JP2662770B2 - 加圧加熱殺菌食品用魚介類の品質改良法 - Google Patents

加圧加熱殺菌食品用魚介類の品質改良法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧加熱殺菌食品用魚
介類を品質改良して良好な肉組織をもつものにする方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にエビ等の魚介類に100℃を越え
る高温加熱処理を施すと表面は硬くなり中身はかさかさ
したものになり、その体積も50%以下程度に縮んでし
まう。
【0003】従来からカマボコ等を加圧加熱殺菌しても
柔らかくコシのある食感を持つものにするために、蛋白
質どうしを架橋重合させる酵素であるトランスグルタミ
ナーゼを魚肉の擂り身とともに練り込む方法が知られて
いる。
【0004】また、魚介類の保水性を高めるために、リ
ン酸塩含有液に浸漬させる方法も知られている。
【0005】しかし、エビ等の魚介類を揺り身ではなく
肉組織を有したまま加圧加熱殺菌したとき柔らかくコシ
のある食感を持たせる方法は見当たらない。
【0006】また、リン酸塩含有液のみに浸漬するだけ
では柔らかくコシのある食感は得られない。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、加圧加熱
殺菌処理を施した肉組織を有する魚介類の食感が、即食
用に調理したものと変わらない柔らかくコシのある適度
の歯ごたえの食感のものとなる方法を開発することにあ
る。以下に本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となる魚介
類は、エビ、カニ等の食用甲殻類、イカ、タコ等の食用
頭足類並びにタラ、タイ等の白身魚等の食用魚類の肉塊
であって、場合によっては食用に適するよう加工し又は
適宜切断したものである。エビは、生鮮、冷凍を問わ
ず、またどの様な品種のエビでも良い。肉塊状または頭
部をはずしたムキエビがよい。加熱処理を施したり、カ
マボコの様にペースト化等の加工をしたものは対象外で
ある。
【0009】カルシウム含有液中のカルシウム塩の濃度
は、例えば乳酸カルシウムの場合0.2〜3.0、好ま
しくは0.5〜1.0%、塩化カルシウムの場合0.2
〜2.5%、好ましくは0.5〜1.0%である。他の
カルシウム塩の場合、乳酸カルシウム、塩化カルシウム
と同一の効果をもたらすカルシウムイオン濃度に適宜設
定する。カルシウム含有液はpH6〜10の範囲、好ま
しくは弱アルカリのpH7.5〜9の範囲の緩衝液とす
る方がよい。
【0010】魚介類は、当然乍らカルシウム含有液中に
完全に浸漬する。浸漬温度は0〜40℃が好ましい。肉
塊の中心部までカルシウムイオンが浸透するのに要する
時間以上浸漬する方がよい。
【0011】重合リン酸塩含有液は、ピロリン酸四カリ
ウム、ピロリン酸二水素ナトリウム及びトリポリリン酸
ナトリウム等のオルトリン酸塩の脱水縮合物の水溶液で
ある。重合リン酸塩の濃度は、ピロリン酸、トリポリリ
ン酸の濃度の合計が1.0〜20.0%、好ましくは
1.0〜5.0%が適当である。重合リン酸塩含有液は
pH6〜10の範囲、好ましくは弱アルカリのpH7.
5〜9の範囲の緩衝液とする方がよい。
【0012】魚介類は、重合リン酸塩含有液中に完全に
浸漬する。浸漬温度は0〜40℃が好ましい。肉塊の中
心部まで重合リン酸塩が浸透するのに要する時間以上浸
漬する方がよい。
【0013】カルシウム含有液及び/又は重合リン酸塩
含有液に、好ましくは重合リン酸塩含有液に中性塩類を
溶解してもよい。ここで中性塩類とは、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等をいい、好ましくは塩化ナトリウム
である。中性塩類の濃度は食塩の場合1.0〜20%、
好ましくは2.0〜5.0%が良い。
【0014】熱凝固性蛋白質とはカゼインナトリウム、
大豆蛋白質、アルブミン、卵白等のように加熱すれば凝
固する蛋白質をいう。カゼインナトリウムとは、カゼイ
ンをアルカリ処理し、カゼインのカルボキシル基にナト
リウムイオンを結合させ、可溶性としたものである。
【0015】トランスグルタミナーゼは、放線菌、スト
レプトバーチシリウム・グリセオカルネウム(Stre
ptoverticillium griseocar
neum)IFO12776,ストレプトバーチシリウ
ム・サブ・スペシーズ・シナモネウム(Strepto
verticillium sub SP.cinna
moneum)IFO12852,ストレプトバーチシ
リウム・モバラエンス(Streptovertici
llium mobaraense)IFO1381
9,ストレプトミセス・スペシーズ(Streptom
yces sp.)No.83、ストレプトミセス・ラ
ベンデユラエ(Streptomyceslavend
ulae)No.446等の微生物が産生する酵素であ
り、蛋白質どうしを架橋重合させる酵素である。
【0016】熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナー
ゼ溶液は、例えば、カゼインナトリウム濃度1〜10
%、好ましくは2.0〜6.0%、原料のムキエビ1g
に対してトランスグルタミナーゼ0.1〜20単位、好
ましくは1.0〜5単位となるように溶解し、調製す
る。
【0017】ここで、本酵素液の単位は次の方法により
求められる。本酵素液0.05mlに試薬A(0.2M
トリス塩酸塩緩衝液(pH6.0)、0.1Mヒドロキ
シルアミン、0.01M還元グルタチオン及び0.03
Mベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルリジンか
ら成る)0.5mlを加えて混合し、37℃で10分間
反応させる。次いで試薬B(3N塩酸、12%トリクロ
ロ酢酸及び5%塩化第2鉄(0.1N塩酸に溶解したも
の)から成る)0.5mlを加えて反応を停止させて鉄
錯体を生じさせた後、525nmにおける吸光度を測定
する。対照としてあらかじめ本酵素を加熱により失活さ
せた溶液を用いて同様に反応させたものの吸光度を測定
し、本酵素との吸光度の差を求める。これとは別に、本
酵素の代わりにL−グルタミン酸γ−モノヒドロキサム
酸を用いて検量線を作成する。1分間に1μモルのヒド
ロキサム酸を生成する酵素単位を1単位(IU)とす
る。
【0018】魚介類は、熱凝固性蛋白質及びトランスグ
ルタミナーゼ溶液に完全に浸漬する。浸漬温度は0〜4
0℃、pHは5〜8の範囲がよい。
【0019】ボイルは、熱湯や油等の熱伝導のよい溶媒
で80〜100℃で魚介類及び熱凝固性蛋白質をゲル化
させるまでの時間加熱すればよく、ボイルしたあと加圧
加熱殺菌処理するまでの間、魚介類は冷凍保管した方が
よい。
【0021】加圧加熱殺菌は、常法に従うものであっ
て、たとえば缶、袋などの密封性容器に詰めて、加圧加
熱殺菌する等の手段で行う。
【0022】
【作用】カルシウム含有液には魚介類の筋繊維蛋白質の
アクチンとミオシンの結合を強くし、その肉塊に方向性
(繊維性)を持たせる作用がある。又、筋繊維が縮むこ
とで魚介類を加圧加熱殺菌したときの異臭のもとである
筋形質蛋白質の溶出をはかり、加圧加熱殺菌処理後の異
臭を減少させる。重合リン酸塩含有液にはカルシウムと
キレートをつくり筋繊維中のカルシウムを除去しアクチ
ンとミオシンの結合を緩める作用がある。同時に水の筋
肉中への取り込み(膨潤)を促進させることで歩留りの
向上をはかる。熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナ
ーゼを含有する溶液には魚介類の筋繊維束の間に熱凝固
性蛋白質を導入し保水性を持たせ、トランスグルタミナ
ーゼを反応させて熱凝固性蛋白質どうし、熱凝固性蛋白
質と魚介類の筋繊維、魚介類の筋繊維どうしを架橋重合
結合させて魚介類の保形性及び保水性を向上させ、且つ
耐熱性を持たせる作用がある。
【0023】カルシウム塩の濃度は高い方が効果がある
が、現実的にはその溶解性により濃度には上限がある。
逆に、濃度が低いと、加圧加熱殺菌後の魚介類の保形性
がやや落ち魚介類の筋形質蛋白質が残るので臭みがで
る。又、処理時間が長くなるので鮮度が落ちるという欠
点を生じる。
【0024】カルシウム含有液への浸漬温度が40℃よ
りも高いと、浸漬中に魚介類の組織が軟化し、微生物汚
染の可能性もある。従って、加圧加熱殺菌後の食感は、
歯ごたえに欠けたものとなる。
【0025】カルシウム含有液のpHを6よりも低くす
ると、魚介類の蛋白質の等電点に近くなるので凝固し、
加圧加熱殺菌後のものは、硬くなってしまう。
【0026】逆に、pHを10よりも高くすると、魚介
類の蛋白質が分解し、加圧加熱殺菌後の食感は軟らかく
なってこれも品質が落ちることとなる。
【0027】カルシウム含有液への浸漬時間を短くする
と、魚介類の筋形質蛋白質が残り凝固性蛋白質の浸透を
阻害するため、加圧加熱殺菌後の食感は、軟らかく、臭
みもある。
【0028】逆に、浸漬時間が長すぎると、次工程の重
合リン酸塩含有液への浸漬時間を長くしないと所望の効
果が得られない。カルシウムを除去するために、カルシ
ウムとリン酸を結合する時間が必要だからである。
【0029】重合リン酸塩の濃度が高すぎると、魚介類
の組織は水分が過度に保有されるのでゼリー状になって
しまい、凝固性蛋白質の進入を阻害する。従って、加圧
加熱殺菌後の食感は、その表面だけが硬いものとなる。
【0030】これに反し、濃度が低すぎると、魚介類の
組織は保水量が少なく肉塊も小さいままであるので、加
圧加熱殺菌後の食感は硬くて不良である。
【0031】重合リン酸塩含有液への浸漬温度を40℃
よりも高くすると、浸漬中に魚介類が劣化及び軟化(腐
敗)してしまい、加圧加熱殺菌後の食感は歯ごたえに欠
けるものとなる。
【0032】重合リン酸塩含有液のpHが6よりも低い
と、オルトリン酸塩の水溶液が中和され、魚介類の組織
は保水せず膨潤しない。従って、加圧加熱殺菌後の食感
は、硬くボソボソしたものとなってしまう。
【0033】逆に、重合リン酸塩含有液のpHが10よ
りも高いと、やはり魚介類の蛋白質が分解するので、加
圧加熱殺菌後の食感は軟らかくなりすぎる。
【0034】重合リン酸塩含有液への浸漬時間を短くす
れば、魚介類の表面だけが吸水してゲル化し、内部はア
クチン、ミオシンの結合が強く繊維質となる。従って、
加圧加熱殺菌後の魚介類は小さくなり、その食感も硬
い。
【0035】しかし、浸漬時間を長くすると、魚介類の
組織は過度の保水でゼリー状になり、凝固性蛋白質の進
入を阻害する。従って、加圧加熱殺菌後の食感は、その
表面だけが硬いものとなる。
【0036】カルシウム含有液及び/又は重合リン酸塩
含有液に中性塩類を溶解したものを使用すると、いわゆ
る塩ずり効果が出て魚介類の蛋白質のゲル化が促進さ
れ、保水性が高まる。従って、加圧加熱殺菌後の食感
は、しっかりとゴム状の弾性のある感触のものになる。
【0037】しかし、中性塩類の濃度が高過ぎると、魚
介類は浸透圧により脱水されて痩せ加圧加熱殺菌後の食
感は、硬くなる。
【0038】熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナー
ゼ溶液において、熱凝固性蛋白質の濃度が低いと、酵素
反応基質が少ないので十分な架橋反応ができずに魚介類
は小さく硬くなる。従って、加圧加熱殺菌後の魚介類の
食感はボソボソしたものになる。
【0039】逆に、熱凝固性蛋白質の濃度が高いと、酵
素がその蛋白質のゲル化にのみ費やされる。従って、加
圧加熱殺菌後の魚介類は小さくなり、その食感は硬くボ
ソボソしたものになる。
【0040】熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナー
ゼ溶液において、トランスグルタミナーゼの添加単位が
低いと、蛋白質の架橋反応が少なくなり、保水性、保形
性が悪くなる。従って、加圧加熱殺菌後の魚介類は小さ
くなり、その食感は硬くボソボソしたものになる。
【0041】逆に、トランスグルタミナーゼの添加単位
を高くすると、酵素の反応速度が増して熱凝固性蛋白質
が魚介類の組織に入るよりも早くその表面でゲル化す
る。従って、加圧加熱殺菌後の食感は、表面が硬化して
いるのに反し内部が軟らかいものになる。
【0042】熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナー
ゼ溶液において、浸漬温度が40℃よりも高いと、酵素
の反応速度が落ちる。従って、加圧加熱殺菌後の魚介類
は小さく、その食感は硬くボソボソしたものとなる。
【0043】熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナー
ゼ溶液において、pHが5よりも低いと、酵素の至適p
Hからはずれるのでその反応速度が落ちるため、添加量
が少ないときと同様の欠点があらわれる。
【0044】熱凝固性蛋白質及びトランスグルタミナー
ゼ溶液において、pHが8よりも高いと、酵素の等電点
9に近づくので反応速度が落ちる。従って、加圧加熱殺
菌後の魚介類は小さく、その食感は硬くボソボソしたも
のとなる。
【0045】ボイルの温度が80℃よりも低いと、熱凝
固性蛋白質と魚介類の蛋白質がしっかりとセットしな
い。従って、加圧加熱殺菌中に脱水されて、その後の食
感は全体に軟らかく崩れたものになる。
【0046】ボイルの時間が短すぎると、熱凝固性蛋白
質と魚介類の蛋白質がしっかりとセットしない。従っ
て、加圧加熱殺菌中に脱水されて、その後の食感は全体
に軟らかく崩れたものになる。
【0047】ボイルの時間が長すぎると、魚介類の肉が
必要以上に締まってしまう。従って、加圧加熱殺菌後の
食感は硬くなる。
【0048】
【実施例】
(実施例1)冷凍ムキエビ1000部を解凍した。これ
を、乳酸カルシウム5.6部及び水700部から成る乳
酸カルシウム水溶液に1時間浸漬し、そのあと流水洗浄
した。次に、ポリリン酸ナトリウム10.5部、ピロリ
ン酸ナトリウム10.5部、グリシン3.5部、食塩2
1部及び水700部から成る重合リン酸塩水溶液に3時
間浸漬し、そのあと流水洗浄した。さらに、カゼインナ
トリウム20部、トランスグルタミナーゼ製剤(商品名
アクティバTG−B、味の素(株)製;トランスグルタ
ミナーゼ0.6部、カゼインナトリウム60部、ショ糖
脂肪酸エステル5部及びデキストリン34.4部から成
る)20部及び水700部から成るカゼインナトリウム
−トランスグルタミナーゼ水溶液に12時間浸漬し、そ
のあと流水洗浄した。以上の処理はいずれも10℃の冷
蔵庫で行った。以上の処理を施したムキエビを95℃の
熱湯に90秒間浸漬した。得られたムキエビのうち30
部を取り出し、グラタン用ホワイトソース160部、タ
マネギ10部及びボイルしたマカロニ30部と混合し、
121℃、30分の加圧加熱殺菌処理を行った。
【0049】かくて一連の処理により得られたムキエビ
を、本願ムキエビと呼ぶこととする。
【0050】(比較例1)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、熱湯処理及び加圧加熱殺菌処
理のみを順に施した。得られたムキエビをムキエビAと
呼ぶ。
【0051】(比較例2)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、重合リン酸塩水溶液処理、熱
湯処理及び加圧加熱殺菌処理を順に施した。得られたム
キエビをムキエビBと呼ぶ。
【0052】(比較例3)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、乳酸カルシウム水溶液処理、
重合リン酸塩水溶液処理、熱湯処理及び加圧加熱殺菌処
理を順に施した。得られたムキエビをムキエビCと呼
ぶ。
【0053】(比較例4)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、カゼインナトリウム−トラン
スグルタミナーゼ水溶液処理、熱湯処理及びレトルト殺
菌処理を順に施した。得られたムキエビをムキエビDと
呼ぶ。
【0054】(比較例5)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、乳酸カルシウム水溶液処理、
カゼインナトリウム−トランスグルタミナーゼ水溶液処
理、熱湯処理及び加圧加熱殺菌処理を順に施した。得ら
れたムキエビをムキエビEと呼ぶ。
【0055】(比較例6)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、重合リン酸塩水溶液処理、カ
ゼインナトリウム−トランスグルタミナーゼ水溶液処
理、熱湯処理及び加圧加熱殺菌処理を順に施した。得ら
れたムキエビをムキエビFと呼ぶ。
【0056】(比較例7)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、乳酸カルシウム水溶液処理、
重合リン酸塩水溶液処理を施し、次いでトランスグルタ
ミナーゼのみの水溶液処理、熱湯処理及び加圧加熱殺菌
処理を順に施した。得られたムキエビをムキエビGと呼
ぶ。
【0057】(比較例8)冷凍ムキエビを解凍し、実施
例1に記載の処理のうち、熱湯処理を施した。得られた
ムキエビを即食用ムキエビと呼ぶ。
【0058】(比較例6)本願ムキエビ、即食用ムキエ
ビ及びムキエビA〜Gの物性をレオメータにより測定し
た結果を表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】本願ムキエビ、即食用ムキエビ及びムキエ
ビA〜Gの歩留まり(解凍時のムキエビの重量を100
としたときの各処理後のムキエビの重量)を測定した結
果を表2に示した。
【0061】
【表2】
【0062】本願ムキエビ、即食用ムキエビ及びムキエ
ビA〜Gの官能評価結果(即食用ムキエビを10とした
ときの相対評価とコメント)を表3に示した。
【表3】
【0063】(実施例2)タイの切り身を2cmダイス
にしたもの1000部を、乳酸カルシウム3.0部及び
水700部から成る乳酸カルシウム水溶液に30分間浸
漬し、そのあと流水洗浄した。次に、ポリリン酸ナトリ
ウム5.0部、ピロリン酸ナトリウム5.0部、グリシ
ン3.5部、食塩21部及び水700部から成る重合リ
ン酸塩水溶液に2時間浸漬し、そのあと流水洗浄した。
さらに、カゼインナトリウム5部、卵白粉末10部、ト
ランスグルタミナーゼ製剤(商品名アクティバTG−
B、味の素(株)製;トランスグルタミナーゼ0.6
部、カゼインナトリウム60部、ショ糖脂肪酸エステル
5部及びデキストリン34.4部から成る)20部及び
水700部から成るカゼインナトリウム−卵白−トラン
スグルタミナーゼ水溶液に8時間浸漬し、そのあと流水
洗浄した。以上の処理はいずれも10℃の冷蔵庫で行っ
た。以上の処理を施したタイの切り身を95℃の熱湯に
90秒間浸漬した。得られたタイの切り身のうち30部
を取り出し、グラタン用ホワイトソース160部、タマ
ネギ10部及びボイルしたマカロニ30部と混合し、1
21℃、30分の加圧加熱殺菌処理を行った。加圧加熱
殺菌後のタイの切り身は保形性が良く弾力のある食感を
持っていた。
【0064】(実施例3)帆立て貝の貝柱を実施例2と
同様の処理を施した。加圧加熱殺菌後の貝柱は保形性が
良く弾力のある食感を持っていた。
【0065】
【効果】本発明により、加圧加熱殺菌処理を施した魚介
類、殊にムキエビの食感が、即食用に調理したものと変
わらない適度の歯ごたえをもち且つゴム状弾性の感触を
もつものとなった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類をカルシウム含有液に浸漬し、つ
    いで重合リン酸塩含有液に浸漬したあと、熱凝固性蛋白
    質及びトランスグルタミナーゼを含有する溶液に浸漬
    し、ついでボイルすることを特徴とする加圧加熱殺菌食
    品用魚介類の品質改良法。
  2. 【請求項2】 魚介類がムキエビであることを特徴とす
    る請求項1に記載の加圧加熱殺菌食品用魚介類の品質改
    良法。
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