JPH0557581B1 - - Google Patents

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JPH0557581B1
JPH0557581B1 JP62503388A JP50338887A JPH0557581B1 JP H0557581 B1 JPH0557581 B1 JP H0557581B1 JP 62503388 A JP62503388 A JP 62503388A JP 50338887 A JP50338887 A JP 50338887A JP H0557581 B1 JPH0557581 B1 JP H0557581B1
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JP
Japan
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photoreceptor
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charge transport
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JP62503388A
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English (en)
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Yasuyuki Yamada
Naoto Ito
Isao Nishizawa
Teruhiro Yamaguchi
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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    • C09B33/00Disazo and polyazo dyes of the types A->K<-B, A->B->K<-C, or the like, prepared by diazotising and coupling
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、電子写真用感光体に関するものであ
る。さらに詳しくは、導電性支持体上の感光層に
電荷発生物質として新規なアゾ化合物を含有させ
てなる電子写真用感光体に関する。 [従来の技術] 従来、電子写真用感光体の感光材料としてセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機系感光
材料が広く使用されてきた。しかしながら、これ
らの感光材料を用いた感光体は、感度、光安定
性、耐湿性、耐久性などの電子写真感光体として
の要求性能を十分に満足するものではなかつた。
例えば、セレン系材料を用いた感光体は優れた感
度を有するが、熱または、汚れの付着などにより
結晶化し感光体の特性が劣化しやすい。また、真
空蒸着により製造するのでコストが高く、また可
撓性がないためベルト状に加工するのが難しいな
どの多くの欠点も同時に有している。硫化カドミ
ウム系材料を用いた感光体では、耐湿性及び耐久
性、また酸化亜鉛を用いた感光体では耐久性に問
題があつた。 これら無機系感光材料を用いた感光体の欠点を
克服するために、有機系感光材料を使用した感光
体が種々検討されてきた。 例えば、一部実用化された有機系感光材料とし
て2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノンと
ポリ−N−ビニルカルバゾールを組み合わせて使
用したものが知られている。しかし、これを用い
た感光体は感度が低く、また耐久性においても満
足できるものではなかつた。 近年、上記のような欠点を改良するために開発
された感光体の中で、電荷発生機能と電荷輸送機
能を別個の物質に分担させた機能分離型感光体が
注目されている。この機能分離型感光体において
は、それぞれの機能を有する物質を広い範囲のも
のから選択し、組み合わせることができるので、
高感度化、高耐久性の感光体を作製することが可
能である。このような機能分離型の感光体に使用
する電荷発生物質として、多くの物質が提案され
ている。中でも、有機染料や有機顔料を電荷発生
物質として用いた感光体が近年特に注目されてい
る。例えば、スチリルスチルベン骨格を有するジ
スアゾ顔料を用いた感光体(特開昭53−133445号
公報)、カルバゾール骨格を有するジスアゾ顔料
を用いた感光体(特開昭53−95033号公報)、トリ
フエニルアミン骨格を有するトリスアゾ顔料を用
いた感光体(特開昭53−132347号公報)、ジスチ
リルカルバゾール骨格を有するジスアゾ顔料を用
いた感光体(特開昭54−14967号公報)、ビススチ
ルベン骨格を有するジスアゾ顔料を用いた感光体
(特開昭54−17733号公報)などが報告されてい
る。しかし、これらの電子写真用感光体はかなら
ずしも、要求性能を十分に満足するものではな
く、さらに優れた感光体の開発が望まれていた。 [発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、十分な感度を有し、かつ耐久
性良好な電子写真用感光体を提供することであ
る。 本発明の他の目的は電子写真用感光体に用いる
新規な有機電荷発生物質を提供することである。 [課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成するために検討
した結果、テトラフエニルチオフエントリスアゾ
骨格を有するアゾ化合物が、既存のアゾ化合物に
比し、高感度および高耐久性の優れた特性を有す
る電子写真用感光体を与えることを見い出し、下
記の本発明を完成した。 導電性支持体上に設けられた感光層中に一般式
() (式中、Aはカツプラー残基を示す。) で表わされる少なくとも1つのアゾ化合物を含有
することを特徴とする電子写真用感光体。 本発明で用いるアゾ化合物はテトラフエニルチ
オフエンにアゾ基を3個導入した化合物である。 アゾ基の置換位置としてはフエニル基の4位が
好ましく、フエニル基の4位に置換したトリスア
ゾ化合物が好適に使用できる。 一般式()において、Aはカツプラー残基を
示すが、この残基としては、下記a)〜d)のも
のを挙げることができる。 a 一般式()のカツプラー残基。 (式中、Xは炭化水素環またはその置換体、複
素環基またはその置換体を、またYは
【式】または
【式】を 示し、ここでR1は炭化水素環基またはその置換
体、複素環基またはその置換体、R2は水素、ア
ルキル基またはその置換体、フエニル基またはそ
の置換体、R3は炭化水素環基またはその置換体、
複素環基またはその置換体あるいはスチリル基ま
たはその置換体、R4は水素、アルキル基、フエ
ニル基またはその置換体を示し、R3とR4はそれ
らに結合する炭素原子と共に環を形成してもよ
い。) 一般式()のXとして、具体的には水酸基と
Yとが結合しているベンゼン環と縮合したナフタ
レン環、アントラセン環などの炭化水素環、また
はインドール環、カルバゾール環、ベンゾカルバ
ゾール環、ジベンゾフラン環などの複素環が例示
できる。 またXが置換基を有する場合、置換基として塩
素原子、臭素原子などのハロゲン原子または水酸
基を例示できる。 R1またはR3の環基としては、フエニル基、ナ
フチル基、アントリル基、ピレニル基などの炭化
水素環基、またはピリジル基、チエニル基、フリ
ル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、カルバ
ゾリル基、ジベンゾフラニル基などの複素環基が
例示でき、R3とR4とが結合して形成する環とし
てはフルオレン環などが例示できる。 R1またはR3が置換基を有する環基の場合、置
換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキ
シ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、
トリフルオロメチル基などのハロメチル基、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキ
ルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル
基またはそのエステルなどが例示できる。 R2がフエニル基のときには、その置換基とし
て塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が例示
できる。 b 一般式()または()のカツプラー残
基。 (両式中、R5は置換もしくは無置換の炭化水
素基を示す。) R5としては、具体的にはメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、オクチル基などのアルキ
ル基、あるいはメトキシエチル基、エトキシエチ
ル基等のアルコキシアルキル基などが例示され
る。 c 一般式()のカツプラー残基。 (式中、R6はアルキル基、カルバモイル基、
カルボキシル基またはそのエステル基を示し、
R7は炭化水素環基またはその置換体を示す。) R7としては、具体的にはフエニル基ナフチル
基などの炭化水素環基が例示できこれらの基が置
換基を有する場合、置換基として、メチル基、エ
チル基、プロピル基、プチル基などのアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基などのアルコキシ基、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ
基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基などが例示できる。 d 一般式()または()のカツプラー残
基。 (両式中、Zは炭化水素環基の2価基またはそ
の置換体、複素環の2価基またはその置換体を示
す。) Zとしては、具体的には、o−フエニレン基な
どの単環式芳香族炭化水素の2価基、o−ナフチ
レン基、peri−ナフチレン基、1,2−アントラ
キノニレン基、9,10−フエナントリレン基など
の縮合多環式芳香族炭化水素の2価基、または
3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジン
ジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,7
−イミダゾールジイル基、5,6−ベンズイミダ
ゾールジイル基、6,7−キノリンジイル基等の
複素環の2価基などが例示できる。これらの環基
が置換基を有する場合、置換基として、たとえ
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアル
キルアミノ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基などが例示できる。 カツプラー残基の具体例を以下に示す。 上記の、例示したカツプラー残基の中で、光感
度が高く、中間体原料を容易に入手でき、低コス
トで製造できることなどから前記一般式()で
表されるカツプラー残基が最も好ましい。 本発明に用いるアゾ化合物を、具体的に例示す
ると、式()におけるAが次のものが挙げられ
る。
【表】
【表】 これらの例示化合物は通常の方法を用いて製造
できる。すなわち、一般式()で表されるアミ
ン化合物 をジアゾ化し、ついでジアゾ化された化合物をそ
のままあるいはホウフツ化塩として単離した後、
前記カツプラー化合物とカツプリングすることに
より容易に製造できる。 本発明の電子写真用感光体は一般式()で表
されるアゾ化合物の少なくとも1つを電荷発生物
質として導電性支持体上の感光層に含有させてな
るものである。このような感光体の代表的構成は
第3図および第4図に示される。第3図に示した
のは導電性支持体1上に電荷発生物質2と電荷輸
送物質3をバインダー中に分散させた分散タイプ
の感光層4を設けた感光体であり、第4図に示し
たのは導電性支持体1上に電荷発生物質をバイン
ダー中に分散した電荷発生層6と、電荷輸送物質
をバインダー中に分散した電荷輸送層5からなる
積層タイプの感光層4を設けた感光体である。 その他、電荷発生層6と電荷輸送層5を逆にし
たもの、感光層4と導電性支持体1との間に中間
層を設けたものなどがある。 第4図の感光体において、像露光された光が電
荷輸送層5を透過し、電荷発生層6において、電
荷発生物質が電荷を発生する。生成した電荷は電
荷輸送層5に注入され、電荷輸送物質が輸送を行
う。 本発明の電子写真用感光体は、一般式()の
アゾ化合物の外、導電性支持体、バインダー、電
荷輸送物質などを含有して構成され、感光体の他
の構成要素は、感光体の構成要素としての機能を
奏するものであればとくに限定されない。 すなわち、本発明の感光体において使用される
導電性支持体としては、アルミニウム、銅、亜鉛
等の金属板、ポリエステル等のプラスチツクシー
トまたはプラスチツクフイルムにアルミニウム、
SnO2等の導電材料を蒸着したもの、あるいは導
電処理した紙等が使用される。 バインダーとしては、ポリスチレン、ポリアク
リルアミド、ポリ−N−ビニルカルバゾールのよ
うなビニル重合体やポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、フエノキシ樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂などの縮合樹脂などが用いられる
が、絶縁性で支持体に対する密着性のある樹脂が
いずれも使用できる。 電荷輸送物質は、一般に正孔輸送物質と電子輸
送物質の二種類に分類されるが本発明の感光体に
は両者とも使用することができる。正孔輸送物質
としては、トリニトロフルオレノンあるいはテト
ラニトロフルオレノンなどの電子を輸送しやすい
電子受容性物質のほかポリ−N−ビニルカルバゾ
ールに代表されるような複素環化合物を含有する
重合体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導
体、ポリアリールアルカン誘導体、フエニレンジ
アミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、アミノ置換カ
ルコン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カル
バゾール誘導体、スチルベン誘導体、等の正孔を
輸送し易い電気供与性物質があげられる。 たとえば、9−エチルカルバゾール−3−アル
デヒド−1−メチル−1−フエニルヒドラゾン、
9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−
ベンジル−1−フエニルヒドラゾン、9−エチル
カルバゾール−3−アルデヒド−1,1−ジフエ
ニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノスチレン−
β−アルデヒド−1−メチル−1−フエニルヒド
ラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒ
ド−1−ベンジル−1−フエニルヒドラゾン、4
−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−
フエニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズ
アルデヒド−1−ベンジル−1−フエニルヒドラ
ゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−
1,1−ジフエニルヒドラゾン、4−メトキシベ
ンズアルデヒド−1−ベンジル−1−(4−メト
キシ)フエニルヒドラゾン、4−ジフエニルアミ
ノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フエニ
ルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアル
デヒド−1,1−ジフエニルヒドラゾン、1,1
−ビス(4−ジベンジルアミノフエニル)プロパ
ン、トリス(4−ジエチルアミノフエニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフエニ
ル)プロパン、2,2′−ジメチル−4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)−トリフエニルメタン、9−
(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、
9−ブロム−10(4−ジエチルアミノスチリル)
アントラセン、9−(4−ジメチルアミノベンジ
リデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデ
ン)−9−エチルアルバゾール、1,2−ビス
(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1,
2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼ
ン、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3
−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾ
ール、4−ジフエニルアミノスチルベン、4−ジ
ベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノ
スチルベン、1−(4−ジフエニルアミノスチリ
ル)ナフタレン、1−(4−ジエチルアミノスチ
リル)ナフタレン、4′−ジフエニルアミノ−α−
フエニルスチルベン、4′メチルフエニルアミノ−
α−フエニルスチルベン、1−フエニル−3−
(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエ
チルアミノフエニル)ビラゾリン、1−フエニル
−3−(4−ジメチルアミノスチリル)−5−(4
−ジメチルアミノフエニル)ビラゾリンなどがあ
る。 この他の正孔輸送物質としては、例えば、2,
5−ビス(4−ジエチルアミノフエニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス[4−
(4−ジエチルアミノスチリル)フエニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2−(9−エチルカ
ルバゾリル−3−)−5−(4−ジエチルアミノフ
エニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−
ビニル−4−(2−クロルフエニル)−5−(4−
ジエチルアミノフエニル)オキサゾール、2−
(4−ジエチルアミノフエニル)−4−フエニルオ
キサゾール、9−[3−(4−ジエチルアミノフエ
ニル)−2−プロペニリデン]−9H−キサンテン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルアントラセン、ピレンホルムアルデヒ
ド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹
脂などが挙げられる。 電荷輸送物質としては、たとえば、クロルアニ
ル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ
−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニ
トロ−9−フルオレン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオ
キサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−イ
ンデノ[1,2,−b]チオフエン−4−オン、
1,3,7−トリニトロジベンゾチオフエン−
5,5−ジオキサイドなどがある。 これらの電荷輸送物質は単独又は2種以上混合
して用いられる。 感光層と導電性支持体との間に必要に応じて中
間層を設けることができるが、材料としては、ポ
リアミド、ニトロセルロース、カゼイン、ポリビ
ニルアルコールなどが適当で、膜厚は1μm以下が
好ましい。 感光体の作製には、従来より知られた方法を用
いることができる。たとえば積層型感光体ではア
ゾ化合物の微粒子をバインダーを溶解した溶液中
に分散し、導電性支持体上に塗布、乾燥し、電荷
発生層が得られ、次いで、電荷輸送物質とバイン
ダーを溶解した溶液を塗布、乾燥することで電荷
輸送層を作製できる。電荷発生層の作製には他の
方法も使用できる。たとえば、アゾ顔料を真空蒸
着する方法、あるいは、アゾ顔料の溶液を塗布、
乾燥する方法があるが、前者ではコスト高、後者
では一般に取り扱い不便な有機アミンたとえばエ
チレンジアミン、n−ブチルアミンなどを使用す
るなど作製上の欠点もあるためアゾ化合物の微粒
子分散液の塗布法が好適である。塗布方法は通常
の手段、たとえば、ドクタープレード、デイツピ
ング、ワイヤーバーなどで行う。 感光層の厚さは、感光体の種類によりそれぞれ
最適範囲は異なる。例えば、第3図に示したよう
な感光体では、好ましくは3〜50μm、さらに好
ましくは5〜30μmである。 また、第4図に示したような感光体では、電荷
発生層6の厚みは好ましくは0.01〜5μm、さらに
好ましくは0.05〜2μmである。この厚さが0.01μm
未満では電荷の発生は十分でなく、また5μmを越
えると残留電位が高く実用的には好ましくない。
また、電荷輸送層5の厚みは好ましくは3〜
50μm、さらに好ましくは5〜30μmであり、この
厚さが3μm未満では帯電量が不十分であり、
50μmを越えると残留電位が高く実用的に好まし
くない。 一般式()で表されるアゾ化合物の感光層中
の含有量は、感光体の種類により異なるが、第3
図に示すような感光体では、感光層4中に好まし
くは50重量%以下、さらに好ましくは20重量%以
下である。またこの層に電荷輸送物質を好ましく
は10〜95重量%、さらに好ましくは30〜90重量%
の割合で含有させる。また、第4図に示すような
感光体では電荷発生層6中のアゾ化合物の割合は
好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは、50
重量%以上である。また、電荷輸送層5中には電
荷輸送物質を10〜95重量%、好ましくは30〜90重
量%で含有させる。なお、この層で電荷輸送物質
が10重量%未満であると、電荷の輸送がほとんど
行われず、95重量%を越えると感光体の機械的強
度が悪く実用的に好ましくない。 本発明の電子写真用感光体は、テトラフエニル
チオフエンあるいはテトラフエニルチオフエン−
1,1−ジオキサイド骨格を有するアゾ化合物を
電荷発生物質として使用することにより製造容易
で、高感度でかつ反復使用に対して、性能劣化し
ない優れた性能を有する。 [実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明する
が、これにより本発明を限定するものではない。 製造例 1 水400mlおよび35%塩酸36mlよりなる溶液に2,
3,5−トリス(4−アミノフエニル)−4−フ
エニルチオフエン3.8gを分散し、60℃で1時間
攪拌した後、0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム
2.7gを水20mlに溶解した溶液を30分要して滴下
し、0〜5℃で3時間攪拌した。不溶物を除去し
た後、42%ホウフツ化水素酸20mlを加え、析出し
た結晶を濾別し、水洗、乾燥してトリスジアゾニ
ウムジフルオロボレート4.2g(収率62%)を得
た。 次いで、このようにして得られたトリスジアゾ
ニウムジフルオロボレート2.5gと2−ヒドロキ
シ−3−ナフトエ酸アニリド3.1gをN,N−ジ
メチルホルムアミド200mlに溶解し、酢酸ナトリ
ウム2.0gと水30mlからなる溶液を0〜5℃で30
分を要して滴下した。同温度で2時間攪拌した
後、室温に戻し、一夜攪拌した。析出した結晶を
濾別し、N,N−ジメチルホルムアミド300mlで
スラツジし、濾取した。このスラツジ操作を5回
繰り返した後、水500mlでスラツジ、濾取の操作
を5回繰り返した。乾燥して前記化合物No.1のジ
スアゾ化合物3.8g(収率73.9%)を得た。得ら
れた粉体は青味黒色を呈し、300℃以下では融解
しなかつた。また元素分析値及び赤外線吸収スペ
クトル(KBr法)より目的物であることが確認
された。 元素分析値: C H N S 実測値(%) 75.42 4.18 10.08 2.47 計算値(%) 75.54 4.22 10.44 2.55 赤外線吸収スペクトル:>C=0に基づく吸収
1675cm-1 尚、赤外線吸収スペクトル(KBr法)を第1
図に示した。 製造例 2 下記構造式で表されるベンゾカルバゾール化合
物2.0g をN,N−ジメチルホルムアミド200mlに溶解後、
酢酸ナトリウム2.9gを水10mlに溶解した溶液を
加え0℃に冷却した。 製造例1で合成したトリスジアゾニウムジフル
オロボレート1.6gを35%塩酸0.5mlを含むN,N
−ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、上記の
カツプラー液に0〜5℃で30分を要して滴下し
た。同温度で3時間攪拌した後、室温に戻し一夜
攪拌した。析出した結晶を濾取し、N,N−ジメ
チルホルムアミド200mlで4回、水300mlで3回洗
浄した。乾燥して、前記化合物No.7のトリスアゾ
化合物2.7g(収率60.7%)を得た。得られた粉
体は青味黒色を呈し、300℃以下では融解しなか
つた。元素分析値及び赤外線吸収スペクトル
(KBr法)により目的物であることが確認され
た。 元素分析値: C H N S 実測値(%) 74.31 4.05 10.22 1.98 計算値(%) 74.48 4.16 10.43 1.99 赤外線吸収スペクトル:>C=0に基づく吸収
1670cm-1 なお、赤外線吸収スペクトル(KBr法)を第
2図に示した。 製造例 3〜6 以下同様にして、一般式()で表されるアミ
ン化合物をジアゾ化し、次いで対応するカツプラ
ーと反応させた。得られた化合物の元素分析値、
赤外吸収スペクトル(KBr法;νC=0)及び融
点を表1に示した。
【表】
【表】 実施例 1 ポリエステル樹脂(商品名「アドヒーシブ
49000」デユポン製)0.5部、例示化合物No.1を
0.5部及びテトラヒドロフラン50部をボールミル
で粉砕混合し、得られた分散液をアルミニウム板
にワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で20分間乾
燥して約1μmの電荷発生層を形成した。この電荷
発生層上に9−エチルカルバゾール−3−アルデ
ヒド−1−メチル−1−フエニルヒドラゾン1
部、ポリエステル樹脂(商品名「バイロン200」
東洋紡製)1部をクロロホルム10部に溶解した溶
液をワイヤーバーを用いて塗布80℃で30分乾燥し
て、厚さ約18μmの電荷輸送層を形成して、第4
図に示した積層型感光体を作製した。 静電複写紙試験装置((株)川口電気製作所製モデ
ルEPA−8100)を用いて感光体を印加電圧−
6KVのコロナ放電により帯電させ、その時の表
面電位V0を測定し、2秒間暗所に放置しその時
の表面電位V2を測定し続いて感光体の表面照度
が51uxとなる状態でハロゲンランプ(色温度
2856〓)よりの光を照射して表面電位がV2の1/2
になる時間を測定し、半減露光量E1/2(1ux・
scc)を計算した。また光照射10秒後の表面電位
VR即ち残留電位を測定した。結果を表−2に示
す。 実施例 2〜8 例示化合物No.1のかわりにそれぞれ表−2に示
した化合物を用いた以外は実施例1と同様に感光
体を作製し、E1/2を求め結果をその他の測定結
果と共に表−2に示した。
【表】
【表】 実施例 9〜14 電荷輸送物質として9−エチルカルバゾール−
3−アルデヒド−1−メチル−1−フエニルヒド
ラゾンのかわりに1−フエニル−3−(4−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリンを用い電荷発生物質として
表−3に示すアゾ化合物を用いた以外は実施例1
と同様に感光体を作成し、E1/2を求めた。結果
をその他の測定結果とともに表−3に示した。
【表】 実施例 15〜20 電荷輸送物質として9−エチルカルバゾール−
3−アルデヒド−1−メチル−1−フエニルヒド
ラジンのかわりに2,5−ビス(4−ジエチルア
ミノフエニル)−1,3,4−オキサジアゾール
を用い電荷発生物質として表−4に示すアゾ化合
物を用いた以外は実施例1と同様に感光体を作成
し、E1/2を求めた。結果をその他の測定結果と
共に表−4に示した。
【表】 比較例 1 特公昭55−42380号公報に記載されている下記
構造式 で表されるジスアゾ化合物を電荷発生物質として
用いたほかは実施例1と同様に感光体を作製し
た。E1/2は12.0(1ux・sec)であつた。 比較例 2 特開昭58−202451号公報に記載されている下記
構造式 で表されるジスアゾ化合物を電荷発生物質として
用いたほかは実施例1と同様に感光体を作製し
た。E1/2は11.4(1ux・sec)であつた。 実施例 21 実施例2,5および9で作製した感光体を用い
て、帯電露光の操作を3000回、5000回繰り返し、
表−5の値を得た。 比較例 3〜5 特開昭62−47053号公報記載のA−1(実施例
1)A−22(実施例21)A−28(実施例25)につい
て実施例21と同様に測定をし表−5の値を得た。
【表】
【表】 (注−1) 特開昭62−47053号公報、例示化合
物A−1(下式)を実施例1の方法で感光体
としたもの (注−2) 特開昭62−47053号公報、例示化合
物A−22(下式)を実施例21の方法で感光体
としたもの (注−3) 特開昭62−47053号公報、例示化合
物A−28(下式)を実施例25の方法で感光体
としたもの [発明の効果] 以上のように本発明のアゾ化合物を用いた電子
写真用感光体は高感度でかつ繰り返し使用にも安
定した性能が得られ、耐久性においても優れたも
のであることがいえる。 本発明の感光体は電子写真複写機に利用できる
ばかりでなく電子写真複写原理を応用した各種プ
リンター、電子写真製版システムなどに広く利用
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ例示化合物No.1
およびNo.7のKBr法による赤外線吸収スペクト
ルを示す図であり、第3図および第4図は電子写
真感光体の構成例を示す模式断面図である。 1……導電性支持体、2……電荷発生物質、3
……電荷輸送物質、4……感光層、5……電荷輸
送層、6……電荷発生層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 導電性支持体上に設けられた感光層中に一般
    式() (式中、Aはカツプラー残基を示す。) で表わされる少なくとも1つのアゾ化合物を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。 2 感光層がアゾ化合物のほかに、少なくとも電
    荷輸送物質およびバインダーを含有する特許請求
    の範囲第1項に記載の電子写真用感光体。 3 感光層中のアゾ化合物の含量が50重量%以下
    である特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用
    感光体。 4 感光層中の電荷輸送物質の含量が10〜95重量
    %である特許請求の範囲第3項に記載の電子写真
    用感光体。 5 感光層がアゾ化合物を含有する電荷発生層と
    電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層して
    なるものである特許請求の範囲第1項に記載の電
    子写真用感光体。 6 アゾ化合物の含量が30重量%以上である特許
    請求の範囲第5項に記載の電子写真用感光体。 7 電荷輸送物質の含量が10〜95重量%である特
    許請求の範囲第6項に記載の電子写真用感光体。
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