JPH037372Y2

JPH037372Y2 -

Info

Publication number: JPH037372Y2
Application number: JP1985174269U
Authority: JP
Priority date: 1985-11-14
Filing date: 1985-11-14
Publication date: 1991-02-25
Also published as: JPS6283838U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、パスポートの主として写真の偽造防
止に使用されるパスポート用粘着シートに関す
る。

（従来の技術）従来、封印や証紙の偽造防止式の粘着シートと
して、透明なテープ基材の裏面に透明な剥離剤層
を部分的に設け、更にその裏面全面に重ねて金属
蒸着層と粘着剤層とを順次施したものが公知であ
る。

また、証紙として、例えば実公昭46−4432号公
報に見られるように、透明プラスチツクフイルム
基材の裏面に部分的に剥離剤層を設け、その裏面
及び該剥離剤層に重ねて印刷模様を印刷し、更に
該印刷模様の上に粘着剤層を設けたものも知られ
ている。

（考案が解決しようとする課題）従来の上記粘着テープは、被着体面に貼着使用
された後、これを剥がすときは、被着体面に部分
的に剥離剤層、金属蒸着層または印刷模様及び粘
着剤層が残留するので、再びこれを貼着しても基
材と剥離剤層との間に空気が封入されたり、全体
の厚みが変化するので、実質的に初めの貼着状態
を復元できず、一旦剥離したことが分かるが、該
粘着テープは金属蒸着層等の不透明な層を有する
ためパスポートの写真を覆つて貼着することが出
来ず、また再貼着したときの空気の封入を見分け
ることが比較的困難である等の不都合を有する。

本考案は、従来の偽造防止式の粘着テープの不
都合を改善してパスポートの写真等の偽造防止に
適した粘着テープを提供することを目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段）本考案では、上記目的を達成するため、透明フ
イルム基材の裏面に、透明な剥離剤層を部分的に
形成し、該剥離剤層の裏面に重ねて印刷表示部層
を設け、更にその透明フイルム基材の裏面の残部
並びにこれらの層に重ねてパスポート台紙に貼着
される透明な粘着剤層を全面に施すようにした。

（作用）本考案の上記粘着シートは、全体が透明である
ので、パスポート台紙に貼られた写真の上面に貼
着しても外部から写真を見ることができ、印刷表
示層を証明者の印の表示に利用することが出来
る。また、本考案粘着シートを被着体から剥がす
ときは、その剥離層と基材との界面で剥離するの
で、これを再貼着しても、該剥離層と再貼着の基
材の裏面との間に空気が閉じ込められる。従つ
て、剥離層の裏面に重合する印刷表示部層は、透
明の基材を透かして観察した場合、粘着剤層が透
明であるために、空気層の存在しかなかつた当初
とは異なり白つぽく反射したように外観されて、
これにより再貼着したことが容易に確認できる。

（実施例）次に本考案の実施例を貼付図面につき説明す
る。

図面で１は透明フイルム基材を示す。該基材１
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、塩化ビニルなどの透明な合成
樹脂材料から成る。２は、該基材１の裏面に、部
分的に施されたシリコーン樹脂やアクリル樹脂な
どを主体とする透明な剥離剤層を示し、グラビ
ア、フレキソなどの印刷方法によつて形成され
る。３は、該透明な剥離剤層２上に施された印刷
表示部層を示し、パスポートの証明印の印影、証
明者の名称などが例えば朱色で印刷される。

４は、該透明フイルム基材１の裏面の前記剥離
剤層２と印刷表示部層３との重合層の上面と、こ
の重合層のない透明フイルム基材１の裏面の残る
面部とに重ねて全面に塗着形成した透明な粘着剤
層を示す。

かく構成された本考案の粘着シートは、印刷表
示部層３以外は、全体が透明の粘着シートであ
り、該透明フイルム基材１とその裏面の剥離剤層
２との重合界面の接着力は、該基材１とその裏面
の粘着剤層４との重合界面の接着力よりも著しく
小さくなる。

尚、一般に、該接着剤層４は、その基材１に対
する接着力がパスポート台紙に対する接着力より
も大きくなる接着剤で形成する。５は、粘着剤層
４に仮貼着の剥離紙を示す。

上記構成の本考案の粘着シートは、その使用に
当り、剥離紙５を剥がし、第２図示のように、パ
スポート台紙６に予め貼着された写真７の上面
に、その証明印から成る印刷表示部層３が該写真
７の縁と台紙６にまたがり割印状態になるように
被覆貼着する。該粘着シートは、全体が透明であ
るため、写真７を外から透視することができると
共に写真７の表面を保護することができる。ま
た、その印刷表示部層３の証明印は、粘着シート
の透明フイルム基材１の内面に位置するので、該
証明印の改ざんを防止することが出来る。

今、パスポートを偽造するため、本考案の粘着
シートの基材１を剥がし、写真７を剥がそうとす
ると、第３図示のように、該基材１と剥離剤層２
との界面で剥がれ、該剥離剤層２とその下面の印
刷表示部層３と粘着剤層４の一部とが写真７の上
面に残留してしまう。従つて、その剥がした粘着
シートは、前記の写真７の面上に残留した部分に
対応する箇所に欠陥空間８を生じて再度の使用が
できなくなる。剥がした基材１を、元の状態に再
貼着するときは、該剥離剤層２と該基材１面との
間には極めて微細な空隙を有する状態となるの
で、これらを外から透視するときは、該剥離剤層
２の裏面の印刷表示部層３は、その微細な空隙層
を介して見ることとなり、粘着剤層４が透明であ
るために乱反射で空隙の存在が明瞭になり、当初
のような鮮明な印刷表示部層３を見ることができ
なくなるため、該粘着シートはパスポート台紙６
から一旦剥がされた事実を知ることができる。

（考案の効果）本考案によるときは、印刷表示部層３を除き全
て透明の材料で構成してパスポート用粘着シート
としたので、これをパスポートの写真等を覆うよ
うに貼着使用するときは、該写真等を外部から明
瞭に透視することが出来、またこれを剥がそうと
するときは、その基材と剥離剤層との間で剥離
し、剥離剤層とその下面の印刷表示部層と粘着剤
層が写真やパスポート台紙に残留するので、粘着
シートの再使用が不適となり、再貼着しても、粘
着剤層が透明であるため印刷表示部層の不鮮明さ
が明瞭になり、剥離後再貼着した事実を容易に認
識できパスポートの偽造を防止出来る等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案粘着シートの断面図、第２図は
その使用状態の上面図、第３図は第２図の−
線断面図で且つこれを剥離した状態を示す図であ
る。１……透明フイルム基材、２……透明な剥離剤
層、３……印刷表示部層、４……透明な粘着剤
層、６……パスポート台紙、７……写真。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

透明フイルム基材の裏面に、透明な剥離剤層を
部分的に形成し、該剥離剤層の裏面に重ねて印刷
表示部層を設け、更にその透明フイルム基材の裏
面の残部並びにこれらの層に重ねてパスポート台
紙に貼着される透明な粘着剤層を全面に施して成
るパスポート用粘着シート。