JP2515386B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2515386B2
JP2515386B2 JP63327874A JP32787488A JP2515386B2 JP 2515386 B2 JP2515386 B2 JP 2515386B2 JP 63327874 A JP63327874 A JP 63327874A JP 32787488 A JP32787488 A JP 32787488A JP 2515386 B2 JP2515386 B2 JP 2515386B2
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康之 山田
尚登 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真用感光体に関するものである。さ
らに詳しくは、導電性支持体上の感光層に電荷発生物質
として新規なジスアゾ化合物を含有させてなる電子写真
用感光体に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真用感光体の感光材料としてセレン、硫
化カドミウム、酸化亜鉛などの無機系感光材料が広く使
用されてきた。しかしながら、これらの感光材料を用い
た感光体は、感度、光安定性、耐湿性、耐久性などの電
子写真用感光体としての要求性能を十分に満足するもの
ではなかった。例えば、セレン系材料を用いた感光体は
優れた感度を有するが、熱または、汚れの付着などによ
り結晶化し感光体の特性が劣化しやすい。また、真空蒸
着により製造するのでコストが高く、また可撓性がない
ためベルト状に加工するのが難しいなどの多くの欠点も
同時に有している。硫化カドミウム系材料を用いた感光
体では、耐湿性及び耐久性、また硫化亜鉛を用いた感光
体では耐久性に問題があった。
これら無機系感光材料を用いた感光体の欠点を克服す
るために、有機系感光材料を使用した感光体が種々検討
されてきた。
例えば、一部実用化された有機系感光材料として2,4,
7−トリニトロ−9−フルオレノンとポリ−N−ビニル
カルバゾールを組み合わせて使用したものが知られてい
る。しかし、これを用いた感光体は感度が低く、また耐
久性においても満足できるものではなかった。
近年、上記のような欠点を改良するために開発された
感光体の中で、電荷発生機能と電荷輸送機能を個別の物
質に分担させた機能分離型感光体が注目されている。こ
の機能分離型感光体においては、それぞれの機能を有す
る物質を広い範囲のものから選択し、組合せることがで
きるので、高感度化、高耐久性の感光体を作製すること
が可能である。このような機能分離型の感光体に使用す
る電荷発生物質として、多くの物質が提案されている。
中でも、有機染料や有機顔料を電荷発生物質として用い
た感光体が近年特に注目されている。例えば、スチリル
スチルベン骨格を有するジスアゾ顔料を用いた感光体
(特開昭53-133445号公報)、カルバゾール骨格を有す
るジスアゾ顔料を用いた感光体(特開昭53-95033号公
報)、トリフェニルアミン骨格を有するトリスアゾ顔料
を用いた感光体(特開昭53-132347号公報)、ジスチリ
ルカルバゾール骨格を有するジスアゾ顔料を用いた感光
体(特開昭54-14967号公報)、ビススチルベン骨格を有
するジスアゾ顔料を用いた感光体(特開昭54-17733号公
報)などが報告されている。しかし、これらの電子写真
用感光体はかならずしも要求性能を十分に満足するもの
ではなく、さらに優れた感光体の開発が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、十分な感度を有し、かつ耐久性良好
な電子写真用感光体を提供することであり、これに用い
る新規な有機電荷発生物質を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討
し、その結果、一般式(I) (式中、Aはカップラー残基を示す) で表される新規なジスアゾ化合物が、既存のジスアゾ化
合物に比し、高感度および高耐久性等の優れた特性を有
する電子写真用感光体を与えることを見い出し、本発明
に至った。
すなわち、本発明は、導電性支持体上の感光層に一般
式(I) (式中、Aはカップラー残基を示す) で表される少なくとも一つのジスアゾ化合物を含有する
ことを特徴とする電子写真用感光体である。
一般式(I)において、Aはカップラー残基を示す
が、この残基としては、下記a)〜d)のものを挙げる
ことができる。
a)一般式(II)のカップラー残基。
(式中、Xは置換されていてもよい炭化水素環、置換さ
れていてもよい複素環を、またYは を示す。
ここでR1は置換されていてもよい炭化水環基、置換され
ていてもよい複素環基、R2は水素、置換されていてもよ
いアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、R3
置換されていてもよい炭化水素環基、置換されていても
よい複素環基あるいは置換されていてもよいスチリル
基、R4は水素、アルキル基、置換されていてもよいフェ
ニル基を示し、R3とR4はそれらに結合する炭素原子と共
に環を形成してもよい。) 一般式(II)のXとして、具体的には水酸基とYとが
結合しているベンゼン環と縮合したナフタレン環、アン
トラセン環などの炭化水素環、またはインドール環、カ
ルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラン
環などの複素環が例示できる。
また、Xが置換基を有する場合、置換基として塩素原
子、臭素原子などのハロゲン原子または水酸基を例示で
きる。
R1またはR3の環基としては、フェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ピレニル基などの炭化水素環基、ま
たはピリジル基、チエニル基、フリル基、インドリル
基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラ
ニル基などの複素環基が例示でき、R3とR4とが結合して
形成する環としてはフルオレン環などが例示できる。
R1またはR3が置換基を有する環基の場合、置換基とし
てはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子な
どのハロゲン原子、トリフルオロメチル基などのハロメ
チル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジ
アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル
基またはそのエステルなどが例示できる。
R2がフェニル基のときには、その置換基として塩素原
子、臭素原子などのハロゲン原子が例示できる。
b)一般式(III)または(IV)のカップラー残基。
(両式中、R5は置換もしくは無置換の炭化水素基を示
す) R5としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、あるいは
メトキシエチル基、エトキシエチル基等のアルコキシア
ルキル基などが例示される。
c)一般式(V)のカップラー残基。
(式中、R6はアルキル基、カルバモイル基、カルボキシ
ル基またはそのエステル基を示し、R7は置換されていて
もよい炭化水素環基を示す) R7としては、具体的にはフェニル基、ナフチル基など
の炭化水素環基が例示でき、これらの基が置換基を有す
る場合、置換基としてメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルア
ミノ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基などが例示できる。
d)一般式(VI)または(VII)のカップラー残基 (両式中、Zは置換されていてもよい炭化水素環の2価
基、置換されていてもよい複素環の2価基を示す) Zとしては、具体的には、o−フェニレン基などの単
環式芳香族炭化水素の2価基、o−ナフチレン基、peri
−ナフチレン基、1,2−アントラキノニレン基、9,10−
フェナントリレン基などの縮合多環式芳香族炭化水素の
2価基、または3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジ
ンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,7−イミダゾ
ールジイル基、5,6−ベンズイミダゾールジイル基、6,7
−キノリンジイル基等の複素環の2価基などが例示でき
る。これらの環基が置換基を有する場合、置換基とし
て、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基、
塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シ
アノ基などが例示できる。
上記の例示したカップラー残基の中で、光感度が高
く、中間体原料を容易に入手でき、低コストで製造でき
ることなどから前記一般式(II)で表されるカップラー
残基が最も好ましい。
本発明に用いるジスアゾ化合物を、さらに具体的に例
示すると、次の構造式で示されるものが挙げられる。
尚、構造式は一般式(I)におけるカップラー残基部
分のみで示した。
本発明の化合物は次の方法を用いて製造できる。
式(VIII)で表されるアミン化合物 をジアゾ化し、次いでジアゾ化された化合物をそのまま
あるいはホウフッ化塩として単離した後、前記カップラ
ー化合物とカップリングすることにより容易に製造でき
る。
本発明の電子写真用感光体は一般式(I)で表される
アゾ化合物の少なくとも1つを電荷発生物質として導電
性支持体上の感光層に含有させてなるものである。この
ような感光体の代表的構成は第3図や第4図に示され
る。第3図に示したのは導電性支持体1上に電荷発生物
質2と電荷輸送物質3をバインダー中に分散させた分散
タイプの感光層4を設けた感光体であり、第4図に示し
たのは導電性支持体1上に電荷発生物質をバインダー中
に分散した電荷発生層6と、電荷輸送物質をバインダー
中に分散した電荷輸送層5からなる積層タイプの感光層
4を設けた感光体である。
その他、電荷発生層と電荷輸送層を逆にしたもの、感
光層と導電性支持体との間に中間層を設けたものなどが
ある。
第4図の感光体において、像露光された光が電荷輸送
層を透過し、電荷発生層において、電荷発生物質が電荷
を発生する。生成した電荷は電荷輸送層に注入され、電
荷輸送物質が輸送を行う。
本発明の電子写真用感光体は、一般式(I)のアゾ化
合物の外、導電性支持体、バインダー、電荷輸送物質な
どを含有して構成され、感光体の他の構成要素は、感光
体の構成要素としての機能を奏するものであれば特に限
定されない。
すなわち、本発明の感光体において使用される導電性
支持体としては、アルミニウム、銅、亜鉛等の金属板、
ポリエステル等のプラスチックシートまたはプラスチッ
クフィルムにアルミニウム、SnO2等の導電材料を蒸着し
たもの、あるいは導電処理した紙、樹脂等が使用され
る。
バインダーとしては、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、ポリ−N−ビニルカルバゾールのようなビニル重
合体やポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂などの縮合
樹脂などが用いられるが、絶縁性で支持体に対する密着
性のある樹脂はいずれも使用できる。
電荷輸送物質は、一般に正孔輸送物質と電子輸送物質
の二種類に分類されるが本発明の感光体には両者とも使
用することができる。正孔輸送物質としては、トリニト
ロフルオレノンあるいはテトラニトロフルオレノンなど
の電子を輸送しやすい電子受容性物質のほかポリ−N−
ビニルカルバゾールに代表されるような複素環化合物を
含有する重合体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ポ
リアリールアルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、ト
リアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチル
ベン誘導体、等の正孔を輸送し易い電子供与性物質があ
げられる。
たとえば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド
−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカ
ルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェ
ニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデ
ヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミ
ノスチレン−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニ
ルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒ
ド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−メト
キシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒド
ラゾン、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベン
ジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メ
トキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−(4−メ
トキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベ
ンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾ
ン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジ
フェニルヒドラゾン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミ
ノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフ
ェニル)プロパン、2,2′−ジメチル−4,4′−ビス(ジ
エチルアミノ)−トリフェニルメタン、9−(4−ジエ
チルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−
(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−
(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−
(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾール、
1,2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、
1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼン、3−
スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキ
シスチリル)−9−エチルカルバゾール、4−ジフェニ
ルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチリルベ
ン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェ
ニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジエチル
アミノスチリル)ナフタレン、4′−ジフェニルアミノ
−α−フェニルスチルベン、4′−メチルフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベン、1−フェニル−3−(4
−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ジ
メチルアミノスチリル)−5−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)ピラゾリンなどがある。
この他の正孔輸送物質としては、たとえば、2,5−ビ
ス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール、2,5−ビス〔4−(4−ジエチルアミノスチ
リル)フェニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−
(9−エチルカルバゾール−3イル−)−5−(4−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、
2−ビニル−4−(2−クロルフェニル)−5−(4−
ジエチルアミノフェニル)オキサゾール、2−(4−ジ
エチルアミノフェニル)−4−フェニルオキサゾール、
9−〔3−(4−ジエチルアミノフェニル)−2−プロ
ペニリデン〕−9H−キサンテン、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ピレンホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデ
ヒド樹脂などが挙げられる。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブ
ロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレン、2,4,5,7−テト
ラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサント
ン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオ
フェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフ
ェン−5,5−ジオキサイドなどがある。
これらの電荷輸送物質は単独又は2種以上混合して用
いられる。
感光層と導電性支持体との間に必要に応じて中間層を
設けることができるが、材料としては、ポリアミド、ニ
トロセルロース、カゼイン、ポリビニルアルコールなど
が適当で、膜厚は1μm以下が好ましい。
感光体の作製には、従来より知られた方法を用いるこ
とができる。たとえば積層型感光体ではジスアゾ化合物
の微粒子をバインダーを溶解した溶液中に分散し、導電
性支持体上に塗布、乾燥し、電荷発生層が得られ、次い
で、電荷輸送物質とバインダーを溶解した溶液を塗布、
乾燥することで電荷輸送層を作製できる。電荷発生層の
作製には他の方法も使用できる。たとえば、アゾ顔料を
真空蒸着する方法、あるいは、アゾ顔料の溶液を塗布、
乾燥する方法があるが、前者ではコスト高、後者では一
般に取扱い不便な有機アミンたとえば、エチレンジアミ
ン、n−ブチルアミンなどを使用するなど作製上の欠点
もあるためアゾ化合物の微粒子分散液の塗布法が好適で
ある。塗布方法は通常の手段、たとえば、ドクターブレ
ード、デイッピング、ワイヤーバーなどで行う。感光層
の厚さは、感光体の種類によりそれぞれ最適範囲は異な
る。例えば、第3図に示したような感光体では、好まし
くは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
また第4図に示したような感光体では、電荷発生層6
の厚みは好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.
05〜2μmである。この厚さが0.01μm未満では電荷の
発生は十分でなく、また5μmを越えると残留電位が高
く実用的には好ましくない。また、電荷輸送層5の厚み
は好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm
であり、この厚さが3μm未満では帯電量が不十分であ
り、50μmを越えると残留電位が高く実用的に好ましく
ない。
一般式(I)で表されるアゾ化合物の感光層中の含有
量は、感光体の種類により異なるが、第3図に示すよう
な感光体では、感光層4中に好ましくは50重量%以下、
さらに好ましくは20重量%以下である。またこの層に電
荷輸送物質を好ましくは10〜95重量%、さらに好ましく
は30〜90重量%の割合で含有させる。また、第4図に示
すような感光体では電荷発生層6中のアゾ化合物の割合
は好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは、50重量
%以上である。また、電荷輸送層中5には電荷輸送物質
を10〜95重量%、好ましくは30〜90重量%で含有させ
る。なお、この層で電荷輸送物質が10重量%未満である
と、電荷の輸送がほとんど行われず、95重量%を越える
と感光体の機械的強度が悪く実用的に好ましくない。
〔作用及び効果〕
本発明の電子写真用感光体は、一般式(I)で表わさ
れるジスアゾ化合物を電荷発生物質として使用すること
により製造容易で、高感度でかつ反復使用に対して、性
能劣化しない優れた性能を有する。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、こ
れにより本発明の実施の態様が限定されるものではな
い。
製造例1 前記式(VIII)で表わされるジアミン化合物6.0gを35
%塩酸1に分散した。亜硝酸ナトリウム3.1gを水20ml
に溶解した溶液を0℃で滴下し、同温度で2時間攪拌
し、不溶物を除去した後、42%ホウフッ化水素酸300ml
を加えて、1時間攪拌した。生じた沈殿を濾取、乾燥し
て、テトラゾニウムホウフッ化塩8.5gを得た。
次に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)300mlに2
−ヒドロキシ−3−ナフエ酸アニリド3.0gを溶解し、こ
れに前記テトラゾニウムホウフッ化塩3.1gを0〜5℃で
加え溶解した。次いで酢酸ナトリウム1.5gを水30mlに溶
解した溶液を0〜5℃で滴下し、同温度で30分攪拌した
後、さらに室温で5時間攪拌した。生じた沈殿を濾取
し、DMF200mlでスラッヂ、濾過した。このスラッヂ操作
を2回繰り返した後、水洗、乾燥して、前記例示化合物
A−1のジスアゾ化合物3.3g(収率67%)を得た。
得られた粉体は黒色を呈し300℃以下では融解しなかっ
た。
元素分析及び赤外線吸収スペクトル(KBr法)より目
的物であることを確認した。
元素分析値: C H N 実測値(%)75.31 4.12 11.80 計算値(%)75.63 4.20 11.76 赤外線吸収スペクトル; >C=Oに基づく吸収1675cm-1 赤外線吸収スペクトル(KBr法)を第1図に示す。
製造例2 下記構造式 で表わされるカップラー化合物5.7gをN,N−ジメチルホ
ルムアミド450mlに熱溶解した。これに酢酸ナトリウム
1.5gを水30mlに溶解した溶液を90℃で加えた後、0〜5
℃に冷却し、実施例1で製造したテトラゾニウムホウフ
ッ化塩3.1gを0〜5℃で徐々に加えた。さらに0〜5℃
で30分攪拌した後、室温で、5時間攪拌して反応を終了
した。実施例1と同様に取り出し、例示化合物A−153
4.6g(収率70%)を得た。
得られた粉体は黒色を呈し300℃以下では融解しなかっ
た。
元素分析及び赤外線吸収スペクトル(KBr法)より目
的物であることが確認された。
元素分析値: C H N Cl 実測値(%)66.84 3.29 12.79 5.40 計算値(%)67.03 3.26 13.03 5.51 赤外線吸収スペクトル; >C=Oに基づく吸収1665cm-1 赤外線吸収スペクトル(KBr法)を第2図に示す。
実施例1 ポリエステル樹脂(商品名「バイロン200」東洋紡
製)0.5部、例示化合物A−1を0.5部及びテトラヒドロ
フラン50部をボールミルで粉砕混合し、得られた分散液
をアルミニウム板にワイヤーバーを用いて塗布、80℃で
20分乾燥して約1μmの電荷発生層を形成した。この電
荷発生層上に下記構造式 で表わされるヒドラゾン化合物1部、ポリカーボネート
樹脂(商品名「パンライトK−1300」帝人化成製)1部
をクロロホルム10部に溶解した溶液をワイヤーバーを用
いて塗布80℃で30分乾燥して、厚さ約18μmの電荷輸送
層を形成して、第4図に示した積層型感光体を作製し
た。
静電複写紙試験装置((株)川口電機製作所製モデル
EPA−8100)を用いて感光体を印加電圧−6KVのコロナ放
電により帯電させ、その時の表面電位V0を測定し、その
後2秒間暗所に放置しその時の表面電位V2を測定し、続
いて感光体の表面照度が51uxとなる状態でハロゲンラン
プ(色温度2856°K)よりの光を照射して表面電位がV2
の1/2になる時間を測定し、半減露光量E1/2(lux・se
c)を計算した。また光照射10秒後の表面電位V12、即ち
残留電位を測定した。
実施例2〜10 電荷発生物質として本発明の化合物を、電荷輸送物質
として、下記構造式で表わされる化合物をそれぞれ使用
し、 実施例1と同様に感光体を作製し、E1/2を求めた。使用
した電荷発生物質、電荷輸送物質およびE1/2を実施例1
と共に第1表に示す。
比較例1 特公昭55-42380号公報に記載されている下記構造式 で表わされるジスアゾ化合物を電荷発生物質として用い
たほかは実施例1と同様に感光体を作製した。
E1/2は12.0(lux・sec)であった。
実施例11 実施例9で作製した感光体を市販の電子写真複写装置
に装着して複写したが1万枚目においても原画に忠実な
かぶりのない鮮明な画像が得られた。
以上のように本発明のジスアゾ化合物を用いた電子写
真感光体は高感度でかつ繰り返し使用に安定した性能が
得られ、耐久性においても優れたものであることがいえ
る。
本発明の感光体は電子写真複写機に利用できるばかり
でなく電子写真複写原理を応用した各種プリンター、電
子写真製版システムなどに広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれ例示化合物A−1、A−153
の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を示す。 第3図、第4図は電子写真用感光体の構成例を示した断
面図である。 なお第3図、第4図において各符号は次の通りである。 1……導電性支持体、4……感光層 2……電荷発生物質、5……電荷輸送層 3……電荷輸送物質、6……電荷発生層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−82160(JP,A) 特開 昭58−147746(JP,A) 特開 昭59−44052(JP,A) 特開 昭59−229564(JP,A) 特開 昭60−242470(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上の感光層に一般式(I) (式中、Aはカップラー残基を示す) で表される少なくとも一つのジスアゾ化合物を含有する
    ことを特徴とする電子写真用感光体。
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