JPS6159083B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ラツトあるいはマウス等の小動物用
の洗浄装置つき飼育装置に関する。

一般に、マウス等の小動物を飼育する場合に
は、小動物用の飼育ケージ収容スペース（以下、
飼育スペースという）を上下方向に複数段重ねて
形成される飼育装置本体を用い、飼育作業の省力
化および空間の有効利用を図ることが行なわれて
いる。そして、この種の飼育装置においては、各
飼育スペースの床面の清掃を容易にするため、そ
の床面を飼育装置本体の前後方向に傾斜させるの
が通例である。

ところで、従来この種の飼育装置を清掃する手
段としては、一端が水道源に接続されたホースの
他端を作業員が把持して各飼育スペース床面を水
洗し、傾斜する床面を利用して汚物を外部に排出
する方法を採つている。

しかしながら、この種の方法では、洗浄に多大
な労力と時間とを要し、特に飼育スペースが横方
向に長い場合には洗浄が容易でない。また、ホー
スを用いる水洗方法では水圧が低い場合や、多量
の汚物がある場合にはこれを水圧で押し流すこと
ができず箒や掻出具を用いて排出する必要があ
る。

本発明はかかる現況に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、人手を要せず、確実かつ
自動的に汚物除去および洗浄を行なうことを可能
にする小動物飼育装置を提供するにある。

本発明によれば、飼育スペースにそれぞれ対応
する位置にあつて飼育スペースの床の上面へ洗浄
水を噴射する複数の洗浄水ノズルを有するノズル
ユニツトを、飼育装置本体の一側に沿つて水平方
向に往復動自在に設け、ノズルユニツトには、飼
育スペースの床の上面に沿つてその長手方向に直
交する方向に延びる薄帯板状汚物掻取部材の基端
を各洗浄水ノズルの直下の位置で取付け、これに
よつて、洗浄水ノズルからの洗浄水が、汚物掻取
部材の飼育スペースの床の面上の汚物掻取りと同
時に汚物掻取部材に沿つて流れて汚物を流し去る
ようにされている。

以下、図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

第１図および第２図において、２は小動物飼育
装置本体を示す。この装置２本体は枠体３を有
し、この枠体３によつて飼育ケージ収容スペース
４（以下、飼育スペースという）が上下方向に複
数段設けられている。各飼育スペース４は、その
長手方向を横切る方向、すなわち前後方向に傾斜
した床４ａを有している。第１図において手前
側、また、第２図においては左側が飼育装置本体
２の前側であつて、床４ａは前側が高くなるよう
に傾斜している。各飼育スペースの床４ａ上に
は、後述のように小動物の汚物が落下し、しかも
それを流すための洗浄水が供給されるので、それ
らが外部に散逸しないように、床４ａの周縁には
立上り壁５，６などが設けられている。各床４ａ
およびその立上り壁５，６は板金、プラスチツク
等からなり、枠体３に固定されている。各床４ａ
は、その最も低い部分に、汚物や洗浄水の流出用
開口部７を有しており、流出用開口部７からの流
出物は、それより下方にある床４ａの同様な開口
部７からの流出物と一緒になつて最下段の汚物溜
め９内へ流下する。

各飼育スペース４内には飼育ケージ１０が収容
される。飼育ケージ１０は第１図に示すように、
通常各スペース４について数個ずつ収容され
る。。飼育ケージ１０は飼育スペース４の床４ａ
上に直接載置されるのではなく、第１図に示すよ
うに枠体３の後側から前側へ向つて各飼育スペー
ス４内へ水平に突出するケージ支持部材１２上に
載置される。これによつて、各飼育スペース４の
床４ａの上面と各飼育ケージ１０の底との間には
空間が形成される。したがつて、飼育ケージ１０
内の小動物から排泄される汚物は、ケージ１０の
底を通り抜けて床４ａ上に落下してそこに堆積す
る。このように堆積した汚物は定期的に掻き取つ
て洗い流す必要がある。

本発明では、それは次のような手段によつて行
なわれる。

枠体３の頂部には、その長手方向に沿て動力に
より往復動自在のキヤリツジ１３が支持されてい
る。このキヤリツジ１３はモータを内蔵し、車輪
１４によつて枠体３上で走行する。

キヤリツジ１３には、外部の水供給源に連なる
可撓ホース１５が支持されており、その下流端
は、キヤリツジ１３のブラケツト１７に上端が支
持された洗浄水供給ノズルユニツト１８の主管１
８ａの上端に連通している。主管１８ａの下端は
閉じられ、その途中部分には、それぞれの飼育ス
ペース４の床４ａの高さに対応する位置に洗浄水
ノズル２０が突設されており、各ノズル２０の上
部において主管１８に弁２１が設けられている。
図示の実施例では、ノズル２０は、第３図に示す
ように主管１８ａに突設された短管２０ａの先に
設けられている。各ノズル２０は対応する床４ａ
の上方へ幾分突出している。

２３は汚物掻取装置で、扁平な薄帯板状の汚物
掻取部材２３ａを有している。この掻取部材２３
ａは第３図および第４図から明らかなように、床
４ａの長手方向に直交する方向、すなわち前後方
向に設けられており、図示の例では、その先端側
が細くなつている。その基端は蝶番２４によつて
介在部材２５の端縁に枢着されており、介在部材
２５の他端縁は、蝶番２７によつて汚物掻取部材
の一部をなす基板２８の先端に枢着されている。
基板２８の上面には短筒体３０が固設されてお
り、この短筒体に止ねじ３１が設けられている。

汚物掻取部材２３ａは、その短筒体２０をノズ
ル２０の外周にはめ、止ねじ３１を締めることに
よつてノズルユニツト１８に固定され、第３図お
よび第４図の状態になる。当然のことながら基板
２８は床４ａの立上り壁５より上方にある。

よつて、キヤリツジ１３を枠体３に沿つて往復
動させると、それにつれてノズルユニツト１８お
よび汚物掻取部材２３ａも往復動する。この時、
汚物掻取部材２３ａはは、床４ａの上面に摺接し
つつ第４図の矢印ＡまたはA′の方向に移動す
る。これにより、第５図に示すように、掻取部材
２３ａが床４ａ上の汚物を掻取り、汚物は３３で
示すように掻取部材２３ａの上面に移動する。一
方、このような掻取部材２３ａの往復動と同時
に、ホース１５を経て主管１８ａ内に水が供給さ
れ、それがノズル２０から掻取部材２３ａ上に第
４図の矢印Ｂの方向に噴射される。これにより、
掻取部材２３ａ上の汚物は洗い流され、流出用開
口部７を経て汚物溜め９内へ流下する。よつて、
汚物の掻取りと洗い流しが同時に自動的になされ
る。

床４ａの傾斜および高さは、製品によつて差異
がある。このような差異に適応できるように、前
述の介在部材２５が設けられている。第６図に実
線および鎖線で示すように介在部材２５に適当な
角度をとらせることにより、異なる床４ａに汚物
掻取部材２３ａを適応させることができる。

第２図に示す弁２１は、ノズル２０から均等量
の水が噴射されるように適宜調節される。この弁
２１の調節がないとすると、最下端のノズル２０
から最も多量の水が噴射されてしまう。

以上に実施例について述べたように、本発明で
は、飼育スペースの床上を摺動する汚物掻取部材
によつて床上の汚物を掻きとりつつ扁平な薄帯板
状の掻取部材の上面に移動させ、しかも掻取部材
の上面に移動した汚物を押し流すようにその上面
に沿つて洗浄水を流すので、掻取りと洗い流しが
人手を要せずに同時になされる利点があり、ま
た、掻取部材により掻取られてその上に少しずつ
移動する汚物を、掻取りの都度掻取部材の上面に
沿つて低い方へ押し流すので、多量の汚物をまと
めて一気に押し流すのと異なり、押し流しが容易
であり、また各飼育ケージ収容スペースについて
単一の洗浄水ノズルがあればよいので、ノズルか
らの洗浄水の噴出による押流し力を大きくするこ
とができ、しかも汚物が常に少しずつ押し流され
るので汚物の抵抗が少なく、掻取部材を少ない力
で動かすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の小動物飼育装置の斜視図、第
２図は同一部を破断して示す側面図、第３図は同
要部の斜視図、第４図は同平面図、第５図は第４
図の−線断面図、第６図は汚物掻取装置を示
す一部破断側面図である。 ２……飼育装置本体、３……枠体、４……飼育
スペース、４ａ……飼育スペースの床、５，６…
…立上り壁、１０……ケージ、１３……往復動機
構（キヤリツジ）、１５……ホース、１８……洗
浄水供給ノズルユニツト、１８ａ……主管、２０
……洗浄水ノズル、２３ａ……汚物掻取部材、２
５……介在部材、２４，２７……蝶番、２８……
基板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床面が長手方向に直交する方向に傾斜する小
   動物用の飼育ケージ収容スペースを上下方向に複
   数段配置して形成した飼育装置本体と、飼育ケー
   ジ収容スペースの床の高さにそれぞれ対応しかつ
   対応する飼育ケージ収容スペースの床の面上へそ
   の高い側からその長手方向に直交しかつ床面に沿
   う方向に洗浄水を噴射するように飼育装置本体の
   一側に支持された複数の洗浄水ノズルを有するノ
   ズルユニツトと、このノズルユニツトを飼育装置
   本体の一側に沿つて長手方向に水平に往復動させ
   る往復動機構と、各飼育ケージ収容スペースの床
   の上面に面接触して長手方向に直交する方向に延
   びる扁平な薄帯板形状をなし、基端が前記各洗浄
   水ノズルの直下でノズルユニツトに取付けられて
   洗浄水ノズルからの洗浄水がその上面の上を流下
   するようにされ、かつノズルユニツトと共に飼育
   スペースの床に摺接しつつ往復動する汚物掻取部
   材とを具備する小動物飼育装置。 ２ 汚物掻取部材の基端が、ノズルユニツトに一
   端縁が枢着された介在部材の他端縁に枢着されて
   いる特許請求の範囲第１項記載の飼育装置。