JP2568946B2 - 畜肉又は魚介肉の前処理方法 - Google Patents
畜肉又は魚介肉の前処理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レトルト加熱殺菌等の
高温加熱処理を施す食品に用いられる畜肉又は魚介肉
(以下、両者をあわせて畜肉等という。)の前処理方法
に関するものである。
高温加熱処理を施す食品に用いられる畜肉又は魚介肉
(以下、両者をあわせて畜肉等という。)の前処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】一般
に畜肉等に高温加熱処理を施すと硬くパサパサした好ま
しくない食感のものになる。そこで、たとえば高温加熱
処理を要するカマボコではデンプンや植物性タンパク質
を添加して物性を補強する等の試みがなされているが、
カマボコのようなすり身の肉ならとも角、まだ肉組織を
有したままの畜肉等についての適当な前処理法は見当ら
ない。
に畜肉等に高温加熱処理を施すと硬くパサパサした好ま
しくない食感のものになる。そこで、たとえば高温加熱
処理を要するカマボコではデンプンや植物性タンパク質
を添加して物性を補強する等の試みがなされているが、
カマボコのようなすり身の肉ならとも角、まだ肉組織を
有したままの畜肉等についての適当な前処理法は見当ら
ない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明でいう畜肉とは、
牛,豚,羊などの食用の獣肉および鶏肉、鳥肉等であっ
て、また肉塊状の大きさの切断片が処理の対象となる。
また、魚介肉とは通常の魚介類の肉をいい、畜肉の場合
と同じく肉塊状の大きさの切断片が処理対象となる。い
ずれも生肉又は冷凍肉の状態のものが使用され、加熱処
理を施したり、ペースト化等の加工を施したものは対象
外である。畜肉等を浸漬するカルシウム含有液として
は、乳酸カルシウム,塩化カルシウム,酢酸カルシウム
等の易溶性塩が好適に採用される。
牛,豚,羊などの食用の獣肉および鶏肉、鳥肉等であっ
て、また肉塊状の大きさの切断片が処理の対象となる。
また、魚介肉とは通常の魚介類の肉をいい、畜肉の場合
と同じく肉塊状の大きさの切断片が処理対象となる。い
ずれも生肉又は冷凍肉の状態のものが使用され、加熱処
理を施したり、ペースト化等の加工を施したものは対象
外である。畜肉等を浸漬するカルシウム含有液として
は、乳酸カルシウム,塩化カルシウム,酢酸カルシウム
等の易溶性塩が好適に採用される。
【0004】カルシウム含有液中のカルシウム塩の濃度
は、例えば乳酸カルシウムの場合約0.2〜3.0%好
ましくは0.4〜1.2%、塩化カルシウムの場合約
0.2〜2.5%好ましくは0.4〜0.8%が適当で
あり、其の他のカルシウム塩濃度についても乳酸カルシ
ウム,塩化カルシウムと同一効果をもたらすよう適宜に
その濃度が設定される。
は、例えば乳酸カルシウムの場合約0.2〜3.0%好
ましくは0.4〜1.2%、塩化カルシウムの場合約
0.2〜2.5%好ましくは0.4〜0.8%が適当で
あり、其の他のカルシウム塩濃度についても乳酸カルシ
ウム,塩化カルシウムと同一効果をもたらすよう適宜に
その濃度が設定される。
【0005】カルシウム含有液中への畜肉等の浸漬にあ
たっては、カルシウム含有液中に畜肉等が完全に漬る状
態にすれば良く、浸漬温度は約0〜40℃が好ましい。
たっては、カルシウム含有液中に畜肉等が完全に漬る状
態にすれば良く、浸漬温度は約0〜40℃が好ましい。
【0006】カルシウム含有液はpH6〜10の範囲
が、殊に好ましくは弱アルカリのpH7.5〜9の範囲
の緩衝液とする方が良い。
が、殊に好ましくは弱アルカリのpH7.5〜9の範囲
の緩衝液とする方が良い。
【0007】浸漬は、畜肉等の塊の中心部までCa2+が
浸透するのに要する時間以上浸漬する必要がある。カル
シウム含有液に浸漬した後、引きつづき浸漬する重合リ
ン酸塩含有液としてピロリン酸四カリウム、ピロリン酸
二水素ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウム等の
オルトリン酸塩の脱水縮合物が好適に採用される。重合
リン酸塩含有液中の重合リン酸塩の濃度は、ピロリン酸
二水素ナトリウム,トリポリリン酸ナトリウム等の合計
が約1.0〜20.0%好ましくは2.0〜5.0%が
適当である。重合リン酸塩含有液中への畜肉等の浸漬に
あたっては、重合リン酸塩含有液中に畜肉等が完全に漬
る状態にすれば良い。また、浸漬温度は0〜40℃、重
合リン酸塩含有液のpHの範囲は6〜10、好ましくは
7.5〜9の範囲の緩衝液がよい。浸漬時間は、畜肉等
の塊の中心部まで重合リン酸塩が浸透するのに要する時
間以上浸漬する必要がある。
浸透するのに要する時間以上浸漬する必要がある。カル
シウム含有液に浸漬した後、引きつづき浸漬する重合リ
ン酸塩含有液としてピロリン酸四カリウム、ピロリン酸
二水素ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウム等の
オルトリン酸塩の脱水縮合物が好適に採用される。重合
リン酸塩含有液中の重合リン酸塩の濃度は、ピロリン酸
二水素ナトリウム,トリポリリン酸ナトリウム等の合計
が約1.0〜20.0%好ましくは2.0〜5.0%が
適当である。重合リン酸塩含有液中への畜肉等の浸漬に
あたっては、重合リン酸塩含有液中に畜肉等が完全に漬
る状態にすれば良い。また、浸漬温度は0〜40℃、重
合リン酸塩含有液のpHの範囲は6〜10、好ましくは
7.5〜9の範囲の緩衝液がよい。浸漬時間は、畜肉等
の塊の中心部まで重合リン酸塩が浸透するのに要する時
間以上浸漬する必要がある。
【0008】本発明で使用する塩化ナトリュウムの濃度
は約1.0〜20.0%好ましくは2.0〜5.0%で
用いられ、また、浸漬液に対する炭酸水素ナトリウムの
濃度は約0.1〜1.5%好ましくは0.1〜0.5%
で用いられる。
は約1.0〜20.0%好ましくは2.0〜5.0%で
用いられ、また、浸漬液に対する炭酸水素ナトリウムの
濃度は約0.1〜1.5%好ましくは0.1〜0.5%
で用いられる。
【0009】塩化ナトリウム、塩化カリウム又は炭酸水
素ナトリウムのいずれか一つ又は三者の組合せをカルシ
ウム含有液又は重合リン酸塩含有液のいずれか一方又は
両方に加えてもよい。または、カルシウム含有液、重合
リン酸塩含有液に浸漬する前又は後に塩化ナトリウム、
塩化カリウム又は炭酸水素ナトリウムのいずれか一つ又
は三者の組合せの溶液に畜肉等を浸漬してもよい。カル
シウム含有液と重合リン酸塩含有液のように浸漬順序を
特定されることはないが、重合リン酸塩含有液浸漬と同
時に行うかまたは重合リン酸塩含有液に浸漬した後に浸
漬するのが好ましい。
素ナトリウムのいずれか一つ又は三者の組合せをカルシ
ウム含有液又は重合リン酸塩含有液のいずれか一方又は
両方に加えてもよい。または、カルシウム含有液、重合
リン酸塩含有液に浸漬する前又は後に塩化ナトリウム、
塩化カリウム又は炭酸水素ナトリウムのいずれか一つ又
は三者の組合せの溶液に畜肉等を浸漬してもよい。カル
シウム含有液と重合リン酸塩含有液のように浸漬順序を
特定されることはないが、重合リン酸塩含有液浸漬と同
時に行うかまたは重合リン酸塩含有液に浸漬した後に浸
漬するのが好ましい。
【0010】かくて、本発明による前処理ずみの畜肉類
には、その後糖類,アミノ酸,アルカリ性素材,酸化
剤,蛋白架橋酵素であるトランスグルタミナーゼ,そし
て各種調味料を適宜用いてもよく、それにより食感及び
食味の改善効果が得られる。
には、その後糖類,アミノ酸,アルカリ性素材,酸化
剤,蛋白架橋酵素であるトランスグルタミナーゼ,そし
て各種調味料を適宜用いてもよく、それにより食感及び
食味の改善効果が得られる。
【0011】本発明における前処理についで高温加熱処
理を行う場合、その高温加熱処理は通常レトルト加熱殺
菌をはじめ100℃以上の温度での加熱などが行われ
る。また、御飯等の熱伝導の良くない食材中に本発明処
理ずみ畜肉等を点在させ高温加熱処理する場合は畜肉等
の品温が上昇するのに時間を要するため、予め熱湯や油
等の熱伝導のよい溶媒の中で80℃〜100℃で短時間
加熱を行ないゲル化させた後に御飯等の食材とともに高
温加熱処理するのが好ましい。
理を行う場合、その高温加熱処理は通常レトルト加熱殺
菌をはじめ100℃以上の温度での加熱などが行われ
る。また、御飯等の熱伝導の良くない食材中に本発明処
理ずみ畜肉等を点在させ高温加熱処理する場合は畜肉等
の品温が上昇するのに時間を要するため、予め熱湯や油
等の熱伝導のよい溶媒の中で80℃〜100℃で短時間
加熱を行ないゲル化させた後に御飯等の食材とともに高
温加熱処理するのが好ましい。
【0012】高温加熱処理する時、浸漬処理した畜肉等
と一緒に混合できる食材は特に制限なくスープ,カレ
ー,シチュー等の液状のものから米飯製品等の固形状の
ものまで広範囲である。
と一緒に混合できる食材は特に制限なくスープ,カレ
ー,シチュー等の液状のものから米飯製品等の固形状の
ものまで広範囲である。
【0013】
【作用】一般に、畜肉等は屠殺後、ATP濃度の低下に
よる強く結合したアクトミオシンの形成、およびpHの
低下にともなうタンパク質の凝集により蛋白質の保水能
が低下する。
よる強く結合したアクトミオシンの形成、およびpHの
低下にともなうタンパク質の凝集により蛋白質の保水能
が低下する。
【0014】この状態の畜肉等を高温加熱処理すると、
蛋白質の部分的加熱分解とあいまって結合水の少ない硬
くてもろい食感になり、食味上好ましくない。高温加熱
処理しても柔らかく弾力性に富む畜肉等とは、畜肉等中
の蛋白質が均質で密な網目構造をもち、多量の結合水を
含んでゲル化している状態であろうと考えられる。畜肉
等をカルシウム含有液中に浸漬することにより、カルシ
ウムイオンがアクチン,トロポミオシン,トロポニンの
細いフィラメントを形成する筋原繊維と結合し、この細
いフィラメントがミオシンの太いフィラメントと強く結
合する。この反応において、太いフィラメントが保護さ
れ保水能は低下するがタンパク質の網目構造が均質化さ
れると考えられる。
蛋白質の部分的加熱分解とあいまって結合水の少ない硬
くてもろい食感になり、食味上好ましくない。高温加熱
処理しても柔らかく弾力性に富む畜肉等とは、畜肉等中
の蛋白質が均質で密な網目構造をもち、多量の結合水を
含んでゲル化している状態であろうと考えられる。畜肉
等をカルシウム含有液中に浸漬することにより、カルシ
ウムイオンがアクチン,トロポミオシン,トロポニンの
細いフィラメントを形成する筋原繊維と結合し、この細
いフィラメントがミオシンの太いフィラメントと強く結
合する。この反応において、太いフィラメントが保護さ
れ保水能は低下するがタンパク質の網目構造が均質化さ
れると考えられる。
【0015】カルシウム含有液にて処理した後に重合リ
ン酸塩含有液中に畜肉等を浸漬すると重合リン酸塩が筋
原繊維と結合していたカルシウムイオンと結合し、カル
シウムイオンが筋原繊維から遊離することにより、太い
フィラメントと細いフィラメントの結合が弱まり、蛋白
質の水和結合を増進する。
ン酸塩含有液中に畜肉等を浸漬すると重合リン酸塩が筋
原繊維と結合していたカルシウムイオンと結合し、カル
シウムイオンが筋原繊維から遊離することにより、太い
フィラメントと細いフィラメントの結合が弱まり、蛋白
質の水和結合を増進する。
【0016】本発明における浸漬の順序を逆にし、つま
り重合リン酸塩含有液に浸漬した後カルシウム含有液に
浸漬すると、カルシウムイオンとタンパク質の結合力よ
りカルシウムイオンと重合リン酸塩の結合力の方が強
く、カルシウムイオンによるアクトミオシンの結合の強
化及びタンパク質の網目構造の均質化がなされない。
り重合リン酸塩含有液に浸漬した後カルシウム含有液に
浸漬すると、カルシウムイオンとタンパク質の結合力よ
りカルシウムイオンと重合リン酸塩の結合力の方が強
く、カルシウムイオンによるアクトミオシンの結合の強
化及びタンパク質の網目構造の均質化がなされない。
【0017】またカルシウムと重合リン酸塩の混合液に
浸漬すると、浸漬する前にカルシウムイオンと重合リン
酸塩が結合しており、カルシウムイオンの効果が発揮さ
れないばかりか、重合リン酸塩の効果まで低下する。中
性塩類の溶液中に畜肉等を浸漬すると、蛋白質の水和結
合が一層増進する。炭酸水素ナトリウム溶液中に畜肉等
を浸漬するとHCO3 - がタンパク質と強く結合するた
め畜肉等のPHを弱アルカリ性に調整し、他の食材の影
響によるPHの低下を抑制する働きがある。
浸漬すると、浸漬する前にカルシウムイオンと重合リン
酸塩が結合しており、カルシウムイオンの効果が発揮さ
れないばかりか、重合リン酸塩の効果まで低下する。中
性塩類の溶液中に畜肉等を浸漬すると、蛋白質の水和結
合が一層増進する。炭酸水素ナトリウム溶液中に畜肉等
を浸漬するとHCO3 - がタンパク質と強く結合するた
め畜肉等のPHを弱アルカリ性に調整し、他の食材の影
響によるPHの低下を抑制する働きがある。
【0018】また、カルシウム含有液、重合リン酸含有
液、中性塩類の溶液及び炭酸水素ナトリウム溶液等の水
溶液に浸漬することにより、ゲル化を阻害する筋形質タ
ンパク質等を畜肉等から除去するという水さらしの働き
を得ることが出来る。なお、糖類は風味を改善する他、
保水性の向上,重合リン酸塩との併用によるタンパク質
の塩溶性を向上させる働きをもっている。
液、中性塩類の溶液及び炭酸水素ナトリウム溶液等の水
溶液に浸漬することにより、ゲル化を阻害する筋形質タ
ンパク質等を畜肉等から除去するという水さらしの働き
を得ることが出来る。なお、糖類は風味を改善する他、
保水性の向上,重合リン酸塩との併用によるタンパク質
の塩溶性を向上させる働きをもっている。
【0019】酸化剤およびトランスグルタミナーゼは蛋
白質の網目構造を強化する働きをもつ。
白質の網目構造を強化する働きをもつ。
【0020】通常、畜肉等を80℃〜100℃で加熱処
理すると、タンパク質が変性し多量の結合水を含んだ状
態でゲル化が起こる。本発明の処理をしないものを10
0℃以上の高温加熱処理すると蛋白質が一部分解し保水
能が低下し、ゲル強度が低下するのであるが、浸漬処理
により蛋白質の網目構造が強化され、結合水量が多くな
っているため、未処理の畜肉等に比べはるかに柔らかく
弾力性に富むものとなる。また加熱処理時間は短い方が
当然蛋白質の分解が少ないため保水能の高いゲルが得ら
れ、食感が良好である。
理すると、タンパク質が変性し多量の結合水を含んだ状
態でゲル化が起こる。本発明の処理をしないものを10
0℃以上の高温加熱処理すると蛋白質が一部分解し保水
能が低下し、ゲル強度が低下するのであるが、浸漬処理
により蛋白質の網目構造が強化され、結合水量が多くな
っているため、未処理の畜肉等に比べはるかに柔らかく
弾力性に富むものとなる。また加熱処理時間は短い方が
当然蛋白質の分解が少ないため保水能の高いゲルが得ら
れ、食感が良好である。
【0021】カルシウム含有液、重合リン酸含有液、中
性塩類の溶液および炭酸水素ナトリウム溶液等により浸
漬処理した畜肉等の性状は以下次の通りであった。 (テスト)エビを用い、以下11種類の浸漬処理(1
1種類の浸漬処理の条件を表1,表2に示す)を行なっ
た後、チャーハン200gに対しこの改質処理したエビ
を各々30gずつ添加混合し、121℃,40分のレト
ルト加熱殺菌を行なった後、20人のパネラーで官能評
価した結果を表3に示す。
性塩類の溶液および炭酸水素ナトリウム溶液等により浸
漬処理した畜肉等の性状は以下次の通りであった。 (テスト)エビを用い、以下11種類の浸漬処理(1
1種類の浸漬処理の条件を表1,表2に示す)を行なっ
た後、チャーハン200gに対しこの改質処理したエビ
を各々30gずつ添加混合し、121℃,40分のレト
ルト加熱殺菌を行なった後、20人のパネラーで官能評
価した結果を表3に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】 (テスト項目) (総評) (ア)未処理 1 (イ)重合リン酸塩処理 2 (ウ)食塩処理 1 (エ)カルシウム→重合リン酸塩処理 6 (オ)重合リン酸塩→カルシウム処理 2 (カ)カルシウム→重合リン酸塩+食塩処理 7 (キ)カルシウム→重合リン酸塩+炭酸水素ナトリウム処理 7 (ク)カルシウム→重合リン酸塩+糖処理 6 (ケ)カルシウム→重合リン酸塩+アミノ酸処理 6 (コ)カルシウム→重合リン酸塩+調味料処理 6 (サ)カルシウム→重合リン酸塩+酸化剤処理 5 〔評価基準〕 総評は、未処理のエビを熱湯中で90
℃,80秒加熱後水冷した状態(レトルト加熱殺菌な
し)を6とし、それより硬くなり弾力性が低下するにし
たがって5,4,3,2,1と表示する。なお、6より
柔らかく弾力性のあるものは7とする。
℃,80秒加熱後水冷した状態(レトルト加熱殺菌な
し)を6とし、それより硬くなり弾力性が低下するにし
たがって5,4,3,2,1と表示する。なお、6より
柔らかく弾力性のあるものは7とする。
【0025】(テスト)1cmダイスの牛肉を用い、
以下5種の浸漬処理(5種類の浸漬処理の条件を表4に
示す)を行なった後、カレー200gに対しこの改質処
理した牛肉を各々30gずつ添加し、121℃,30分
のレトルト加熱殺菌を行なった後、20人のパネラーで
官能評価した結果を表5に示す。
以下5種の浸漬処理(5種類の浸漬処理の条件を表4に
示す)を行なった後、カレー200gに対しこの改質処
理した牛肉を各々30gずつ添加し、121℃,30分
のレトルト加熱殺菌を行なった後、20人のパネラーで
官能評価した結果を表5に示す。
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】 (テスト項目) (総評) (ア)未処理 1 (イ)カルシウム→重合リン酸塩処理 6 (ウ)カルシウム→重合リン酸塩処理(40℃浸漬) 6 (エ)カルシウム→重合リン酸塩+食塩処理 7 (オ)カルシウム→重合リン酸塩→食塩処理 7 〔評価基準〕 総評は、未処理の牛肉を熱湯中で100
℃,120秒加熱後水冷した状態を6とし、それより硬
くなり弾力性が低下するにしたがって5,4,3,2,
1と表示する。なお、6より柔らかく弾力性のあるもの
は7とする。
℃,120秒加熱後水冷した状態を6とし、それより硬
くなり弾力性が低下するにしたがって5,4,3,2,
1と表示する。なお、6より柔らかく弾力性のあるもの
は7とする。
【0028】
(実施例)インド産ブラウン系の冷凍エビ約100g
を流水にて解凍した後、0.8%乳酸カルシウム含有液
500ml中に10℃、1時間浸漬する。このカルシウ
ム浸漬処理したエビ約100gを水洗し、引き続き1.
5%トリポリリン酸ナトリウム、1.5%ピロリン酸二
水素ナトリウムを含有する溶液500ml中に10℃、
3時間浸漬する。このように二段階の浸漬処理を施され
たエビを90℃の熱湯中で80秒間加熱し、直ちに水冷
する。以上の改質処理を施したエビの中より30gをと
り出しチャーハン200gと混合し、121℃,40分
のレトルト加熱殺菌を行った。このレトルト殺菌をした
エビについて官能評価をした結果、未処理のエビに比べ
ソフトで、保水性が良く弾力性に富むものであった。
を流水にて解凍した後、0.8%乳酸カルシウム含有液
500ml中に10℃、1時間浸漬する。このカルシウ
ム浸漬処理したエビ約100gを水洗し、引き続き1.
5%トリポリリン酸ナトリウム、1.5%ピロリン酸二
水素ナトリウムを含有する溶液500ml中に10℃、
3時間浸漬する。このように二段階の浸漬処理を施され
たエビを90℃の熱湯中で80秒間加熱し、直ちに水冷
する。以上の改質処理を施したエビの中より30gをと
り出しチャーハン200gと混合し、121℃,40分
のレトルト加熱殺菌を行った。このレトルト殺菌をした
エビについて官能評価をした結果、未処理のエビに比べ
ソフトで、保水性が良く弾力性に富むものであった。
【0029】(実施例)1cm角の立方体の生の牛肉
約100gを0.4%塩化カルシウム含有液500ml
中に5℃,3時間浸漬する。このカルシウム浸漬処理し
た牛肉約100gを水洗し、引き続き、1.0%トリポ
リリン酸ナトリウム、1.0%ピロリン酸二水素ナトリ
ウムおよび3.0%食塩を含有する溶液500ml中に
5℃,1晩浸漬する。このように二段階の浸漬処理を施
した牛肉を30gとり出し、カレー200gと混合し、
121℃,30分のレトルト加熱殺菌を行った。このよ
うにレトルト加熱殺菌をした牛肉について官能評価をし
た結果、未処理の牛肉に比べソフトで、保水性が高く収
縮の少ない弾力性に富むものであった。
約100gを0.4%塩化カルシウム含有液500ml
中に5℃,3時間浸漬する。このカルシウム浸漬処理し
た牛肉約100gを水洗し、引き続き、1.0%トリポ
リリン酸ナトリウム、1.0%ピロリン酸二水素ナトリ
ウムおよび3.0%食塩を含有する溶液500ml中に
5℃,1晩浸漬する。このように二段階の浸漬処理を施
した牛肉を30gとり出し、カレー200gと混合し、
121℃,30分のレトルト加熱殺菌を行った。このよ
うにレトルト加熱殺菌をした牛肉について官能評価をし
た結果、未処理の牛肉に比べソフトで、保水性が高く収
縮の少ない弾力性に富むものであった。
【0030】(実施例)1cm角の立方体の冷凍の牛
肉約100gを0.4%乳酸カルシウム含有液500m
l中に40℃,3時間浸漬する。このカルシウム浸漬処
理した牛肉約100gを水洗し、3.0%トリポリリン
酸ナトリウム、および3.0%食塩含有する溶液500
ml中に40℃,3時間浸漬する。引き続き、0.3%
炭酸水素ナトリウムを含有する溶液500ml中に40
℃,1時間浸漬する。このように三段階の浸漬処理を施
した牛肉を30gとり出し、スープ200gと混合し、
121℃,30分のレトルト加熱殺菌を行った。このよ
うにレトルト加熱殺菌をした牛肉について官能評価をし
た結果、未処理の牛肉に比べソフトで、保水性が高く収
縮の少ない弾力性に富むものであった。
肉約100gを0.4%乳酸カルシウム含有液500m
l中に40℃,3時間浸漬する。このカルシウム浸漬処
理した牛肉約100gを水洗し、3.0%トリポリリン
酸ナトリウム、および3.0%食塩含有する溶液500
ml中に40℃,3時間浸漬する。引き続き、0.3%
炭酸水素ナトリウムを含有する溶液500ml中に40
℃,1時間浸漬する。このように三段階の浸漬処理を施
した牛肉を30gとり出し、スープ200gと混合し、
121℃,30分のレトルト加熱殺菌を行った。このよ
うにレトルト加熱殺菌をした牛肉について官能評価をし
た結果、未処理の牛肉に比べソフトで、保水性が高く収
縮の少ない弾力性に富むものであった。
【0031】
【効果】本発明によって、従来レトルト加熱殺菌等の高
温加熱処理を施すことにより食味が低下した畜肉等をお
いしく食することが可能になった。なかでも、米飯製品
等の水分の少ない固形状食品やpHの低い食品を処理す
る場合、畜肉等から本来含有する水分が水分の少ない固
形状食品に移行してその品質が低下したり、PHで等電
点に近くなったことにより畜肉等が脱水され硬化すると
いった欠点が、本発明で解消でき、高温加熱処理を施す
食品に幅広く応用できるものとなった。
温加熱処理を施すことにより食味が低下した畜肉等をお
いしく食することが可能になった。なかでも、米飯製品
等の水分の少ない固形状食品やpHの低い食品を処理す
る場合、畜肉等から本来含有する水分が水分の少ない固
形状食品に移行してその品質が低下したり、PHで等電
点に近くなったことにより畜肉等が脱水され硬化すると
いった欠点が、本発明で解消でき、高温加熱処理を施す
食品に幅広く応用できるものとなった。
Claims (3)
- 【請求項1】 畜肉又は魚介肉をカルシウム含有液に浸
漬し、ついで重合リン酸塩含有液に浸漬することを特徴
とする畜肉又は魚介肉の前処理方法。 - 【請求項2】 塩化ナトリウム、塩化カリウム又は炭酸
水素ナトリウムのいずれか一つ又は三者の組合せをカル
シウム含有液又は重合リン酸塩含有液のいずれか一方又
は両方に加えることを特徴とする請求項1に記載の畜肉
又は魚介肉の前処理方法。 - 【請求項3】 畜肉又は魚介肉をカルシウム含有液に浸
漬し、ついで重合リン酸塩含有液に浸漬し、重合リン酸
塩含有液と同時に又はその後に塩化ナトリウム、塩化カ
リウム又は炭酸水素ナトリウムのいずれか一つ又は三者
の組合せに浸漬することを特徴とする畜肉又は魚介肉の
前処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3141003A JP2568946B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 畜肉又は魚介肉の前処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3141003A JP2568946B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 畜肉又は魚介肉の前処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04341160A JPH04341160A (ja) | 1992-11-27 |
JP2568946B2 true JP2568946B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=15281919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3141003A Expired - Lifetime JP2568946B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 畜肉又は魚介肉の前処理方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2568946B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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-
1991
- 1991-05-16 JP JP3141003A patent/JP2568946B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH04341160A (ja) | 1992-11-27 |
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