JPH0628514Y2 - 合紙入込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は搬送途中の板ガラスの上面に合紙を自動的に被
せる合紙入込装置に関する。

（従来の技術） 車両用ウインドガラス等として用いる板ガラスは所定の
工程が終了した板ガラスをパレット（凾）に多数重ねて
ストックしている。

このように多数枚の板ガラスをパレットに重ねてストッ
クする場合、板ガラス同士が直接接触すると破損や傷つ
きの原因となるため、従来から板ガラス間に合紙を介在
させるようにしている。

斯る合紙を板ガラス間に介在させるには、板ガラスをパ
レットに立て掛ける前に水平状態で搬送されてきた板ガ
ラス上面に合紙を載せ、この状態で板ガラスをパレット
に立て掛けるようにしており、合紙を板ガラス上面に載
せる手段としては手作業による場合が多い。しかしなが
ら手作業では効率が悪いため、自動的に板ガラス上面に
合紙を載せる装置も開発されている。

この自動合紙入込装置は、吸盤により合紙を吸着し、前
方へ送り出して吸着解除し、クランプ部によって板ガラ
ス上方まで移動し、その位置で板ガラス上面に合紙を落
し込むようにしたものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した自動合紙入込装置によれば、吸盤により合紙を
吸着し、前方へ送って吸着解除し、クランプ部で握みそ
のまま板ガラス上方まで合紙を搬送するようにしている
ため、合紙の一部のみを吸着したのでは合紙を板ガラス
上方まで搬送できないため、少なくとも合紙の四隅及び
中央を吸着しなければならず、吸着装置自体が大型とな
る。また、吸着する際に複数枚の合紙を同時に吸着する
ことがあり、そのまま板ガラス上面に複数枚の合紙を載
せることもある。

更に従来の装置によると、合紙を湾曲した板ガラス上面
に正確に落すことが難しく、板ガラスと合紙との位置ず
れを生じる場合がある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本考案に係る合紙入込装置は板
ガラスの搬送経路の側方に合紙供給装置を設け、この合
紙供給装置から搬送経路上方にレール部材を延出し、こ
のレール部材にクランプ部材を備えた移動体を移動可能
に係合させ、合紙の端部をクランプ部材で把持して合紙
を板ガラス上方まで引出し、この引出した合紙を倣し装
置で板ガラス上面の全面に倣わせ、更に押えシリンダに
て板ガラス上面に押えつけるようにした。

（作用） 給紙機によって分離された１枚の合紙の端部を移動体に
設けたクランプ部材で把持し、次いで移動体を搬送経路
上方を横切るように移動させ、板ガラス上方に合紙を引
出す。そして引出された合紙を倣し装置で板ガラス上面
の全面に倣わせ、更に押えシリンダによって板ガラス上
面を押し付け、この状態でクランプ状態を解除し、板ガ
ラス上面に合紙を載せる。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。

第１図は本考案に係る合紙入込装置を一部に組込んだ板
ガラスの立て掛け装置の全体図であり、立て掛けられる
板ガラスとしては自動車用ウインドガラスとして用いる
湾曲ガラス(G)を示している。

湾曲ガラス(G)はコンベアベルト(1)…によって形成され
る搬送経路(P)に沿って水平状態で搬送される。コンベ
アベルト(1)のうち上流側のコンベアベルトは下流側の
コンベアベルトよりも一段低くなっており、上流側のコ
ンベアベルトから下流側のコンベアベルトに湾曲ガラス
を乗り移らすため中間のコンベアベルトについてはリフ
ター(2)によって昇降自在としている。

一方、搬送経路(P)の一側には合紙供給装置(3)を配置し
ている。この合紙供給装置(3)は枠体(4)の上部間に軸
(5)を架設し、この軸(5)にプーリ(6)を固着し、このプ
ーリ(6)に巻回したワイヤー(7)に合紙(8)を積み重ねた
昇降板(9)を吊り下げている。而して、モータによって
軸を回転せしめることで、昇降板(9)は最上位の合紙(8)
が常に一定位置となるように昇降動をなす。

また、枠体(4)内において昇降板(9)の上方には給紙機(1
0)を設けている。この給紙機(10)は前記搬送方向と直交
する方向に枠体(4)に架設したロッド(11)に取付けら
れ、この給紙機(10)には第２図にも示すようにモータ(1
2)により左右方向（第２図の矢印方向）に揺動するアー
ム(14)を設け、このアーム(14)に真空引き装置につなが
る吸着パッド(15)を取付けている。

更に枠体(4)の上部には搬送経路(P)上方に臨むレール部
材(16)の基部を取付けている。

このレール部材(16)の両端には軸(17)、(17)を設け、こ
の軸(17)、(17)に固着したスプロケット(18)、(18)間にチ
ェーン(19)を張設し、このチェーン(19)にレール部材(1
6)に係合する移動体(20)を係止している。而してモータ
(21)を駆動し、軸(17)を回転させチェーン(19)を走行せ
しめることで、移動体(20)は搬送経路(P)上方を横切る
ように移動する。

また、移動体(20)には第３図に示すように、上下に離間
した軸(22)、(22)を設け、これら軸(22)、(22)の端部には
クランプ爪(23)、(23)を固着し、更に一方の軸(22)をシ
リンダ(24)の作動で回転せしめることで、クランプ爪(2
3)、(23)を開閉するようにしている。

また、レール部材(16)の一側には上下方向の押えシリン
ダ(25)を固着し、この押えシリンダ(25)のロッド下端に
押えパッド(26)を取付け、更にレール部材(16)の両側に
ブラケット(27)、(27)を立設しこのブラケット(27)、(27)
間にシリンダ(28)によって回転する軸(29)を支承し、こ
の軸(29)に倣いアーム(30)を取付けている。

一方、レール部材(16)よりも下流側の搬送経路(P)上方
には帯電電極(31)が配設され、この帯電電極(31)は静電
気発生装置(32)に接続され、帯電電極(31)よりも下流側
の搬送経路(P)下方にはフレーム(33)を配置し、このフ
レーム(33)に左右方向に移動するアライメント棒(34)、
(34)を取付け、湾曲ガラス(G)の位置合せを行うように
している。

また、搬送経路(P)の下流端にはパレット（凾）交換装
置(35)を配置している。このパレット交換装置(35)は枠
体(36)上に台(37)、(37)を横方向に移動可能に載置し、
これら台(37)、(37)にパレット(38)、(38)を設けている。
パレット(38)は第４図に示すように背板(39)、底板(40)
等によって構成され、背板(39)は上部が後方に傾斜し、
底板(40)は前部が上方に傾斜することで立て掛けた湾曲
ガラス(G)が安定するようにしている。

また、パレット交換装置(35)はパレット昇降装置(41)を
付設している。このパレット昇降装置(41)はモータ(42)
によって昇降する支持片(43)、(43)を備え、この支持片
(43)、(43)上に受け取り位置にある一方の台(37)を載置
している。而してモータ(42)で駆動することで台(37)及
びパレット(38)は昇降動するが、一方の台(37)と他方の
台(37)とは第１図に示すように凹凸係合しているため、
一方の台(37)が昇降動しても他方の台(37)は昇降動しな
い。

上記パレット交換装置(35)とアライメント棒(34)の間の
搬送経路(P)下方には湾曲ガラス(G)の吸着反転装置(44)
を配置している。吸着反転装置(44)は第５図に示すよう
に、フレーム(45)にパレット(38)の底板(40)と平行なボ
ールネジ(46)を回転自在に取付け、フレーム(45)の一端
にはボールネジ(46)を回転させるモータ(47)を固着し、
またボールネジ(46)には吸着反転装置(44)の本体(48)を
雌ネジ部材(49)を介して螺合し、モータ(47)によってボ
ールネジ(46)を回転させることで本体(48)を矢印方向に
進退動せしめるようにしている。

また、本体(48)の先端部には第６図に示すようにヘッド
(50)を枢着し、このヘッド(50)の中間部に本体(48)に基
端部を支持したシリンダユニット(51)のロッド(52)先端
を連結し、シリンダユニット(51)の作動でヘッド(50)が
枢着部を中心として回動するようにしている。ヘッド(5
0)には低圧エアで作動する倣い用のバランスシリンダ(5
3)及びガイドロッド(54)を介してプレート(55)が取付け
られ、このプレート(55)の上端にはパレット(38)の高さ
検出用のリミットスイッチ(56)を固着するとともに、リ
ンク(57)を介して別のプレート(58)を連結し、このプレ
ート(58)にスプリング(59)を介して吸着パッド(60)…を
取付け、これら吸着パッド(60)にはプレート(58)に固着
したガラス検出用のリミットスイッチ(61)を作動せしめ
る操作片(62)を設けている。

以上の如き構成からなる板ガラスの立て掛け装置の作用
を以下に説明する。

湾曲した板ガラス(G)は搬送経路(P)に沿って水平状態で
レール部材(16)下方までコンベアベルト(1)によって搬
送される。

そして上記と併行して合紙供給装置(3)では、先ず給紙
機(10)の吸着パッド(15)により最上位の合紙(8)の後端
部を吸着し、次いで第７図に示すようにアーム(14)を合
紙先端方向に向けて揺動せしめ、合紙(8)の後端部を持
ち上げ、この持ち上げた部分にノズル(63)からエアを吹
き込む。するとエアにより最上位の合紙(8)が下方の合
紙から分離し、且つ最上位の合紙(8)の先端部が第８図
に示すように突出しクランプ爪(23)、(23)間に臨む。こ
の後、吸着パッド(15)による吸着状態を解除する。

次いでシリンダユニット(24)を作動しクランプ爪(23)、
(23)で合紙(8)の先端部を把持し、モータ(21)を駆動し
チェーン(19)を走行せしめる。すると、チェーン(19)に
係止している移動体(20)はレール部材(16)に沿って板ガ
ラス(G)上方を横切るように移動し、クランプ爪(23)、(2
3)に把持された合紙(8)は第９図に示すように板ガラス
(G)上方に引き出される。

そして、移動体(20)及びクランプ爪(23)の移動によって
合紙(8)は板ガラス(G)上方に引き出される。

合紙(8)を板ガラス(G)上方まで引き出したならば第１０
図に示すように、シリンダ(28)を作動し、倣いアーム(3
0)を下方に揺動して倣いアーム(30)の先端部で合紙(8)
を板ガラス(G)の湾曲部に押し付け、合紙(8)全体を板ガ
ラス(G)上面の全面に倣わせ、次いで押えシリンダ(25)
を作動し、パッド(26)で合紙(8)の中央を板ガラス(G)の
中央に押し付け、この状態となった時点でクランプ爪(2
3)、(23)によるクランプを解除する。

次いで合紙(8)を載せた板ガラス(G)をコンベアベルト
(1)により帯電電極(31)の下方を通過せしめ、静電気に
て板ガラス(G)に合紙(8)を密着せしめる。この後板ガラ
ス(G)は左右のアライメント棒(34)、(34)によって位置決
めされる。

板ガラス(G)を位置決めした時点で、吸着反転装置(44)
は第１１図に示すように肯定している。即ち、吸着反転
装置(44)シリンダユニット(51)は縮み状態にありヘッド
(50)は後方に回動し、板ガラス(G)の下方に位置してい
る。

斯る状態からバランスシリンダ(53)を作動させ、ヘッド
(50)に対しプレート(55)を上動させ、第１１図の想像線
で示すように吸着パッド(6)に板ガラス(G)の下面を吸着
する。

次いでモータ(47)及びシリンダユニット(51)を駆動し、
吸着反転装置(44)の本体(48)をパレット(38)方向へ前進
せしめるとともに板ガラス(G)を吸着したヘッド(50)を
前方へ回動させ板ガラス(G)を略垂直状態とする。この
状態を第５図で示している。

ここで、板ガラス(G)がパレット(38)に立て掛ける最初
の板ガラスである場合には、板ガラス(G)下端とパレッ
ト(38)の底板(40)との間隔が特定されていないため、高
さ調整を行って上記間隔を一定、例えば10〜15mmの範囲
にする。

この高さ調整方法は、先ずパレット昇降装置(41)のモー
タ(42)を駆動し、支持片(43)によって台(37)とともにパ
レット(38)を上昇せしめ、第１２図に示すように、パレ
ット(38)の底板(40)を板ガラス(G)の下端に当てる。す
ると、吸着パッド(60)を備えたプレート(58)はリンク(5
7)を介してプレート(55)に取付けられているため、パレ
ット(38)の底板(40)が板ガラス(G)下端に当接すること
で、プレート(58)が上動し、プレート(58)上端部でプレ
ート(55)に設けたリミットスイッチ(56)をオンにし、リ
ミットスイッチ(56)がオンとなることでモータ(42)を一
端停止し、次いで所定時間モータ(42)を逆転させパレッ
ト(38)を一定量だけ効果せしめることでパレット(38)の
底板(40)と板ガラス(G)下端との間隔を、10〜15mmに設
定する。

次いでモータ(47)を作動させ、本体(48)を前進せしめ、
板ガラス(G)をパレット(38)の背板(39)に押し当てる。
すると、吸着パッド(60)が相対的に後退し、吸着パッド
(60)の操作片(62)がリミットスイッチ(61)をオンとし、
この時点で吸着パッド(60)による吸着状態を解除し、板
ガラス(G)をパレット(38)に立て掛ける。

以上の操作を繰り返すことで、板ガラス(G)を順次パレ
ット(38)に重なるように立て掛けるわけであるが、吸着
反転装置(44)が板ガラス(G)を立て掛けた後に後退する
際にカウントを行い、このカウント数に応じて次回の吸
着反転装置(44)のパレット(38)方向への前進量を決定す
る。

（考案の効果） 以上に説明した如く本考案によれば、板ガラスの搬送経
路の上方にレール部材を横架せしめ、このレール部材に
移動体を係合し、移動体に設けたクランプ部材にて合紙
の先端部を把持し、移動体の移動によって合紙を板ガラ
ス上方に引き出し、この後引出した合紙を倣し装置で板
ガラス上面の全面に倣わせ、更に押えシリンダにより合
紙を板ガラスに押し付けるようにしたので、板ガラスに
合紙を入込む作業を完全に自動化でき、しかも一枚の合
紙を正確な位置において板ガラス上面に載せることがで
き、特に湾曲ガラスに対しても通常の平板ガラスと同様
に合紙して入込むことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る合紙入込装置を一部に組込んだ板
ガラスの立て掛け装置の全体斜視図、第２図は給紙機の
傾視図、第３図はクランプ部材の側面図、第４図はパレ
ットの側面図、第５図は板ガラスの吸着反転装置の側面
図、第６図は第５図の一部拡大図、第７図乃至第１０図
は合紙を板ガラス上面に載せるまでの工程を示した図、
第１１図は吸着反転装置の待機状態を示す側面図、第１
２図及び第１３図はパレットの高さ調整工程を示す図で
ある。 尚、図面中(1)はコンベアベルト(3)は合紙供給装置、
(8)は合紙、(9)は昇降板、(10)は給紙機、(16)はレール
部材、(23)はクランプ爪、(25)は押えシリンダ、(30)は
倣いアーム、(31)は帯電電極、(34)はアライメント棒、
(35)はパレット交換装置、(38)はパレット、(41)はパレ
ット昇降装置、(44)は吸着反転装置、(55)、(58)はプレ
ート(60)は吸着パッド、(G)は板ガラスである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板ガラスの搬送経路の側方に設置した合紙
   供給装置と、この合紙供給装置から搬送経路上方に延出
   されたレール部材と、搬送経路上方を横切るように前記
   レール部材に移動可能に取付けられた移動体と、この移
   動体の移動により合紙を板ガラス上方に引出すべく移動
   体に設けられた合紙クランプ部材と、板ガラス上方に引
   出された合紙を板ガラス上面の全面に倣わせるべく前記
   レール部材に設けられた倣し装置と、合紙を板ガラス上
   面に押し付けるべく前記レール部材に取付けられた押え
   シリンダとを備えてなる合紙入込装置。