JPH0619827B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0619827B2
JPH0619827B2 JP22955084A JP22955084A JPH0619827B2 JP H0619827 B2 JPH0619827 B2 JP H0619827B2 JP 22955084 A JP22955084 A JP 22955084A JP 22955084 A JP22955084 A JP 22955084A JP H0619827 B2 JPH0619827 B2 JP H0619827B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気ディスク等の磁
気記録媒体に関するものである。
ロ、従来技術 一般に、磁気テープ等の磁気記録媒体は、磁性粉、バイ
ンダー樹脂等からなる磁性塗料を支持体上に塗布、乾燥
することによって製造される。
こうした磁気記録媒体において、磁性層等のバインダー
樹脂としてウレタン樹脂が一般に使用されている。従来
から公知のウレタン樹脂は、高分子ジオールとジイソシ
アネートと鎖延長剤と(必要に応じ使用する)架橋剤と
から合成される。高分子ジオールとしては、アジピン
酸、ブタンジオール等から得られるポリエステルジオー
ルや、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオー
ルが挙げられ、ジイソシアネートとしてはジフェニルメ
タンジイソシアネート等が使用可能である。また、鎖延
長剤はエチレングリコール、ブタンジオール等からなっ
ており、架橋剤はポリオール類、ポリアミン類等であっ
てよい。
しかし、このような一般的なウレタン樹脂は、柔軟性に
は優れていても、硬さが不足するためにガイドピンや磁
気ヘッド等との摺接に対して磁気記録媒体の機械的強度
が不良となり、しかも走行性や粉落ちの面でも問題があ
る。例えば、ポリエステルタイプのウレタン樹脂とポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使
用する場合、特に耐熱性、静止画像安定性に問題があっ
た。
一方、磁気記録媒体において、レシチン(天然のリン酸
エステルを主成分とし、数%の各種高級脂肪酸を含有し
たもの)を分散剤として磁性塗料に添加することは古く
から知られている。
しかしながら、レシチンを添加する場合には、磁性粉を
微細化して用いる媒体では満足する結果が得られず、ま
たカレンダー処理時にカレンダーロールを汚し易いとい
う欠点がある。
最近の磁気記録媒体においては、その発展に伴ない、単
に柔いだけのウレタン樹脂やレシチンを磁性層等に含有
せしめる場合、媒体走行時の耐久性や、静止画像安定
性、微細化磁性粉の分散性等が不充分である。
また、磁気記録媒体に使用するリン酸エステル系界面活
性剤は、例えば特公昭47−26882号公報に示されて
いる。リン酸エステルの中で、磁気記録媒体の分野でよ
く知られているものには、脂肪族アルコール又はアルキ
ルフェノールに酸化エチレンが付加された化合物のリン
酸エステルがあるが、これは分散剤として使用されるこ
とが多く、次の(I)式で表わされるものである。
(但、Xは水酸基又は で表わされる基、Rはアルキル基、アルケニル基又はア
ルキルフェニル基である。) この(I)式で表わされるリン酸エステルを使用した磁気
記録媒体は、例えば特公昭59−21087号、特開昭53
−15803号、特公昭57−44970号の各公報に記
載されている。
本発明者は、こうした公知のリン酸エステルについて種
々検討を加えた結果、次の如き問題点があることを見出
した。即ち、近年、高密度記録の要望が高まり、磁性粉
が微細化されるに伴なって、従来の磁気記録媒体に使用
される上記(I)式のリン酸エステル等では、出力やS/
N比を充分に改善できないことが分った。即ち、特にV
HSやベータ方式のようなビデオ方式、より高密度の8
mmビデオ、高品位ビデオ、電子スチル記録、高密度シー
ト記録等にとって、従来のリン酸エステルを磁性層に添
加しても不充分な磁気記録再生特性しか得られない。
ハ、発明の目的 本発明の目的は、高出力、高S/N比が得られ、かつ耐
熱性、耐久性、静止画像安定性等に優れた磁気記録媒体
を提供することにある。
ニ、発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明による磁気記録媒体は、降伏点を有するウ
レタン樹脂と、下記一般式で表わされる化合物とが磁性
層に含有されている磁気記録媒体である。
一般式: {但、Aは水酸基或いは−OM(Mはアルカリ金属)で
表わされる基、又は で表わされる基、nは1〜30の実数である。} 本発明によれば、第1図に曲線aで示す従来のウレタン
樹脂と特性に比べ、第1図に曲線bで例示して示すよう
な降伏点YPを有するウレタン樹脂を使用しているの
で、降伏点YPに至るまでは応力が加わっても伸びが非
常に小さく、このためにウレタン樹脂に適度な硬さが付
与され、かつ降伏点YP以降は破壊することなく応力と
共に伸びる性質を示し、バインダー樹脂としての柔軟性
及び結着力も適度に有せしめられる。この結果、磁気記
録媒体の機械的強度が向上して摺接時の摩耗等の損傷、
粉落ち等が大幅に少なくなり、走行性も著しく改善され
ることになる。特にVTR用の磁気テープではエッジ折
れ等がなく、エッジ近傍のコントロールトラックを保持
してその機能を良好に発揮させることができる。上記降
伏点YPは、ウレタン樹脂の性能にとって重要であり、
50〜600kg/cm2、望ましくは100〜560kg/cm2の応力範囲
(第1図の例では約290kg/cm2)で降伏点が存在するのが
望ましい。降伏点が存在する範囲が、応力50kg/cm2以上
とすれば樹脂が柔かくなりすぎるのを防ぎ、600kg/cm2
以下とすれば樹脂が硬くなってもろくなるのを防止でき
る。また、この降伏点を有するウレタン樹脂は、分散性
の面でも良好であり、磁性層の耐久性が向上する。
ここで、降伏点の測定条件は例えばJISK−6301
に詳しく述べられている。以下にその測定方法について
説明する。
厚さ100μmのウレタン樹脂のフィルムを80゜C
で、10分、続いて120゜Cで、10分熱処理し、そ
の後に25゜C、55%RH(相対湿度)の雰囲気下に
3日間放置後、同条件下でJISK−6301に従い、
2号ダンベルを用い、引っ張り速度200mm/分で測
定する。
降伏点を有する上記ウレタン樹脂は、上記の優れた性能
を発揮するには、分子中に環状炭化水素残基を有してい
るのがよい。この環状炭化水素残基は飽和環状炭化水素
残基であるのが好ましく、これには2価又は1価のシク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等、或いはこれらの誘
導体(例えばメチル基等のアルキル基置換体、塩素原子
等のハロゲン置換体)からなるものが挙げられる。これ
らの飽和環状炭化水素残基はウレタン樹脂に適度な硬さ
を付与する点、及び原料入手性の面から望ましいもので
ある。また、この環状炭化水素残基の結合位置は、ウレ
タン樹脂分子の主鎖中であるのがよいが、その側鎖に結
合していてもよい。また、ウレタン樹脂中での環状炭化
水素残基をもつ構成成分の量を変化させることにより、
任意のガラス転移点(Tg)を持つウレタン樹脂を得る
ことができ、Tgとしては−30℃〜100℃、好ましくは0
℃〜90℃である。Tgを−30℃以上とすれば、樹脂が柔か
くなる(Tg<−30℃)ことによる膜強度の低下を防止
し、また100℃以下とすれば、膜が必要以上に硬くても
ろくなるのを防止できる。
また、本発明者は本発明に到達する過程で、次の如き新
たな認識を得た。従来のリン酸エステル、特に上述した
(I)式のリン酸エステルのうち芳香族系のものは専ら分
散剤として磁性粉の分散性を高めるという観点から、そ
の分子内のフェニル基にはアルキル基を置換導入してア
ルキルフェニル基としている。従って、同フェニル基は
アルキル基の如き置換基を有していないと、分散性が悪
くなるという強固な既成概念があった。しかしながら、
本発明者が検討を加えたところ、上記した分散性はリン
酸エステルそれ自体の物性のみで決められているにすぎ
ず、実際に磁性層に添加した場合には磁性層の各種成分
とのなじみや、磁性塗料中でのリン酸エステル分子の挙
動等については考察がなされてはいない。この点につい
て、上記の従来のリン酸エステルは、分子内に存在する
アルキルフェニル基の置換アルキル基が立体障害を生じ
たり或いは一定の運動を行なうために、磁性層中の他の
成分となじみが悪くなり、磁性層の耐久性等が低下する
ものと考えられる。
これに対し、本発明の上記一般式の化合物(以下、「本
発明の化合物」と称する。)は、分子内に存在するフェ
ニル基には何ら置換基が導入されていないので、上記し
た如き現象が生じず、それ自体による分散性を充分に保
持しながら磁性層の耐久性(特にスチル耐久性)、耐熱
性等を向上させ、高出力、高S/N比を得ることができ
る。この場合、分子内のフェニル基は親油性や剛性(ri
gid)を示し、疎水性を呈する一方、分子内のエチレン
グリコール残基 は親水性を呈するので、これら両基の比率を調整するこ
とによって、適切なHLB(Hydrophilic-Lipophilic B
alance:親水性−親油性バランス)を得ることができ
る。
本発明の化合物において、上記一般式中、磁性層中での
磁性粉の分散性を保持する上でn=1〜30の実数とすべ
きであり、n=2〜20とすれば更に分散性が良好とな
る。また、Aが である場合は、ジエステル体となるが、使用に際して
は、このジエステル体とAが水酸基であるモノエステル
体とを併用すれば好ましい特性の媒体が得られる。勿
論、モノエステル体とジエステル体とを夫々単独で使用
してもよい。また、上記一般式中のAとして、−ON
a、−OK 等を適用してよいが、この場合は磁性粉を
本発明の化合物で前処理した後に塗料中に添加するのが
よい。
また、本発明の化合物において、上記一般式中のnを選
択することによって、その化合物のHLBを8〜14とす
るのが望ましい。即ち、HLBが8より小さいと親油性
が強くなり、また14より大きいと親水性が強くなり、い
ずれの場合も磁性塗料等の分散剤として分散不良や分散
経時安定性の面で好ましくないことがある。
本発明の化合物の磁性層中への添加量には適切な範囲が
あり、磁性粉100 重量部に対して1〜10重量部がよく、
2〜7重量部が更によい。添加量を1重量部以上とする
ことによって分散性、耐久性等を充分とし、層の表面性
を良くし、また10重量部以下とすることによって塗料の
粘度を充分として膜厚の制御をし易くなる。
本発明の化合物の具体例は以下の通りであるが、これら
に限定されるものではない。
例示化合物 例示化合物 例示化合物 例示化合物 例示化合物 例示化合物 例示化合物 例示化合物 また、本発明に使用する上記ウレタン樹脂はポリオール
とポリイソシアネートとの反応によって合成可能であ
る。この際、上記環状炭化水素残基を導入するには、次
の(1)〜(4)の方法を採用することができる。
(1)、ポリオール(例えば高分子シオール)の原料とな
る多価アルコールとして、予め環状炭化水素残基を有し
た多価アルコールを用いる方法。
(2)、上記ポリオールの原料となる有機二塩基酸(ジカ
ルボン酸)として、予め環状炭化水素残基を有したジカ
ルボン酸を用いる方法。
(3)、上記(1)と(2)の多価アルコール及びジカルボン酸
をポリオールの原料に用いる方法。
(4)、上記(1)〜(3)のいずれかと併用して、或いは単独
で、鎖延長剤として予め環状炭化水素残基を有した多価
アルコールを用いる方法。
例えば、上記ウレタン樹脂を得る合成方法として、1,
4−ジ−ヒドロキシメチルシクロヘキサン とアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)と
から得られるポリエステルポリオールをメチレン−ビス
−フェニィイソシアネート でウレタン化する方法が挙げられる。この際、鎖延長剤
は上記の1,4−ジ−ヒドロキシメチルシクロヘキサン
又は他のジオール(例えばブタン−1,4−ジオール)
であってよい。
環状炭化水素残基を予め有していてよい上記多価アルコ
ールは、上記した如くエチレングリコール構造の分子鎖
中にシクロヘキシル基を有するものが使用可能である
が、そうした構造以外にもプロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコー
ル類もしくはトリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリ
スリトールなどの多価アルコール類もしくはこれらのグ
リコール類、又はその構造中に環状炭化水素残基を有す
るものが使用できる。また、使用可能な二塩基酸はフタ
ル酸、二量化リノレイン酸、マレイン酸等、又はこれら
の分子中に環状炭化水素残基を有するものも挙げられ
る。上記のポリオールに代えて、s−カプロラクタム、
α−メチル−1−カプロラクタム、s−メチル−s−カ
プロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム類から
合成されるラクトン系ポリエステルポリオール;または
エチレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどから合成
されるポリエーテルポリオール等も使用してよい。
これらのポリオールは、トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート等のイソシアネ
ート化合物と反応せしめ、これによってウレタン化した
ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン
が合成される。これらの本発明に係るウレタン樹脂は通
常は主として、ポリイソシアネートとポリオールとの反
応で製造され、そして遊離イソシアネート基及び/又は
ヒドロキシル基を含有するウレタン樹脂またはウレタン
プレポリマーの形でも、あるいはこれらの反応性末端温
を含有しないもの(例えばウレタンエアストマーの形)
であってもよい。
また、使用可能な鎖延長剤は、上記に例示した多価アル
コール(分子中に環状炭化水素残基を有していてよい
し、或いは有していなくてもよい。)であってよい。
なお、バインダー樹脂として上記のウレタン樹脂と共
に、フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体も
含有せしめれば、磁性層に適用する場合に磁性粉の分散
性が向上し、その機械的強度が増大する。但、フェノキ
シ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体のみでは層が硬
くなりすぎるがこれはポリウレタンの含有によって防止
でき、支持体又は下地層との接着性が良好となる。
使用可能なフェノキシ樹脂には、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンの重合より得られる重合体であり、下
記一般式であらわされる。
(但、n82〜13) 例えば、ユニオンカーバイド社製のPKHC、PKH
H、PKHT等がある。
また、使用可能な上記の塩化ビニル系共重合体として
は、 一般式: で表わされるものがある。この場合、 におけるおよびmから導き出されるモル比は、前者の
ユニットについては95〜50モル%であり、後者のユニッ
トについては 5〜50モル%である。
また、Xは塩化ビニルと共重合体し得る単量体残基を表
わし、酢酸ビニル、ビニルアルコール、無水マレイン酸
等からなる群より選ばれた少なくとも1種を表わす。
(+m)として表わされる重合度は好ましくは100〜6
00であり、重合度が100未満になると磁性層等が粘着性
を帯び易く、600を越えると分散性が悪くなる。上記の
塩化ビニル系共重合体は、部分的に加水分解されていて
もよい。塩化ビニル系共重合体として、好ましくは塩化
ビニル−酢酸ビニルを含んだ共重合体(以下、「塩化ビ
ニル−酢酸ビニル系共重合体」という。)が挙げられ
る。塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の例としては、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−無水マレイン酸の各共重合体が挙げら
れ、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の中でも、部分
加水分解された共重合体が好ましい。上記の塩化ビニル
−酢酸ビニル系共重合体の具体例としては、ユニオンカ
ーバイト社製の「VAGH」、「VYHH」、「VMC
H」、精水化学(株)製の「エスレックA」「エスレック
A−5」、「エスレックC」、「エスレックM」、電気
化学工業(株)製の「デンカビニル1000 」、「デンカビ
ニル1000W」等が使用できる。
また、上記以外にも、バインダー樹脂として繊維素系樹
脂が使用可能であるがこれには、セルロースエーテル、
セルロース無機酸エステル、セルロース有機酸エステル
等が使用できる。セルロースエーテルとしては、メチル
セルロース、エチルセルロース等が使用できる。セルロ
ース無機酸エステルとしては、ニトロセルロース、硫酸
セルロース、燐酸セルロース等が使用できる。また、セ
ルロース有機酸エステルとしては、アセチルセルロー
ス、プロビオニルセルロース、ブチリルセルロース等が
使用できる。これら繊維素系樹脂の中でニトロセルロー
スが好ましい。
また、バインダー組成全体については、上述のウレタン
樹脂と、その他の樹脂(フェノキシ樹脂と塩化ビニリ系
共重合体等との合計量)との割合は、重合比で90/10〜
40/60であるのが望ましく、85/15〜45/55が更に望ま
しいことが確認されている。この範囲が外れて、ウレタ
ン樹脂が多いと分散が悪くなり易く、またその他の樹脂
が多くなると表面性不良となり易く、特に60重量%を越
えると塗膜物性が総合的にみてあまり好ましくなくな
る。塩化ビニル−酢酸ビニルの場合、ウレタン樹脂とか
なりの自由度で混合でき、好ましくはウレタン樹脂は15
〜75重量%である。
本発明の磁気記録媒体を構成する層のバインダ−樹脂と
しては、前記したものの他、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂が使用されても
よい。
熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、平均分
子量が10,000〜200,000、重合度が約 200〜2,000程度の
もので、例えばアクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体等が使用さ
れる。
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、塗布液の状態
では200,000以下の分子量であり、塗布乾燥後には縮
合、付加等の反応により分子量は無限大のものとなる。
また、これらの樹脂のなかで樹脂が熱分解するまでの間
の軟化または溶融しないものが好ましい。具体的には、
例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキッド樹脂等である。
電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プレポリマー、
例えば無水マレイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイ
プ、ポリエステルアクリルタイプ等が挙げられる。
本発明の磁気記録媒体において、上記のウレタン樹脂を
含有した層中には、更にカーボンブラックを添加してよ
い。このカーボンブラックは導電性のあるものが望まし
いが、遮光性のあるものも添加してよい。こうした導電
性カーボンブラックとしては、例えばコロンビアカーボ
ン社製のコンダクテックス(Conductex)975(比表面積
250m2/g、粒径24mμ)、コンダクテックス900(比表
面積125m2/g、粒径27mμ)、カボット社製のバルカン
(Cabot Vulcan)XC−72(比表面積254m2/g、粒径3
0mμ)、ラーベン1040、420、三菱化成(株)製の#44等
がある。遮光用カーボンブラックとしては、例えばコロ
ンビアカーボン社製のラーベン2000(比表面積1902
g、粒径18mμ)、2100、1170、1000、三菱化成(株)製
の#100、#75、#40、#35、#30等が使用可能であ
る。カーボンブラックはその吸油量が90m(DBP)
/100g以上であるとストラクチャー構造をとり易く、
より高い導電性を示す点で望ましい。
本発明の磁気記録媒体は、例えば第2図に示すように、
支持体1上に磁性層2を有している。
また磁性層2とは反対側の面にBC層3が設けられてい
る。このBC層は設けられてよいが、設けなくてもよ
い。磁性層2に使用される磁性粉末、特に強磁性粉末と
しては、γ−Fe2O3、Co含有γ−Fe2O3、Fe3O4、Co
含有Fe3O4等の酸化鉄磁性粉;Fe、Ni、Co、Fe−Ni−Co
合金、Fe−Mn−Zn 合金、Fe−Ni−Zn 合金、Fe−Co
−Ni−Cr 合金、Fe−Co−Ni−P合金、Co−Ni合
金、Fe−Al合金、Fe−Ni合金、Fe−Ni−A
l合金、Fe−Al−Zn合金等Fe、Ni、Co等を主成分
とするメタル磁性粉等各種の強磁性粉が挙げられる。
これらのうち、Co含有酸化鉄やメタル磁性粉が望まし
い。また、磁性粉のBET値は25m2/g以上、更には30
m2/g以上の場合は本発明の化合物の添加効果が著し
い。
磁性層2にはまた、潤滑剤(例えばシリコーンオイル、
グラファイト、二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン、炭素原子数12〜20の一塩基性脂肪酸(例えばステア
リン酸)、炭素原子数12〜20の一塩基性脂肪酸(例えば
ステアリン酸)と炭素原子数4 〜56個の一価のアルコー
ルからなる脂肪酸エステル等)、研磨材(例えばアルミ
ナ)、帯電防止材(例えばグラファイト)等を添加して
よい。
BC層3に含有せしめられる非磁性粉としては、カーボ
ンブラック、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム、炭化珪素、炭化カルシウム、酸化亜
鉛、α−Fe2O3、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、
窒化ホウ素、フッ化亜鉛、二酸化モリブデン、炭酸カル
シウム等からなるもの、好ましくはカーボンブラック
(特に導電性カーボンブラック)及び/又は酸化チタン
からなるものが挙げられる。
また、前記の非磁性粉として、有機粉末、例えばベンゾ
グアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、フタロシアニン系
顔料等を添加してもよい。
また、第2図の磁気記録媒体は、磁性層2と支持体1と
の間に下引き層(図示せず)を設けたものであってよ
く、或いは下引き層を設けなくてもよい(以下同様)。
また、支持体にコロナ放電処理をほどこしてもよい。ま
た、BC層3にも、本発明によるウレタン樹脂を含有さ
せてもよい。
また、支持体1の素材としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレン等のプラスチック、Al、Zn等の
金属、ガラス、BN、Siカーバイド、磁器、陶器等の
セラミックなどが使用される。
なお、上記の磁性層等の塗布形成時には、塗料中に架橋
剤としての多官能イソシアネートを所定量添加しておく
のが望ましい。こうした架橋剤としては、即述した多官
能ポリイソシアネートの他、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、トリスー(p−イソシアネートフェニ
ル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアネート等が挙げられるが、メチレンジイソシアネー
ト系、トリレンジイソシアネート系がよい。
第3図は、他の磁気記録媒体を示すものであるが、第2
図の媒体の磁性層2上にOC層4が設けられている。こ
のOC層4は、磁性層2を損傷等から保護するために設
けられるが、そのため滑性が充分である必要がある。そ
こで、OC層4のバインダー樹脂として、上述の磁性層
2の使用したウレタン樹脂を(望ましくはフェノキシ樹
脂及び/又は塩化ビニル系共重合体を併用して)使用す
る。OC層4の表面粗さは特にカラーS/Nとの関連でRa
≦0.01μm、Rmax≦0.13μmとするのがよい。この場
合、支持体1の表面粗さをRa≦0.01μm、Rmax≦0.13μ
mとし、平滑な支持体1を用いるのが望ましい。
第4図は、磁気ディスクとして構成された磁気記録媒体
を示し、支持体1の両面に上述と同様の磁性層2、OC
層4が夫々設けられており、OC層4には上述のウレタ
ン樹脂を主成分とするバインダー樹脂が含有せしめられ
てよい。
ホ、実施例 以下、本発明を具体的な実施例につき説明する。以下に
示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精神から逸脱
しない範囲において種々変更しうる。
表−1に示す成分を分散させた後、この磁性塗料を1μ
mフィルターで濾過後、多官能イソシアネート5部を添
加し、支持体上に5μm厚みに塗布してスーパーカレン
ダーをかけ、1/2インチ幅にスリットしてビデオテー
プ(各実施例、比較例の番号に対応する)とした。ただ
し、表−1の第2欄以後の数字は重量部を表わし、また
第2欄以後の「実」は実施例を、「比」は比較例を表わ
す。
又、上記の実施例1におけるポリウレタンの代わりに、 とイソフタル酸とネオペンチルグリコールから合成した
分子量約15万の降伏点を有するポリウレタンを用いて
実施例1と同様に行い、ビデオテープを得た(実施例
4)。又、上記の実施例1における例示化合物のモノ
エステルとジエステルの混合物の代わりに、例示化合物
のNa塩のモノエステルとジエステルの混合物を用い
て実施例1と同様に行い、ビデオテープを得た(実施例
5)。
上記の各例によるビデオテープについて次の測定を行な
った。
クロマS/N: カラービデオノイズメーター「Shibasoku925D/1」に
より測定した。
ルミS/N:同上。
RF出力: RF出力測定用VTRデッキを用いて4MHzでのRF出
力を測定し、 100回再生後の、当初の出力に対して低下
している値を示した。
(単位:dB) 静止画像寿命: 静止画像が2dB低下するまでの時間を、分単位で示
す。値が大きい程磁気記録媒体の耐久性、耐摩耗性が高
い。
夫々の例のビテオテープに性能を表−2に示した。
但、実−1、実−2、実−4、実−5比−3、比−4
は、比−1の値を0dBとしてクロマS/N、ルミS/N
RF出力を求めた。
実−3は、比−2の値を0 dBとしてクロマS/N、ル
ミS/NRF出力を求めた。
上記結果から、本発明に基いて磁性層に本発明の化合物
及びウレタン樹脂を添加することによって、テープ性能
が著しく向上することが分る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すものであって、第1図はウ
レタン樹脂の応力−伸び率の関係を示す曲線図、 第2図、第3図、第4図は各例による磁気記録媒体の一
部分の各拡大断面図 である。 なお、図面に用いられる符号において、 2……磁性層 3……バックコート層(BC層) 4……オーバーコート層(OC層) である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】降伏点を有するウレタン樹脂と、下記一般
    式で表わされる化合物とが磁性層に含有されている磁気
    記録媒体。 一般式: {但、Aは水酸基或いは−OM(Mはアルカリ金属)で
    表わされる基、又は で表わされる基、nは1〜30の実数である。}
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