JPH056148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、葉書の記載内容を送り人と受取人
以外から隠蔽する目的で表面に貼着使用する葉書
において、第三者によつて開封された場合にはそ
の事実が確実に表示される記載事項隠蔽用粘着シ
ートに関する。

［従来の技術］ 最近では、記載内容を受け取り人以外に見られ
るのを避ける文書を封書で郵送するかわりに、受
取人が被覆を除去して内容を知る事ができる葉書
形式のものが利用されるようになつた。

この形式の葉書は、表紙としての紙に透明フイ
ルムを剥離し易い状態にラミネート加工し、透明
フイルムの裏面に粘着剤を塗布した形態にして葉
書の記載面に貼付けて葉書を複層化するもので、
受取人が表紙を剥がしとれば透明フイルムを被覆
した文書が現れ、受取人は透明フイルムを透して
内容を知ることが出来、開封有無の事実の確認と
保存の保証とが得られる事を特徴としている。

しかし、これらの積層化構造ではコスト高につ
き、使用を能率化するにはラミネート加工に加圧
接着用の装置を必要としている。装置を省いて発
送者が自ら手作業で積層できるようにした考案も
あるが、作業を上手に仕上げるには多少の作業経
験と器用さを必要とする。また葉書の種類によつ
ては表面を損傷することなく上記の透明フイルム
を剥がしとる事が出来るから、期待に反して再加
工が可能となり、開封有無の事実が必ずしも確
認、保証ができるとは言えなくなる。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の目的は、上記の諸事情を考慮して葉書
の表面に複雑な層形態を必要とせずに普通のラベ
ル同様に貼りつけるだけで済み、受取人が従来の
積層化方法と同様に取り扱いができ、かつ保存と
開封有無の事実を確実に知る事が出来る安価な粘
着シートを提供することにある。

［考案が解決するための手段］ 上記の問題を解決するため種々検討の結果、
さきに考案者の一人が実願昭60−14698号（実開
昭61−133531号公報実公平１−18599号公報参照）
において考案した開封機能を発揮できる粘着性シ
ートの着想を葉書の記載事項隠蔽用粘着シート応
用することにより従来の積層化方法以上の効果が
得られるものと考えた。

［実施例］ 第１図は本考案の実施例の粘着シートの断面の
概略を示すものである。

透明性のあるプラスチツクフイルム１の裏面に
梨地状に粗面２を形成し、その上の一部に接着性
の乏しい透明インキ３を塗布ないし印刷し、さら
に透明の無色あるいは着色の再剥離型粘着剤を塗
布して粘着剤層４を形成したのち、剥離紙６を貼
合わせる。またプラスチツクフイルム１の表面に
は隠蔽性のあるインキ層を塗布ないし印刷するか
あるいは粘着紙、粘着フイルム、金属箔などを貼
着して表紙５を形成する。ただし表紙５はプラス
チツクフイルム１の全面を被覆せず、裏面に透明
インキ３を塗布ないし印刷した部分は被覆せずに
残す。本考案に使用するプラスチツクフイルム１
は印刷業、粘着加工業などで常用されるものを常
法によつて使用して差し支えないが、裏面に開封
表示の印刷をする部分については表示を鮮明に確
認出来るために透明性を持つ必要がある。またそ
の裏面は更に塗布する粘着剤層と密着して接着力
が補強されるように表面を梨地処理して粗面にし
た方が好都合である。透明インキ３は一般に印刷
業に常用されるものが利用できるが、容易に剥離
する処方となるように接着成分の調整をする必要
がある。従つて、インキの処方中、ビヒクルを構
成する天然樹脂および合成または半合成樹脂の種
類としては、接着性が過剰にならぬように十分な
考慮が必要である。

粘着剤層４形成のための粘着剤には剥離後葉書
７の面を損傷しないように再剥離性の粘着剤を使
用することが望ましい。剥離紙６は粘着加工業で
常用されるものを常法によつて使用する。

第２図は本考案の粘着シートを葉書面に使用す
る実施例を示し、実施後に表紙を一部剥離した状
態を示す断面略図である。

本考案の粘着シートの使用法は、一般の粘着シ
ートないしラベルと全く同様で、剥離紙６を取り
除いて対象の葉書７の通信文記載面に直接貼り着
けるだけでよい。

このようにして出来た葉書の表紙５を剥がす
と、表紙５はプラスチツクフイルム１と一体とな
つて印刷インキ３が印刷ないし塗布されない部分
は粘着剤層４とも併せて葉書７の記載面から完全
に剥がれるから、通信文は記入したままの状態で
読む事が出来る。しかし透明インキ３を印刷ない
し塗布した部分はプラスチツクフイルム１の梨地
面２との接着性に乏しいために剥離して粘着剤層
４の表面に付着し、粘着剤層４と共に葉書７の表
面に半永久的に残る。

第３図は開封表示部分の構造を示す部分断面図
であり、第４図は第３図の剥離した状態を示す部
分断面図である。上記の印刷インキ３を印刷ない
し塗布した部分が、この図示部分に相当し、先願
を応用した部分である。先願に述べたように、こ
の剥離した部分は密着復元が絶対に不可能となつ
て、プラスチツクフイルム上面からその裏面に剥
離前には見えなかつた印刷ないし塗布した文字ま
たはマークが光の乱反射で浮き出して見えるよう
になり、以後は消失する事なく、鮮明に認められ
ることになる。

［考案の効果］ 本考案の粘着シートは、表紙に剥離容易な透明
インキで印刷ののち、一般に使用される粘着剤を
塗布し剥離紙を貼り合わせるだけのきわめて簡単
な工程を採るために、従来法のように記載面保護
用の透明フイルムを積層する必要もなく、作業段
階と操作が極めて容易かつ低コストで実施可能で
ある。

また、このシートを使用するに際しても一般の
粘着シートやラベルを貼るのと全く変わることな
く使用でき、作業の熟練も不要である。しかも開
封事実が復元不可能な印刷された文字またはマー
クとして永久に残り、確実性が保証でき、証拠隠
滅の余地を全く許さない開封表示機能が発揮出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の粘着シートの断面略図、第２
図は本考案を葉書に使用し、実施後に表紙を一部
剥離した状態を示す断面略図、第３図は開封表示
部分の構造を示す部分断面図、第４図は第３図の
剥離した状態を示す部分断面図である。 １……透明プラスチツクフイルム、２……梨地
状粗面、３……透明インキ、４……再剥離型粘着
剤層、５……表紙、６……剥離紙、７……葉書。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクフイルムの片面を梨地仕上げして
   その面の一部に接着性の比較的乏しい無色あるい
   は着色した透明インキを塗布ないし印刷し、さら
   に透明の無色あるいは着色の再剥離型の粘着剤を
   全面に塗布形成して剥離紙で被覆保護すると共
   に、該プラスチツクフイルムの別の片面には、裏
   面に文字またはマークを印刷した部分を除いて隠
   蔽性のあるインキを塗布するかあるいは粘着紙ま
   たはフイルムまたは金属箔などよりなる表紙を貼
   着することを特徴とする葉書の開封表示機能を備
   えた記載事項隠蔽用粘着シート。