JPH0528061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば葉書などに記載された重要な
情報を当事者以外の者に読み取り不能に隠蔽する
ために、葉書などの表面に貼着して使用する剥離
可能な隠蔽用ラベルに関する。

（従来の技術） 従来、重要な情報、例えば郵便局或いは銀行な
どの預金残高などを顧客に対して郵送にて通知す
るには封書を使用するのが一般的であつた。

しかしながら、最近では封書よりも料金的に安
価な葉書を利用して、葉書表面に剥離可能に貼着
してなる不透明な隠蔽紙を使用して、葉書などの
表面に記載された情報を、当事者以外の者に読み
取り不能にしてなるものがある。

この隠蔽紙の構造としては、透明フイルムの上
面に不透明な隠蔽紙を剥離可能に貼着するととも
に下面に被隠蔽体への接着剤を塗布し、隠蔽紙と
透明フイルム層との間を剥離可能に構成したもの
である（実開昭62−9571号参照）。

また、上記の隠蔽紙の下面と透明フイルム層と
の間にさらに不透明な隠蔽用インキ層を介在させ
て、隠蔽すべき情報がさらに透かないように構成
したものもある。

さらには、当事者以外が隠蔽紙を剥がして情報
を読み取ることができないように、上記の隠蔽紙
或いは隠蔽用インキ層と透明フイルム層との間の
適宜の箇所に予め固定用接着剤（或いは接着促進
剤）を介在させて、第３者が隠蔽紙を剥がした場
合に透明フイルム層が剥離部分とともに破れ落ち
るようにして情報が漏洩したことが判別できるよ
うに構成したものもある。

（考案が解決しようとする課題） 上記したようにただ単に隠蔽紙と透明フイルム
層との間を剥離可能に構成したものでは、第３者
が隠蔽紙を剥離し容易に中に記載された情報を読
み取つた後、再び隠蔽紙を貼着すれば当事者は情
報が漏洩したことが判別できず好ましくないもの
であつた。

この点を解消した上記の隠蔽紙或いは隠蔽用イ
ンキ層と透明フイルム層との間の適宜の箇所に固
定用接着剤（或いは接着促進剤）を予め介在させ
たもので、この固定用接着剤を設けるため一工程
余分に要するため製造工程が複雑となり製造コス
トも高くなるなどの欠点があつた。

本考案はこのような課題を解決するために考案
なされたものであり、第３者が隠蔽紙を剥離して
記載された情報を読み取ることが不能で、しかも
複雑な製造工程となることがなく安価な隠蔽用ラ
ベルを提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の隠蔽用ラベルは上述の課題に鑑み考案
なされたものであつて、その要旨とするところ
は、透明なフイルム２の上面に不透明な隠蔽用イ
ンキ層３を塗設するとともに、適宜箇所に隠蔽用
インキ欠落部３′，３′を形成し、前記隠蔽用イン
キ層３の上面に形成した接着剤層４を介して上面
にベース紙５を貼着して、前記隠蔽用インキ欠落
部３′，３′の間にて、ベース紙５、接着剤層４、
及び隠蔽用インキ層３とを一体的にフイルム２よ
り剥離可能に構成するとともに、前記フイルム２
の下面の透明な接着剤層６を塗設して被隠蔽体に
貼着可能に構成したことである。

さらに、本考案の隠蔽用ラベルは、前記フイル
ム２と隠蔽用インキ層３と間に剥離層１０を設け
たことを特徴とする。

（実施例） 本考案の隠蔽用ラベルについて、以下に添付図
面に基づいてより詳細に説明する。

第１図は本考案の隠蔽用ラベルの一実施例の拡
大部分断面図であつて、図において、１は全体で
本考案の隠蔽用ラベルを示しており、これは基本
的には、透明なフイルム２と、フイルム２の上面
に塗設した不透明な隠蔽用インキ層３と、この隠
蔽用インキ層３の適宜の箇所（例えば周縁）に設
けた隠蔽用インキ欠落部３′，３′と、隠蔽用イン
キ層３の上面に形成した接着剤層４と、この接着
剤層４を介して上面に貼着した不透明なベース紙
５と、前記フイルム２の下面に塗設（印刷）した
透明で感圧性の接着剤層６と、この接着剤層６下
面に貼着した剥離紙７とから構成されている。

上記の透明なフイルム２としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフインから適
宜選択すれば良く、これら以外でも要するに透明
なものであれば良い。

また、上記不透明な隠蔽用インキ層３は、上記
フイルム２の上面に塗設（印刷）可能な材料から
成るものであつて、この隠蔽用インキ層３が隠蔽
材であるとともに、フイルム２と接着剤層４との
間に介在して、ベース紙５，接着剤層４、及び隠
蔽用インキ層３から成る剥離部分８がフイルム２
から容易に剥離できるようにするために、乾燥し
た際に不透明であつて、且つフイルム２と隠蔽用
インキ層３との間の結合力よりも、隠蔽用インキ
層３と接着剤層４との間の結合力の方が大きくな
るように、フイルム２と接着剤層４の材質に従つ
て適宜材質、塗布厚など選択すればよい。例え
ば、塩素化ポリプロプレン10％、アルミペースト
20％、ケトン系或いは芳香族系の溶剤70％を混合
したインキを使用して、上記フイルム２の上面に
塗設する。

尚、上記隠蔽用インキ層３には、葉書などに記
載された隠蔽すべき箇所の形状にあわせて適宜の
箇所（例えば周縁部）に隠蔽用インキ欠落部３′
が設けられており、これにより剥離部分８がフイ
ルム２から未使用時或いは未剥離時において剥離
しないようになつている。

また、上記隠蔽用インキ層３の上面に形成する
接着剤層４は、上記フイルム２と同じ種類の接着
剤（例えばポリオレフイン）をエクストルージヨ
ンラミネート方によつて押し出しラミネートして
形成する。

上記のように構成される本考案の隠蔽用ラベル
の使用方法について以下に説明する。

第２図〜第４図に示したように、まず、剥離紙
７を隠蔽用ラベル１から剥がして、感圧性の接着
剤層６面を隠蔽すべき情報が記載された葉書Ａな
どの表面に押し当てて、隠蔽用ラベル１を葉書Ａ
に貼着する。

次に、葉書などに記載された情報を読み取る際
には、隠蔽用ラベル１のベース紙５上面の隠蔽用
インキ欠落部３′，３′の内側に相当する位置に予
め記載されている切り込み線９，９に沿つて、カ
ツターナイフＢなどを用いてある程度の深さまで
切り込みを入れた後、この切り込みよりベース紙
５を剥がしていけば、フイルム２と隠蔽用インキ
層３との間に結合力よりも、隠蔽用インキ層３と
接着剤層４との間の結合力の方が大きいので、ベ
ース紙５、接着剤層４、及び隠蔽用インキ層３か
らなる剥離部分８がフイルム２から剥離され、葉
書Ａの表面に記載された情報を、剥がれ残つた透
明なフイルム２を介して読み取ることができる。

第５図は、本考案の隠蔽用ラベルの別の実施例
の拡大部分断面図で、基本的には上記した第１実
施例と同じ構成であつて、相違する点は、隠蔽用
ラベル１の隠蔽用インキ欠落部３′，３′の内側
に、ベース紙５、接着剤層４、及び隠蔽用インキ
層３に至るミシン目状の断続的な切り込み９′，
９′を設けてあり、これによつて、葉書などに記
載された情報を読み取る際に、カツターナイフな
どを用いることなく隠蔽用ラベル１の剥離部分８
を容易に剥離できるように構成したものである。

さらに、第６図は本考案の隠蔽用ラベルの別の
実施例の拡大部分断面図であり、基本的には上記
した第１実施例と同じ構成であつて、相違する点
は、フイルム２と隠蔽用インキ層との間に剥離剤
層１０を設けて、フイルム２と剥離部分８との剥
離をより容易にならしめたものである。この剥離
剤層１０としては、例えば、アクリル系剥離剤
（塩素化ポリプロピレン（PPK）など）などから
適宜選択すればよい。

第７図は、本考案の隠蔽用ラベルのさらに別の
実施例を示したものであつて、基本的には上記第
１〜第３の実施例の隠蔽用ラベルと同様な構成で
あるが、複数の隠蔽用ラベル１を連続するように
製造し、剥離紙７を省略して、ベース紙５の上面
に合成樹脂被膜をラミネート加工して、全体をロ
ール状に巻き取ることができるようにしたもので
ある。これによつて、葉書などの被隠蔽体に貼着
する際に自動・省力化が可能となる。

（作用・効果） 本考案の隠蔽用ラベルは、透明なフイルム２の
上面に不透明な隠蔽用インキ層３を塗設するとと
もに、適宜箇所に隠蔽用インキ欠落３′，３′を形
成し、前記隠蔽用インキ層３の上面に形成した接
着剤層４を介して上面にベース紙５を貼着し、前
記隠蔽用インキ欠落部３′，３′の間にて、ベース
紙５、接着剤層４、及び隠蔽用インキ層３とを一
体的にフイルム２より剥離可能に構成するととも
に、前記フイルム２の下面に透明な接着剤層６を
塗設して被隠蔽体に貼着可能に構成したので、 (1) ベース紙の他に隠蔽用インキ層によつても被
隠蔽体に記載された情報が隠蔽されるのでさら
に隠蔽能力が向上し、 (2) 隠蔽用インキ欠落部３′，３′にて、接着剤層
４を介してベース紙とフイルム２が強固に固定
されているので、第３者が剥離部分を剥がして
情報を読み取ることが不能であり、 (3) ただ隠蔽用インキ層３の適宜の箇所に隠蔽用
インキ欠落部３′，３′を設けるだけで良いの
で、従来に比較して工程が簡単で安価な隠蔽用
ラベルを提供できるものであり、 (4) また、上記隠蔽用インキ欠落部３′，３′の内
側に、ベース紙５、接着剤層４、及び隠蔽用イ
ンキ層３に至るミシン目状の断続的な切り込み
９，９を設ければ、記載された情報を読み取る
際に、カツターナイフなどを用いることなく隠
蔽用ラベル１の剥離部分８を容易に剥離可能
で、 (5) さらに、前記フイルム２と隠蔽用インキ層３
と間に剥離層１０を設けたものでさらに読み取
り時の剥離が容易であり、 (6) さらには、葉書など以外の被隠蔽体に記載さ
れた秘密を要する情報を隠蔽するにも利用でき
る、 などの幾多の作用効果を奏する優れた考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の隠蔽用ラベルの第１の実施例
の拡大部分断面図、第２図〜第４図は本考案の隠
蔽用ラベルの使用方法を示す斜視図、第５図は、
本考案の隠蔽用ラベルの第２の実施例の拡大部分
断面図、第６図は本考案の隠蔽用ラベルの第３の
実施例の拡大部分断面図、第７図は本考案の隠蔽
用ラベルの第４の実施例を示す斜視図である。 １……隠蔽用ラベル、２……フイルム、３……
隠蔽用インキ層、３′……隠蔽用インキ欠落部、
４……接着剤層、５……ベース紙、６……接着剤
層、７……剥離紙、８……剥離部分、９……切り
込み線、９′……切り込み、１０……剥離剤層、
Ａ……葉書、Ｂ……カツターナイフ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 透明なフイルム２の上面に不透明な隠蔽用イ
   ンキ層３を塗設するとともに、適宜箇所に隠蔽
   用インキ欠落部３′，３′を形成し、前記隠蔽用
   インキ層３の上面に形成した接着剤層４を介し
   て上面にベース紙５を貼着して、前記隠蔽用イ
   ンキ欠落部３′，３′の間にて、ベース紙５、接
   着剤層４、及び隠蔽用インキ層３とを一体的に
   フイルム２より剥離可能に構成するとともに、
   前記フイルム２の下面に透明な接着剤層６を塗
   設して被隠蔽体に貼着可能に構成したことを特
   徴とする隠蔽用ラベル。 (2) 前記フイルム２と隠蔽用インキ層３と間に剥
   離層１０を設けたことを特徴とする請求項１に
   記載の隠蔽用ラベル。