2時間加熱することで、組織が硬化すること
も(J.AGR.FOOD CHEM.,20,2,2
66,1972)報告されている。
【0005】これらの組織を強化する技術を利用した特
許出願としては水、希酸性水、糖液のいずれかで少なく
とも表面品温を45〜75℃、10〜180分予備加熱
することを特徴とする野菜、果実の軟化防止方法(特開
昭54−107542号)、野菜類をカルシウム水溶液
中に低温下で浸漬した後、その状態のまま該水溶液の温
度を40〜70℃の範囲に上昇させ一定時間保持するこ
とを特徴とする野菜類の軟化防止法(特開昭60−23
7957号)、野菜を煮るに先立ち、該野菜類をカルシ
ウム塩水溶液に投入して減圧処理することを特徴とする
野菜の煮崩れ防止方法(特開平3−285651号)が
ある。
【0006】しかし、これらの特許出願は冷凍野菜に関
する技術に関するものではない。これらの技術を冷凍野
菜の製造に応用したとしても、カット後の野菜は組織中
の酵素等により褐変が生じやすく、何等処理を施さずに
長時間野菜の組織強化処理を行うと、処理中に野菜表面
に褐変を生じ、特に芽や皮がわずかでものこっていたり
すると、その部分に特に強い褐変が生じてしまう。ま
た、組織の中心部まで強化処理を行うと解凍時に内部の
硬さに比べ表面部分が過度に硬くなってしまうなどの問
題が生じてしまう。特に丸のままの野菜や大きくカット
した野菜の場合にはこれらの問題が顕著に現れ、前述の
技術だけでは解凍後にも褐変を生じず、良い食感を保持
し、解凍時の調理において煮崩れが起きず軟化しない冷
凍野菜を製造することは不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、解凍、調理
した後、軟化や煮崩れがなく、食感の優れた調理食品と
なる丸のままあるいは大きくカットした大きさの野菜類
の冷凍品を製造することを目的とする。本発明は、肉ジ
ャガなどの惣菜用に用いる二次加工用冷凍野菜、おでん
種などの長時間加熱用の冷凍野菜、レトルト加熱などの
過酷な加熱条件でも煮崩れや軟化のないレトルト加熱加
工用冷凍野菜の製造を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、丸のままある
いはットした大きさの野菜類を、その組織の強化処理
を施こした後、冷凍処理することを特徴とする冷凍野菜
の製造方法である。
【0009】上記組織の強化処理は、野菜類を90℃以
上の高温で処理する第一工程およびカルシウムを含む水
溶液中で加熱処理する第二工程を必須とし、必要により
再度加熱処理する第三工程を付加する工程で行われる。
すなわち、本発明は丸のままあるいはットした大きさ
の野菜類を冷凍処理するに際し、野菜類を90℃以上の
高温で処理する第一工程およびカルシウムを含む水溶液
中で加熱処理する第二工程、必要により再度加熱処理す
る第三工程よりなる組織の強化処理を施すことを特徴と
する冷凍野菜の製造方法である。
【0010】本発明の対象とする野菜類は、惣菜、おで
ん種などの加熱加工食品およびレトルト加熱加工食品に
用いる野菜であれば何でもよい。ジャガイモ、人参、ご
ぼう、大根、サツマイモ、カボチャ、カリフラワー、ブ
ロッコリーが例示される。本発明において野菜類は丸の
ままあるいは大きくカットした大きさであることが好ま
しい。本発明は、丸のままや大きくカットして使用され
る野菜であって、解凍したときに生ずる食感の低下、軟
化、煮崩れなどの問題があるため、冷凍野菜の対象とな
り難かったジャガイモに特に適した方法である。
【0011】上記の野菜の種類、大きさ、以下に説明す
る野菜の組織の強化処理条件の組合せ等により多種、多
様な調理食品用の冷凍野菜を得ることが可能であり、そ
のため冷凍野菜の利用法も多岐にわたる。本発明の組織
の強化処理とは、野菜の組織を強化することができる条
件下で行われる処理である。すなわち、丸のままあるい
は大きくカットした大きさの野菜類から、解凍、調理し
た後、軟化や煮崩れがなく、食感の優れた調理食品とな
る冷凍品をつくることができる条件下で行われる処理で
ある。
【0012】さらに説明すると、最終の調理食品の種類
が肉ジャガなどの惣菜用に用いる二次加工用なのか、お
でん種などの長時間加熱用なのか、あるいはレトルト加
熱加工用なのかに応じて、野菜の種類、大きさ、加熱温
度、時間などの条件、第三工程を冷凍前に行うか等をど
う組み合わせるかで、野菜の組織の強化処理条件、すな
わち各工程の処理条件を調整し、解凍、調理した後の軟
化や煮崩れがなく、食感の優れた調理食品となる冷凍野
菜をつくることができる。
【0013】上記第一工程は、野菜類を湯中または蒸気
によって表面温度が90〜100℃になるように2〜5
分間処理する工程である。この処理によって野菜表面の
褐変を起こす酵素を失活させて野菜類の褐変を防止す
る。また、表面組織をある程度軟化させてカルシウムの
浸透性を高めることができるので、第二工程により野菜
の表面のみが硬くなるのを防止することができる。さら
にまた、高温にさらすことによって野菜中心部の温度上
昇を早めて続いて行う加熱処理時間を短縮することがで
きる。この第一工程の処理を行わないで第二工程以降の
処理を行っても目的とする品質の冷凍野菜は製造するこ
とができない。
【0014】表面温度の測定方法には、微小な熱電対を
表面部分に埋め込み測定する方法、表面温度計を表面に
貼付する方法、加熱装置より野菜を取り出し直ちに赤外
線を用いた放射温度計、サーモグラフ等で測定する方
法、温度により色の変化する色素を野菜に塗布し、色の
変化で測定する方法、野菜内部の温度を測定することで
表面温度を推定する方法等がある。また、表面温度は加
熱開始後、すばやく雰囲気温度まで上昇するので、雰囲
気温度で第一工程をコントロールすることも可能であ
る。
【0015】第一工程は通常のブランチング操作と類似
するが、ブランチングが加熱後直ちに冷却することを特
徴とするのに対し、第一工程が加熱状態を維持する必要
がある点で相違している。また、本処理は次の第二工程
の処理の予備加熱に相当し、通常のブランチング処理よ
りも熱の加え方が少ないという点で大きく異なってい
る。通常のブランチング処理のみで製造された「大切
り」冷凍野菜は、良い食感が伴わないとともに解凍とそ
の後の調理加熱の両方に時間がかかり、生の野菜を使用
した時と比べ加工時間に長時間を要してしまう。
【0016】処理条件のうち、表面温度は90℃未満
あると効果を得るのに十分でなく、褐変に関与する酵素
たとえばポリフェノールオキシダーゼなどを失活させる
に至らず褐変が生じてしまう。また、加熱時間は2分
であると褐変に影響する表面から数mm内側の部分に
すら熱が伝わらず組織に十分な変化がみられず褐変が生
じてしまう。また、5分以上加熱すると逆に内部まで熱
が伝わりすぎ褐変は防止できるものの組織が変化し過
ぎ、次の第二工程の組織強化を不可能にし、解凍後の加
熱で煮崩れを生じ食感が低下してまう。
【0017】本発明の第二工程は、第一工程の処理をし
た野菜を直ちに加温したカルシウム溶液中に移行し、中
心温度55℃〜75℃で10〜90分間保持することで
行う工程である。中心温度は、品温センターすなわち
(野菜の)最も温度変化の遅い部分の温度を測定した。
この処理によって植物体の持つペクチンエステラーゼを
活注化しペクチン質の脱メチル化を促し、遊離したカル
ボキシル基が共存する組織内のカルシウムと結合して野
菜類の組織を強化させることができる。この処理を行わ
ない場合、例えば、冷凍前に単に可食状態になるまで十
分加熱した後に冷凍し解凍した場合、すなわち本発明で
いう第三工程のみ行った場合には、解凍後に組織は極度
に軟化し煮崩れしやすく悪い食感の製品しか得ることは
できない。
【0018】本発明の第二工程で使用するカルシウム
は、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウムなど水溶性であり
人体に無害であればいずれでも良いが、溶解性、味の点
から乳酸カルシウムが好ましい。カルシウム溶液は好ま
しくは60℃〜75℃の温度に加温したものを使用す
る。
【0019】第二工程におけるカルシウム濃度と処理時
間は、解凍後に必要な加熱の程度によって異なる。本発
明の好ましい実施態様は、丸のままあるいは大きくカッ
トした野菜類を第一工程で湯中または蒸気によって90
〜100℃に表面を加熱し、2〜5分間保持した後に、
第二工程でカルシウムを含む水溶液中で中心温度55℃
〜75℃で10〜90分間、第三工程で中心温度85℃
〜95℃に加熱した後に凍結し冷凍保存する、このよう
な組み合わせによる多段階加熱後冷凍を行う冷凍野菜の
製造方法である。丸のままあるいは大きくカットした野
菜であっても解凍後の食感を保持させ調理のための再加
熱時にも煮崩れ軟化を防止できる。
【0020】本発明の目的物である冷凍野菜は、例えば
二次加工用冷凍野菜である。シチュー、カレー、調理後
すぐに供するおでん、肉ジャガなどに用いる調理用素材
すなわち、二次加工用素材の場合には、カルシウム濃度
6〜16mMで10〜30分間所定温度で保持する。二
次加工用素材の場合には、第二工程の処理を過度に行わ
ず表面を硬くしすぎないことが肝要である。すなわち、
本発明は第一工程で野菜類をまず表面温度を90〜10
0℃で2〜5分間処理した後に、第二工程で6〜16m
Mのカルシウムを含む水溶液中で中心温度55℃〜75
℃で10〜180分間、好ましくは10〜30分間処理
し、第三工程で中心部分が85℃〜95℃に到達するま
で加熱した後に冷凍処理する2次加工用冷凍野菜の製造
方法である。
【0021】本発明の目的物である冷凍野菜は、例えば
店頭販売や専門店等で長時間煮込んだ状態で提供するお
でん種用の冷凍野菜である。おでんなど長時間加熱する
料理に用いる場合にはカルシウム濃度6〜16mMで2
0〜50分間所定温度で保持する。すなわち、本発明は
第一工程で野菜類をまず90〜100℃で2〜5分間処
理した後に、第二工程で6〜16mMのカルシウムを含
む水溶液中で中心温度55〜75℃で20〜50分間処
理し、第三工程で中心温度が85〜90℃になるように
加熱した後に冷凍処理するおでんなど通常の加熱調理加
工により長時間加熱しても煮崩れ軟化しない冷凍野菜の
製造方法である。
【0022】本発明の目的物である冷凍野菜は、例えば
レトルト加熱加工用の冷凍野菜である。レトルト食品の
材料を提供するには、第二工程をカルシウム濃度13〜
50mMで30〜90分間中心温度が所定温度で保持す
る。レトルトの過酷な加熱に耐えることができるよう
に、第二工程のカルシウム濃度を高め処理時間を長くす
ることが肝要である。第三工程は省略することができ
る。この場合、本発明は第三工程を省略し、かつ、冷凍
野菜がレトルト加熱加工用の冷凍野菜の製造方法であ
る。すなわち、本発明は第一工程で野菜類をまず表面温
度が90〜100℃になるように2〜3分間処理した後
に、第二工程で13〜50mMカルシウムを含む水溶液
中で60℃から75℃中心温度55〜75℃で30
〜90分間処理した後に冷凍処理するレトルト加熱して
も煮崩れ軟化しない冷凍野菜の製造方法である。得られ
た冷凍野菜はレトルトパウチ食品の材料として最適であ
る。
【0023】これらの条件より低い濃度もしくは短い時
間では組織強化が十分ではなく用途に応じた食感が得ら
れず煮崩れなどを防止することができない。またこれよ
りも高い濃度、長い時間であると、過度に組織が硬くな
り好ましい食感、食味ではなくなる。
【0024】第三工程の処理は主として喫食前の加熱が
短時間で済み、かつ優れた食感で調理用素材として利用
できるようにするために行う。上記したごとく、レトル
ト加熱など高温高圧で長時間の殺菌を目的とした加熱な
どが予想される料理のためにはあえてこの工程を行う必
要はないが、調理素材などに用いる際には第三工程の処
理は必須になってくる。この工程を行わない場合、つま
り、カルシウムなどを用い組織強化処理のみを行った場
合即ち本発明でいう第二工程の処理まで行った場合に
は、解凍時にスジばった食感を与え、それを無くすため
には通常の調理加熱(90〜100℃で15〜30分
間)より長時間の加熱が必要になってしまう。実際の処
理条件は野菜の中心部分が90℃に達する時点で加熱を
終了すると好ましい食感が得られる。加熱が不十分であ
ると解凍後の調理に長時間を要し、かつ、すじっぽくざ
らざらした食感になってしまう。また、加熱時間が長す
ぎると解凍時に煮崩れや軟化を生じてしまう。
【0025】また、第三工程の処理時に処理した野菜を
通常の調理(調味と加熱)加工を行い凍結することで、
肉ジャガ、カレー、おでん、煮しめなどの調理済み冷凍
食品を製造することもできる。この場合、本発明の冷凍
野菜の製造方法は第三工程が加熱調理加工工程である。
【0026】凍結前の冷却方法は、真空冷却機を用いれ
ば、迅速に冷却を行うことができるが、水中で冷却、あ
るいは空気中に放置あるいは送風によって冷却すること
でも目的の品質の製品を得ることができる。凍結および
保存方法は通常のブラストフリーザーを用いて行うが、
その他の冷凍処理で行ってもかまわない。いずれにせよ
急速凍結することでよりよい品質が得られる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例によって説明する。本発明は
この実施例によって何ら限定されない。
【0028】実施例1 (第一工程の加熱条件と褐変防止効果)1個あたり10
0gの生のジャガイモの皮を剥ぎ芽取りしたものを丸の
まま水道水に30分さらした後、第一工程の処理として
各表面温度になるように加熱し各時間保持した。その
後、第二工程の処理として70℃の16mMの乳酸カル
シウム溶液に入れ中心温度が55℃〜70℃になるよう
に30分間保持した。次に、3段階目の処理として中心
温度が90℃になるように、雰囲気温度95℃で約20
分間の加熱を行い、その後、−40℃で送風凍結した。
−30℃で1週間保存した後、95℃で30分間解凍
し、表1に示した結果を得た。また比較として、1段階
目を行わないもの、3段階目のみ行ったものについて同
様に処理し、結果を表1に示した。温度測定は、横河電
機(株)製(μR1000型、Kタイプ熱電対)温度記
録計を用いて行った。表面温度は野菜表面部分に熱電対
を埋め込み測定し、中心温度は品温センターすなわち野
菜の最も温度変化の遅い部分の温度を測定した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 (カルシウム濃度とレトルト耐性)1個あたり100g
の生のジャガイモの皮を剥ぎ芽取りしたものを丸のまま
水道水に30分さらした後、第一工程として90℃の湯
中に投入し2分間処理した。その後、第二工程として7
0℃の各濃度の乳酸カルシウム溶液に入れ60分間処理
し冷却後−40℃で冷凍処理した。−30℃で1週間保
存した後に、おでん用だし汁200mlにジャガイモ2
個を入れ、ジャガイモの中心部が121℃の温度履歴に
換算して11分間加熱(F=11,121℃60分)
になるようにレトルト加熱したところ、表2に示した結
果を得た。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 1個あたり100gの生のジャガイモの皮を剥ぎ芽取り
したものを丸のまま水道水に30分さらし、表3に示す
条件で処理し、−40℃で送風凍結、−30℃で30日
間保存した後、各条件で解凍したところ、表4に示す結
果を得た。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】実施例4 (第三工程の加熱条件と食感)1個あたり100gの生
のジャガイモの皮を剥いて丸のまま水道水に30分さら
した後、第一工程として表面温度が90℃になるよう
に、90℃の湯中に投入し2分間処理した。その後、第
二工程として70℃の16mM濃度の乳酸カルシウム溶
液に入れ中心部分が55℃〜70℃になるように30分
間保持し、第三工程として95〜100℃の湯中で表5
に示した各加熱時間保持し、表記の中心温度とした。次
いで冷却し、冷却後−40℃で冷凍処理した。−30℃
で1週間保存した後に、95℃30分間湯中で加熱し評
価したところ、表5に示した結果を得た。
【0036】
【表5】
【0037】実施例5 (二次加工用処理条件で処理した冷凍ジャガイモによる
肉ジャガ調理)ジャガイモの皮を剥き芽取り4分割し、
水さらししたものを材料に用い、1段階の処理として表
面温度が90℃になるように、90℃の湯中で2分間加
熱し、2段階目の処理として、70℃の6mMの乳酸カ
ルシウム中で中心部分が55℃〜70℃になるように1
5分間保持し、3段階目の処理として中心温度が90℃
になるように、95℃で20分間加熱した。その後に冷
却し−40℃で冷凍処理を行った。−30℃で1週間保
存した。
【0038】この冷凍ジャガイモと、玉ねぎ、牛肉を
5:3:1の割合で鍋に加えて炒めた後、醤油、みり
ん、砂糖、かつお濃縮エキスを5:2:1:0.1の割
合で加え25分煮込み肉ジャガを作成した。
【0039】また比較として(1)生のジャガイモを材
料としたもの、(2)1段階目のみ、(3)2段階目の
み、(4)3段階目のみの処理をした後冷凍処理したも
の、(5)1段階目と2段階目処理のみ行った後冷凍処
理したものを材料として用い同様に肉ジャガを作成し、
評価したところ、表6に示した結果を得た。
【0040】
【表6】
【0041】さらに−20℃で3カ月冷凍保存した材料
を用いて評価を行ったところ、同様の結果を得た。ま
た、1段階目および2段階目処理を行った後に同様な調
理操作を行い肉ジャガを作成し、冷凍処理を行い冷凍保
存後湯煎で解凍したところ、生のジャガイモを用いて調
理した肉ジャガのジャガイモと遜色ない食感であった。
【0042】実施例6 (長時間加熱用条件で処理した冷凍ジャガイモを用いた
おでんの調理)大根、ジャガイモを水洗、皮剥き、芽取
り後、一片が50g〜100g程度にカットあるいは丸
のままで1段階目に表面温度100℃で3分間処理した
後に、2段階目に70℃の16mMの乳酸カルシウムを
含む水溶液中で中心部分が55℃〜70℃になるように
40分間保持し、3段階目で95℃で30分間加熱し
た。その後に−40℃で冷凍処理した。−30℃で1週
間冷凍保存した材料を、水、みりん、醤油、かつお濃縮
エキス、90:3:0.5:1からなるおでんだし汁中
へ凍結状態のまま他のおでんの具とともに入れ、弱く沸
騰する状態で60分間煮込んだ。その後液温を90℃に
し、さらに6時間煮込んだ。また比較として(1)1段
階目の処理のみ行ったもの、(2)2段階目の処理のみ
行ったもの、(3)3段階目の処理のみ行ったものにつ
いて同様におでんを作製し評価を行った。結果を表7に
示す。
【0043】
【表7】
【0044】実施例7 人参を水洗後剥皮し一片が50g程度の大きさに切断
し、1段階目に表面温度が90℃になるように2分間処
理した後に、2段階目に16mMの乳酸カルシウムを含
む水溶液中で中心部分が55℃から70℃で30分間保
持し、3段階目で中心温度が95℃に到達するまで加熱
した後に−40℃で冷凍処理した。−30℃で1週間冷
凍保存した材料を、弱く沸騰する湯中で解凍し、付け合
わせ用の人参を作った。また比較として(1)1段階目
の処理のみ行ったもの、(2)2段階目の処理のみ行っ
たもの、(3)3段階目の処理のみ行ったものを作製し
評価を行った。結果を表8に示す。
【0045】
【表8】
【0046】
【発明の効果】解凍、調理した後、軟化や煮崩れがな
く、食感の優れた調理食品となる冷凍野菜を製造するこ
とができる。丸のままの野菜や大きくカットした野菜の
場合に褐変を生じず、良い食感を保持し、解凍時の調理
において煮崩れが起きず軟化しない冷凍野菜を製造する
ことができる。肉ジャガなどの惣菜用に用いる二次加工
用冷凍野菜、おでん種などの長時間加熱用の冷凍野菜、
レトルト加熱などの過酷な加熱条件でも煮崩れや軟化の
ないレトルト加熱加工用冷凍野菜を提供できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸のままあるいはットした大きさの野
    菜類を、90℃以上の高温で処理する第一工程およびカ
    ルシウムを含む水溶液中で加熱処理する第二工程を必須
    とする工程で行われる組織の強化処理を施こした後、冷
    凍処理することを特徴とする冷凍野菜の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記組織の強化処理が、少なくとも野菜
    類を90℃以上の高温で処理する第一工程、カルシウム
    を含む水溶液中で加熱処理する第二工程、および再度
    処理する第三工程を必須とする工程で行われる請求項
    1の冷凍野菜の製造方法。
  3. 【請求項3】 野菜類がジャガイモである請求項1また
    は2の冷凍野菜の製造方法。
  4. 【請求項4】 カルシウムを含む水溶液が乳酸カルシウ
    ムを溶解した水溶液である請求項1、2または3の冷凍
    野菜の製造方法。
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