JPH0531209B2 - - Google Patents

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JPH0531209B2
JPH0531209B2 JP59229548A JP22954884A JPH0531209B2 JP H0531209 B2 JPH0531209 B2 JP H0531209B2 JP 59229548 A JP59229548 A JP 59229548A JP 22954884 A JP22954884 A JP 22954884A JP H0531209 B2 JPH0531209 B2 JP H0531209B2
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Yoshitaka Yasufuku
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Description

【発明の詳細な説明】
イ 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気デイス
ク等の磁気記録媒体に関するものである。 ロ 従来技術 一般に、磁気テープ等の磁気記録媒体は、磁性
粉、バインダー樹脂等からなる磁性塗料を支持体
上に塗布、乾燥することによつて製造される。 こうした磁気記録媒体において、磁性層への添
加剤としてリン酸エステルを使用することが知ら
れている。例えば特公昭47−26882号公報には、
添加剤の1つとしてリン酸エステル系界面活性剤
を使用することが示されている。リン酸エステル
の中で、磁気記録媒体の分野でよく知られている
ものには、脂肪酸アルコール又はアルキルフエノ
ールに酸化エチレンが付加された化合物のリン酸
エステルがあるが、これは分散剤として使用され
ることが多く、次の()式で表わされるもので
ある。但、この()式の化合物はいずれも室温
で液体である。 (但、Xは水酸基又はR′−O(―CH2CH2O)n――で
表わされる基、R′はアルキル基、アルケニル基
又はアルキルフエニル基である。) この()式で表わされるリン酸エステルを使
用した磁気記録媒体は、例えば特公昭59−21087
号、特開昭53−15803号、特公昭57−44970号の各
公報に記載されている。 本発明者は、こうした公知のリン酸エステルに
ついて種々検討を加えた結果、次の如き問題点が
あることを見出した。即ち、近年、高密度記録の
要望が高まり、磁性粉が微細化されるに伴なつ
て、従来の磁気記録媒体に使用される上記()
式のリン酸エステル等では、出力やS/N比を充
分に改善できないことが分つた。即ち、特に
VHSやベータ方式のようなビデオ方式、より高
密度の8mmビデオ、高品位ビデオ、電子スチル記
録、高密度シート記録等にとつて、従来のリン酸
エステルを磁性層に添加しても不充分な磁気記録
再生特性しか得られない。これは、上記()式
のリン酸エステルは室温で液体であるために、不
可避的に生じる致命的な欠点である。 ハ 発明の目的 本発明の目的は、高出力、高S/N比が得ら
れ、かつ耐熱性、耐久性、静止画像安定性等に優
れた磁気記録媒体を提供することにある。 ニ 発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明による磁気記録媒体は、下記一般
式で表わされる室温(又は常温)で固体の化合物
が磁性層に含有されている磁気記録媒体である。 一般式: {但、Aは水酸基或いは−OM(Mはアルカリ金
属)で表わされる基、又は
【式】で表わされる 基(Rは炭素原子数1〜30の脂肪族残基)、nは
20〜200の実数である。} 本発明によれば、上記一般式の化合物(以下、
「本発明の化合物」と称する。)は、磁性塗料の経
時安定性を保持しながら磁性粉等を良好に分散せ
しめ、磁性層等の表面性を向上させることができ
るのみならず、室温で固体であることによつて媒
体の耐熱性、耐久性が大幅に向上する。即ち、本
発明の化合物は、室温で固体(好ましくはワツク
ス状)であり、しかも脂肪族残基で置換された芳
香環を含んでいるので、磁性層の熱的、機械的特
性劣化を防止することができ、分散性を充分に保
持しながら磁性層の耐久性(スチル画像安定性)、
耐熱性等を向上させ、高出力、高S/N比を得る
ことができる。本発明の化合物の融点は20〜70℃
が好ましく、さらに好ましくは60℃以下がよく、
25〜55℃が特に好ましい。これに反し、従来のリ
ン酸エステル、特に上述した()式のリン酸エ
ステルは、アルキル基又はアルケニル基で置換さ
れたフエニル環を有してはいるものの、室温で液
体であるために、磁気記録媒体としての特に耐熱
性、静止画像安定性が悪くなるものと考えられ
る。また、他の公知のリン酸エステルも室温で液
体であるものは同様の欠点を有し、一方、フエニ
ル環を有しないもの、例えばC18H37−OHにエチ
レンオキサイドを付加してリン酸エステル化した
ものは、耐熱性等が問題となる以前に、電磁気特
性等の特性が実用的にみて不充分となり、耐熱性
等も実用に適さないものとなる。 本発明の化合物について、一般式中のnは20〜
200とすることが大事である。すなわち、nは一
桁台の整数である場合には、後述する比較例1、
2、5からも判る通り、到底に本願発明の特長が
奏せられないのである。また、Rは炭素原子数1
〜30とすべきであるが、その炭素原子数を1以上
とするのがバインダーとのなじみを良好とした
り、層中での移動を防止したりする点で望まし
く、また30以下とする方が磁性塗料等の分散不良
を防いだり、リン酸残基の適度の親水性を保てる
点で望ましいからである。上記炭素原子数は更に
2〜24であるのが望ましい。この場合、Rは好ま
しくはアルキル基であり、フエニル基と共に親油
性を呈し、かつエチレングリコール残基{(―
CH2CH2O)―}は親水性を呈するので、これら両
基の比率(特に、n及びRの種類)を調整するこ
とによつて、適切なHLB(Hydrophilic−
Lipophilic Balance:親水性−親油性バランス)
を得ることができる。 また、上記一般式において、Aが
【式】である場合は、 ジエステル体となるが、使用に際しては、このジ
エステル体とAが水酸基であるモノエステル体と
を併用すれば好ましい特性の媒体が得られる。勿
論、モノエステル体とジエステル体とを夫々単独
で使用してもよい。また、上記一般式中のAとし
て、−ONa、−OK等を適用してよいが、この場合
は磁性粉を本発明の化合物で前処理した後に塗料
中に添加するのがよい。 また、本発明の化合物において、上記一般式中
のnを選択することによつて、その化合物の
HLBを8〜14とするのが望ましい。即ち、HLB
が8より小さいと親油性が強くなり、また14より
大きいと親水性が強くなり、いずれの場合も磁性
塗料等の分散剤として分散不良や分散経時安定性
の面で好ましくないことがある。 本発明の化合物の磁性層中への添加量には適切
な範囲であり、磁性粉100重量部に対して1〜10
重量部がよく、2〜7重量部が更によい。添加量
を1重量部以上とすることによつて分散性、耐久
性等を充分とし、層の表面性を良くし、また10重
量部以下とすることによつて塗料の粘度を充分と
して膜厚の制御をし易くなる。 また、本発明の化合物の使用に際し、溶媒とし
てケトン系のもの、鈴えばメチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンや環状エーテル、例えば
ジオキサン、テトラヒドロフラン等を使用するの
が好ましく、これらの溶媒に予め溶解または膨潤
させて使用するのが好ましい。 本発明の化合物の具体例は以下の通りである
が、これらに限定されるものではない。
【表】
【表】 本発明の磁気記録媒体において磁性層のバイン
ダー樹脂として少なくともポリウレタンを使用で
きるが、これはポリオールとポリイソシアネート
との反応によつて合成できる。使用可能なポリオ
ールとしては、フタル酸、アジピン酸、二量化リ
ノレイン酸、マレイン酸等の有機二塩基酸と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール等のグリ
コール類もしくはトリメチロールプロパン、ヘキ
サントリオール、グリセリン、トリメチロールエ
タン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール
類もしくはこれらのグリコール類及び多価アルコ
ール類の中から選ばれた任意の2種以上のポリオ
ールとの反応によつて合成されたポリエステルポ
リオール;又は、s−カプロラクタム、α−メチ
ル−1−カプロラクタム、s−メチル−s−カプ
ロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム類
から合成されるラクトン系ポリエステルポリオー
ル;又はエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド等から合成されるポリ
エーテルポリオール等が挙げられる。 これらのポリオールは、トリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレ
ンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネート等のイソシアネート化合物と反応せしめ、
これによつてウレタン化したポリエステルポリウ
レタン、ポリエーテルポリウレタンや、ホスゲン
やジフエニルカーボネートでカーボネート化した
ポリカーボネートポリウレタンが合成される。こ
れらのポリウレタンは通常は主として、ポリイソ
シアネートとポリオールとの反応で製造され、そ
して遊離イソシアネート基及び/又はヒドロキシ
ル基を含有するウレタン樹脂またはウレタンプレ
ポリマーの形でも、あるいはこれらの反応性末端
基を含有しないもの(例えばウレタンエラストマ
ーの形)であつてもよい。 ポリウレタン、ウレタンプレポリマー、ウレタ
ンエラストマーの製造方法、硬化架橋方法等につ
いては公知であるので、その詳細な説明は省略す
る。 なお、本発明では、バインダー樹脂として上記
のポリウレタンと共に、フエノキシ樹脂及び/又
は塩化ビニル系共重合体も含有せしめれば、磁性
層に適用する場合に磁性粉の分散性が向上し、そ
の機械的強度が増大する。但、フエノキシ樹脂及
び/又は塩化ビニル系共重合体のみでは層が硬く
なりすぎるがこれはポリウレタンの含有によつて
防止でき、支持体又は下地層との接着性が良好と
なる。 使用可能なフエノキシ樹脂には、ビスフエノー
ルAとエピクロルヒドリンの重合より得られる重
合体であり、下記一般式であらわされる。 (但、n82〜13) 例えば、ユニオンカーバイド社製のPKHC、
PKHH、PKHT等がある。 また、使用可能な上記の塩化ビニル系共重合体
としては、 一般式: で表わされるものがある。この場合、
【式】ユニツト及び〔−x〕n――ユニツ ト におけるl及びmから導き出されるモル比は、前
者のユニツトについては、95〜50モル%であり、
後者のユニツトについては5〜50モル%である。 また、Xは塩化ビニルと共重合し得る単量体残
基を表わし、酢酸ビニル、ビニルアルコール、無
水マレイン酸等からなる群より選ばれた少なくと
も1種を表わす。(l+m)として表わされる重
合度は好ましくは100〜600であり、重合度が100
未満になると磁性層等が粘着性を帯び易く、600
を越えると分散性が悪くなる。上記の塩化ビニル
系共重合体は、部分的に加水分解されていてもよ
い。塩化ビニル系共重合体として、好ましくは塩
化ビニル−酢酸ビニルを含んだ共重合体(以下、
「塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体」という。)
が挙げられる。塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体の例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸の各共重合体が挙げられ、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体の中でも、部分加水分解さ
れた共重合体が好ましい。上記の塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体の具体例としては、ユニオン
カーバイド社製の「VAGH」、「VYHH」、
「VMCH」、積水化学(株)製の「エスレツクA」「エ
スレツクA−5」、「エスレツクC」、「エスレツク
M」、電気化学工業(株)製の「デンカビニル
1000G」、「デンカビニル1000W」等が使用でき
る。 また、上記以外にも、バインダー樹脂として繊
維素系樹脂が使用可能であるがこれには、セルロ
ースエーテル、セルロース無機酸エステル、セル
ロース有機酸エステル等が使用できる。セルロー
スエーテルとしては、メチルセルロース、エチル
セルロース等が使用できる。セルロース無機酸エ
ステルとしては、ニトロセルロース、硫酸セルロ
ース、燐酸セルロース等が使用できる。また、セ
ルロース有機酸エステルとしては、アセチルセル
ロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセル
ロース等が使用できる。これら繊維素系樹脂の中
でニトロセルロースが好ましい。 また、バインダー組成全体については、上述の
ウレタン樹脂と、その他の樹脂(フエノキシ樹脂
と塩化ビニル系共重合体等との合計量)との割合
は、重量比で90/10〜40/60であるのが望まし
く、85/15〜45/55が更に望ましいことが確認さ
れている。この範囲を外れて、ウレタン樹脂が多
いと分散が悪くなり易く、またその他の樹脂が多
くなると表面性不良となり易く、特に60重量%を
越えると塗膜物性が総合的にみてあまり好ましく
なくなる。塩化ビニル−酢酸ビニルの場合、ウレ
タン樹脂とかなりの自由度で混合でき好ましくは
ウレタン樹脂は15〜75重量%である。 本発明の磁気記録媒体を構成する層のバインダ
ー樹脂としては、前記したものの他、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化
型樹脂が使用されてもよい。 熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、
平均分子量が10000〜200000、重合度が約200〜
2000程度のもので、例えばアクリル酸エステル−
アクリルニトリロ共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体等が使用される。 熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布乾
燥後には縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。またこれらの樹脂の中で樹脂が
熱分解するまでの間に軟化または溶融しないもの
が好ましい。具体的には、例えばフエノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ア
ルキツド樹脂等である。 電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プレポ
リマー、例えば無水マレイン酸タイプ、ウレタン
アクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ等
が挙げられる。 本発明の磁気記録媒体において、磁性層中に
は、更にカーボンブラツクを添加してよい。この
カーボンブラツクは導電性のあるものが望ましい
が、遮光性のあるものも添加してよい。こうした
導電性カーボンブラツクとしては、例えばコロン
ビアカーボン社製のコンダクテツクス
(Conductex)975(比表面積250m2/g、粒径24m
μ)、コンダクテツクス900(比表面積125m2/g、
粒径27mμ)、カボツト社製のバルカン(Cabot
Vulcan)XC−72(比表面積254m2/g、粒径30m
μ)、ラーベン1040、420、三菱化成(株)製の#44等
がある。遮光用カーボンブラツクとしては、例え
ばコロンビアカーボン社製のラーベン2000(比表
面積190m2/g、粒径18mμ)、2100、1170、
1000、三菱化成(株)製の#100、#75、#40、#35、
#30等が使用可能である。カーボンブラツクはそ
の吸油量が90ml(DBP)/100g以上であるとス
トラクチヤー構造をとり易く、より高い導電性を
示す点で望ましい。 本発明の磁気記録媒体は、例えば第1図に示す
ように、支持体1上に磁性層2を有している。ま
た磁性層2とは反対側の面にBC層3が設けられ
ている。このBC層は設けられてよいが、設けな
くてもよい。磁性層2に使用される磁性粉末、特
に強磁性粉末としては、γ−Fe2O3、Co含有γ−
Fe2O3、Fe3O4、Co含有Fe3O4等の酸化鉄磁性
粉;Fe、Ni、Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−Me−
Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−Cr合
金、Fe−Co−Ni−P合金、Co−Ni合金等Fe、
Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉等各種の
強磁性粉が挙げられる。これらのうち、Co含有
酸化鉄やメタル磁性粉が望ましい。また、磁性粉
のBET値は25m2/g以上、更には30m2/g以上
の場合は本発明の化合物の添加効果が著しい。 磁性層2にはまた、潤滑剤(例えばシリコーン
オイル、グラフアイト、二硫化モリブデン、二硫
化タングステン、炭素原子数12〜20の一塩基性脂
肪酸(例えばステアリン酸)と炭素原子数が3〜
26個の一価のアルコールからなる脂肪酸エステル
等)、研磨材(例えば溶融アルミナ)、帯電防止剤
(例えばグラフアイト)等を添加してよい。 BC層3に含有せしめられる非磁性粉としては、
カーボンブラツク、酸化珪素、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、炭化カル
シウム、酸化亜鉛、α−Fe2O3、タルク、カオリ
ン、硫酸カルシウム、窒化ホウ素、フツ化亜鉛、
二酸化モリブデン、炭酸カルシウム等からなるも
の、好ましくはカーボンブラツク(特に導電性カ
ーボンブラツク)及び/又は酸化チタンからなる
ものが挙げられる。 また、前記の非磁性粉として、有機粉末、例え
ばベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、フ
タロシアニン系顔料等を添加してもよい。 また、第1図の磁気記録媒体は、磁性層2と支
持体1との間に下引き層(図示せず)を設けたも
のであつてよく、或いは下引き層を設けなくとも
よい(以下同様)。また、BC層3にも、上記のウ
レタン樹脂を含有させてもよい。 また、支持体1の素材としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチツ
ク、Al、Zn等の金属、ガラス、BN、Siカーバイ
ド、磁器、陶器等のセラミツクなどが使用され
る。 なお、上記の磁性層等の塗布形成時には、塗料
中に架橋剤としての多官能イソシアネートを所定
量添加しておくのが望ましい。こうした架橋剤と
しては、既述した多官能ポリイソシアネートの
他、トリフエニルメタントリイソシアネート、ト
リス−(p−イソシアネートフエニル)チオフオ
スフアイト、ポリメチレンポリフエニルイソシア
ネート等が挙げられるが、メチレンジイソシアネ
ート系、トリレンジイソシアネート系がよい。 第2図は、他の磁気記録媒体を示すものである
が、第1図の媒体の磁性層2上にOC層4が設け
られている。このOC層4、磁性層2を損傷等か
ら保護するために設けられるが、そのために滑性
が充分である必要がある。そこで、OC層4のバ
インダー樹脂として、上述の磁性層2に使用した
ウレタン樹脂を(望ましくはフエノキシ樹脂及
び/又は塩化ビニル系共重合体を併用して)使用
する。OC層4の表面粗さは特にカラーS/Nと
の関連でRa≦0.01μm、Rmax≦0.13μmとするの
がよい。この場合、支持体1の表面粗さをRa≦
0.01μm、Rmax≦0.13μmとし、平滑な支持体1
を用いるのが望ましい。 第3図は、磁気デイスクとして構成された磁気
記録媒体を示し、支持体1の両面に上述と同様の
磁性層2、OC層4が夫々設けられており、OC層
4には上述のウレタン樹脂を主成分とするバイン
ダー樹脂が含有せしめられてよい。 ホ 実施例 以下、本発明を具体的な実施例につき説明す
る。 以下に示す成分、割合、操作順序等は、本発明
の精神から逸脱しない範囲において種々変更し得
る。 第−1に示す成分を分散させた後、この磁性塗
料を1μmフイルターで濾過後、多官能イソシア
ネート5部を添加し、支持体上に5μm厚みに塗
布してスーパーカレンダーをかけ、1/2インチ幅
にスリツトしてビデオテープ(各実施例、比較例
の番号に対応する)とした。ただし、表−1の第
2欄以後の数字は重量部を表わし、また第2欄以
後の「実」は実施例を、「比」は比較例を表わす。
【表】
【表】 上記の各例によるビデオテープについて次の測
定を行なつた。 クロマS/N: カラービデオノイズメーター「Shibasoku
925D/1」により測定した。 ルミS/N:同上 RF出力: RF出力測定用VTRデツキを用いて4MHzでの
RF出力を測定し、100回再生後の、当初の出力
に対して低下している値を示した。 (単位:dB) 静止画像寿命: 静止画像が2dB低下するまでの時間を、分単位
で示す。値が大きい程磁気記録媒体の耐久性、
耐摩耗性が高い。 夫々の例のビデオテープの性能を表−2に示し
た。
【表】
【表】 但、実−1、実−2、比−3は比−1の値を
0dBとしてクロマS/N、ルミS/N、RF出力
を求めた。実−3、比−4は、H−2の値を0dB
としてクロマS/N、ルミS/N、RF出力を求
めた。 上記結果から、本発明に基いて磁性層に本発明
の化合物を添加することによつて、テープ性能が
著しく向上することが分る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すものであつて、第
1図、第2図、第3図は各例による磁気記録媒体
の一部分の各拡大断面図である。 なお、図面に用いられている符号において、2
……磁性層、3……バツクコート層(BC層)、4
……オーバーコート層(OC層)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式で表される室温で固体の化合物が
    磁性層中に含有されていることを特徴とする磁気
    記録媒体。 一般式 〔但し、Aは−OH或いは−OM(Mはアルカリ金
    属)で表される基、又は で表される基(Rは炭素原子数1〜30の脂肪族残
    基)、nは20〜200の整数〕。
JP59229548A 1984-10-31 1984-10-31 磁気記録媒体 Granted JPS61107533A (ja)

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