JP3469379B2 - 畜肉、魚肉含有食品の製造方法 - Google Patents

畜肉、魚肉含有食品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハム、ベーコン、
ソーセージ、豚カツ、唐揚げ、ローストビーフなどの畜
肉含有食品と冷凍すり身、カマボコ、ちくわなどの魚肉
含有食品の製造において、卵白、乳清または脱脂乳由来
の蛋白質を酸性プロテアーゼにてアミノ基量が分解前の
10倍以上40倍以下になるまで分解した蛋白加水分解
物を用いて保水性や弾力性の改善による品質の向上を目
的とする畜肉または魚肉含有食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハム、ベーコン、ソーセージ、豚
カツ、唐揚げ、ローストビーフなどの畜肉含有食品と冷
凍すり身、カマボコ、ちくわなどの魚肉含有食品の製造
において、保水性や弾力性の改善による品質向上の目的
で重合リン酸塩が使用されている。しかしながら、重合
リン酸塩においては、多量の摂取によるカルシウムの吸
収阻害が問題となり、その摂取を避けることが望まれい
る。重合リン酸塩の代替物として、熱凝固性蛋白とカル
シウム剤を用いる技術(平成2年公開特許245162
号)やアルカリ卵白と乳性ミネラルを用いる技術(平成
2年公開特許65133号)が開示されているが、いず
れも、アルカリ性となるために、醤油などの調味料の風
味を阻害したり、蛋白質のアルカリ変性を促進させるな
ど、畜肉食品の風味を著しく低下させる。また、カルシ
ウム塩は、特有の苦みを有するためにその使用制限があ
り、また難溶性であるため、均一に添加することは困難
である。さらに魚肉すり身含有食品に使用するとすわり
を促進するため使用できないなどの問題がある。そのた
め、重合リン酸塩の代替物として、風味を低下させずに
均一分散するものが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
く人体に悪影響のある重合リン酸塩を使用せず、保水性
や弾力性の改善による品質の向上ができる畜肉または魚
肉含有食品を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、卵白、乳
清または脱脂乳由来の蛋白質を酸性プロテアーゼにて特
定の分子量に調製した蛋白加水分解物が、畜肉や魚肉蛋
白質であるミオシンやアクトミオシンと重合リン酸塩と
同等の相互作用を示すことと、還元糖量を分解前に低減
することにより、蛋白加水分解物の風味の劣化が抑制さ
れることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本
発明は卵白、乳清または脱脂乳の還元糖量を蛋白質量の
1/200以下まで低減した後、至適pHが2〜5であ
る酸性プロテアーゼにてアミノ基量が分解前の10倍以
上40倍以下になるまで分解した蛋白加水分解物を重合
リン酸塩の代替物として用いる畜肉または魚肉含有食品
の製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳述する。本発明で
いう卵白とは、鶏卵から分離されたものあれば、生卵白
液、冷凍卵白液、粉末卵白などいずれの形態であっても
よく、特に限定されるものではないが、生卵白液または
冷凍卵白液が好ましい。本発明でいう乳清とは、カゼイ
ンまたはチーズの製造工程で得られる乳清(ホエー)を
原料にしたものであればいずれの形態であってもよく、
特に限定されるものではないが、液体の状態が好まし
い。本発明でいう脱脂乳とは、牛乳より脂肪を除去した
ものであればいずれの形態であってもよい。特に限定さ
れるものではないが、液体の状態が好ましい。
【0006】本発明で用いる蛋白加水分解物は、特に限
定されるものではないが、凍結乾燥や噴霧乾燥によって
乾燥した粉末が好ましい。液体の場合、腐敗を避けるた
めに冷凍保存する必要があり、経済的でないため望まし
くない。固形分中の蛋白加水分解物の含量は、特に限定
されるものではないが、70%以上が好ましい。70%
未満では、ミネラル含量が高くなり、呈味の影響が大き
くなるため、望ましくない。また、本発明で用いる蛋白
加水分解物は、卵白、乳清、脱脂乳由来の蛋白質の酸性
プロテアーゼ分解物である。大豆や小麦などの植物由来
の蛋白質や血液由来の蛋白質などの加水分解物は、特有
の好ましからぬ風味や呈味を有するため、精製が必要で
あるため経済的ではない。中性やアルカリプロテアーゼ
は、バクテリアの増殖を避けるために酵素を大量に添加
し短時間で分解する必要があるため経済的ではない。酸
やアルカリによる分解は、着色や種々の副生成物ができ
るため望ましくない。
【0007】本発明でいう酸性プロテアーゼとは、植
物、動物または細菌由来の蛋白分解酵素で蛋白質分解活
性の至適pH(最大活性を示すpH)が5以下にあるも
のであれば、特に限定されるものではないが、蛋白質分
解活性の至適pHが2以上5以下にあるものが好まし
い。特にAspergillus OryzaeまたはAspergillus Niger
より抽出された蛋白質分解活性の至適pHが2以上5以
下にあるものが安価であるために経済性の面より好まし
い。蛋白質分解活性の至適pHが2未満では、蛋白の変
性が大きく、分解反応の制御が困難であるため、望まし
くない。特に限定されるものではないが、酸性プロテア
ーゼの反応は、分解温度が40℃以上70℃以下で、分
解時間が5時間以上30時間以下で終了するように酵素
量を調整することが好ましい。分解温度が40℃未満ま
たは分解時間が5時間未満では、分解反応速度が遅いた
めに酵素を大量に添加する必要があり経済的ではないた
め望ましくない。分解温度が70℃を越えると蛋白の熱
変性が大きく、分解反応の制御が困難であるため望まし
くない。分解時間が30時間を越えるとバクテリア汚染
による腐敗の危険性が高くなるため望ましくない。
【0008】本発明でいうアミノ基量とは、蛋白質また
は蛋白加水分解物の末端またはリジン残基のアミノ基の
量であり、ホルモール滴定法、TNBS発色法、または
ニンヒドリン発色法等によるアミノ基量測定よって測定
することができる。本発明の蛋白加水分解物の分解度
は、アミノ基量が分解前の10倍以上40倍以下になる
まで分解したものである。アミノ基量が分解前の10倍
未満または40倍を越えると、畜肉または魚肉含有食品
の保水性や弾力性の改善効果が弱いため望ましくない。
本発明でいう還元糖とは、グルコースや乳糖などの分子
内にカルボニル基を有する糖類であり、例えば、卵白中
には、グルコースが固形分中約5%含有されている。ま
た、脱脂乳中には、乳糖が固形分中約35%含有されて
いる。還元糖量は、ソモギ−ネルソン法やパーク−ジョ
ンソン法等の従来より知られる方法を用いて測定するこ
とができ、蛋白質量は、ケルダール法やローリ法等の従
来より知られる方法を用いて測定することができる。還
元糖を酸性プロテアーゼ分解する前に、蛋白質量の1/
200以下に低減させることにより、加水分解反応時や
保存時のメイラード反応を抑制でき、着色や風味の劣化
を抑制することができる。還元糖量が蛋白質量の1/2
00を越えるとメイラード反応の抑制が不十分であるた
め、褐変や風味の劣化が生じるため望ましくない。特に
限定されるものではないが、還元糖の低減化の方法とし
ては、イーストや乳酸菌等を用いた発酵法や限外濾過法
などが経済的であるため好ましい。本発明でいう重合リ
ン酸塩とは、特に限定されるものではないが、ポリリン
酸、メタリン酸またはピロリン酸のナトリウムまたはカ
リウム塩などで、通常畜肉または魚肉含有食品に保水性
や弾力性の改善に用いられているものであれば、すべて
含まれる。
【0009】本発明でいう畜肉または魚肉含有食品と
は、特に限定されるものではないが、豚肉,牛肉,鶏
肉,馬肉,羊肉などの畜肉やスケソウタラ、カジキ、シ
ャケ、アジ、タイ、ヘイク、イトヨリ、エビ、イカ、タ
コなどの魚肉またはすり身を含有する食品で、例えば、
ハム、ソーセージ,ベーコン,焼き豚、豚カツ、唐揚
げ、ローストビーフ、シュウマイ、ギョウザ、カマボ
コ、ちくわ、エビフライなどを挙げることができる。特
に、牛肉や鶏肉含有食品などの重合リン酸塩の保水性や
弾力性の改善効果が弱いものでも、本発明により、十分
な保水性や弾力性の改善が可能である。また、従来の重
合リン酸塩代替物のようにすり身のすわりを促進しない
ため、魚肉すり身を用いた水産練り製品などの製造にも
保水性や弾力性の改善の目的で用いることが可能であ
る。本発明の蛋白加水分解物の添加量は、畜肉または魚
肉含有食品に対して0.3重量%以上6.0重量%以下
である。0.3重量%未満の添加では、畜肉または魚肉
含有食品の保水性や弾力性の改善効果が弱いため望まし
くない。6.0重量%を越える量を添加しても畜肉また
は魚肉含有食品の保水性や弾力性の改善効果は一定で風
味が低下するため望ましくない。本発明の蛋白加水分解
物の添加方法は、畜肉または魚肉含有食品の種類によっ
て異なり、特に限定されるものではないが、3重量%以
上17重量%含有する水溶液にして添加することが好ま
しい。固体の状態での添加は均一に分散させることが困
難であり、望ましくない。3重量%未満の水溶液では、
大量に水を添加するため望ましくない。17重量%を越
える水溶液は、その調製が困難であり望ましくない。以
下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これに
よって限定されるものではない。なお、実施例中の%は
特記しない限り重量%を示す。
【0010】
【実施例】
実施例1 液卵白1000g(グルコース:0.43%、蛋白:1
0.7%)にパン酵母1.2gを添加して、グルコース
量を卵白蛋白質量の1/1000量(グルコース:0.
01%、蛋白:10.0%)になるまで30℃で発酵し
た。なお、グルコース量はソモギ−ネルソン法にて分析
し、蛋白質量はケルダール法にて分析した。グルコース
量を低減化した卵白液に3N−クエン酸溶液を添加して
pH3.5に調整し、酸性プロテアーゼ(ニューラーゼ
A:アマノ製薬(株)製)を蛋白質に対して0.3重量
%添加し55℃にて10時間反応した。90℃15分加
熱して酵素失活し、pHを7.0に調整後、噴霧乾燥し
て本発明の蛋白加水分解物1を得た。蛋白加水分解物1
のアミノ基量はTNBS法にて測定した結果、分解前の
14.6倍であった。比較のため、酵素量を1/50倍
量にした以外は同様にしてアミノ基量が分解前の2.3
倍の蛋白加水分解物Aと酵素量を20倍量にした以外は
同様にしてアミノ基量が分解前の65.0倍の蛋白加水
分解物Bを得た。
【0011】得られた蛋白加水分解物1を用いてソーセ
ージを調製した。原料の配合割合を表1に示す。なお、
大豆蛋白(フジプロR)は不二製油(株)製品、卵白粉
末,カゼインNa(サンラクトS−3)は、太陽化学
(株)製品を用いた。試料の調製は常法通り行った。す
なわち、原料肉を常法にてチョッピングし、各々残りの
原料を混合、脱気した後、24時間,5℃にて塩漬し
た。塩漬した原料を内径4cmの塩化ビニリデンチューブ
に充填し各々70℃の湯浴にて30分間保持し、15℃
の水槽にて1時間冷却した。その結果、本発明品1を得
た。また、比較のため、本発明品の蛋白加水分解物1を
蛋白加水分解物Aに置き換えた対照品A、蛋白加水分解
物Bに置き換えた対照品B、トリポリリン酸Naと蛋白
質組成物に置き換えた対照品Cも同様に調製した。
【0012】
【表1】
【0013】本発明品と対照品の保水率、ゲル強度を測
定した結果を表2に示す。 (保水率の測定法)チューブ詰め重量(A)を測定した
後、チューブを取り除き、遊離水をよく布で拭き取りソ
ーセージの重量(B)とチューブの重量(C)を測定し
た。次式によって保水率を算出した。 保水率(%)=(1−((A−B−C)÷(A−
C)))×100 (ゲル強度の測定法)チューブを取り除き、遊離水をよ
く布で拭き取り、ソーセージを厚さ3cmに切り、レオ
メーター(上昇速度:6cm/min ,プランジャー:5mm
平板,不動工業(株)製)にてゲル強度を測定した。
【0014】
【表2】
【0015】表2より明らかなようにアミノ基量が分解
前の10倍以上40倍以下である本発明品は重合リン酸
塩添加品と同等のゲル強度や保水性の向上が認められ
た。また、アミノ基量が分解前の10倍未満または40
倍を越えた蛋白加水分解物には、重合リン酸塩添加品と
同等のゲル強度や保水性の向上は認められなかった。 実施例2 実施例1で得られた本発明の蛋白加水分解物1を用いて
ロースハムを製造した。ロースハムのピックル液の原料
の配合割合と肉100部に対する注入量を表3に示す。
なお、大豆蛋白、卵白粉末、カゼインNaは、実施例1
と同様のものを用いた。試料の調製は、常法通り行っ
た。すなわち、豚ロース肉にインジェクターを用いてピ
ックル液を注入し、15時間のタンブリングを行い、塩
漬を5℃にて40時間行い、常法通り充填した後、各々
中心温度が68±1℃になるまで加熱した後、冷却し
た。その結果、本発明品2を調製した。また、比較のた
め対照品D、Eも同様に調製した。
【0016】
【表3】
【0017】本発明品と対照品について歩留まりとスラ
イス適性を評価した。スライス適性は、試料を2mmの厚
さに切ったときの身割れ状態を官能検査にて、最高を1
0点、最低を0点として、10人のパネラーによる10
段階評点の平均値を用いて評価した。その結果を表4に
示す。
【0018】
【表4】
【0019】表4より明らかなように本発明品は弾性や
保水性が向上したために歩留まりやスライス特性の向上
が認められ、重合リン酸塩の代替えが可能であった。 実施例3 脱脂乳(乳糖:4.5%、蛋白質:3.0%)中の乳糖
量を乳蛋白量の1/500量(乳糖:0.024%、蛋
白質12.0%)になるまで、限外濾過を用いて蛋白質
を濃縮した。なお、乳糖量はソモギ−ネルソン法にて分
析し、蛋白質量はケルダール法にて分析した。乳糖量を
低減化した脱脂乳に3N−クエン酸溶液を添加してpH
3.0に調整し、酸性プロテアーゼ(ニューラーゼA:
アマノ製薬(株)製)を蛋白に対して0.5重量%添加
し60℃にて15時間反応した。90℃10分加熱して
酵素失活し、pHを7.5に調整後、凍結乾燥して本発
明の蛋白加水分解物2を得た。蛋白加水分解物2のアミ
ノ基量はTNBS法にて測定した結果、分解前の32.
3倍であった。得られた蛋白加水物2を用いて鶏肉の唐
揚げを調整した。唐揚げの調味液の配合割合と鶏肉10
0部に対する添加量を表5に示す。なお、カゼインNa
は、実施例1と同様のものを用いた。試料の調整は、常
法通り行った。すなわち、鶏モモ肉に調味液を加え、5
時間のタンブリングを行った後、170℃で4分間フラ
イして本発明品3を調製した。また、比較のため対照品
F、Gも同様に調製した。
【0020】
【表5】
【0021】本発明品と対照品について歩留まりを評価
した。結果を表6に示す。
【0022】
【表6】
【0023】表6より明らかなように本発明品は重合リ
ン酸塩添加品以上の歩留まりの向上が認められた。 実施例4 乳酸発酵したカゼインホエーを限外濾過を用いて乳糖量
を乳清蛋白量の1/700量になるまで蛋白質を濃縮し
た。なお、乳糖量はソモギ−ネルソン法にて分析し、蛋
白質量はケルダール法にて分析した。乳糖量を低減化し
たカゼインホエーに1N−塩酸溶液を添加してpH3.
3に調整し、酸性プロテアーゼ(ニューラーゼA:アマ
ノ製薬(株)製)を蛋白に対して0.7重量%添加し6
5℃にて8時間反応した。90℃10分加熱して酵素失
活し、pHを7.2に調製後、噴霧乾燥して本発明の蛋
白加水分解物3を得た。蛋白加水分解物3のアミノ基量
はTNBS法にて測定した結果、分解前の22.3倍で
あった。
【0024】得られた蛋白加水分解物3を用いてカマボ
コを調製した。スケソウタラの魚肉100部に対し、ソ
ルビトール;4部、砂糖;4部、蛋白加水分解物3;2
部を添加してすり身を調整した。得られたスリ身100
部をサイレントカッターにて空ずり後、調味料7部、食
塩3部、水50部を添加して13分間混合し、折幅45
mmの塩化ビニリデンケーシングに充填し、90℃30
分間加熱したものを冷却し、本発明品4を得た。比較と
して、蛋白加水分解物3;2部をトリポリリン酸Na;
0.25部に置き換えた以外は同様に調整して対照品H
を調製した。また、蛋白加水分解物3;2部を加えない
以外は同様に調製して対照品Iを得た。 (評価方法)不動工業レオメ−タ−により球径6mmの
プランジャ−を用いて測定し、破断強度:W値(g)と
破断までの凹みの距離:L値(cm)で表した。官能検
査は、厚さ2mmにスライスしたサンプルについて、パ
ネラー10人で、かみくだき試験で固さと、折り曲げ試
験を行った。結果を表7に示す。
【0025】
【表7】
【0026】表7より明らかなように本発明品は固さや
弾性の向上が認められ、重合リン酸塩の代替えが可能で
あった。
【0027】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げれば以下のとおりである。 (1)卵白または乳清または脱脂乳の還元糖量を蛋白質
量の1/200以下まで低減した後、至適pHが5以下
である酸性プロテアーゼにてアミノ基量が分解前の10
倍以上40倍以下になるまで分解した蛋白加水分解物を
用いる畜肉または魚肉含有食品の製造方法。 (2)蛋白加水分解物を0.3重量%以上6.0重量%
以下添加する前記(1)記載の畜肉または魚肉含有食品
の製造方法。 (3)蛋白加水分解物を重合リン酸塩の代替物として用
いる前記(1)及び(2)記載の畜肉または魚肉含有食
品の製造方法。 (4)酸性プロテアーゼによる分解温度が40℃以上7
0℃以下で、分解時間が5時間以上30時間以下である
前記(1)〜(3)記載の畜肉または魚肉含有食品の製
造方法。 (5)酸性プロテアーゼが、Aspergillus Oryzae又は、
Aspergillus Niger より抽出されたものである前記
(1)〜(4)記載の畜肉または魚肉含有食品の製造方
法。
【0028】
【発明の効果】本発明は、ハム、ベーコン、ソーセー
ジ、豚カツ、唐揚げ、ローストビーフなどの畜肉含有食
品と冷凍すり身、カマボコ、ちくわなどの魚肉含有食品
の製造において、重合リン酸塩を使用しなくても保水性
や弾力性の改善による品質向上をはかることができる。
また、食生活においてリン酸塩の過剰摂取を防ぐことも
可能となる。以上のように、本発明は畜肉または魚肉含
有食品の改善に効果が大であり、食品産業上におおいに
貢献できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/325 101 A23L 1/325 101D C12N 9/62 C12N 9/62 //(C12N 9/62 C12R 1:69 C12R 1:69) 1:685 (C12N 9/62 C12R 1:685) (56)参考文献 特開 平3−65133(JP,A) 特開 昭60−58056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/31 A23J 3/04 A23J 3/08 A23J 3/34 A23L 1/317 A23L 1/325

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵白、乳清または脱脂乳の還元糖量を蛋
    白質量の1/200以下まで低減した後、至適pHが5
    以下である酸性プロテアーゼにてアミノ基量が分解前の
    10倍以上40倍以下になるまで分解した蛋白加水分解
    物を添加することを特徴とする畜肉または魚肉含有食品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 蛋白加水分解物の添加量が0.3重量%
    以上6.0重量%以下であることを特徴とする請求項1
    記載の畜肉または魚肉含有食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 蛋白加水分解物が重合リン酸塩の代替物
    であることを特徴とする請求項1記載の畜肉または魚肉
    含有食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸性プロテアーゼによる分解温度が40
    ℃以上70℃以下で、分解時間が5時間以上30時間以
    下である請求項1記載の畜肉または魚肉含有食品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 酸性プロテアーゼが、Aspergillus Oryz
    aeまたはAspergillus Niger より抽出されたものである
    請求項1記載の畜肉または魚肉含有食品の製造方法。
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