JP2604858B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2604858B2
JP2604858B2 JP20954589A JP20954589A JP2604858B2 JP 2604858 B2 JP2604858 B2 JP 2604858B2 JP 20954589 A JP20954589 A JP 20954589A JP 20954589 A JP20954589 A JP 20954589A JP 2604858 B2 JP2604858 B2 JP 2604858B2
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康之 山田
堅 榎本
尚登 伊藤
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彰宏 山口
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真用感光体に関するものである。さ
らに詳しくは、導電性支持体上の感光層に電荷発生物質
として新規なテトラキスアゾ化合物を含有させてなる電
子写真用感光体に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真用感光体の感光材料としてセレン、硫
化カドミウム、酸化亜鉛などの無機系感光材料が広く使
用されてきた。しかしながら、これらの感光材料を用い
た感光体は、感度、光安定性、耐湿性、耐久性などの電
子写真用感光体としての要求性能を十分に満足するもの
ではなかった。例えば、セレン系材料を用いた感光体は
優れた感度を有するが、熱または、汚れの付着などによ
り結晶化し、感光体の特性が劣化しやすい。また、真空
蒸着により製造するのでコストが高く、可撓性がないた
めベルト状に加工するのが難しいなどの多くの欠点も同
時に有している。硫化カドミウム系材料を用いた感光体
では、耐湿性及び耐久性、また酸化亜鉛を用いた感光体
では耐久性に問題があった。
これら無機系感光材料を用いた感光体の欠点を克服す
るために、有機系感光材料を使用した感光体が種々検討
されてきた。
例えば、一部実用化された有機系感光材料として2,4,
7−トリニトロ−9−フルオレノンとポリ−N−ビニル
カルバゾールを組み合わせて使用したものが知られてい
る。しかし、これを用いた感光体は感度が低く、また耐
久性においても満足できるものではなかった。
近年、上記のような欠点を改良するために開発された
感光体の中で、電荷発生機能と電荷輸送機能を別個の物
質に分担させた機能分離型感光体が注目されている。こ
の機能分離型感光体においては、それぞれの機能を有す
る物質を広い範囲のものから選択し、組合せることがで
きるので、高感度、高耐久性の感光体を作製することが
可能である。このような機能分離型の感光体に使用する
電荷発生物質として、多くの物質が提案されている。中
でも、有機染料や有機顔料を電荷発生物質として用いた
感光体が近年特に注目されている。例えば、スチリルス
チルベン骨格を有するジスアゾ顔料を用いた感光体(特
開昭53−133445号)、カルバゾール骨格を有するジスア
ゾ顔料を用いた感光体(特開昭53−95033号)、トリフ
ェニルアミン骨格を有するトリスアゾ顔料を用いた感光
体(特開昭53−132347号)、ジスチリルカルバゾール骨
格を有するジスアゾ顔料を用いた感光体(特開昭54−14
967号)、ビススチルベン骨格を有するジスアゾ顔料を
用いた感光体(特開昭54−17733号)などが報告されて
いる。しかし、これらの電子写真用感光体はかならずし
も要求性能を十分に満足するものではなく、さらに優れ
た感光体の開発が望まれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、十分な感度を有し、かつ耐久性良好
な電子写真用感光体を提供することであり、これに用い
る新規な有機電荷発生物質を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討
し、その結果、一般式(I) (式中、Aはカップラー残基を示す。) で表される新規なテトラキスアゾ化合物が、既存のアゾ
化合物に比し、高感度および高耐久性等の優れた特性を
有する電子写真用感光体を与えることを見い出し、本発
明に至った。
すなわち、本発明は、導電性支持体上の感光層に一般
式(I) (式中、Aはカップラー残基を示す。) で表されるトリスアゾ化合物を少なくとも一つ含有する
ことを特徴とする電子写真用感光体である。
一般式(I)において、Aはカップラー残基を示す
が、この残基としては、下記a)〜d)のものを挙げる
ことができる。
a)一般式(II)のカップラー残基 (式中、Xは置換されていてもよい炭化水素環、置換さ
れていてもよい複素環を、またYは を示す。
ここでR1は置換されていてもよい炭化水素環基、置換
されていてもよい複素環基、R2は水素、置換されていて
もよいアルカリ基、置換されていてもよいフェニル基、
R3は置換されていてもよい炭化水素環基、置換されてい
てもよい複素環基あるいは置換されていてもよいスチリ
ル基、R4は水素、アルキル基、置換されていてもよいフ
ェニル基を示し、R3とR4はそれらに結合する炭素原子と
共に環を形成してもよい。) 一般式(II)のXとして、具体的には水酸基とYとが
結合しているベンゼン環と縮合したナフタレン環、アン
トラセン環などの炭化水素環、またはインドール環、カ
ルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラン
環などの複素環が例示できる。
またXが置換基を有する場合、置換基として塩素原
子、臭素原子などのハロゲン原子または水酸基を例示で
きる。
R1またはR3の環基としては、フェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ピレニル基などの炭化水素環基、ま
たはピリジル基、チエニル基、フリル基、インドリル
基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラ
ニル基などの複素環基が例示でき、R3とR4とが結合して
形成する環としてはフルオレン環などが例示できる。
R1またはR3が置換基を有する環基の場合、置換基とし
てはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子な
どのハロゲン原子、トリフルオロメチル基などのハロメ
チル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジ
アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル
基またはそのエステルなどが例示できる。
R2が置換されていてもよいフェニル基のときには、そ
の置換基として塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子
が例示できる。
b)一般式(III)または(IV)のカップラー残基 (両式中、R5は置換もしくは無置換の炭化水素基を示
す。) R5としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、あるいは
メトキシエチル基、エトキシエチル基等のアルコキシア
ルキル基などが例示される。
c)一般式(V)のカップラー残基 (式中、R6はアルキル基、カルバモイル基、カルボキシ
ル基またはそのエステル基を示し、R7は置換されていて
もよい炭化水素環基を示す。) R7としては、具体的にはフェニル基、ナフチル基など
の炭化水素環基が例示でき、これらの基が置換基を有す
る場合、置換基として、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルア
ミノ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基などが例示できる。
d)一般式(VI)又は(VII)のカップラー残基 (両式中、Zは置換されていてもよい炭化水素環の2価
基、置換されていてもよい複素環の2価基を示す。) Zとしては、具体的には、o−フェニレン基などの単
環式芳香族炭化水素の2価基、o−ナフチレン基、peri
−ナフチレン基、1,2−アントラキノニレン基、9,10−
フェナントリレン基などの縮合多環式芳香族炭化水素の
2価基、または3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジ
ンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,7−イミダゾ
ールジイル基、5,6−ベンズイミダゾールジイル基、6,7
−キノリンジイル基等の複素環の2価基などが例示でき
る。これらの環基が置換基を有する場合、置換基とし
て、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基、
塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シ
アノ基などが例示できる。
上記の例示したカップラー残基の中で、光感度が高
く、中間体原料を容易に入手でき、低コストで製造でき
ることなどから前記一般式(II)で表わされるカップラ
ー残基が最も好ましい。
本発明に用いるテトラキスアゾ化合物を、さらに具体
的に例示すると、次の構造式で示されるものが挙げられ
る。
尚、構造式は一般式(I)におけるカップラー残基部
分のみで示した。
本発明の化合物は次の方法を用いて製造できる。式
(VIII)で表されるアミン化合物 をジアゾ化し、ついでジアゾ化された化合物をそのまま
あるいはホウフッ化塩として単離した後、前記カップラ
ー化合物とカップリングすることにより容易に製造でき
る。
本発明の電子写真用感光体は一般式(I)で表される
テトラキスアゾ化合物の少なくとも1つを電荷発生物質
として導電性支持体上の感光層に含有させてなるもので
ある。このような感光体の代表的構成は第3図や第4図
を示す。第3図に示したのは導電性支持体1上に電荷発
生物質2と電荷輸送物質3をバインダー中に分散させた
分散タイプの感光層4を設けた感光体であり、第4図に
示したのは導電性支持体1上に電荷発生物質をバインダ
ー中に分散した電荷発生層6と、電荷輸送物質をバイン
ダー中に分散した電荷輸送層5からなる積層タイプの感
光層4を設けた感光体である。
その他、電荷発生層と電荷輸送層を逆にしたもの、感
光層と導電性支持体との間に中間層を設けたものなどが
ある。
第4図の感光体において、像露光された光が電荷輸送
層を透過し、電荷発生層において、電荷発生物質が電荷
を発生する。生成した電荷は電荷輸送層に注入され、電
荷輸送物質が電荷の輸送を行う。
本発明の電子写真用感光体は、一般式(I)のテトラ
キスアゾ化合物の外、導電性支持体、バインダー、電荷
輸送物質などを含有して構成され、感光体の他の構成要
素は、感光体の構成要素としての機能を奏するものであ
ればとくに限定されない。
すなわち、本発明の感光体において使用される導電性
支持体としては、アルミニウム、銅、亜鉛等の金属板、
ポリエステル等のプラスチックシートまたはプラスチッ
クフィルムにアルミニウム、SnO2等の導電材料を蒸着し
たもの、あるいは導電処理した紙、樹脂等が使用され
る。
バインダーとしては、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、ポリ−N−ビニルカルバゾールのようなビニル重
合体やポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂などの縮合
樹脂などが用いられるが、絶縁性で支持体に対する密着
性のある樹脂はいずれも使用できる。
電荷輸送物質は、一般に正孔輸送物質と電子輸送物質
の二種類に分類されるが本発明の感光体には両者とも使
用することができる。正孔輸送物質としては、トリニト
ロフルオレノンあるいはテトラニトロフルオレノンなど
の電子を輸送しやすい電子受容性物質のほか、ポリ−N
−ビニルカルバゾールに代表されるるような複素環化合
物を含有する重合体、トリアゾール誘導体、オキサジア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導
体、ポリアリールアルカン誘導体、フェニレンジアミン
誘導体、ヒドラゾン誘導体、アミノ置換カルコン誘導
体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、
スチルベン誘導体等の正孔を輸送し易い電子供与性物質
があげられる。
たとえば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド
−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカ
ルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−フェニル
ヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド
−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノス
チレン−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒ
ドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド−
1−ベンジル−フェニルヒドラゾン、4−メトキシベン
ズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、
2,4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−フ
ェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒ
ド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズ
アルデヒド−1−ベンジル−1−(4−メトキシ)フェ
ニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒ
ド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベ
ンジルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒド
ラゾン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)
プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタ
ン、2,2′−ジメチル−4,4′−ビス(ジエチルアミノ)
−トリフェニルメタン、9−(4−ジエチルアミノスチ
リル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチル
アミノスチリル)アントラセン、9−(4−ジメチルア
ミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニ
リデン)−9−エチルカルバゾール、1,2−ビス(4−
ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−
ジメトキシスチリル)ベンゼン、3−スチリル−9−エ
チルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9
−エチルカルバゾール、4−ジフェニルアミノスチルベ
ン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルア
ミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリ
ル)ナフタレン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)
ナフタレン、4′−ジフェニルアミノ−α−フェニルス
チルベン、4′−メチルフェニルアミノ−α−フェニル
スチルベン、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノ
スチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラ
ゾリン、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノスチ
リル)−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリ
ンなどがある。
この他の正孔輸送物質としては、たとえば、2,5−ビ
ス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール、2,5−ビス〔4−(4−ジエチルアミノスチ
リル)フェニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−(4−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサゾール、2−
ビニル−4−(2−クロルフェニル)−5−(4−ジエ
チルアミノフェニル)オキサゾール、2−(4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−フェニルオキサゾール、9−
〔3−(4−ジエチルアミノフェニル)−2−プロペニ
リデン〕−9H−キサンテン、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ピレンホルム
アルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド
樹脂などが挙げられる。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブ
ロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレン、2,4,5,7−テト
ラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサント
ン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオ
フェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフ
ェン−5,5−ジオキサイドなどがある。
これらの電荷輸送物質は単独又は2種以上混合して用
いられる。
感光層と導電性支持体との間に必要に応じて中間層を
設けることができるが、材料としては、ポリアミド、ニ
トロセルロース、カゼイン、ポリビニルアルコールなど
が適当で、膜厚は1μm以下が好ましい。
感光体の作製には、従来より知られた方法を用いるこ
とができる。たとえば積層型感光体ではアゾ化合物の微
粒子をバインダーを溶解した溶液中に分散し、導電性支
持体上に塗布、乾燥して電荷発生層が得られ、次いで、
電荷輸送物質とバインダーを溶解した溶液を塗布、乾燥
することで電荷輸送層を作製できる。電荷発生層の作製
には他の方法も使用できる。たとえば、アゾ顔料を真空
蒸着する方法、あるいは、アゾ顔料の溶液を塗布、乾燥
する方法があるが、前者ではコスト高、後者では一般に
取り扱い不便な有機アミンたとえばエチレンジアミン、
n−ブチルアミンなどを使用するなど作製上の欠点もあ
るためアゾ化合物の微粒子分散液の塗布法が好適であ
る。塗布方法は通常の手段、たとえば、ドクターブレー
ド、デイッピング、ワイヤーバーなどで行う。感光層の
厚さは、感光体の種類によりそれぞれ最適範囲は異な
る。例えば、第3図に示したような感光体では、好まし
くは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
また、第4図に示したような感光体では、電荷発生層
6の厚みは好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは
0.05〜2μmである。この厚さが0.01μm未満では電荷
の発生は十分でなく、また5μmを越えると残留電位が
高く実用的には好ましくない。また、電荷輸送層5の厚
みは好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μ
mであり、この厚さが3μm未満では帯電量が不十分で
あり、50μmを越えると残留電位が高く実用的には好ま
しくない。
一般式(I)で表されるテトラキスアゾ化合物の感光
層中の含有量は、感光体の種類により異なるが、第3図
に示すような感光体では、感光層4中に好ましくは50重
量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。また
この層の電荷輸送物質を好ましくは10〜95重量%、さら
に好ましくは30〜90重量%の割合で含有させる。また、
第4図に示すような感光体では電荷発生層6中のテトラ
キスアゾ化合物の割合は好ましくは30重量%、さらに好
ましくは50重量%以上である。また、電荷輸送層中5に
は電荷輸送物質を10〜95重量%、好ましくは30〜90重量
%含有させる。尚、この層で電荷輸送物質が10重量%未
満であると、電荷の輸送がほとんど行われず、95重量%
を越えると感光体の機械的強度が悪く実用的に好ましく
ない。
〔作用及び効果〕
本発明の電子写真用感光体は、一般式(I)で表わさ
れるテトラキスアゾ化合物を電荷発生物質として使用す
ることにより製造容易で、高感度でかつ反復使用に対し
て、性能劣化しない優れた性能を有する。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、こ
れにより本発明の実施の態様が限定されるものではな
い。
製造例1 前記、式(VIII)で表されるアミン化合物5.0gを35%
塩酸18ml及び水250mlからなる溶液に分散し、室温で2
時間撹拌した。0℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム4.
2gを水30mlに溶解した溶液を滴下し、同温度で1時間撹
拌した。若干の不溶物を除去した後、42%ホウフッ化水
素酸50mlを加え、生じた沈澱を濾取、乾燥し、オクタゾ
ニウムホウフッ化塩8.3gを得た。
N,N−ジメチルホルムアミド300mlに下記構造式 で表されるカップラー化合物5.9gを溶解し、0〜5℃に
冷却後、前記オクタゾニウムホウフッ化塩4.0gを加え溶
解した。次いで酢酸ナトリウム3.0gを水40mlに溶解した
溶液を0〜5℃で加え、同温度で30分撹拌した後、室温
で5時間撹拌した。析出した沈澱濾取し、N,N−ジメチ
ルホルムアミド200ml中で沈澱をほぐした後(スラッヂ
操作)、濾過した。このスラッヂ操作を3回繰り返した
後、水洗、乾燥した前記例示化合物A−9 6.1g(収率
78%)を得た。得られた粉体はこげ茶色を呈し、290℃
以下では融解しなかった。
元素分析及び赤外線吸収スペクトル(KBr法)より目
的物であることが確認された。
元素分析値: C H N Cl 実測値(%) 70.69 3.40 9.55 7.83 計算値(%) 71.00 3.60 9.74 8.24 赤外線吸収スペクトル;>C=0に基づく吸収1670cm
-1 赤外線吸収スペクトル(KBr法)を第1図に示す。
製造例2 下記構造式 で表されるカップラー化合物10gをN,N−ジメチルホルム
アミド700mlに熱溶解した。酢酸ナトリウム3.0gを水40m
lに溶解した溶液を90℃で滴下し、0〜5℃に冷却し
た。これに、製造例1で製造したオクタゾニウムホウフ
ッ化塩4.0gを加え、0〜5℃で1時間撹拌した後、室温
で4時間撹拌して反応を終了した。製造例1と同様に取
り出し、例示化合物A−153 7.6g(収率75%)を得
た。得られた粉体は黒色を呈し、290℃以下では融解し
なかった。
元素分析及び赤外線吸収スペクトル(KBr法)より目
的物であることが確認された。
元素分析値: C H N Cl 実測値(%) 67.10 3.05 12.14 6.22 計算値(%) 66.90 3.10 12.39 6.28 赤外線吸収スペクトル;>C=0に基づく吸収1665cm
-1 赤外線吸収スペクトル(KBr法)を第2図に示す。
実施例1 ポリエステル樹脂(商品名「バイロン200」東洋紡
製)0.5部、例示化合物A−9を0.5部及びテトラヒドロ
フラン50部をボールミルで粉砕混合し、得られた分散液
をアルミニウム板にワイヤーバーを用いて塗布、80℃で
20分乾燥して約1μmの電荷発生層を形成した。この電
荷発生層上に下記構造式 で表わされるヒドラゾン化合物1部、ポリカーボネート
樹脂(商品名「パンライトK−1300」帝人化成製)1部
をクロロホルム10部に溶解した溶液をワイヤーバーを用
いて塗布、80℃で30分乾燥して、厚さ約18μmの電荷輸
送層を形成し、第4図に示した積層型感光体を作製し
た。
静電複写紙試験装置((株)川口電機製作所製モデル
EPA−8100)を用いて感光体を印加電圧−6KVのコロナ放
電により帯電させ、その時の表面電位V0を測定し、次い
で2秒間暗所に放置してその時の表面電位V2を測定し、
さらに感光体の表面照度が51uxとなる状態でハロゲンラ
ンプ(色温度2856゜K)よりの光を照射して表面電位がV
2の1/2になる時間を測定して、半減露光量E1/2(1ux・s
ec)を計算した。また光照射10秒後の表面電位V12、即
ち残留電位を測定した。
実施例2〜10 電荷発生物質として本発明の化合物を、電荷輸送物質
として、下記構造式で表わされる化合物をそれぞれ使用
し、 実施例1と同様に感光体を作製し、E1/2を求めた。使用
した電荷発生物質、電荷輸送物質およびE1/2を実施例1
と共に第1表に示した。
比較例 1 特公昭55−42380号公報に記載されている下記構造式 で表されるジスアゾ化合物を電荷発生物質として用いた
ほかは実施例1と同様に感光体を作製した。E1/2は12.0
(1ux・sec)であった。
実施例11 実施例7で作製した感光体を市販の電子写真複写装置
に装着して複写したが、1万枚目においても原画に忠実
なかぶりのない鮮明な画像が得られた。
以上のように本発明のテトラキスアゾ化合物を用いた
電子写真感光体は高感度でかつ繰り返し使用に安定した
性能が得られ、耐久性においても優れたものであること
がいえる。
本発明の感光体は電子写真複写機に利用できるばかり
でなく電子写真複写原理を応用した各種プリンター、電
子写真製版システムなどに広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれ例示化合物A−9、A−153
の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を示す図である。 第3図、第4図は電子写真用感光体の構成例を示した断
面図である。 なお、第3図、第4図において各符号は次の通りであ
る。 1……導電性支持体、4……感光層 2……電荷発生物質、5……電荷輸送層 3……電荷輸送物質、6……電荷発生層 を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上の感光層に一般式(I) (式中、Aはカップラー残基を示す。) で表されるテトラキスアゾ化合物を少なくとも一つ含有
    することを特徴とする電子写真用感光体。
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