JPH0555413B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はパレツト上に立て掛けた板ガラスを吸
着して他の場所へ受渡す装置に関する。

（従来の技術） 自動車用ウインドガラス等として用いる湾曲ガ
ラスを製造するには、一般にパレツト上に多数の
板ガラスを合紙又はパツキンを介在させた状態で
横方向に重なるように立て掛け、外側の板ガラス
から順に複数の吸着盤を備えた装置で取上げ、加
熱炉等へ送り込む治具に板ガラスを受渡すように
している。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した従来の装置にあつては、パレツト上に
立て掛けた板ガラスの傾斜角が一定であるという
前提で、当該傾斜角と複数の吸着盤によつて形成
される吸着面の角度を等しくし、吸着面の角度を
一定としたまま吸着盤を前進させて板ガラスを吸
着するようにしている。

しかしながら、パレツト上に立て掛けられてい
る板ガラスの傾斜角は全て同一となつておらず、
板ガラス下端部のずれ、パツキンの寸法誤差或い
は積み込む板ガラスの厚み等により個々に傾斜角
が異なる。その結果、複数の吸着盤のうちの特定
の吸着盤が先に板ガラスに当り、この部分を押す
こととなる。そして板ガラスの一部が押されると
当該部分が撓んで内側の板ガラス（合紙）に押し
付けられ、この面に焼成によつて熱線等となる
Agペーストをプリントしている場合には、当該
プリントが内側の板ガラスに転写し、断線するこ
ととなる。

また、Agペースト等をプリントしていない場
合でも、板ガラス表面と複数の吸着盤によつて形
成される吸着面とが平行でないと、板ガラスがず
れたり、確実に吸着できない場合がある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本発明は、吸着盤を取
付けたフレームをアームに対し吊下げ支持する少
くとも前後一対の長さが異なるリンクバーと、フ
レームを前後に移動させるシリンダユニツトと、
フレームに取付けた最外側の板ガラスを検出する
センサーと、最外側の板ガラスの下端部を検知す
るリミツトスイツチと、吸着受渡し装置の移動限
を規制するリミツトスイツチからなる傾斜角調整
機構を介して反転アームに連結し、パレツト上に
立て掛けた板ガラスを吸着盤で吸着した後、反転
アームの作動で受渡し位置まで移動せしめるよう
にした。

（作用） 吸着盤を取付けたフレームは傾斜角調整機構を
介して反転アームに連結されているため、フレー
ムが前進してフレームに取付けた板ガラス検出用
リミツトスイツチが板ガラスに当接した時点で、
複数の吸着盤によつて形成されている吸着面と板
ガラス表面とが平行となる。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本発明に係る吸着受渡し装置の正面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ方向拡大矢視図、第
３図は受渡し装置の正面図、第４図は第３図のＢ
方向矢視図である。

吸着受渡し装置１は板ガラスの供給位置と受渡
し位置との間に配設され、供給位置にはパレツト
１００が、受渡し位置には受取り装置２００がそ
れぞれ設置されている。

ここでパレツト１００は基台１０１上に敷設し
たレール１０２に車輪１０３を介して移動可能に
係合し、またパレツト１００上には多数の板ガラ
スＧ……が横方向に立て掛けられ、これら板ガラ
スＧ……の上端部にはパツキン１０４を嵌め付
け、板ガラスＧ同士が接触することがないように
隙間を形成している。更に基台１０１上にはリミ
ツトスイツチ１０５を取付け、このリミツトスイ
ツチ１０５が最外側の板ガラスＧを検知するまで
パレツト１００を図示しない駆動装置によつて移
動せしめ、取上げる板ガラスの下端部が常に一定
位置にくるようにしている。

一方、受取り装置２００は第３図及び第４図に
示すようにレール２０１に沿つて走行する枠体２
０２にモータ２０３によつて回転するボールネジ
２０４を取付け、このボールネジ２０４に螺合す
るナツト部材２０５に板ガラスＧの下縁部を受け
る保持片２０６，２０６を固着し、また枠体２０
２にシリンダユニツト２０７を取付け、このシリ
ンダユニツト２０７に板ガラスＧの上縁部を受け
る保持片２０８を取付け、これらモータ２０３及
びシリンダユニツト２０７の作動で保持片２０
６，２０８を接近又は離反動させることで、保持
片２０６，２０８間で板ガラスＧを把持し、また
把持状態を解除するようにしている。

次に吸着受渡し装置１の構造について説明す
る。

吸着受渡し装置１は前後方向（第１図において
左右方向）に伸びる一対のレール２，２上に走行
台３を架設し、第２図に示すようにレール２内側
に設けたラツク４と噛合するピニオン５を回転さ
せることで、走行台３がレール２に沿つて移動す
るようにしている。そして、走行台３の下方へ垂
下する一対の脚部内側にはガイドローラ６，６を
設け、このガイドローラ６，６に一対のプレート
７，７を当接せしめ、これら一対のプレート７，
７間に架設したクロスプレート８に上端が走行台
３に取付けられたシリンダユニツト９のロツド下
端を結着し、シリンダユニツト９の作動でプレー
ト７，７を昇降するようにしている。

またプレート７，７間には軸１０を架設し、こ
の軸１０にアングル状反転アーム１１を取付け、
前記クロスプレート８に固着したモータ１２の回
転をスプロケツト及びチエーンを介して軸１０に
伝達することで反転アーム１１が180゜の範囲で往
復回動するようにしている。この反転アーム１１
の一方の腕部には一対のリンクバー１３，１４の
上端部を枢着し、これら一対のリンクバー１３，
１４の下端部を枠フレーム１５の後方へ伸びる腕
部に枢着して枠フレーム１５を反転アーム１１に
吊下げ支持し、更に反転アーム１１の他方の腕部
にはブラケツト１６を介してシリンダユニツト１
７を回動自在に取付け、このシリンダユニツト１
７のロツド先端を後方（第１図において右側）の
リンクバー１４の下端枢着部に連結している。

また枠フレーム１５には複数の吸着盤１８……
を取付けている。これら吸着盤１８はエアシリン
ダユニツト１９の作動で板ガラスＧに向つて進退
動するとともに、ロツク機構２０により板ガラス
Ｇを吸着盤した位置よりも突出しないようにして
いる。更に枠フレーム１５には最外側の板ガラス
Ｇを検出するセンサー２１を取付け、前記レール
２には走行台３の移動限を規制するリミツトスイ
ツチ２２を取付けている。

以上において、パレツト１００上の板ガラスＧ
を受取り装置２００に受渡すには、リミツトスイ
ツチ１０５がパレツト１００上に立て掛けられた
最外側の板ガラスＧの下端部を検知するまでパレ
ツト１００を第１図中右方へ移動せしめて停止
し、これと同時にリミツトスイツチ２２が検知す
るまで吸着受渡し装置１の走行台３を第１図中左
方へ移動せしめて停止する。この時点で複数の吸
着盤１８……によつて形成される吸着面ｆと最外
側の板ガラスＧ下端との距離Ｌは常に一定とな
る。

而る後、シリンダユニツト１７に突出動をなさ
しめ、第５図に示すように枠フレーム１５を前傾
しつつ板ガラスＧに向つて前進せしめ、センサー
２１が最外側の板ガラスＧ表面に接触した時点で
シリンダユニツト１７の作動を停止する。このと
き、後述する理由により最外側の板ガラスＧの傾
き角にかかわらず、最外側の板ガラスＧと吸着面
ｆとは平行となつている。

この後、エアシリンダユニツト１９を作動さ
せ、吸着盤１８……を板ガラスＧ表面に押し付け
て吸着したならば、シリンダユニツト９の作動で
プレート７，７を上昇せしめ、吸着した板ガラス
Ｇを持ち上げるとともにシリンダユニツト１７に
引つ込み動をなさしめて吸着した板ガラスＧを垂
直にし、次いでモータ１２の駆動により反転アー
ム１１を180゜回転させ、第６図に示すように板ガ
ラスＧの天地を逆にし、パツキン１０４をパツキ
ン除去装置２３によつて搬送コンベア２４（第１
図参照）上に払い落とした後、走行台３を100mm
程度移動させ、板ガラスＧを受取り装置２００の
保持片２０６，２０８間に位置せしめ、モータ２
０３及びシリンダユニツト２０７の作動により保
持片２０６，２０８を接近させて板ガラスＧの上
下端を保持し吸着盤１８……による吸着状態を解
除した板ガラスＧの受渡しを完了する。

次に最外側の板ガラスＧの傾き角と吸着面ｆと
が常に平行となる理由を第７図に基いて説明す
る。

先ず前述したようにパレツト１００上に立て掛
けられる板ガラスＧは常に一定の傾斜角となつて
おらず、5゜〜15゜の範囲で傾斜しているものとす
る。一方、リンクバー１３，１４については前方
（図中左方）の方が長く、後方の方が短くなつて
おり、これらリンクバー１３，１４の上端枢着点
１３ａ，１４ａはパレツト上に積付けられた板ガ
ラスＧ上端と略等しい高さ位置にあり、下端枢着
点１３ｂ，１４ｂは、板ガラスＧの略中間高さ位
置にあり、枢着点１３ａ，１４ａ間の間隔Ｄは枢
着点１３ｂ，１４ｂの間隔Ｄ／２の倍になつてお
り、更に走行台３がリミツトスイツチ２２に当接
した時点つまり吸着面ｆと最外側の板ガラスＧ下
端とが一定距離Ｌとなつた時点で、リンクバー１
４及び吸着面ｆは垂直、リンクバー１３は前傾状
態となつている（以下吸着準備位置と称する）。
そして以上のように構成することで、シリンダユ
ニツト１７に突出動をなさしめると枢着点１３ｂ
は下方に、枢着点１４ｂは上方に移動し、これら
の合成動によつて吸着面ｆは最外側の板ガラスＧ
の下端位置Ｏ１と同一の水平位置にある点Ｏ２を
中心として揺動し、この揺動はセンサー２１が最
外側の板ガラスＧに当接した時点で停止する。

また、センサー２１が最外側の板ガラスＧに当
接した時点で吸着面ｆと板ガラスＧ表面とが平行
となるようにリンクバー１３，１４の枢着点間の
間隔等を設定しているため、つまり5゜傾斜した板
ガラスＧ１、10゜傾斜した板ガラスＧ２、15゜傾斜
した板ガラスＧ３と吸着準備位置のセンサー２１
との間隔をそれぞれｄ１，ｄ２，ｄ３とすると、
シリンダユニツト１７によつてセンサー２１をｄ
１だけ前進させると吸着面ｆは5゜傾き、ｄ２前進
させると吸着面ｆは10゜傾き、ｄ３前進させると
吸着面ｆは15゜傾くように枢着点の間隔等を設定
しているため、常に板ガラスＧ表面と吸着面ｆと
の間隔Ｔは一定且つ平行となり、エアシリンダユ
ニツト１９によつて一定量だけ吸着盤１８を突出
すれば、片当りなしに確実に板ガラスＧ表面を吸
着できる。

（発明の効果） 以上に説明した如く本発明によれば、パレツト
上に載置された板ガラスの傾斜角に対応して複数
の吸着盤によつて形成される吸着面の角度も追従
して変化するため、特定の吸着盤によつて板ガラ
スの一部を強く押圧することなく、複数の吸着盤
が同時に板ガラスを吸着するため、板ガラスの一
部が内側に湾曲して、板ガラス内側面にプリント
した焼成前の熱線等が内側の板ガラス或いは合紙
に押付けられ断線する不利がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る吸着受渡し装置の正面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ方向拡大図、第３図
は受取り装置の正面図、第４図は第３図のＢ方向
矢視図、第５図及び第６図は反転アームの作用を
示した図、第７図は傾斜角調整機構の作用を説明
した図である。 尚、図面中、１は吸着受渡し装置、１１は反転
アーム、１３，１４はリンクバー、１５は枠フレ
ーム、１７はシリンダユニツト、１８は吸着盤、
２１はセンサー、１００はパレツト、２００は受
取り装置、Ｇは板ガラスである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パレツト上に立て掛けた複数の板ガラスを一
   枚づつ吸着して他の場所へ受渡す装置において、
   前記板ガラスの吸着を行なう吸着盤はフレームに
   取付けられ、このフレームはアームによつて取上
   げ位置と受渡し位置との間で反転し、更にフレー
   ムはアームに対し板ガラスの傾斜角と吸着盤の傾
   斜角とを等しくする傾斜角調整機構を介して連結
   され、前記傾斜角調整機構はアームに対しフレー
   ムを吊下げ支持する少くとも前後一対の長さが異
   なるリンクバーと、フレームを前後に移動させる
   シリンダユニツトと、フレームに取付けた最外側
   の板ガラスを検出するセンサーと、最外側の板ガ
   ラスの下端部を検知するリミツトスイツチと、吸
   着受渡し装置の移動限を規制するリミツトスイツ
   チからなることを特徴とする板ガラスの吸着受渡
   し装置。