JP2000078957A - 加工肉の製造方法 - Google Patents

加工肉の製造方法

Info

Publication number
JP2000078957A
JP2000078957A JP10362041A JP36204198A JP2000078957A JP 2000078957 A JP2000078957 A JP 2000078957A JP 10362041 A JP10362041 A JP 10362041A JP 36204198 A JP36204198 A JP 36204198A JP 2000078957 A JP2000078957 A JP 2000078957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meat
solution
boiling
retort
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10362041A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Honda
将大 本田
Takahiro Tozawa
孝大 戸澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ezaki Glico Co Ltd
Original Assignee
Ezaki Glico Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ezaki Glico Co Ltd filed Critical Ezaki Glico Co Ltd
Priority to JP10362041A priority Critical patent/JP2000078957A/ja
Publication of JP2000078957A publication Critical patent/JP2000078957A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 畜肉の軟化剤を提供する。 【構成】 炭酸塩及び/または炭酸水素塩を肉の改質剤
の主成分とする。 【効果】 本発明は、畜肉を炭酸塩溶液及び/または炭
酸水素塩溶液に浸漬し、常法により加熱処理をすると肉
質の硬化を抑制し、更に加圧加熱殺菌処理を施しても効
果を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は畜肉の軟化処理方法に
関わるものである。本発明による処理剤は、水溶液の形
で使用され、ボイル等の加熱処理時あるいは加圧加熱殺
菌時の肉の収縮を抑制して、肉汁性が良くなるので、食
肉の加工に利用される。
【0002】
【従来の技術】 近年、加工食品に対する品質の向上が
望まれており、肉類についても、焼く、炒める、揚げる
などの調理方法に拘らず、適度な軟らかさを有し、肉汁
に富んだ状態で食べられることが要求されている。しか
しながら、畜肉はボイル等の加熱処理をすると、収縮し
て硬化するとともに、肉汁性の乏しいものになってしま
い、さらに、加圧加熱殺菌処理をすると、より肉汁性が
乏しくパサパサになってしまうという問題点があった。
従来から、肉を軟らかくする方法には、様々な方法が知
られている。例えば、有機酸モノグリセリドを使用する
方法(特開昭49−20353号公報)、レシチンを添加
した植物性液状油脂に肉を漬け込む方法(特開昭54−
62356号公報)、カルシウム塩に重炭酸ナトリウム
と、HLB10以上の乳化剤との少なくとも一方を加え
た軟化剤を使用する方法(特開平4−148663号公
報)、塩類等を使用する方法(特開昭61−23986
2号、および特開平4−36167号公報)、蛋白質分
解酵素を使用する方法(特開昭59−151839号、
特開平4−278063号、特開平5−7476号、特
開平5−252911号各公報)、炭素数6以上のカル
ボン酸またはその塩と蛋白質分解酵素を併用する方法
(特開平9−262067号公報)、炭酸ナトリウムに
有機酸、食塩、卵白エキス、白子蛋白エキス等を配合す
る方法(特開平9−209号公報)、軟化剤として、クエ
ン酸ナトリウムを使用する方法(特開平9−26754
97号公報)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、本発
明者の検討では、有機酸モノグリセリドを使用する方
法、レシチンを添加した植物性液状油脂に肉を漬け込む
方法、カルシウム塩に重炭酸ナトリウムと、HLB10
以上の乳化剤との少なくとも一方を加えた軟化剤を使用
する方法、塩類等を使用する方法は、加熱加圧殺菌処理
後はもとより、加熱処理後においても軟化能力が低く、
また、蛋白質分解酵素を使用する方法、炭素数6以上の
カルボン酸またはその塩と蛋白質分解酵素を併用する方
法は、肉組織表面は軟化するものの、肉組織内部への浸
透性がさほど良好ではないため、ボイル等の加熱処理後
の軟化能力は幾分高くなるものの、加熱加圧殺菌処理に
おいては十分満足できる食感のものが得られない。軟化
剤としてクエン酸ナトリウムを使用する方法は、ボイル
後の軟化能力は更に高くなるが、加圧加熱殺菌後の食感
はさほど良好ではない。また、炭酸ナトリウムに有機
酸、食塩、卵白エキス、白子蛋白エキス等を配合する方
法はボイル等の加熱処理後の軟化能力も高く、加圧加熱
殺菌後の食感も改善されるが、処理剤の調製が煩雑な
上、卵白エキスや白子蛋白エキスのような高分子成分を
肉組織中に浸透させるため、タンブリング等の操作を必
要とし、軟化処理に手間がかかる。また、白子蛋白エキ
スを使用するためコストも高くなる。本発明の目的は、
加熱処理、加圧加熱殺菌処理した後も肉質が軟らかく、
肉汁性の良い畜肉を簡便な処理で、安価に提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は、畜肉を炭酸
塩溶液及び/または炭酸水素塩溶液に浸漬し、常法によ
り加熱処理をすると肉質の硬化を抑制し、更に加圧加熱
殺菌処理を施しても効果を保つという知見に基づいてな
されたものである。
【0005】即ち本発明は、畜肉を炭酸ナトリウムをは
じめとする炭酸塩及び/または炭酸水素塩と一定時間接
触させ、当該試薬を肉中に浸透させ加熱処理する事を特
徴とする加熱処理肉の食感改善方法、更に、加圧加熱殺
菌することを特徴とするレトルト肉の食感改善方法であ
る。
【0006】本発明における畜肉とは、鶏肉、豚肉、牛
肉などの生の畜肉を指す。また、冷凍肉の場合にはその
まま使用しても、あるいは解凍、半解凍してから使用し
てもかまわない。畜肉を加熱処理等加熱処理する場合に
は熱が通りやすくするために、適当な大きさにカットし
て行うのがよく、できうれば加熱調理で使用する大きさ
にカットしておくのが望ましい。
【0007】本願において炭酸塩及び/または炭酸水素
塩とは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の
炭酸塩及び/または炭酸水素塩をいう。
【0008】本発明においては、上記畜肉をまず、炭酸
塩溶液及び/または炭酸水素塩溶液と一定時間接触さ
せ、当該試薬を肉中に浸透させるのであるが、炭酸塩及
び/または炭酸水素塩の濃度としては、0.1〜5.0
%、好ましくは0.5〜2.0%がよい。0.1%を下
回ると効果が弱く、逆に5.0%を上回ると、肉表面が
ゲル化しやすくなり、商品としての価値が減ずるからで
ある。温度条件は、0℃〜40℃がよく、更に好ましく
は衛生上から0℃〜5℃がよい。また接触時間として
は、3時間以上、好ましくは14時間以上が良い。
【0009】本発明においては、炭酸塩及び/または炭
酸水素塩を肉中に浸透させた後、ボイル、スチームまた
はソテー(本願においてはこれらを加熱処理という)
し、加圧加熱殺菌すれば良いのであって、その具体的な
方法は特に限定されるものではないが、(a)畜肉を炭
酸塩溶液及び/または炭酸水素塩溶液に一定時間浸漬し
た後、別の処理槽に移し沸騰水でボイルした後、加圧加
熱殺菌するする方法、あるいは、(b)畜肉を沸騰した
炭酸塩溶液及び/または炭酸水素塩溶液に入れ、そのま
ま加熱処理した後、加圧加熱殺菌する方法が好ましい。
【0010】
【実施例】 以下、実施例に基づき、本発明を具体的に
説明する。 (実施例1)鶏の胸肉1Kgを一口大にカットした。一
方、炭酸ナトリウムを水に溶解して1.0%水溶液を作
製し、処理液とした。上記のカットした肉をポリエチレ
ン袋に入れ、肉重量と同量(1Kg)の、処理液を導入
し、袋口をシールした。これを4℃の冷蔵庫で15時間
浸漬して、処理液を鶏肉にしみ込ませた。ついで、袋を
開封し、肉塊を充分に液切りした。この処理済み肉を沸
騰水5Kgに入れ、10分間のボイル処理を行った。ボ
イル後水冷し、水切りを十分行った後、重量測定を行っ
た。さらに、このボイル肉50gを水100gと共にレト
ルトパウチに入れ、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)
を行った後、レトルトパウチを開封し、肉塊を充分に水
切りし、重量測定、官能評価を行った。
【0011】(実施例2)実施例1と同様にして、鶏の
胸肉1Kgを一口大にカットした。これを沸騰している
1.0%炭酸ナトリウム水溶液5Kg中に入れ、10分
間のボイル処理を行った。ボイル後水洗し、水切りを十
分行った後、重量測定を行った。さらに、このボイル肉
50gを水100gと共にレトルトパウチに入れ、実施例
1と同様に、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を行っ
た後、レトルトパウチを開封し、肉塊を充分に水切り
し、重量測定、官能評価を行った。
【0012】(実施例3)鶏の胸肉1Kgを一口大にカ
ットした。一方、炭酸水素ナトリウムを水に溶解して
1.5%溶液を作製し、実施例1と同様に処理した後、
重量測定、官能評価を行った。
【0013】(実施例4)鶏の胸肉1Kgを一口大にカッ
トした。これを沸騰している1.5%炭酸水素ナトリウ
ム溶液5Kgの中に入れ、実施例2と同様に処理した
後、重量測定、官能評価を行った。
【0014】(実施例5)鶏の胸肉1Kgを一口大にカッ
トした。一方、炭酸アンモニウムを水に溶解して1.0
%溶液を作製し、実施例1と同様に処理した後、重量測
定、官能評価を行った。
【0015】(実施例6)鶏の胸肉1Kgを一口大にカ
ットした。これを沸騰している1.0%炭酸アンモニウ
ム溶液5Kgの中に入れ、実施例2と同様に処理した
後、重量測定、官能評価を行った。
【0016】(実施例7)鶏の胸肉1Kgを一口大にカ
ットした。一方、炭酸水素アンモニウムを水に溶解して
1.5%溶液を作製し、実施例1と同様に処理した後、
重量測定、官能評価を行った。
【0017】(実施例8)鶏の胸肉1Kgを一口大にカッ
トした。これを沸騰している1.5%炭酸水素アンモニ
ウム溶液5Kgの中に入れ、実施例2と同様に処理した
後、重量測定、官能評価を行った。
【0018】(実施例9)鶏の胸肉1Kgを一口大にカ
ットした。一方、炭酸カリウムを水に溶解して1.0%
溶液を作製し、実施例1と同様に処理した後、重量測
定、官能評価を行った。
【0019】(実施例10)鶏の胸肉1Kgを一口大にカ
ットした。これを沸騰している1.0%炭酸カリウム溶
液5Kgの中に入れ、実施例2と同様に処理した後、重
量測定、官能評価を行った。
【0020】(比較例1)実施例1と同様にして、鶏の
胸肉1Kgを一口大にカットし、ポリエチレン袋に入
れ、肉重量と同量(1Kg)の水を導入し、袋口をシール
した。これを実施例1と同様に、4℃の冷蔵庫で15時
間浸漬した後、袋を開封し、肉塊を充分に水切りした。
これを実施例1と同様に沸騰水5Kgに入れ、10分間
のボイル処理を行った。ボイル後水冷し、水切りを十分
行った後、重量測定を行った。さらに、このボイル肉5
0gを水100gと共にレトルトパウチに入れ、実施例1
と同様に、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を行った
後、レトルトパウチを開封し、肉塊を充分に水切りし、
重量測定、官能評価を行った。
【0021】比較例1と、実施例1から実施例10で得
られたボイル肉及びレトルト肉の歩留まりを測定した結
果を表1に示した。なお、歩留まりは、ボイル前の総重
量に対するボイル後総重量の割合、レトルト後総重量の
割合として計算した。表1から明らかなように、本発明
のボイル肉、レトルト肉とも、比較例1よりも歩留まり
において上回っている事がわかった。
【0022】
【表1】
【0023】また、比較例1と、実施例1から実施例1
0で得られたレトルト内を官能評価した結果を表2に示
した。表2から明らかなように、本発明のボイル肉、レ
トルト肉とも、比較例1よりも肉質の軟らかさ、肉汁性
において上回っている事がわかった。評価基準は肉の軟
らかさ、肉汁性の良好なものを5点とした。
【0024】
【表2】
【0025】(実施例11)豚のもも肉1Kgを一口大
にカットした。一方、炭酸ナトリウムを水に溶解して
1.0%溶液を作製し、処理液とした。上記のカットし
た肉をポリエチレン袋に入れ、肉重量と同量(1Kg)
の処理液を導入し、袋口をシールした。これを4℃の冷
蔵庫で15時間浸漬して、処理液を豚肉にしみ込ませ
た。次いで袋を開封し、肉塊を充分に液切りした。この
処理済み肉を沸騰水5Kgに入れ、10分間のボイル処
理を行った。ボイル後水冷し、水切りを十分行った後、
重量測定を行った。さらにこのボイル肉50gを水10
0gと共にレトルトパウチに入れ、加圧加熱殺菌(12
1℃、30分間)を行った後、レトルトパウチを開封
し、肉塊を充分に水切りし、重量測定、官能評価を行っ
た。
【0026】(実施例12)実施例11と同様にして、
豚もも肉1Kgを一口大にカットした。これを沸騰して
いる1.0%炭酸ナトリウム水溶液5Kg中に入れ、1
0分間のボイル処理を行った。ボイル後水洗し、水切り
を十分行った後、重量測定を行った。さらにこのボイル
肉50gを水100gと共にレトルトパウチに入れ、加
圧加熱殺菌(121℃、30分間)を行った後、レトル
トパウチを開封し、肉塊を充分に水切りし、重量測定、
官能評価を行った。
【0027】(比較例2)実施例11と同様にして、豚
もも肉1Kgを一口大にカットし、ポリエチレン袋に入
れ、肉重量と同量(1Kg)の水を導入し、袋口をシー
ルした。これを実施例11と同様に処理した後、重量測
定、官能評価を行った。
【0028】比較例2、実施例11及び実施例12で得
られたボイル肉及びレトルト肉の歩留まりを測定した結
果を表3に示した。なお、歩留まりは、ボイル前の総重
量に対するボイル後総重量の割合、レトルト後総重量の
割合として計算した。表3から明らかなように、本発明
のボイル肉、レトルト肉ともに、比較例1よりも歩留ま
りにおいて上回っている事がわかった。
【0029】
【表3】
【0030】また、比較例2、実施例11及び実施例1
2で得られたレトルト肉を官能評価した結果を表4に示
した。表4から明らかなように、本発明のボイル肉、レ
トルト肉とも、比較例2よりも肉質の軟らかさ、肉汁性
において上回っている事がわかった。評価基準は肉の軟
らかさ、肉汁性の良好なものを5点とした。
【0031】
【表4】
【0032】(実施例13)牛のランプ肉1Kgを一口
大にカットした。一方、炭酸ナトリウムを水に溶解し
て、実施例1と同様に処理した後、重量測定、官能評価
を行った。
【0033】(実施例14)実施例13と同様にして、
牛ランプ肉1Kgを一口大にカットした。これを沸騰し
ている1.0%炭酸ナトリウム水溶液5Kg中に入れ、
実施例2と同様の処理を行った後、重量測定、官能評価
を行った。
【0034】(比較例3)実施例13と同様にして、牛
ランプ肉1Kgを一口大にカットし、ポリエチレン袋に
入れ、肉重量と同量(1Kg)の水を導入し、袋口をシ
ールした。これを比較例1と同様に処理した後、重量測
定、官能評価を行った。
【0035】比較例3、実施例13及び実施例14で得
られたボイル肉及びレトルト肉の歩留まりを測定した結
果を表5に示した。なお歩留まりは、ボイル前の総重量
に対する、ボイル水切り後の総重量の割合、レトルト水
切り後の割合として計算した。表5から明らかなよう
に、本発明のボイル肉、レトルト肉とも、比較例3より
も、歩留まりにおいて上回っている事がわかった。
【0036】
【表5】
【0037】また、比較例3、実施例13及び実施例1
4で得られたレトルト肉を官能評価した結果を表6に示
した。表6から明らかなように、本発明のボイル肉、レ
トルト肉ともに、比較例3よりも肉質の軟らかさ、肉汁
性において上回っている事がわかった。評価基準は肉の
軟らかさ、肉汁性の良好なものを5点とした。
【0038】
【表6】
【0039】(実施例15)豚もも肉200gを一口大
にカットした。一方、炭酸ナトリウムを水に溶解して、
1.0%水溶液を作製し、処理液とした。上記のカット
した肉をポリエチレン袋に入れ、肉重量と同量(200
g)の処理液を導入し、袋口をシールした。これを4℃
の冷蔵庫で15時間浸漬して、処理液を豚肉にしみ込ま
せた。ついで、袋を開封し、肉塊を充分に水切りした。
この処理済み肉を蒸し器に入れ、10分間の加熱処理を
行った。蒸し後、水切りを行った後、重量測定を行っ
た。さらにこの蒸し肉50gを水100gと共にレトル
トパウチに入れ、加圧加熱殺菌(121℃、30分間)を
行った後、レトルトパウチを開封し、肉塊を充分に水切
りし、重量測定、官能評価を行った。
【0040】(比較例4)実施例15と同様にして、豚
もも肉200gを一口大にカットし、ポリエチレン袋に
入れ、肉重量と同量(200g)の水を導入し、袋口を
シールした。これを実施例15と同様に処理した後、重
量測定、官能評価を行った。
【0041】比較例4及び実施例15で得られた蒸し肉
及びレトルト肉の歩留まりを測定した結果を表7に示し
た。なお歩留まりは、蒸し前の総重量に対する、蒸し後
総重量の割合、レトルト後総重量の割合として計算し
た。表7から明らかなように、本発明の蒸し肉、レトル
ト肉いずれも、比較例4よりも、それぞれ歩留まりにお
いて上回っている事がわかった。
【0042】
【表7】
【0043】また、比較例4及び実施例15で得られた
レトルト肉を官能評価した結果を表8に示した。表8か
ら明らかなように、本発明の蒸し肉、レトルト肉とも、
比較例4よりもそれぞれ肉質の軟らかさ、肉汁性におい
て上回っている事がわかった。評価基準は肉の軟らか
さ、肉汁性の良好なものを5点とした。
【0044】
【表8】
【0045】(実施例16)牛ランプ肉200gを一口
大にカットした。一方、炭酸ナトリウムを水に溶解し
て、1.0%水溶液を作製し、処理液とした。上記のカ
ットした肉をポリエチレン袋に入れ、肉重量と同量(2
00g)の処理液を導入し、袋口をシールした。これを
4℃の冷蔵庫で15時間浸漬して、処理液を牛肉にしみ
込ませた。ついで、袋を開封し、肉塊を充分に水切りし
た。この処理済み肉を3gのサラダ油と共に3分間フラ
イパンでソテーした。ソテー後余分の油を切って重量測
定を行った。さらにこのソテー肉50gを水100gと
共にレトルトパウチに入れ、実施例15と同様に処理し
た後、重量測定、官能評価を行った。
【0046】(比較例5)実施例16と同様にして、牛
ランプ肉200gを一口大にカットし、ポリエチレン袋
に入れ、肉重量と同量(200g)の水を導入し、袋口
をシールした。これを実施例16と同様に処理した後、
重量測定、官能評価を行った。
【0047】比較例5及び実施例16で得られたソテー
肉及びレトルト肉の歩留まりを測定した結果を表9に示
した。なお歩留まりは、ソテー前の総重量に対する、ソ
テー後の総重量の割合、レトルト後総重量の割合として
計算した。表9から明らかなように、本発明のソテー
肉、レトルト肉いずれも、比較例5よりも、それぞれ歩
留まりにおいて上回っている事がわかった。
【0048】
【表9】
【0049】また、比較例5及び実施例16で得られた
レトルト肉を官能評価した結果を表10に示した。表1
0から明らかなように、本発明のソテー肉、レトルト肉
ともに比較例5よりもそれぞれ肉質の軟らかさ、肉汁性
において上回っている事がわかった。評価基準は肉の軟
らかさ、肉汁性の良好なものを5点とした。
【0050】
【表10】
【0051】
【発明の効果】 本発明における剤の水溶液により、畜
肉を処理して肉組織内部に浸透させておくと、処理肉を
加熱処理した場合のみならず、加圧加熱殺菌した場合
も、肉の硬化を抑制し、肉汁性のよい食肉が得られ、歩
留まりも向上する事がわかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畜肉を炭酸塩溶液及び/または炭酸水素
    塩溶液に一定時間接触させ、当該溶液を肉中に浸透させ
    て、水中でボイル、あるいは蒸し、またはソテーした
    後、加圧加熱殺菌する事を特徴とする、レトルト肉の食
    感改善方法
  2. 【請求項2】 炭酸塩及び/または炭酸水素塩の0.
    1〜5.0重量%溶液に3時間以上浸漬することを特徴
    とする請求項1に記載のレトルト肉の食感改善方法
  3. 【請求項3】 沸騰した炭酸塩及び/または炭酸水素塩
    の0.1〜5.0重量%溶液で畜肉をボイルした後、加
    圧加熱殺菌する事を特徴とする、レトルト肉の食感改善
    方法
JP10362041A 1998-06-24 1998-12-21 加工肉の製造方法 Pending JP2000078957A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10362041A JP2000078957A (ja) 1998-06-24 1998-12-21 加工肉の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19365398 1998-06-24
JP10-193653 1998-06-24
JP10362041A JP2000078957A (ja) 1998-06-24 1998-12-21 加工肉の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000078957A true JP2000078957A (ja) 2000-03-21

Family

ID=26508000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10362041A Pending JP2000078957A (ja) 1998-06-24 1998-12-21 加工肉の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000078957A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006238715A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Nichirei Foods:Kk 食肉加工品の品質改善剤
JP2007061091A (ja) * 2005-08-04 2007-03-15 Sanei Gen Ffi Inc 畜水産加工品の食感改良方法
JP2007312751A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Mitsubishi Shoji Foodtech Co Ltd 肉類の品質改良剤および肉類の品質改良方法
CN1939142B (zh) * 2005-09-30 2010-06-09 好侍食品株式会社 烹调完食品的制造方法
KR101348981B1 (ko) * 2011-12-21 2014-01-22 한국식품연구원 육류 구이 가공품의 제조방법
WO2021090830A1 (ja) * 2019-11-05 2021-05-14 東洋製罐株式会社 容器に収容された食品を製造する方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006238715A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Nichirei Foods:Kk 食肉加工品の品質改善剤
JP2007061091A (ja) * 2005-08-04 2007-03-15 Sanei Gen Ffi Inc 畜水産加工品の食感改良方法
JP4672612B2 (ja) * 2005-08-04 2011-04-20 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 畜水産加工品の食感改良方法
CN1939142B (zh) * 2005-09-30 2010-06-09 好侍食品株式会社 烹调完食品的制造方法
JP2007312751A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Mitsubishi Shoji Foodtech Co Ltd 肉類の品質改良剤および肉類の品質改良方法
JP4688733B2 (ja) * 2006-05-29 2011-05-25 三菱商事フードテック株式会社 肉類の品質改良剤および肉類の品質改良方法
KR101348981B1 (ko) * 2011-12-21 2014-01-22 한국식품연구원 육류 구이 가공품의 제조방법
WO2021090830A1 (ja) * 2019-11-05 2021-05-14 東洋製罐株式会社 容器に収容された食品を製造する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102056355B1 (ko) 소곱창을 제조하는 방법
WO2001064052A1 (fr) Procede d'impregnation d'aliments, oeufs enrichis en vitamine c et oeufs de cane fermentes ainsi obtenus
KR102060051B1 (ko) 오리스킨 유래 젤라틴의 추출방법 및 이에 따라 추출된 젤라틴
JP2000078957A (ja) 加工肉の製造方法
JP3844700B2 (ja) 加工食品の調製方法及びレトルト食品
JP2539653B2 (ja) 加熱殺菌処理を施す食品の原料として使用する魚介類及び肉類の製造法
JP2009050173A (ja) 凍結乾燥エビの製造方法
KR102396094B1 (ko) 형태안정성이 우수한 건조해삼의 제조방법
JP2568946B2 (ja) 畜肉又は魚介肉の前処理方法
JP4650633B2 (ja) 骨のある食用肉の加工処理方法
JP2007014248A (ja) エビの品質改善方法
US3959507A (en) Chemical treatment to soften the bones of small fish for edible purposes
CN106901203A (zh) 一种超高压改性与高温干蒸制作无异味柔脆牛肚的方法
JPS5953803B2 (ja) いか水煮缶詰におけるいかの黒変防止法
JP4723354B2 (ja) 皮付き加工魚肉、皮付き魚肉の皮剥がれ抑制方法および皮付き加工魚肉の製造方法
KR101227709B1 (ko) 무화과 숙성 오리훈제 제조방법
JP3953499B2 (ja) 加工食品の調製方法及びレトルト食品
JPH03285651A (ja) 野菜類の煮くずれ防止方法
JP7133861B2 (ja) エビ類の製造方法およびそれに用いるエビ類用アルカリ処理液
CN109998045A (zh) 一种降低盐水鸭中生物胺的方法
JPS61158743A (ja) 白身魚の缶詰の製造法
JP4243127B2 (ja) エビの処理方法及び加工エビ
JP2000060493A (ja) 卵食品及びその製造方法
KR890004002B1 (ko) 제라틴을 이용한 건포류의 연질화방법
CN107712693A (zh) 具有咸鱼风味的低盐即食鱼产品的制备方法