JP2000210054A - 畜肉加工食品用結着剤およびそれを利用した畜肉加工食品 - Google Patents

畜肉加工食品用結着剤およびそれを利用した畜肉加工食品

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JP2000210054A
JP2000210054A JP11016737A JP1673799A JP2000210054A JP 2000210054 A JP2000210054 A JP 2000210054A JP 11016737 A JP11016737 A JP 11016737A JP 1673799 A JP1673799 A JP 1673799A JP 2000210054 A JP2000210054 A JP 2000210054A
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Masaru Okakei
賢 岡恵
Takashi Masuoka
隆 増岡
Yuichiro Yamaguchi
雄一朗 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハムやベーコンの食味や食感の減退を伴わず
に、結着性を改善できる畜肉加工食品用結着剤を提供す
る。 【解決手段】 コラーゲンおよび/またはコラーゲン加
水分解物を含む、ハムやベーコンなどの畜肉加工食品用
の結着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畜肉加工食品用結
着剤、具体的には、ハムやベーコンなどの畜肉加工食品
において結着剤として使用する、コラーゲンおよび/ま
たはコラーゲン加水分解物を含む畜肉加工食品用結着剤
とそれらを利用した畜肉加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】日本
人の食生活の多様化・高級化とも相俟って、今や、ハム
やベーコン等の畜肉加工食品は重要な食品の一つになっ
ている。 また、消費者の嗜好の変化に迅速に対応すべ
く、これら畜肉加工食品の品質改良が数多く研究されて
おり、これまでにも、畜肉加工食品の様々な品質改良剤
や品質改良法が提案および検討されている。
【0003】一般に、ハムやベーコン等の畜肉加工食品
にあっては、これら畜肉加工食品の保水性、乳化性、結
着性、または硬さや弾力性などの食感の改良を目的とし
て、大豆蛋白、卵蛋白、カゼイン、乳蛋白、血液蛋白等
の結着材料(蛋白素材)に加えて、香辛料、重合リン酸
塩などの結着補強剤、亜硝酸塩などの発色剤、カゼイン
ナトリウムなどの乳化安定剤、アスコルビン酸塩などの
酸化防止剤、食塩、糖類、グルタミン酸ナトリウムなど
の調味料、ソルビン酸カリなどの保存料、それに甘味料
などが利用されている。 通常、畜肉加工食品の製造に
あっては、前掲の添加物を混合して調製した塩漬液(ピ
ックル液)を、成型加工した原料肉と混合/浸漬する
か、または該原料肉に注入する方法が採用されており、
特に、ブロック状の畜肉原料(塊状原料肉)を加工して
得られるハムやベーコン等にあっては、塊状原料肉をピ
ックル液に浸漬する湿塩漬法や、ピックル液を塊状原料
肉に注入するピックルインジェクション法が利用されて
いる。
【0004】ところで、畜肉加工食品で認められる「身
割れ」の現象とは、主に、原料肉組織の一体性の崩壊に
起因して食品中に空隙が生じ、結果として、畜肉加工食
品の美観や食感を損ね、商品価値に直接影響を与える不
都合な現象である。 この現象を解消する手段として、
畜肉加工食品の結着性の向上を図るべく、増粘多糖類、
卵蛋白や乳蛋白などの動物性蛋白、植物性蛋白、それに
未加工澱粉などが、結着性改善剤(結着剤)として、こ
れまでに使用されてきた。
【0005】しかしながら、これら従来の結着剤によれ
ば、畜肉加工食品の原料肉での結着性はある程度改善さ
れるものの、その効果は原料肉の肉質によってバラツキ
が認められる上に、ピックル液の使用量/注入量が多い
場合には、畜肉加工食品中に身割れが発生するなどの問
題点が依然として解消されずにいた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上掲の従来技
術での課題を解決すべく発明されたものであって、その
要旨とするところは、コラーゲンおよび/またはコラー
ゲン加水分解物を含む畜肉加工食品用結着剤、特に、ハ
ムやベーコンなどの畜肉加工食品に利用される結着剤
と、それを利用して製造された畜肉加工食品である。
【0007】すなわち、本発明は、コラーゲンおよび/
またはコラーゲン加水分解物を含む結着剤を、畜肉加工
食品用の原料肉に添加することで、畜肉加工食品本来の
食感を損ねずに、その結着性を改善できることを知見
し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書で使用する「畜肉加工食
品」の語は、畜肉を原料肉として調製したハム類やベー
コン類を含み、例えば、ロースハム、ボンレスハム、シ
ョルダーハム、骨付ハム、ベリーハム、ラックスハム、
プレスハム、混合プレスハムなどのハム類や、ベーコ
ン、ロースベーコン、ショルダーベーコン、ミドルベー
コン、サイドベーコンなどのベーコン類などがあるが、
これらに限定されない。
【0009】また、本発明の畜肉加工食品に使用できる
原料肉として、豚肉、牛肉、馬肉、羊肉、山羊肉、猪
肉、鳥肉、鶏肉、家兎肉およびこれらの混合肉が、ま
た、本発明にて使用可能な肉の種類(部位)として、バ
ラ肉、ロース肉、肩肉、胴肉およびこれらの混合肉があ
るが、これらに限定されない。
【0010】また、本明細書で使用する「コラーゲン」
の語は、動物の皮、骨、爪および結合組織に含まれる主
要蛋白質であって、天然物および精製品のいずれでも使
用可能である。 本発明にあっては、粉体および固体の
いずれのコラーゲンでも使用できるが、保管や秤量のし
やすさ、そして、コラーゲンの変質防止の観点からして
粉体のものが好ましい。 本発明で使用可能な市販のコ
ラーゲンとして、例えば、ポークパウダー(商品名:湘
南ゼラチン社製)、オルプロテインRO(商品名:オル
ガノ社製)、サンプロGF−G(商品名:太陽化学社
製)などがある。
【0011】また、本明細書で使用する「コラーゲン加
水分解物」の語は、通常、前述したコラーゲンを、酸も
しくは酵素で加水分解処理して得られた加水分解物を指
す。このコラーゲン加水分解物の製造方法は、一般的に
は、まず、原料組織(例えば、ブタの皮膚)を、水洗、
粉砕および脱脂し、得られた脱脂組織を熱水で抽出し
て、抽出成分を濾過および濃縮する。 次に、このよう
にして得た濃縮成分(すなわち、コラーゲン)を、プロ
テアーゼ(タンパク質分解酵素)または塩酸で処理して
加水分解して加水分解物を得、この加水分解物を乾燥お
よび粉砕したものを、本発明のコラーゲン加水分解物と
する。 なお、熱水抽出時の細胞内酵素による酵素処理
および加熱処理によってコラーゲンを加水分解して得ら
れた、平均分子量が10,000〜100,000の加水分解物を、
一部加水分解物とした。 これに対して、プロテアーゼ
または塩酸をコラーゲンに作用させて加水分解して得ら
れた、平均分子量が10,000以下の加水分解物を、全加水
分解物とした。 本発明のコラーゲン加水分解物は、こ
れら一部加水分解物および全加水分解物のいずれか一方
または双方を含む。 なお、コラーゲンの加水分解処理
に利用できる酵素/酸として、プロテアーゼや塩酸など
があるが、これらに限定されない。 また、これらコラ
ーゲン加水分解物は、粉体および固体のいずれのコラー
ゲン加水分解物も使用できるが、保管や秤量のしやす
さ、そして、変質防止の観点からして粉体のものが好ま
しい。 本発明で使用可能な市販のコラーゲン加水分解
物として、例えば、コラーゲン加水分解物(商品名:日
本新薬社製)がある。
【0012】ところで、これらコラーゲンおよび/また
はコラーゲン加水分解物は、ハムやベーコンの常法の製
造工程でのいずれかの工程にて添加すればよく、添加の
方法、順序、時期などは特に限定されるものではない。
【0013】コラーゲンおよび/またはコラーゲン加水
分解物を配合・混合したピックル液を、加工整形した原
料肉(肉塊)に注入する場合、コラーゲンおよび/また
はコラーゲン加水分解物がピックル液内で沈殿しないよ
うに粘度調整を行う。 具体的には、ピックル液の粘度
を、約20〜約100cp(C型粘度計)の粘度になるように
粘度調整を行う。 すなわち、これは、20cpに満たない
粘度では、ピックル液の粘度が低すぎて、ピックル液中
にてコラーゲンまたはコラーゲン加水分解物の沈殿が発
生しやすくなり、また、粘度が100cpを超えると、粘度
が高すぎて原料肉中でのピックル液の分散が不十分にな
ることによる。
【0014】なお、コラーゲンとコラーゲン加水分解物
の混合物を調製する場合、コラーゲン加水分解物の量
が、常に、コラーゲンと等量以上の量になるように混合
比を定めて混合物の調製を行う。 これは、コラーゲン
加水分解物の量がコラーゲンの量より少ないと、ピック
ル液中にてコラーゲンまたはコラーゲン加水分解物の沈
殿が生じてしまうことによる。
【0015】コラーゲンとコラーゲン加水分解物は、共
に、その重量(自重)の約10倍以上の重量の水を保持
し、加熱溶解と冷却を行った後に、ゲル化する特徴を有
している。 すなわち、本発明によれば、ハム、ベーコ
ン類の原料肉(肉塊)にコラーゲンおよび/またはコラ
ーゲン加水分解物を注入/混合することで、肉質の弱い
(肉組織が脆い)原料肉を使用した場合や、注入量/混
合量が大きい場合でも、コラーゲンおよび/またはコラ
ーゲン加水分解物が、加熱時に肉質の弱い部分に集中
し、その強い保水力を活かして、強力な結着性を発現し
て、身割れを防ぐのである。
【0016】なお、コラーゲンおよび/またはコラーゲ
ン加水分解物の添加量は、ピックル液を添加したハム、
ベーコン類の原料肉重量の約0.1〜約0.5重量%、好まし
くは、約0.2〜約0.4重量%とする。 これは、コラーゲ
ンおよび/またはコラーゲン加水分解物の添加量が、ピ
ックル液添加後の原料肉重量の0.1重量%より少なくな
ると、十分な結着効果が得られず、一方で、ピックル液
が添加された原料肉重量の0.5重量%を超えると、ハ
ム、ベーコン類の肉繊維間や脂肪層の間にコラーゲンま
たはコラーゲン加水分解物が過度に溜まり、美観上好ま
しくないことによる。また、コラーゲンおよび/または
コラーゲン加水分解物の添加量を、ピックル液添加前の
原料肉重量に基づいて規定する場合には、同様の観点か
らして、ピックル液添加前の原料肉重量の約0.1〜約1.0
重量%、好ましくは、約0.3〜約0.6重量%とする。 あ
るいは、コラーゲンおよび/またはコラーゲン加水分解
物の添加量を、ピックル液重量に基づいて規定する場合
には、同様の理由で、ピックル液重量の約0.2〜約3.0重
量%、好ましくは、約0.4〜約2.4重量%とする。
【0017】本発明の畜肉加工食品の製造にあっては、
コラーゲンおよび/またはコラーゲン加水分解物を、通
常のピックル液に含まれる他の成分(食塩、糖類、リン
酸塩、重合リン酸塩、亜硝酸塩、異種蛋白、増粘多糖
類、調味料など)と共に分散させて得たピックル液を、
インジェクターによって、原料肉重量に対して約20〜約
80重量%の量を注入する。 次に、タンブラーを用い
て、ピックル液成分を十分に肉中に分散させる。 その
後、ピックル液を注入した原料肉を、必要に応じて、ケ
ーシング、リテイナー等に充填し、もしくは充填せず
に、熱処理を行う。この熱処理とは、乾燥、燻煙、蒸
煮、湯煮などの処理工程を適宜組み合わせて実施するも
のであって、好ましくは、良好な食味を獲得する観点か
らして、肉塊の中心温度を65℃以上に加熱調理する。
熱処理した後に、肉塊を冷却し、そして、肉塊をスライ
スしたものを、商品単位ごとに包装する。
【0018】
【実施例】本発明を、その好適な実施例に基づいて、以
下に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例の開
示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。 なお、
実施例において、特に断りの無い限り、1重量部は1kg
として計量を行った。
【0019】実施例1:豚ロースハムの製造 原料肉として、豚ロース肉(pH 5.5〜6.3)を用意し
た。
【0020】まず、以下の表1に記載の組成を有するピ
ックル液を調製した。 なお、表中の本発明の畜肉加工
食品用結着剤として、コラーゲン(オルプロテインR
O:オルガノ社製)とコラーゲン加水分解物(コラーゲ
ン加水分解物:日本新薬社製)を、コラーゲン:コラー
ゲン加水分解物=1:0、0:1あるいは1:1の重量
比率で含むように調製したもの(結着剤1〜3)を準備
した。
【0021】
【表1】
【0022】得られたピックル液(計4種類)の50重量
部を、100重量部の豚ロース肉にそれぞれインジェクシ
ョンした[0.25重量%(結着剤/ピックル液添加済原料
肉)]。次に、冷蔵庫(庫内温度5℃)内で、それぞれ
の肉塊を、20時間、タンブリングした。 次いで、ファ
イブラスケーシングに原料肉を充填して、これをスモー
クハウス内に移し、まず、65℃の温度で60分間乾燥し、
70℃の温度で30分間燻煙し、最後に、75℃の温度で120
分間蒸煮した。 そして、このようにして得られた肉塊
を、冷蔵庫(庫内温度5℃)内で、一晩冷却した。
【0023】このようにして加工調製された肉塊を、2
mm厚でスライスし、4つの各ロースハムに関して、スラ
イス後の結着不良率を測定し、および官能評価(味、食
感、弾力、外観)を行った。
【0024】「結着不良率」は、スライス前のロースハ
ム重量(A)に対するスライス後に身割れが認められた
ロースハム重量(B)の割合[B÷A×100]で表し
た。つまり、この数値が小さいほど、不良品の発生率が
小さいことを意味する。
【0025】「官能検査」は、3名のパネラーが参加し
て、味、食感、弾力および外観に関して5段階(5点)
採点法[5(非常に良好)、4(良好)、3(普通)、
2(やや悪い)、1(悪い)]によって評価を行い、こ
の4項目の平均点が4点以上の試験区を「良好」、平均
点が2〜4点の試験区を「普通」、そして、平均点が2
点未満の試験区を「不良」とした。
【0026】本実施例でのロースハムに関する評価結果
を、以下の表2に記した。
【0027】
【表2】
【0028】表2の結果から明らかなように、ロースハ
ムに、コラーゲンおよび/またはコラーゲン加水分解物
を使用した本発明の結着剤(結着剤1〜3)を適用する
ことで、対照品よりも結着不良率が有意に低くなってい
た。 また、官能評価についても、いずれの試験区にお
いても「良好」であり、ロースハムの官能性を損ねず
に、結着性が改善できていることが明らかとなった。
【0029】実施例2:ベーコンの製造 原料肉として、豚バラ肉を用意した。
【0030】前出の表1に記載の組成を有するピックル
液を調製した。 なお、表中の本発明の畜肉加工食品用
結着剤として、コラーゲン(オルプロテインRO:オル
ガノ社製)とコラーゲン加水分解物(コラーゲン加水分
解物:日本新薬社製)を、コラーゲン:コラーゲン加水
分解物=1:0、0:1あるいは1:1の重量比率で含
むように調製したもの(結着剤1〜3)を準備した。
【0031】得られたピックル液(計4種類)の40重量
部を、100重量部の豚バラ肉にそれぞれインジェクショ
ンした[0.22重量%(結着剤/ピックル液添加済原料
肉)]。次に、冷蔵庫(庫内温度5℃)内で、それぞれ
の肉塊を、15時間、タンブリングした。 次いで、リテ
ーナーに原料肉を充填して、これをスモークハウス内に
移し、まず、65℃の温度で60分間乾燥し、70℃の温度で
30分間燻煙し、最後に、75℃の温度で120分間蒸煮し
た。 そして、このようにして得られた肉塊を、冷蔵庫
(庫内温度5℃)内で、一晩冷却した。
【0032】このようにして加工調製された原料肉塊
を、2mm厚でスライスし、4つの各ベーコンに関して、
スライス後の結着不良率を測定し、および官能評価
(味、食感、弾力、外観)を行った。 なお、「結着不
良率」の測定方法と、「官能検査」の評価方法は、実施
例1に記載の方法によった。
【0033】本実施例でのベーコンに関する評価結果
を、以下の表3に記した。
【0034】
【表3】
【0035】表3の結果から明らかなように、ベーコン
に、コラーゲンおよび/またはコラーゲン加水分解物を
使用した本発明の結着剤(結着剤1〜3)を適用するこ
とで、対照品よりも結着不良率が有意に低くなってい
た。 また、官能評価についても、いずれの試験区にお
いても「良好」であり、ベーコンにおいても、その官能
性を損ねずに、結着性が改善できていることが明らかと
なった。
【0036】実施例3:結着剤の濃度の検討 ピックル液中のコラーゲンおよび/またはコラーゲン加
水分解物の濃度が最終製品の品質に与える影響を、以下
の手順に従って検討した。
【0037】まず、前出の表1に記載の組成を有するピ
ックル液を調製した。 なお、表中の本発明の畜肉加工
食品用結着剤として、コラーゲンを含まずに、0.2〜4.0
重量部のコラーゲン加水分解物(コラーゲン加水分解
物:日本新薬社製)だけを配合して調製したものを準備
した。 そして、これら結着剤を含むピックル液を利用
して、実施例2に記載の手順に従い、ベーコンを製造し
た。
【0038】加工調製されたベーコン用の原料肉塊を、
2mm厚でスライスし、得られた8つの各ベーコンに関し
て、スライス後の結着不良率を測定し、そして、官能評
価(味、食感、弾力、外観)を行った。 なお、「結着
不良率」の測定方法と、「官能検査」の評価方法は、実
施例1に記載の方法によった。
【0039】本実施例でのベーコンに関する評価結果
を、以下の表4に記した。
【0040】
【表4】
【0041】表4の結果から明らかなように、ベーコン
の製造において、約0.1〜約0.5重量%の量のコラーゲン
加水分解物からなる本発明の結着剤をピックル液に利用
することによって、ベーコンの官能性を損ねずに、対照
品よりも結着不良率を有意に低減せしめることが認めら
れた。
【0042】また、本実施例で実証されたコラーゲン加
水分解物からなる結着剤による結着性と、実施例1およ
び2にて結着剤による結着性がコラーゲンとコラーゲン
加水分解物の混合比率に関係なく認められたことを考慮
すれば、コラーゲン単独、あるいはコラーゲンとコラー
ゲン加水分解物の混合物からなる結着剤によっても、同
等の結着剤濃度での結着効果の発現が期待されるもので
ある。
【0043】
【発明の効果】このように、本発明によれば、所期の目
的であった、肉質の弱い原料を使用した場合や、ピック
ル液の注入量が大きい場合でも、畜肉加工食品の食感や
食味などを損ねずに、ハム、ベーコン類の結着不良が大
幅に改善でき、かつ畜肉加工食品の良好な美観を維持で
きる、などの効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 雄一朗 兵庫県西宮市高畑町4番27号 伊藤ハム株 式会社本社事務所内 Fターム(参考) 4B042 AC03 AC05 AC10 AD01 AD02 AG01 AH01 AK10 AK14 AP13 AP24 AP27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畜肉加工食品用の結着剤であって、コラ
    ーゲンおよび/またはコラーゲン加水分解物を含む、こ
    とを特徴とする畜肉加工食品用結着剤。
  2. 【請求項2】 前記畜肉加工食品が、ハムまたはベーコ
    ンである請求項1に記載の畜肉加工食品用結着剤。
  3. 【請求項3】 前記コラーゲン加水分解物が、コラーゲ
    ンを酸または酵素で加水分解して得られた加水分解物で
    ある請求項1または2に記載の畜肉加工食品用結着剤。
  4. 【請求項4】 畜肉加工食品の製造方法であって、コラ
    ーゲンおよび/またはコラーゲン加水分解物を含むピッ
    クル液を畜肉加工食品用の原料肉に添加する工程を含
    む、ことを特徴とする畜肉加工食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記畜肉加工食品が、ハムまたはベーコ
    ンである請求項4に記載の畜肉加工食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記コラーゲンおよび/またはコラーゲ
    ン加水分解物の添加量が、前記ピックル液が添加された
    原料肉の重量の0.1〜0.5重量%の量である請求項4また
    は5に記載の畜肉加工食品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コラーゲン加水分解物が、コラーゲ
    ンを酸または酵素で加水分解して得られた加水分解物で
    ある請求項4乃至6のいずれかに記載の畜肉加工食品の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7のいずれかに記載の製造
    方法によって製造された畜肉加工食品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114343128A (zh) * 2021-12-31 2022-04-15 苏州闻达食品配料有限公司 一种猪肉粒糖及其制作方法

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