JPH056145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、葉書の記載内容を隠蔽することを
主たる目的として、その表面に貼着して使用する
葉書の記載事項隠蔽用粘着シートに関する。

［従来の技術］ 最近では、記載内容を受け取り人以外に見られ
るのを避ける文書を封書で郵送するかわりに、受
取人が被覆を除去して内容を知る事ができる葉書
形式のものが利用されるようになつた。

この形式の葉書は、表紙としての紙に透明フイ
ルムを剥離し易い状態にラミネート加工し、透明
フイルムの裏面に粘着剤を塗布した形態にして葉
書の記載面に貼付けて葉書を複層化するもので、
受取人が表紙を剥がしとれば透明フイルムを被覆
した文書が現れ、受取人は透明フイルムを通して
内容を知ることが出来、開封有無の事実の確認と
保存の保証とが得られる事を特徴としている。

しかし、これらの積層化構造ではコスト高につ
き、使用を能率化するにはラミネート加工に加圧
接着用の装置を必要としている。装置を省いて発
送者が自ら手作業で積層できるようにした考案も
あるが、作業を上手に仕上げるには多少の作業経
験と器用さを必要とする。また葉書表面が光沢の
ある印画紙のように平滑性にとむ場合には葉書の
表面を損傷することなく上記の透明フイルムを剥
がしとる事が出来るから、期待に反して再加工が
可能となり、開封有無の事実が必ずしも確認、保
証ができるとは言えなくなる。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の目的は、上記の諸事情を考慮して葉書
の表面に複雑な層形態を必要とせずに普通のラベ
ル同様に貼りつけるだけで済み、受取人が従来の
積層化方法と同様に取り扱いができ、かつ保存と
開封有無の事実を確実に知る事が出来る安価な粘
着シートを提供することにある。

［考案が解決するための手段］ 上記の問題を解決するため種々検討の結果、表
紙の裏面の全面あるいは一部に接着性の乏しい無
色あるいは着色した透明インキを塗布ないし印刷
し、同じ裏面にさらに透明または着色した粘着剤
を塗布形成した粘着シートを台紙に貼り付けた場
合、表紙を剥がそうとすれば粘着剤が薄層状をな
して台紙面に貼りついて残り、表紙に印刷したイ
ンキが表紙から剥がれて粘着剤の表面に残つて露
出面を覆うようになる。従つて、表紙を一旦剥が
せばもはや再度貼り付ける事が不可能となるばか
りでなく、台紙に貼り着いた部分を剥がそうとし
ても断片化して台紙面に付着残留することが分か
つた。従つてこの構造を葉書の隠蔽用に利用すれ
ば、従来の積層化方法以上の効果が得られるもの
と考えた。

［実施例］ 第１図は本考案の実施例の粘着シートの一部の
断面図を示すものである。

紙あるいはプラスチツクフイルムよりなる表紙
１の裏面に接着性の乏しい透明インキ２を塗布な
いし印刷する。次に表紙１の裏面にさらに透明の
無色あるいは着色の粘着剤を塗布して粘着剤層３
を形成したのち、剥離紙４を貼合わせて粘着シー
トとする。

表紙１に使用する紙やプラスチツクフイルムや
金属箔は、印刷業、粘着加工業などで常用される
ものを常法によつて使用して差し支えないが、紙
の透明インキを塗布する面にはインキが剥がれ易
いように表面処理を施した方が好都合である。透
明インキ２も一般に印刷業に常用されるものが利
用できるが、容易に剥離する処方となるように接
着成分の調整をする必要がある。従つて、インキ
の処方中、ビヒクルを構成する天然樹脂および合
成または半合成樹脂の種類としては、接着性が過
剰にならぬように十分な考慮が必要である。

粘着剤層３形成のための粘着剤および剥離紙４
は粘着加工業で常用されるものを常法によつて使
用する。

第２図は本考案の粘着シートを葉書面に使用す
る実施例を示し、実施後に表紙を一部剥離した状
態を示す断面部分図である。

本考案の粘着シートの使用法は、一般の粘着シ
ートないしラベルと全く同様で、剥離紙４を取り
除いて対象の葉書面５に直接貼り着けるだけでよ
い。

このようにして出来た葉書の表紙１を剥がす
と、表紙は印刷インキ２を粘着剤層３の表面に残
して剥がれ、再度密着状態に復する事がない。そ
れと同時に粘着剤は葉書面５に粘着剤層３として
半永久的に残り、粘着剤層３の新たな露出面に印
刷インキ２が付着、被覆してフイルム状の層を形
成する。しかし、葉書面に着いた粘着剤層はシー
トとしての特性を示さず、粘弾性のある流動層に
すぎないので、葉書面から剥がそうとすると粘着
剤層表面の透明インキ自体が脆質のために断片化
して葉書面に付着し、シート状に剥離する事は勿
論、葉書面を損傷することなく付着物を完全に除
去することも不可能となる。

以上の実施例では葉書面全面に透明インキを使
用した形態を図示したが、必ずしも全面に限定す
るものではない。部分的に印刷すれば、印刷され
ない部分は粘着剤塗布によつて葉書面に完全に貼
着し、受取人が剥がそうとしてもその部分につい
ては不可能である。したがつて表紙の一部を葉書
に貼着して併せて保存するには便利に使用出来
る。また表紙を部分的に剥がして使用するには、
表紙にあらかじめ印刷部分の周辺に沿つてミシン
目を施しておけばよい。

［考案の効果］ 本考案の粘着シートは、表紙に剥離容易な透明
インキで印刷ののち、一般に使用される粘着剤を
塗布し剥離紙を貼り合わせるだけのきわめて簡単
な工程を採るために、従来法のように記載面保護
用の透明フイルムを積層する必要もなく、作業段
階と操作が極めて容易かつ低コストで実施可能で
ある。

また、このシートを使用するに際しても一般の
粘着シートやラベルを貼るのと全く変わることな
く使用でき、作業の熟練も不要である。しかも開
封事実が復元不可能な形として残り、確実性が保
証でき、証拠隠滅の余地を全く許さない開封表示
機能が発揮出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の粘着シートの断面部分図、第
２図は本考案を葉書に使用し、表紙を部分的に剥
離した状態を示す断面部分図である。 １……表紙、２……透明インキ、３……粘着剤
層、４……剥離紙、５……葉書面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 隠蔽性のある紙またはプラスチツクフイルムま
   たは金属箔等よりなる表紙の裏面に接着性の比較
   的乏しい無色あるいは着色した透明インキを全面
   あるいは部分的に塗布ないし印刷し、さらに透明
   の無色あるいは着色の粘着剤を全面に塗布形成
   し、剥離紙で被覆保護したことを特徴とする葉書
   の記載事項隠蔽用粘着シート。