JP2000125799A - 焙焼野菜や焙焼果実の冷凍品の製造方法 - Google Patents

焙焼野菜や焙焼果実の冷凍品の製造方法

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JP2000125799A
JP2000125799A JP30773698A JP30773698A JP2000125799A JP 2000125799 A JP2000125799 A JP 2000125799A JP 30773698 A JP30773698 A JP 30773698A JP 30773698 A JP30773698 A JP 30773698A JP 2000125799 A JP2000125799 A JP 2000125799A
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roasted
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、野菜類や果実類を、その素材の新鮮
な食感と呈味成分と風味を残しながら、保存性に優れた
半加工食材として、何時でも何処でも手軽に多角的な料
理に利用出来る新しいタイプの食材を製造する方法に関
するものである。 【構成】野菜類や果実類を必要に応じてポリフェノール
酸化酵素阻害処理した後、低温乾燥または真空低温乾燥
により水分を15〜20%減少させたうえ、遠赤外線に
より5〜10分間焙焼し、凍結したことを特徴とする焙
焼野菜の冷凍品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜類や果実類を、そ
の素材の新鮮な食感と呈味成分と風味を残しながら保存
性に優れた新しいタイプの半加工食材として、何時でも
何処でも手軽に各種料理に利用出来るようにした焙焼野
菜や焙焼果物を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より野菜類や果実類の調理法は、ま
ず下ごしらえとして生の野菜や果実を必要に応じて洗
浄、剥皮、切断する等の前処理をしたうえ、造ろうとす
る料理によって生カット野菜やカット果実のままにして
おくか、これを炒める、煮る、揚げる、焼く等の加工処
理を行って半加工食材となしておき、それから当該食材
を用いて本格的な調理を行い、目的の料理に仕上げてい
くのが普通である。このようにして出来る野菜料理や果
実料理を美味しくするには、新鮮な素材を使い、その新
鮮さを生かしながら調理することが大切である。そのた
めには、材料である野菜や果実の下ごしらえを手早く処
理することによって新鮮さを保ち、その下ごしらえした
食材を時間を置かずに本格調理して料理を仕上げるよう
にすることがコツであるといわれている。
【0003】その理由は、食材である野菜類や果実類に
は、次のような特性があるからである。 a生カット野菜や果実は、酸化酵素が活性であるため、
急速に褐変しやすいだけでなく、成分の損失、味の低
下、異臭の発生、菌の増殖、腐敗などが起こりやすい。 b野菜や果実を炒めたり揚げたりすると、野菜組織中の
水分が油の高熱によって急速に上昇してその組織破壊を
起こすために、軟化したり新鮮さが失われたり植物繊維
独特の食感が無くなってしまうので、その半加工食材を
利用できる料理が限定されてしまう欠点がある。 c野菜や果実を煮ると、食材中の結合水分が煮液内に流
出するのに伴って、色素、糖類、その他微量成分等まで
失われてしまうだけでなく、熱によって植物繊維が破壊
されて軟化し歯ごたえと独特の素材風味がなくなってし
まう。その結果、生野菜や生果実のもつ新鮮な食感や風
味が失われてしまう。 d野菜や果実を焼くと、表面だけ急速に水分が抜け、内
部の水分はそのまま保持される状態となる。その素材に
おける表面と内部の水分の含有差が焼き物独特の美味し
さを造るとともに、表面の適度の焦げ臭が香ばしさとな
って、その食材の美味しさを増す効果を発揮している。
しかし、そのような焼物の美味しさは焼いた直後が顕著
で、冷めると急速に劣化し、少し時間をおくと内部の水
分はすぐ表面にまで浸み出してきて当該美味しさが失わ
れてしまうので、野菜や果実を焼いたときの美味しさ
は、維持しにくく安定性がない。このため本来これを冷
凍したり長期保存するのに向いていない。
【0004】従来より市場には、生野菜や生果実の半加
工品を冷凍食品とした食品素材が流通している。しか
し、それらはいづれも新鮮な生物に比較して食感、旨
味、風味、色彩等において品質がかなり劣化したものに
なっている。そのため、生野菜の冷凍品や生果物の冷凍
品はその需要が少なく売れ行きも悪いものになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】叙上のように野菜類や
果実類を一度半加工処理してしまうと、時間を置かずに
本格調理加工しない限り、味や食感が急速に劣化すると
いうのが常識であった。まして前記のように半加工処理
した当該食品素材を冷凍処理して長期保存しようとする
と、その品質が劣化するだけでなく冷凍変性現象も生じ
るため、その呈味や風味が著しく低下することになる。
このため野菜類や果実類を半加工処理したうえ冷凍し、
長期保存後に解凍して利用する食品素材となし、それが
生野菜や生果実の色素、繊維質、糖類、微量成分等の特
性を維持したままであったり、新鮮原料を加工処理した
直後の物と遜色のないものにするのは技術的に困難であ
るとされていた。このため、食品業界では半加工した冷
凍野菜や冷凍果実について、ブランチングの仕方や油通
しの仕方を調整工夫して、出来るだけ品質の劣化を少な
くするように加工した食材として商品化すべく、各方面
で鋭意研究しているが、満足する品質の半加工冷凍野菜
や半加工冷凍果実の商品化が実現していない。
【0006】本発明者は、このような技術課題を解消す
べく遠赤外線照射による野菜類や果実類の加工特性と、
野菜類や果実類の劣化をもたらす酵素について研究した
結果、長期に渡って冷凍貯蔵後に解凍して調理素材とし
て使用せんとしても、当該生野菜類や生果実類が本来も
つ色素、繊維質、糖類、その他微量成分などの特性を確
保し、その独特の食感や風味や旨味の残ったものにする
新しい野菜や果実加工法を見出した。
【0007】遠赤外線照射による加熱は、被加熱物質そ
のものの分子振動を活用して自己発熱させるため、他の
加熱法と異なり非常に効率的な加熱ができ、熱によるダ
メージがなく殺菌できるうえ、被加熱物質に対し熟成効
果(マイルド化)などの一般的な特性がある。このよう
な特性をもつ遠赤外線を利用した食品加工については、
以前から各方面で研究、報告されており、そのための具
体的な機械装置も開発されている。当初、遠赤外線は乾
燥に利用される程度であったが、いまや殺菌や熟成など
まで利用されるようになり、更に発酵食品の熟成促進や
揚げ物にまで及ぶようになった。つい最近は、食品素材
毎に遠赤外線照射による加工効果が異なることに注目
し、食品素材別に遠赤外線を利用した加工処理の方法に
ついて研究されている。
【0008】野菜類や果実類についても、遠赤外線照射
により乾燥すると、その色素やビタミンが保持されてい
るうえ、アクが抜け糖度が増し、カビの発生も制御さ
れ、水戻し時の復元性が早いといわれている。また、石
焼き芋や焼栗を遠赤外線加熱すると、内部まで熱を行き
わたらせてくれるので、独特の風味を造り出すことが報
告されている。しかし、これら従来の野菜や果実への遠
赤外線照射の目的は、乾燥や加熱調理のためでしかな
い。
【0009】本発明者は、野菜類や果実類への遠赤外線
照射による変性や加工効果に注目して、新しい利用法や
加工法について研究した。まず、野菜類や果実類にその
まま遠赤外線を照射して加熱させると野菜類に含まれて
いる水分が活性化し、急速に高温になり膨張し蒸発す
る。そのため、たちまち野菜類の繊維質や組織を破壊し
てベタッと軟化した状態となり、生野菜や生果実独特の
新鮮な食感や風味が劣化したものとなることが解った。
また、生野菜や生果実を褐変させ、萎れさせ、味を低下
させる等の新鮮さを失わせる主な要因は、野菜類や果実
類に存在するポリフェノール酸化酵素等の酸化酵素類で
あることが解った。
【0010】本発明者は、このような技術的知見に基づ
いて、野菜や果実の余分な水分調整をして遠赤外線照射
による繊維質や組織の破壊を防止するとともに、遠赤外
線を適度に照射して野菜や果実の酵素を失活させ、色素
やビタミンを保持させながら熱によるダメージなく殺菌
し、腐敗菌の増殖を抑制するという処理法を想起した。
つまり、本発明は、遠赤外線照射を野菜や果実の酵素失
活と、殺菌と、腐敗菌増殖抑制のために行うという新し
い処理法である。このような処理をすると、野菜や果実
を長期に渡って冷凍貯蔵した後、解凍して調理素材とし
て使用しても、当該生野菜や生果実が本来もつ色素、繊
維質、糖類、微量成分などが確保されており、新鮮さの
ある食感や風味や呈味の残った新しい焙焼野菜や焙焼果
実となる。このことに着目した新しい商品特性を持った
食材である焙焼野菜や焙焼果物の製造方法を開発したも
のである。
【0011】更に上記技術の応用として野菜類や果実類
は酵素が活性化しているため遠赤外線による酵素失活処
理をする前の皮削ぎや切断などの前処理を行っている間
の短い時間においても急速な褐変や風味や呈味の低下を
進行してしまう場合が多い。特に果実においてこのよう
な傾向が顕著である。また、野菜や果物の中には熱に敏
感なため、遠赤外線処理だけで酵素を完全に失活させよ
うとすると、成分が熱変性を起こして新鮮さが大きく失
われたり、食感が大きく変わってしまうような性質のも
のもある。このような場合の対策として発明者は『ポリ
フェノ−ル酸化酵素阻害処理をした後、遠赤外線処理を
行う』という2つの処理方法を組み合わせて、熱変性を
最小限にして酵素の完全な失活をさせるようにする新し
い処理方法を見出した。その結果、処理過程の劣化を防
ぎ、熱変性に敏感な原料野菜類や果実類の場合でも新鮮
さのある食感や風味を可及的に維持したままの焙焼野菜
や焙焼果実の冷凍品を製造することができる改良された
新しい製造方法を開発したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、野菜類を低温乾燥又は真空低温乾燥により水
分を15〜20%減少させた後、遠赤外線により5〜1
0分間焙焼したうえ、冷凍したことを特徴とする焙焼野
菜類の冷凍品の製造方法である。
【0013】第1発明の特徴は、まず、野菜類を低温乾
燥又は真空低温乾燥により水分を15〜20%減少させ
た点にある。生野菜類は、その種類によっても相違する
が約70〜95%の水分が含まれている。それに遠赤外
線を照射すると、成分のうち水の分子が最も敏感に活性
化して発熱し、これにより水の分子が膨張したり蒸発す
るなどして、野菜類の繊維質や組織を破壊する。従って
遠赤外線照射により焙焼した際の効果を増大させるため
には、水分の存在はできるだけ少ないほうが好ましい。
つまり遠赤外線照射時に悪さをする水分を低温乾燥また
は真空低温乾燥により減少して野菜類の繊維質や組織が
破壊しないようにするのである。尚低温乾燥にしたの
は、乾燥時に熱によって劣化しないようにするためであ
り、真空低温乾燥にしたのは温度と酸化による劣化を防
止するためである。また、その除去する水分を15〜2
0%に限定したのは、20%以上の水分を除去すると、
野菜類が萎れて鮮度が低下した感じになるうえ、呈味成
分が漏洩して美味しさが低減してしまうので、このよう
な劣化現象が感じられない程度の保水力を維持できるよ
うに水分を除去する。尚、野菜類を乾燥することにより
水分を15〜20%減少させると、野菜の糖分等の成分
が濃縮されて甘味や呈味が増し、固定化される。
【0014】また本発明の該特徴は、遠赤外線照射によ
り5〜10分間焙焼した点にある。遠赤外線照射を5〜
10分間に限定したのは、褐変原因の存在するポリフェ
ノール酸化酵素などが完全失活される程度で、且つ細
菌、酵母、かび等が殺菌され衛生的に許容される状態に
なる程度に限定したものである。野菜の種類によっても
異なるが、野菜の品温は、80〜130℃に加熱され、
焙焼された状態となる。この状態でも、生野菜の持つ色
素の大部分が残り、野菜の繊維質による独特の食感を確
保し、糖類やビタミンやその他微量成分も残存する。次
に、これを急速凍結することにより、焙焼野菜類の冷凍
品となす。
【0015】特許を受けようとする第2発明は、果実類
を低温乾燥または真空低温乾燥により水分を15〜20
%減少させた後、遠赤外線により5〜10分間焙焼した
うえ、冷凍したことを特徴とする焙焼果実類の冷凍品の
製造方法である。
【0016】当該第2発明は、焙焼果実類の冷凍品の製
造方法である。果実類も、その酵素や繊維質や糖類、ビ
タミン等の成分が野菜類と共通点が多いので、対象を果
実類にした意外は、処理法は第1発明と本質的に同じで
ある。
【0017】特許を受けようとする第3発明は、野菜類
をポリフェノール酸化酵素阻害処理した後、低温乾燥ま
たは真空低温乾燥により水分を15〜20%減少させた
うえ、遠赤外線により5〜10分間焙焼し、凍結したこ
とを特徴とする焙焼野菜の冷凍品の製造方法である。
【0018】本発明は、第1発明の遠赤外線処理にポリ
フェノール酸化酵素阻害処理を加えたものである。従来
より野菜類の褐変現象を起こす主な原因は、ポリフェノ
ール酸化酵素であることが知られている。この酵素は、
加熱によって失活するが、過剰に加熱すると野菜類の繊
維質や組織を壊す虞があるので、加熱の仕方と程度調整
が微妙で技術的に非常に難しい。本発明者は、このよう
な技術的課題を解決する手段として、遠赤外線照射によ
りポリフェノ−ル酸化酵素を失活させようと試み、ほと
んどの場合、それだけで目的を達することができたの
で、第1発明を開発した。しかし、野菜の種類によって
は遠赤外線による5〜10分間の照射では、ポリフェノ
ール酸化酵素が完全に失活させることが出来ないもの
や、ポリフェノール酸化酵素は失活するが、同時に呈味
成分まで流出してしまう場合があることに気付いた。そ
こで、本発明者は、そのような場合に、鮮度保持とポリ
フェノール酸化酵素の完全失活を両立させるため、前処
理としてポリフェノール酸化酵素阻害処理をした後、遠
赤外線処理をする、という2つの異なる処理法を組み合
わせたのが第3発明である。当該ポリフェノール酸化酵
素阻害処理法について具体的に示したのが、第4発明に
記載された処理方法である。
【0019】特許を受けようとする第4発明は、ポリフ
ェノール酸化酵素阻害処理が、野菜類をアスコルビン酸
若しくはその塩、又は食塩の水溶液に浸漬してポリフェ
ノール酸化酵素を抑制させるか、又は野菜類を食塩水溶
液若しくは砂糖水溶液と共に加熱してポリフェノール酸
化酵素を抑制したり失活させるようにしたことを特徴と
する請求項3に記載の焙焼野菜の冷凍品の製造方法であ
る。
【0020】特許を受けようとする第5発明は、果実類
をポリフェノール酸化酵素阻害処理した後、低温乾燥ま
たは真空低温乾燥により水分を15〜20%減少させた
うえ、遠赤外線により5〜10分間焙焼し、凍結したこ
とを特徴とする焙焼果実の冷凍品の製造方法である。
【0021】当該第5発明は、果実類にポリフェノール
酸化酵素阻害処理と遠赤外線加熱とを組み合わせ処理し
て、確実に果実類のポリフェノール酸化酵素を失活さ
せ、新鮮な食感と呈味成分を維持した焙焼果実の冷凍品
の製造方法である。
【0022】特許を受けようとする第6発明は、ポリフ
ェノール酸化酵素阻害処理が、果実類をアスコルビン酸
又はその塩、L−システィン塩酸塩、若しくは食塩の水
溶液に浸漬してポリフェノール酸化酵素を抑制させる
か、又は果実類を食塩水溶液若しくは砂糖水溶液と共に
加熱してポリフェノール酸化酵素を抑制したり失活させ
るように処理したことを特徴とする第5発明に記載の焙
焼野菜の冷凍品の製造方法である。
【0023】特許を受けようとする第7発明は、リンゴ
を剥皮、芯取り、切断などの前処理をした後、アスコル
ビン酸又はその塩、食塩、L−システィン塩酸塩等の溶
液と混合してポリフェノール酸化酵素阻害処理し、必要
に応じて脱気した後、真空低温乾燥により水分を15〜
20%減少させ、その後遠赤外線加熱により5〜10分
間焙焼し、真空冷却、包装したうえ、凍結したことを特
徴とする焼りんごの冷凍品の製造方法である。
【0024】
【実施例】本願発明は、大別して二通りの基本的加工処
理方法がある。図1は、第1発明、第2発明の基本的加
工処理方法示す概略説明図であり、図2は、第3発明、
第4発明、第5発明、第6発明、第7発明の基本的加工
処理方法示す概略説明図である。
【0025】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。 <実施例1> 前処理 :じゃがいもと、にんじんを洗浄して、皮
を剥き、さいの目状に切断しておき、他方で、えんどう
豆と、とうもろこしを粒状に採取して洗浄しておき、こ
れらの材料を混合してなるミックスベジタブル食材を2
0kg用意する。 低温乾燥 :上記ミックスベジタブル食材を低温乾燥
機に入れ温度35〜37℃で約2時間かけ水分を15〜
20%減少させる。 遠赤外線焙焼:上記低温乾燥させたミックスベジタブル
食材を200gずつ小分けし、それをトレイに入れてコ
ンベアー上に載せ、遠赤外線加熱装置内を通過させなが
ら、遠赤外線照射して5〜10分間焙焼する。この時、
遠赤外線加熱装置内の雰囲気温度は140〜160℃と
なし、この中を5〜10分間通過させると当該ミックス
ベジタブル食材の品温は110〜130℃となる。この
条件下で、褐変原因酵素であるポリフェノール酸化酵素
が失活し、細菌や酵母やかび等が殺菌された状態とな
る。 急速冷却 :10〜15分間で急速冷却する。 包装 :小分けしたものをポリプロピレン製の包
袋に内装する。 凍結保管 :−30℃以下で急速凍結した後、−20
℃以下で冷凍保管する。
【0026】冷凍保管1ケ月経過後、実施例1の焙焼野
菜を解凍した後、これを検査員(10名)で官能検査し
た。尚比較対象として、冷凍ブランチング野菜について
の官能検査をした。
【0027】
【表1】
【0028】上表のように実施例1の焙焼野菜の冷凍品
は、いずれの項目についても官能的に良好な結果であっ
た。
【0029】<実施例2> 前処理 :ほうれん草を洗浄して、根を切断したも
のを10kg用意する。 酵素阻害 :原料ほうれん草(10kg)に対し、ポ
リフェノール酸化酵素阻害剤であるL−アスコルビン酸
0.05%を少量の水に溶かしたものを、原料ほうれん
草に添加混合して、ポリフェノール酸化酵素阻害処理を
する。 低温乾燥 :上記ほうれん草を低温乾燥機に入れ、温
度35〜40℃で約2時間かけ水分を15〜20%減少
させる。 遠赤外線焙焼:上記低温乾燥させたほうれん草を300
gずつ小分けし、それをトレイに入れてコンベアー上に
載せ、遠赤外線加熱装置内を通過させながら、遠赤外線
照射して7〜9分間焙焼する。この時、遠赤外線加熱装
置内の雰囲気温度は140〜150℃となし、この中を
7〜9分間通過させると当該ほうれん草の品温は110
〜120℃となる。この条件下で、褐変原因酵素である
ポリフェノール酸化酵素が失活し、細菌や酵母やかび等
が殺菌された状態となる。 急速冷却 :10〜15分間で急速冷却する。 包 装 :小分けした焙焼ほうれん草をポリプロピ
レン製の包袋に内装する。 凍結保管 :−30℃以下で急速凍結した後、−20
℃以下で冷凍保管する。
【0030】
【表2】
【0031】上表のように実施例2の焙焼ほうれん草の
冷凍品は、いずれも官能的に良好な結果であった。
【0032】<実施例3> 前処理 :パパイヤを剥皮し、芯抜きしたうえ、輪
切りしたものを10kg用意する。 酵素阻害 :ポリフェノール酸化酵素阻害剤であるL
−アスコルビン酸0.05%を少量の水に溶かしたもの
を輪切りパパイヤに添加混合して、ポリフェノール酸化
酵素阻害処理をする。 脱 気 :酸化酵素阻害剤の効果を増大させるた
め、必要に応じパパイヤ中に含まれる空気と置換し、酵
素阻害剤の浸透を良くするのに脱気を行う。脱気は、真
空度350〜400mmHgで、10〜15分間行う。 低温乾燥 :上記パパイヤを真空低温乾燥機に入れ、
温度35〜37℃、真空度300〜320mmAg(水
柱)で約2時間以内に水分を15〜20%除去させる。 遠赤外線焙焼:上記低温乾燥させたパパイヤを300g
ずつ小分けし、それをトレイに入れてコンベアー上に載
せ、遠赤外線加熱装置内を通過させながら、遠赤外線照
射して5〜10分間焙焼する。この時、遠赤外線加熱装
置内の雰囲気温度は140〜160℃となし、この中を
5〜10分間通過させると当該パパイヤの品温は120
〜130℃となる。この条件下で、褐変原因酵素である
ポリフェノール酸化酵素が失活し、同時に細菌や酵母や
かび等が殺菌された状態となる。 急速冷却 :真空度360〜400mmHg条件下
で、10〜15分間で急速真空冷却をする。 包装 :小分けした焙焼パパイヤをポリプロピレ
ン製の包袋に内装する。 凍結保管 :−30℃以下で急速凍結した後、−2
0℃以下で冷凍保管する。
【0033】
【表3】
【0034】上表のように実施例3の焙焼パパイヤの冷
凍品は、いずれの項目についても官能的に良好な結果で
あった。
【0035】<実施例4> 前処理 :生食用リンゴ「ふじ」を剥皮し、脱芯し
たうえ、八つ切りし、更に銀杏形にスライスする。 酵素阻害 :スライスリンゴ8kgに0.2%のL−
アスコルビン酸Na溶液に浸漬し、ポリフェノール酸化
酵素阻害処理をする。尚、ポリフェノール酸化酵素阻害
剤の適当な濃度は、下記のとおりである。 L−アスコルビン酸又はその塩 0.2〜1 % L−システィン塩酸塩 0.2〜0.5% 食塩 0.2〜3 % これらの混合物 0.2〜3 % 脱 気 :酸化酵素阻害剤の効果を増大させるた
め、必要に応じリンゴ中に含まれる空気と置換し、酸化
酵素阻害剤の浸透を良くするのに脱気処理を行う。脱気
条件は、真空度360〜400mmHgで、10〜15
分間行う。 低温乾燥 :上記リンゴを真空低温乾燥機に入れ、温
度35〜37℃、真空度300〜320mmAg(水
柱)で約2時間以内に水分を15〜20%除去させるよ
うにする。 遠赤外線焙焼:上記低温乾燥させたリンゴを200gず
つ小分けし、それをトレイに入れてコンベアー上に載
せ、遠赤外線加熱装置内を通過させながら、遠赤外線照
射して5〜10分間焙焼する。この時、遠赤外線加熱装
置内の雰囲気温度は150℃となし、この中を9分間通
過させると当該リンゴの品温は110〜130℃とな
る。この条件下で、褐変原因酵素であるポリフェノール
酸化酵素が失活し、同時に細菌や酵母やかび等が殺菌さ
れた状態となる。また加熱による焼きリンゴ様風味付加
による香味の増大、冷凍保存後解凍しても、風味食感共
に良好不変、などの効果が得られる。尚、リンゴを遠赤
外線加熱する場合、雰囲気温度が120〜200℃で7
〜10分であれば、目的の焙焼ができる。 その結果を歩留(%)と呈味成分の流出程度をびブリッ
クス(bx’)で調査した。
【0036】
【表4】
【0037】上記の呈味成分の流出程度は、計算により
9.7%しかなく、極めて良好(自然な状態に近い)な
状態にある。 急速冷却 :真空度360〜400mmHg条件下
で、10〜15分間で急速真空冷却する。 包 装 :小分けした焼リンゴをポリプロピレン製
の包袋に内装し、真空包装機でシールする。 凍結保管 :−30℃以下で急速凍結した後、−20
℃以下で冷凍保管する。
【0038】
【表5】
【0039】上表のように実施例4の焼リンゴの冷凍品
は、いずれお項目についても官能的に良好な結果であっ
た。
【0040】次に、実施例4の製品である焼きリンゴの
冷凍品を解凍して調理試験をおこなった。結果は次の通
りであった。
【0041】
【表6】
【0042】本発明に係る焼きリンゴは、固形感があ
り、リンゴの香味をそのまま残し、更に、ポリフェノー
ルや植物繊維などの生理活性物質を多量に含むもので、
食品素材として幅広く利用出来る適正を有する従来にな
い新しいリンゴ加工品である。日本では、リンゴは生食
が多く、加工品としては果汁が種として生産されている
のみで、その他の利用は極僅かで消費が低迷し、せっか
くの栄養、生理作用の豊富な果実の活用が充分ではなか
った。本発明に係る焼きリンゴは、生リンゴの風味、食
感、呈味成分を保持し、保存性も有する新しいタイプの
リンゴ半加工食材の具現化である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明、第2発明の加工処理方法の基本構成
を示す概略説明図である。
【図2】第3発明、第4発明、第5発明、第6発明、第
7発明の加工処理方法の基本構成を示す概略説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B016 LC06 LG01 LG05 LP03 LP05 LP08 LP10 LP11 LP13 4B069 AA02 BA04 CA05 HA01 HA04 HA06 HA11 KA07 KB03 KC26 KC28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野菜類を低温乾燥又は真空低温乾燥によ
    り水分を15〜20%減少させた後、遠赤外線により5
    〜10分間焙焼したうえ、冷凍したことを特徴とする焙
    焼野菜類の冷凍品の製造方法。
  2. 【請求項2】 果実類を低温乾燥又は真空低温乾燥によ
    り水分を15〜20%減少させた後、遠赤外線により5
    〜10分間焙焼したうえ、冷凍したことを特徴とする焙
    焼果実類の冷凍品の製造方法。
  3. 【請求項3】 野菜類をポリフェノール酸化酵素阻害処
    理した後、低温乾燥又は真空低温乾燥により水分を15
    〜20%減少させたうえ、遠赤外線により5〜10分間
    焙焼し、凍結したことを特徴とする焙焼野菜の冷凍品の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリフェノール酸化酵素阻害処理が、野
    菜類をアスコルビン酸若しくはその塩、又は食塩の水溶
    液に浸漬してポリフェノール酸化酵素を抑制させるか、
    又は野菜類を食塩水溶液若しくは糖類水溶液と共に加熱
    してポリフェノール酸化酵素を抑制したり失活させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項3に記載の焙焼野菜の
    冷凍品の製造方法。
  5. 【請求項5】 果実類をポリフェノール酸化酵素阻害処
    理した後、低温乾燥または真空低温乾燥により水分を1
    5〜20%減少させたうえ、遠赤外線により5〜10分
    間焙焼し、凍結したことを特徴とする焙焼果実の冷凍品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリフェノール酸化酵素阻害処理が、果
    実類をアスコルビン酸若しくはその塩、L−システィン
    塩酸塩、又は食塩の水溶液に浸漬してポリフェノール酸
    化酵素を抑制させるか、又は果実類を食塩水溶液若しく
    は砂糖水溶液と共に加熱してポリフェノール酸化酵素を
    抑制したり失活させるように処理したことを特徴とする
    請求項5に記載の焙焼野菜の冷凍品の製造方法。
  7. 【請求項7】 リンゴを剥皮、芯取り、切断などの前処
    理をした後、これをアスコルビン酸若しくはその塩、食
    塩、L−システィン塩酸塩等の溶液と混合してなる酸化
    酵素阻害液に浸漬してポリフェノール酸化酵素阻害処理
    し、必要に応じて脱気した後、真空低温乾燥により水分
    を15〜20%減少させ、その後遠赤外線により5〜1
    0分間焙焼し、凍結したことを特徴とする焼りんごの冷
    凍品の製造方法。
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