JP2788128B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2788128B2
JP2788128B2 JP41469690A JP41469690A JP2788128B2 JP 2788128 B2 JP2788128 B2 JP 2788128B2 JP 41469690 A JP41469690 A JP 41469690A JP 41469690 A JP41469690 A JP 41469690A JP 2788128 B2 JP2788128 B2 JP 2788128B2
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昭夫 唐澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用感光体に関
するものである。さらに詳しくは、導電性支持体上の感
光層に電荷発生物質として特定のアゾ化合物を含有させ
てなる電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体の感光材料とし
てセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機系感光
材料が広く使用されてきた。しかしながら、これらの感
光材料を用いた感光体は、感度、光安定性、耐湿性、耐
久性などの電子写真用感光体としての要求性能を十分に
満足するものではなかった。例えば、セレン系材料を用
いた感光体は優れた感度を有するが、熱または汚れの付
着などにより結晶化し、感光体の特性が劣化しやすい。
また、真空蒸着により製造するのでコストが高く、ま
た、可撓性がないためベルト状に加工するのが難しいな
どの多くの欠点も同時に有している。硫化カドミウム系
材料を用いた感光体では、耐湿性及び耐久性、また硫化
亜鉛を用いた感光体では耐久性に問題があった。
【0003】これら無機系感光材料を用いた感光体の欠
点を克服するために、有機系感光材料を使用した感光体
が種々検討されてきた。
【0004】例えば、一部実用化された有機系感光材料
として2,4,7‐トリニトロ‐9‐フルオレノンとポ
リN‐ビニルカルバゾールを組み合わせて使用したもの
が知られている。しかし、これを用いた感光体は感度が
低く、また耐久性においても満足できるものではなかっ
た。
【0005】近年、上記のような欠点を改良するために
開発された感光体の中で、電荷発生機能と電荷輸送機能
を個別の物質に分担させた機能分離型感光体が注目され
ている。この機能分離型感光体においては、それぞれの
機能を有する物質を広い範囲のものから選択し、組合せ
ることができるので、高感度化、高耐久性の感光体を作
製することが可能である。このような機能分離型の感光
体に使用する電荷発生物質として、多くの物質が提案さ
れている。中でも、有機染料や有機顔料を電荷発生物質
として用いた感光体が近年特に注目されている。
【0006】例えば、スチリルスチルベン骨格を有する
ジスアゾ顔料を用いた感光体(特開昭53−13344
5号公報)、カルバゾール骨格を有するジスアゾ顔料を
用いた感光体(特開昭53−95033号公報)、トリ
フェニルアミン骨格を有するトリスアゾ顔料を用いた感
光体(特開昭53−132347号公報)、ジスチリル
カルバゾール骨格を有するジスアゾ顔料を用いた感光体
(特開昭54−14967号公報)、ビススチルベン骨
格を有するジスアゾ顔料を用いた感光体(特開昭54−
17733号公報)、また、下記構造を有するアゾ顔料
を用いた感光体(特開平1−204051号公報)
【化2】 などが報告されている。
【0007】しかし、これらの電子写真用感光体は、か
ならずしも要求性能を十分に満足するものではなく、さ
らに優れた感光体の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、十分な感度を有し、かつ耐久性良好な電子
写真用感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討し、その結果、前記一般式 (I)(化1)で表されるアゾ化合物が高感度および高
耐久性等の優れた特性を有する電子写真用感光体を与え
ることを見出し、本発明に至った。
【0010】一般式(I)において、Arは結合基を介
して結合してもよい置換もしくは非置換の芳香族炭化水
素環または芳香族複素環を示すが、芳香族炭化水素環と
しては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレ
ン、フェナントレン、フルオレン、アントラキノン、フ
ルオレノン、ベンズアンスロンなどが、芳香族複素環と
しては、チオフェン、ジベンゾチオフェン、ピリジン、
カルバソール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール
などがあげられる。また、置換基を有する場合、置換基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
などのアルキル基、メトキシ基などのアルコキシ基、フ
ェニル基、ナフチル基などのアリール基、ジエチルアミ
ノ基、ジフェニルアミノ基などの置換アミノ基、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、水酸
基、ニトロ基、シアノ基などがあげられる。
【0011】また、前記芳香族炭化水素環および芳香族
複素環は結合基を介して結合してもよいが、その結合基
としては、
【化3】 などがあげられる。
【0012】本発明において、好ましく使用できるAr
を以下に具体的に例示する。n=2の場合
【化4】
【化5】 n=3の場合
【化6】 n=4の場合
【化7】
【0013】一般式(I)において、Rは、置換もしく
は非置換のアルキル基、芳香族炭化水素環、または芳香
族複素環を示すが、アルキル基としては、C1 −C20
直鎖あるいは分岐したメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n‐ブチル基、2‐メチルプロピ
ル基、オクチル基、デシル基等を示し、置換のアルキル
基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基等の
アルコキシアルキル基、シアノメチル基、シアノエチル
基等のシアノアルキル基、クロルメチル基、クロルエチ
ル基等のハロゲノアルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒ
ドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基等があげら
れる。
【0014】芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、ナ
フタレン、などが、芳香族複素環としては、チオフェ
ン、フラン、ピリジン、カルバゾール、などがあげられ
る。また、置換基を有する場合、置換基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基、メトキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフ
チル基などのアリール基、ジエチルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基などの置換アミノ基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子などのハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、
シアノ基などがあげられる。
【0015】本発明において、好ましく使用できるアゾ
化合物を具体的に表1および表2に示すがこれに限定さ
れるものではない。なお、表中のArの(A−1)〜
(A−13)は前記に例示した構造を表わす。
【表1】
【表2】
【0016】本発明の電子用感光体に用いるアゾ化合物
の合成に用いられる下記一般式(II)で示されるカップ
ラー成分は、一般式(III)で示される対応する酸ハロゲ
ン化合物とヒドラジンとを反応させ、一般式(IV)で示
される対応する酸ヒドラジドとした後、一般式(V)で
示されるギ酸エステルと反応させることによって合成す
ることができる。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】 (一般式(II)、(III)、(IV)および(V)における
Rは一般式(I)におけると同義)
【0017】本発明の電子写真用感光体に用いるアゾ化
合物は、次の方法を用いて製造できる。一般式(VI)
【化12】 (式中、Ar、nは一般式(I)に同じである。)で表
されるアミン化合物をジアゾ化し、次いで、ジアゾ化さ
れた化合物をそのまま、あるいはホウフッ化塩として単
離した後、一般式(VII)
【化13】 (式中、Rは一般式(I)に同じである。)で表される
カップラー化合物とカップリングすることにより容易に
製造できる。
【0018】本発明の電子写真用感光体は、一般式
(I)で表されるアゾ化合物の少なくとも1つを電荷発
生物質として導電性支持体上の感光層に含有させてなる
ものである。このような感光体の代表的構成は図1や図
2に示される。図1に示したのは導電性支持体1上に電
荷発生物質2と電荷輸送物質3をバインダー中に分散さ
せた分散タイプの感光層4を設けた感光体であり、図2
に示したのは、導電性支持体1上に電荷発生物質をバイ
ンダー中に分散した電荷発生層6と電荷輸送物質をバイ
ンダー中に分散した電荷輸送層5からなる積層タイプの
感光層4′を設けた感光体である。その他、電荷発生層
と電荷輸送層を逆にしたもの、感光層と導電性支持体と
の間に中間層を設けたものなどがある。図2の感光体に
おいて、像露光された光が電荷輸送層を透過し、電荷発
生層において、電荷発生物質が電荷を発生する。生成し
た電荷は、電荷輸送層に注入され、電荷輸送物質が輸送
を行う。
【0019】本発明の電子写真用感光体は、一般式
(I)のアゾ化合物の外、導電性支持体、バインダー、
電荷輸送物質などを含有して構成され、感光体の他の構
成要素は、感光体の構成要素としての機能を奏するもの
であれば特に限定されない。すなわち、本発明の感光体
において使用される導電性支持体としては、アルミニウ
ム、銅、亜鉛等の金属板、ポリエステル等のプラスチッ
クシートまたはプラスチックフィルムにアルミニウム、
SnO2 等の導電材料を蒸着したもの、あるいは導電処
理した紙、樹脂等が使用される。バインダーとしては、
ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ‐N‐ビニル
カルバゾールのようなピニル重合体やポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リカーボネート樹脂などの縮合樹脂などが用いられる
が、絶縁性で支持体に対する密着性のある樹脂はいずれ
も使用できる。
【0020】電荷輸送物質は、一般に正孔輸送物質と電
子輸送物質の二種類に分類されるが、本発明の感光体に
は両者とも使用することができる。正孔輸送物質として
は、トリニトロフルオレノンあるいはテトラニトロフル
オレノンなどの電子を輸送しやすい電子受容性物質の
外、ポリ‐N‐ビニルカルバゾールに代表されるような
複素環化合物を含有する重合体、トリアゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾ
リン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、フェニレン
ジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、アミノ置換カルコ
ン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘
導体、スチルベン誘導体等の正孔を輸送し易い電子供与
性物質があげられる。
【0021】たとえば、9‐エチルカルバゾール‐3‐
アルデヒド‐1‐メチル‐1‐フェニルヒドラゾン、9
‐エチルカルバゾール‐3‐アルデヒド‐1‐ベンジル
‐1‐フェニルヒドラゾン、9‐エチルカルバゾール‐
3‐アルデヒド‐1,1‐ジフェニルヒドラゾン、4‐
ジエチルアミノスチレン‐β‐アルデヒド‐1‐メチル
‐1‐フェニルヒドラゾン、4‐メトキシナフタレン‐
1‐アルデヒド‐1‐ベンジル‐1‐フェニルヒドラゾ
ン、4‐メトキシベンズアルデヒド‐1‐メチル‐1‐
フェニルヒドラゾン、2,4‐ジメトキシベンズアルデ
ヒド‐1‐ベンジル‐1‐フェニルヒドラゾン、4‐ジ
エチルアミノベンズアルデヒド‐1,1‐ジフェニルヒ
ドラゾン、4‐メトキシベンズアルデヒド‐1‐ベンジ
ル‐1‐(4‐メトキシ)フェニルヒドラゾン、4‐ジ
フェニルアミノベンズアルデヒド‐1‐ベンジル‐1‐
フェニルヒドラゾン、4‐ジベンジルアミノベンズアル
デヒド‐1,1‐ジフェニルヒドラゾン、1,1‐ビス
(4‐ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス
(4‐ジエチルアミノフェニル)メタン、1,1‐ビス
(4‐ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2′
‐ジメチル‐4,4′‐ビス(ジエチルアミノ)‐トリ
フェニルメタン、9‐(4‐ジエチルアミノスチリル)
アントラセン、9‐ブロム‐10‐(4‐ジエチルアミ
ノスチリル)アントラセン、9‐(4‐ジメチルアミノ
ベンジリデン)フルオレン、3‐(9‐フルオレニリデ
ン)‐9‐エチルカルバゾール、1,2‐ビス(4‐ジ
エチルアミノスチリル)ベンゼン、1,2‐ビス(2,
4‐ジメトキシスチリル)ベンゼン、3‐スチリル‐9
‐エチルカルバゾール、3‐(4‐メトキシスチリル)
‐9‐エチルカルバゾール、4‐ジフェニルアミノスチ
リルベン、4‐ジベンジルアミノスチリルベン、4‐ジ
トリルアミノスチリルベン、1‐(4‐ジフェニルアミ
ノスチリル)ナフタレン、1‐(4‐ジエチルアミノス
チリル)ナフタレン、4′‐ジフェニルアミノ‐α‐フ
ェニルスチルベン、4′‐メチルフェニルアミノ‐α‐
フェニルスチルベン、1‐フェニル‐3‐(4‐ジエチ
ルアミノスチリル)‐5‐(4‐ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1‐フェニル‐3‐(4‐ジメチルア
ミノスチリル)‐5‐(4‐ジメチルアミノフェニル)
ピラゾリンなどがある。
【0022】この他の正孔輸送物質としては、たとえ
ば、2,5‐ビス(4‐ジエチルアミノフェニル)‐
1,3,4‐オキサジアゾール、2,5‐ビス〔4‐
(4‐ジエチルアミノスチリル)フェニル〕‐1,3,
4‐オキサジアゾール、2‐(9‐エチルカルバゾール
‐3‐イル)‐5‐(4‐ジエチルアミノフェニル)‐
1,3,4‐オキサジアゾール、2‐ビニル‐4‐(2
‐クロルフェニル)‐5‐(4‐ジエチルアミノフェニ
ル)オキサゾール、2‐(4‐ジエチルアミノフェニ
ル)‐4‐フェニルオキサゾール、9‐〔3‐(4‐ジ
エチルアミノフェニル)‐2‐プロペニリデン〕‐9H
‐キサンテン、ポリ‐N‐ビニルカルバゾール、ハロゲ
ン化ポリ‐N‐ビニルカルバゾール、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアントラセン、ピレンホルムアルデヒド
樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂などが
あげられる。
【0023】電荷輸送物質としては、たとえば、クロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7‐トリニトロ‐9‐フ
ルオレノン、2,4,5,7‐テトラニトロ‐9‐フル
オレン、2,4,5,7‐テトラニトロキサントン、
2,4,8‐トリニトロチオキサントン、2,6,8‐
トリニトロ‐4H‐インデノ〔1,2‐b〕チオフェン
‐4‐オン、1,3,7‐トリニトロジベンゾチオフェ
ン‐5,5‐ジオキサイドなどがある。これらの電荷輸
送物質は単独又は2種以上混合して用いられる。感光層
と導電性支持体との間に必要に応じて中間層を設けるこ
とができるが、材料としては、ポリアミド、ニトロセル
ロース、カゼイン、ポリビニルアルコールなどが適当
で、膜厚は1μm以下が好ましい。
【0024】感光体の作製には、従来より知られた方法
を用いることができる。たとえば積層型感光体ではアゾ
化合物の微粒子をバインダーを溶解した溶液中に分散
し、導電性支持体上に塗布、乾燥し、電荷発生層が得ら
れ、次いで、電荷輸送物質としてバインダーを溶解した
溶液を塗布、乾燥することで電荷輸送層を作製できる。
電荷発生層の作製には他の方法も使用できる。たとえ
ば、アゾ化合物を真空蒸着する方法、あるいはアゾ化合
物の溶液を塗布、乾燥する方法があるが、前者ではコス
ト高、後者では一般に取り扱い不便な有機アミン、たと
えばエチレンジアミン、n‐ブチルアミンなどを使用す
るなど作製上の欠点もあるため、アゾ化合物の微粒子分
散液の塗布法が好適である。塗布方法は通常の手段、た
とえば、ドクターブレード、デイッピング、ワイヤーバ
ーなどで行う。感光層の厚さは、感光体の種類によりそ
れぞれ最適範囲は異なる。例えば、図1に示したような
感光体では、好ましくは3〜50μm、さらに好ましく
は5〜30μmである。また、図2に示したような感光
体では、電荷発生層6の厚みは好ましくは0.01〜5
μm、さらに好ましくは0.05〜2μmである。この
厚さが0.01μm未満では電荷の発生は十分でなく、
また5μmを越えると残留電位が高く実用的に好ましく
ない。また、電荷輸送層5の厚みは好ましくは3〜50
μm、さらに好ましくは5〜30μmであり、この厚さ
が3μm未満では帯電量が不充分であり、50μmを越
えると残留電位が高く実用的に好ましくない。
【0025】一般式(I)で表されるアゾ化合物の感光
層中の含有量は、感光体の種類により異なるが、図1に
示すような感光体では、感光層4中に好ましくは50重
量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。ま
たこの層に電荷輸送物質を好ましくは10〜95重量
%、さらに好ましくは30〜90重量%の割合で含有さ
せる。また、図2に示すような感光体では電荷発生層6
中のアゾ化合物の割合は好ましくは30重量%以上、さ
らに好ましくは、50重量%以上である。また、電荷輸
送層中5には電荷輸送物質を10〜95重量%、好まし
くは30〜90重量%で含有させる。なお、この層で電
荷輸送物質が10重量%未満であると、電荷の輸送がほ
とんど行われず、95重量%を越えると感光体の機械的
強度が悪く実用的に好ましくない。
【0026】
【実施例】以下、〔I〕式で示されるアゾ化合物の製造
例および電子写真用感光体の実施例により本発明を具体
的に説明するが、これにより本発明の実施の態様が限定
されるものではない。
【0027】製造例1(例示化合物No.7の合成) 2,7‐ジアミノフルオレノン1.4gを35%塩酸
3.5ml及び水45mlに懸濁し、60℃で30分保温し
た後、0℃で亜硝酸ナトリウム1.4gを水6mlに溶解
した溶液を滴下した。0℃で1時間攪拌した後、不溶物
を除去し、42%ホウフッ化水素酸15mlを加えた。析
出した結晶を槇過、乾燥し、ジアゾニウムホウフッ化塩
2.4gを得た。下記の式で示される化合物1.5gを
N,N‐ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、カッ
プラー液とした。
【化14】 ジアゾニウムホウフッ化塩1.1gを前記カップラー液
に10℃以下で加え、5分間攪拌した。酢酸ナトリウム
0.9gを水10mlに溶解した溶液を10℃以下で加
え、同温度で1時間攪拌した後、室温に戻し、さらに3
時間攪拌した。析出した沈殿を槇別し、N,N‐ジメチ
ルホルムアミド100mlで沈殿を2時間懸濁後、槇過し
た。この懸濁操作をさらに2回繰り返した後、水洗乾燥
して黒色を呈する粉体(融点270℃以上)2.0gを
得た。このものはつぎに示す元素分析値より例示化合物
No. 7であることを確認した。
【0028】製造例2(例示化合物No. 8の合成) 下記の式で示される化合物2.3gをN,N‐ジメチル
ホルムアミド500mlに溶解し、カップラー液とした。
【化15】 製造例1において合成したジアゾニウムホウフッ化塩
1.3gを前記カップラー液に10〜15℃で加え、溶
解した。酢酸ナトリウム1.0gを水20mlに溶解した
溶液を同温度で滴下し、4時間攪拌した。析出した沈殿
を槇別し、N,N‐ジメチルホルムアミド200ml中に
沈殿を2時間懸濁後、槇過した。この懸濁、槇過操作を
さらに3回繰り返した後、水洗、乾燥して黒色を呈する
粉体2.5g(融点270℃以上)を得た。得られた化
合物は、つぎに示す元素分析値より例示化合物No. 8で
あることを確認した。
【0029】実施例1 ポリエステル樹脂(商品名「バイロン200」東洋紡
製)0.5部、例示化合物No. 7を0.5部及びテトラ
ヒドロフラン50部をボールミルで粉砕混合し、得られ
た分散液をアルミニウム板にワイヤーバーを用いて塗
布、80℃で20分乾燥して約1μmの電荷発生層を形
成した。この電荷発生層上に、下記構造式
【化16】 で表わされるヒドラゾン化合物1部、ポリカーボネート
樹脂(商品名「パンライトK−1300」帝人化成製)
1部をクロロホルム10部に溶解した溶液をワイヤーバ
ーを用いて塗布、80℃で30分乾燥して、厚さ約18
μmの電荷輸送層を形成して、図2に示した積層型感光
体を作製した。静電複写紙試験装置((株)川口電機製作
所製ヒデルEPA−8100)を用いて感光体を印加電
圧−6KVのコロナ放電により帯電させ、その時の表面電
位Vo を測定し、その後2秒間暗所に放置して、その時
の表面電位V2 を測定し、続いて感光体の表面照度が5
luxとなる状態でハロゲンランプ(色温度2856゜
K)よりの光を照射して表面電位がV2 の1/2になる
時間を測定し、半減露光量E1/2 (lux ・sec )を計算
した。また光照射10秒後の表面電位V12、すなわち残
留電位を測定した。
【0030】実施例2〜20 電荷発生物質として本発明の化合物を、電荷輸送物質と
して、(CT−1)及び下記構造式で表わされる化合物
(CT−2),(CT−3),(CT−4),(CT−
5)をそれぞれ使用し、実施例1と同様に感光体を作製
し、E1/2 を求めた。使用した電荷発生物質、電荷輸送
物質およびE1/2 を実施例1と共に表3に示す。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【0031】
【表3】
【0032】比較例1 特開平1−204051号公報に記載されている下記構
造式
【化21】 で表されるジスアゾ化合物を電荷発生物質として、前記
(CT−4)を電荷輸送物質として用いた以外は実施例
1と同様に感光体を作製した。E1/2 は12.0(lux
・sec )であった。
【0033】実施例21 実施例1で作製した感光体を市販の電子写真複写装置に
装着して複写したが1万枚目においても原画に忠実なか
ぶりのない鮮明な画像が得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、一般式
(I)で表されるアゾ化合物を電荷発生物質として使用
することが特徴であり、該アゾ化合物により、製造容易
で、高感度かつ反復使用に耐える安定した性能と、性能
劣化しない耐久性の優れた性能を有する。本発明の感光
体は電子写真複写機に利用できるばかりでなく電子写真
複写原理を応用した各種プリンター、電子写真製版シス
テムなどに広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真用感光体の構成(分散タイプ)を示す
断面図である。
【図2】電子写真用感光体の構成(積層タイプ)を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電荷輸送物質 4,4′ 感光層 5 電荷輸送層 6 電荷発生層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 367

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上の感光層に、一般式
    (I)(化1) 【化1】 (式中、Arは結合基を介して結合してもよい置換もし
    くは非置換の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を示
    し、Rは、置換もしくは非置換のアルキル基、芳香族炭
    化水素環または芳香族複素環を示し、nは2〜4の整数
    を示す)で表わされる少なくとも一つのアゾ化合物を含
    有することを特徴とする電子写真用感光体。
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