JPH05250653A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05250653A
JPH05250653A JP20321991A JP20321991A JPH05250653A JP H05250653 A JPH05250653 A JP H05250653A JP 20321991 A JP20321991 A JP 20321991A JP 20321991 A JP20321991 A JP 20321991A JP H05250653 A JPH05250653 A JP H05250653A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic layer
urethane resin
resin
recording medium
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Application number
JP20321991A
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English (en)
Inventor
Shigeto Goto
成人 後藤
Tetsuro Sunaga
哲朗 須永
Yoshitaka Yasufuku
義隆 安福
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 降伏点を有するウレタン樹脂と、メタル磁性
粉とが磁性層に含有され、かつこの磁性層の平均表面粗
さが0.02μm以下である磁気記録媒体。 【効果】 磁性層に適度な柔軟性と共に充分な機械的強
度及び耐久性、更には走行安定性が付与され、高出力、
S/N比に優れた磁気記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ、磁気シー
ト、磁気ディスク等の磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】一般に、磁気記録媒体は、磁性粉とバイン
ダー樹脂等を含む磁性塗料を支持体上に塗布乾燥するこ
とによって製造される。
【0003】こうした磁気記録媒体において、磁性層等
のバインダー樹脂としてウレタン樹脂が一般に使用され
ている。従来から公知のウレタン樹脂は、高分子ジオー
ルとジイソシアネートと鎖延長剤と(必要に応じて使用
する)架橋剤とから合成される。
【0004】高分子ジオールとしては、アジピン酸、ブ
タンジオール等から得られるポリエステルジオールや、
ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールが挙
げられ、ジイソシアネートとしてはジフェニルメタンジ
イソシアネート等が使用可能である。また、鎖延長剤は
エチレングリコール、ブタンジオール等からなってお
り、架橋剤はポリオール類、ポリアミン類等であってよ
い。
【0005】しかし、このような一般的なウレタン樹脂
は、柔軟性には優れていても、硬さが不足するためにガ
イドピンや磁気ヘッド等との摺接に対して磁気記録媒体
の機械的強度が不良となる。
【0006】しかも、ウレタン樹脂は粘着性をもち易い
ため、例えばビデオテープの場合にスティックスリップ
と称される不安定な走行を生じ易く、図6に示すよう
に、磁性層の平均表面粗さ(Ra−mag)が特に0.01
4 μm以下となればジッターが増え、走行不安定が著し
くなる。従って、走行安定性のために磁性層の表面を粗
くすることが行なわれることがあるが、これでは却って
出力低下を招いてしまい、不都合である。
【0007】一方、磁気記録媒体において、高出力を示
すメタル磁性粉が注目されている。メタル磁性粉は高密
度充填することにより他の磁性粉に比べてRF出力の向
上等において有利な材料である。
【0008】しかしながら、メタル磁性粉は一般に酸化
鉄磁性粉よりも機械的強度が弱く、また分散性も比較的
悪いという問題があり、これを十分に克服した媒体は未
だ提案されていないのが実情である。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、磁性層に適度な柔軟性
と共に充分な機械的強度及び耐久性更には走行安定性が
付与され、高出力、S/N比に優れた磁気記録媒体を提
供することにある。
【0010】
【発明の構成及びその作用効果】即ち、本発明による磁
気記録媒体は、降伏点を有するウレタン樹脂と、メタル
磁性粉とが磁性層に含有され、かつこの磁性層の平均表
面粗さが0.02μm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明によれば、従来のウレタン樹脂とは
根本的に異なる、降伏点を有するウレタン樹脂を層中に
含有せしめていることが極めて重要である。
【0012】即ち、一般的なウレタン樹脂は、図1に曲
線aで示す物性を有していて柔軟性には優れていても、
硬さが不足するためにガイドピンや磁気ヘッド等との摺
接に対して磁気記録媒体の機械的強度が不良となり易
く、しかも走行性や粉落ちの面でも問題が生じ易い。こ
れに対し、本発明で使用するウレタン樹脂は、図1に曲
線bで例示して示すような降伏点YPを有するウレタン
樹脂であるから、降伏点YPに至るまでは応力が加わっ
ても伸びが非常に小さく、このためにウレタン樹脂に適
度な硬さが付与され、かつ降伏点YP以降は破壊するこ
となく応力と共に伸びる性質を示し、バインダー樹脂と
しての柔軟性及び結着力も適度に有せしめられる。
【0013】この結果、磁気記録媒体の機械的強度が向
上して摺接時の摩耗等の損傷、粉落ち等が大幅に少なく
なり、走行性も著しく改善されることになる。特に、V
TR用の磁気テープではエッジ折れ等がなく、エッジ近
傍のコントロールトラックを保持してその機能を良好に
発揮させることができる。
【0014】このように、降伏点を有するウレタン樹脂
によって、磁性層の強度が大で強靱となるため、強度が
比較的弱いメタル磁性粉を用いてもこの磁性粉は磁性層
中に良好に保持され、結果的にRF出力等が向上し、メ
タル磁性粉のもつ本来の高出力特性を十二分に発揮する
ことができるのである。
【0015】これに反し、降伏点を有するウレタン樹脂
を使用しないで、メタル磁性粉の強度を研磨剤の添加に
よって補なおうとした場合、磁性層の面が荒れ易くな
り、出力低下等を招いてしまう。本発明によれば、そう
した研磨剤の添加に依存するのではなく、降伏点を有す
るウレタン樹脂によって磁性層の強度を出せ、しかもそ
の表面性を良好に保持することができる。
【0016】この表面性については更に、降伏点を有す
るウレタン樹脂を用いると通常のウレタン樹脂に比べ、
メタル磁性粉の分散性が良くなり、本来分散性があまり
よくないメタル磁性粉の分散を促進し、これが磁性層の
表面粗さを特に本発明の0.02μm以下と小さくして表面
性の向上に寄与することになる。
【0017】一般に、表面性を上げた場合、通常のウレ
タン樹脂を用いると磁性層面上を媒体が走行するに際
し、ジッターが増加する傾向がある。しかし、上記の降
伏点を有するウレタン樹脂の使用によって、媒体の走行
がスムーズとなり、ジッターの発生を大幅に減少させる
ことができる。
【0018】そして、本発明によれば、上記の降伏点を
有するウレタン樹脂をバインダー樹脂とした磁性層の平
均表面粗さ(Ra−mag)と、例えばクロマS/Nと
は、図2に示す如き強い相関性を有することが確認され
た(但し、図2のデータは、Ra−magが0.020 μm
の媒体のクロマS/Nを0dBとしたときの相対値で表
した)。
【0019】これによれば、Ra−magを本発明に従
って0.020 μm以下とすることにより、クロマS/Nが
大きくなり、Ra−magの値に反比例してクロマS/
Nが変化することが分る。従って、Ra−magは0.02
0 μm以下とするべきであり、0.016 μm以下が望まし
く、更に0.014 μm以下とすれば高品質の要求されるハ
イファイ用、ハイグレード用、高解像力用、マスターテ
ープ用等として好適となる。
【0020】なお、Ra−magはあまり小さくすると
画ゆれをおこすなど走行特性が不安定になり易いので、
その下限は0.005 μmとするのが望ましい。
【0021】本発明による上記範囲のRa−magを実
現するには、磁性層を形成する際に用いる分散剤の量は
0.5 〜6重量%とするのが望ましい。この範囲を外れ
て、分散剤が少なすぎると分散不良によって磁性層の表
面粗さを上記した如くにRa−mag≦0.020 μmと所
定範囲の小さな値にすることが困難となり、また分散剤
が多すぎると磁性層から分散剤のブリードアウトが生じ
易くなる。
【0022】また、本発明で使用するウレタン樹脂は、
従来のウレタン樹脂に比べて粘着性が小さいから、例え
ばビデオテープの場合に走行が安定となり、ジッター値
が従来のものより小さく抑えることができる。このた
め、磁性層のRa−magを0.014 μm以下としても走
行性が不安定になることがなく、かつ高出力も保持でき
るという利点がある。
【0023】本発明において、上記降伏点YPは、ウレ
タン樹脂の性能にとって重要であり、50〜600kg /c
m2 、望ましくは100 〜560kg /cm2 の応力範囲(図1
の例では約290kg /cm2 )で降伏点が存在するのが望ま
しい。降伏点が存在する範囲が、応力50kg/cm2 以上と
すれば樹脂が柔らかくなりすぎるのを防ぎ、600kg /cm
2以下とすれば樹脂が硬くなってもろくなるのを防止で
きる。
【0024】ここで、降伏点の測定条件は例えばJIS
K−6301に詳しく述べられている。その測定方法につい
て説明すると、厚さ100 μmのウレタン樹脂のフィルム
を80℃で、10分、続いて120 ℃で、10分加熱処理し、そ
の後に25℃、55%RH(相対湿度)の雰囲気下に3日間
放置後、同条件下でJISK−6301に従い、2号ダンベ
ルを用い、引っ張り速度200mm /分で測定する。
【0025】なお、上記の「平均表面粗さ」は、次の如
くにして測定する。即ち、JIS−B0601の5項に示さ
れた粗さ曲線のカットオフ値0.25mmの中心線あらさでの
測定値を用い、測定装置は小坂研究所製、三次元粗さ測
定器SE−3FKを用いた。
【0026】降伏点を有する上記ウレタン樹脂は、上記
の優れた性能を発揮するには、分子中に環状炭化水素残
基を有しているのがよい。この環状炭化水素残基は飽和
環状炭化水素残基であるのが好ましく、これには2価又
は1価のシクロペンチル基、シクロヘキシル基等、或い
はこれらの誘導体(例えばメチル基等のアルキル基置換
体、塩素原子等のハロゲン置換体)からなるものが挙げ
られる。
【0027】これらの飽和環状炭化水素残基はウレタン
樹脂に適度な硬さを付与する点、及び原料入手性の面か
ら望ましいものである。
【0028】また、この環状炭化水素残基の結合位置
は、ウレタン樹脂分子の主鎖中であるのがよいが、その
側鎖に結合していてもよい。
【0029】また、ウレタン樹脂中での環状炭化水素残
基をもつ構成成分の量を変化させることにより、任意の
ガラス転移点(Tg)を持つウレタン樹脂を得ることが
でき、Tgとしては−30℃〜100 ℃、好ましくは0℃〜
90℃である。Tgを−30℃以上とすれば、樹脂が柔らか
くなる(Tg<−30℃)ことによる膜強度の低下を防止
し、また100 ℃以下とすれば、膜が必要以上に硬くても
ろくなるのを防止できる。
【0030】バインダー樹脂として使用する上記ウレタ
ン樹脂はポリオールとポリイソシアネートとの反応によ
って合成可能である。この際、上記環状炭化水素残基を
導入するには、次の(1)〜(4)の方法を採用するこ
とができる。
【0031】(1).ポリオール(例えば高分子ジオー
ル)の原料となる多価アルコールとして、予め環状炭化
水素残基を有した多価アルコールを用いる方法。
【0032】(2).上記ポリオールの原料となる有機
二塩基酸(ジカルボン酸)として、予め環状炭化水素残
基を有したジカルボン酸を用いる方法。
【0033】(3).上記(1)と(2)の多価アルコ
ール及びジカルボン酸をポリオールの原料に用いる方
法。
【0034】(4).上記(1)〜(3)のいずれかと
併用して、或いは単独で、鎖延長剤として予め環状炭化
水素残基を有した多価アルコールを用いる方法。
【0035】例えば、上記ウレタン樹脂を得る合成方法
として、1,4−ジ−ヒドロキシメチルシクロヘキサン
【化1】 とアジピン酸(HOOC−(CH2 4 −COOH)と
から得られるポリエステルポリオールをメチレン−ビス
−フェニルイソシアネート
【化2】 でウレタン化する方法が挙げられる。この際、鎖延長剤
は上記の1,4−ジ−ヒドロキシメチルシクロヘキサン
又は他のジオール(例えばブタン−1,4−ジオール)
であってよい。
【0036】環状炭化水素残基を予め有していてよい上
記多価アルコールは、上記した如くエチレングリコール
構造の分子鎖中にシクロヘキシル基を有するものが使用
可能であるが、そうした構造以外にもプロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ジエチレングリコールなど
のグリコール類もしくはトリメチロールプロパン、ヘキ
サントリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類もしくは
これらのグリコール類、又はその構造中に環状炭化水素
残基を有するものが使用できる。
【0037】また、使用可能な二塩基酸はフタル酸、二
量化リノレイン酸、マレイン酸等、又はこれらの分子中
に環状炭化水素残基を有するものも挙げられる。
【0038】上記のポリオールに代えて、s−カプロラ
クタム、α−メチル−1−カプロラクタム、s−メチル
−s−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタ
ム類から合成されるラクトン系ポリエステルポリオー
ル;またはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなどから合成されるポリエーテ
ルポリオール等も使用してよい。
【0039】これらのポリオールは、トリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン
ジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等
のイソシアネート化合物と反応せしめ、これによってウ
レタン化したポリエステルポリウレタン、ポリエーテル
ポリウレタンが合成される。
【0040】これらの本発明に係るウレタン樹脂は通常
は主として、ポリイソシアネートとポリオールとの反応
で製造され、そして遊離イソシアネート基及び/又はヒ
ドロキシル基を含有するウレタン樹脂またはウレタンプ
レポリマーの形でも、あるいはこれらの反応性末端基を
含有しないもの(例えばウレタンエラストマーの形)で
あってもよい。
【0041】また、使用可能な鎖延長剤は、上記に例示
した多価アルコール(分子中に環状炭化水素残基を有し
ていてよいし、或いは有していなくてもよい。)であっ
てよい。
【0042】なお、バインダー樹脂として上記のウレタ
ン樹脂と共に、フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系
共重合体も含有せしめれば、磁性層に適用する場合に磁
性粉の分散性が向上し、その機械的強度が増大する。但
し、フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体の
みでは層が硬くなりすぎるがこれはポリウレタンの含有
によって防止でき、支持体又は下地層との接着性が良好
となる。
【0043】使用可能なフェノキシ樹脂には、ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンの重合より得られる重合
体であり、下記一般式で表される。
【化3】 例えば、ユニオンカーバイド社製のPKHC、PKH
H、PKHT等がある。
【0044】また、使用可能な上記の塩化ビニル系共重
合体としては、一般式: で表わされるものがある。
【0045】この場合、 におけるl及びmから導き出されるモル比は、前者のユ
ニットについては95〜50モル%であり、後者のユニット
については5〜50モル%である。
【0046】また、Xは塩化ビニルと共重合しうる単量
体残基を表わし、酢酸ビニル、ビニルアルコール、無水
マレイン酸等からなる群より選ばれた少なくとも1種を
表わす。(l+m)として表わされる重合度は好ましく
は100 〜600 であり、重合度が100 未満になると磁性層
等が粘着性を帯び易く、600 を越えると分散性が悪くな
り易い。
【0047】上記の塩化ビニル系共重合体は、部分的に
加水分解されていてもよい。塩化ビニル系共重合体とし
て、好ましくは塩化ビニル−酢酸ビニルを含んだ共重合
体(以下、「塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体」とい
う。)が挙げられる。
【0048】塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の例と
しては、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール、
塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸の各共重合体
等が挙げられ、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の中
でも、部分加水分解された共重合体が好ましい。上記の
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の具体例としては、
ユニオンカーバイド社製の「VAGH」、「VYH
H」、「VMCH」、積水化学(株)製の「エスレック
A」、「エスレックA−5」、「エスレックC」、「エ
スレックM」、電気化学工業(株)製の「デンカビニル
1000G」、「デンカビニル1000W」等が使用できる。
【0049】また、上記以外にも、バインダー樹脂とし
ては繊維素系樹脂が使用可能であるが、これには、セル
ロースエーテル、セルロース無機酸エステル、セルロー
ス有機酸エステル等が使用できる。
【0050】セルロースエーテルとしては、メチルセル
ロース、エチルセルロース等が使用できる。セルロース
無機酸エステルとしては、ニトロセルロース、硫酸セル
ロース、燐酸セルロース等が使用できる。また、セルロ
ース有機酸エステルとしては、アセチルセルロース、プ
ロピオニルセルロース、ブチリルセルロース等が使用で
きる。これら繊維素系樹脂の中でニトロセルロースが好
ましい。
【0051】また、バインダー組成全体については、上
述のウレタン樹脂と、その他の樹脂(フェノキシ樹脂と
塩化ビニル系共重合体等との合計量)との割合は、重量
比で90/10〜40/60であるのが望ましく、85/15〜45/
55がさらに望ましいことが確認されている。この範囲を
外れて、ウレタン樹脂が多いと分散が悪くなり易く、ま
たその他の樹脂が多くなると表面性不良となり易く、特
に60重量%を越えると塗膜物性が総合的にみてあまり好
ましくなくなる。塩化ビニル−酢酸ビニルの場合、ウレ
タン樹脂とかなりの自由度で混合でき、好ましくはウレ
タン樹脂は15〜75重量%である。
【0052】本発明の磁気記録媒体を構成する層のバイ
ンダー樹脂としては、前記したものの他、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂
が使用されてもよい。
【0053】熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150 ℃
以下、平均分子量が10,000〜200,000 、重合度が約200
〜2,000 程度のもので、例えばアクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビ
ニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重
合体等が使用される。
【0054】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000 以下の分子量であり、塗布乾
燥後には縮合、付加等の反応により分子量は無限大のも
のとなる。また、これらの樹脂のなかで樹脂が熱分解す
るまでの間に軟化または溶融しないものが好ましい。具
体的には、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等である。
【0055】電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プ
レポリマー、例えば無水マレイン酸タイプ、ウレタンア
クリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ等が挙げら
れる。
【0056】本発明の磁気記録媒体において、磁性粉と
して使用するメタル磁性粉としては、Fe、Ni、C
o、Fe−Al、Fe−Ni−Co合金、Fe−Mn−
Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−
Cr合金、Fe−Co−Ni−P合金、Co−Ni合金
等Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉が挙
げられる。
【0057】本発明の磁気記録媒体において、上記のウ
レタン樹脂を含有した磁性層中には、更にカーボンブラ
ックを添加してよい。このカーボンブラックは導電性の
あるものが望ましいが、遮光性のあるものも添加してよ
い。
【0058】こうした導電性カーボンブラックとして
は、例えばコロンビアカーボン社製のコンダクテックス
(Conductex )975 (比表面積250m2 /g 、粒径24m
μ)、コンダクテックス900 (比表面積125m2 /g 、粒
径27mμ)、カボット社製のバルカン(Cabot Vulcan)
XC−72(比表面積254m2 /g 、粒径30mμ)、ラーベ
ン1040、420 、三菱化成(株)製の#44等がある。
【0059】遮光用カーボンブラックとしては、例えば
コロンビアカーボン社製のラーベン2000(比表面積190m
2 /g 、粒径18mμ)、2100、1170、1000、三菱化成
(株)製の#100 、#75、#40、#35、#30等が使用可
能である。
【0060】カーボンブラックは20〜30mμ、好ましく
は21〜29mμの粒径を有しているのがよいが、その吸油
量が90ml(DBP)/100g以上であるとストラクチャー
構造をとり易く、より高い導電性を示す点で望ましい。
【0061】上述の環状炭化水素残基を有するウレタン
樹脂等をバインダー樹脂として含む層は、例えば図3に
示すように、支持体1上の磁性層2である。また磁性層
2とは反対側の面にバックコート(BC)層3が設けら
れている。このBC層は必要に応じて設けられるが、走
行性、S/N等の改善のためには設けることは好まし
い。
【0062】磁性層2にはまた、分散剤(例えば粉レシ
チン)を0.5 〜6重量%、例えば3重量%添加し、更に
潤滑剤(例えばシリコーンオイル、グラファイト、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、炭素原子数12〜20
の一塩基性脂肪酸(例えばステアリン酸)、炭素原子数
12〜20の一塩基性脂肪酸(例えばステアリン酸)と炭素
原子数4〜26個の一価のアルコールから成る脂肪酸エス
テル等)、研磨材(例えばアルミナ)、帯電防止剤(例
えばグラファイト)等を添加してよい。
【0063】BC層3には、上記の降伏点を有するウレ
タン樹脂をバインダー樹脂として含有せしめてよいし、
或いは一般のウレタン樹脂を用いてもよい。また、BC
層3に含有せしめられる非磁性粉としては、カーボンブ
ラック、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム等か
らなるもの、好ましくはカーボンブラック(特に導電性
カーボンブラック)および/又は酸化チタンからなるも
のが挙げられる。
【0064】また、前記の非磁性粉として、有機粉末、
例えばベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、フタ
ロシアニン系顔料等を添加してもよい。
【0065】また、図3の磁気記録媒体は、磁性層2と
支持体1との間に下引き層(図示せず)を設けたもので
あってよく、或いは下引き層を設けなくてもよい(以下
同様)。
【0066】また、支持体1の素材としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチッ
ク、Al、Zn等の金属、ガラス、BN、Siカーバイ
ド、磁器、陶器等のセラミックなどが使用される。
【0067】なお、上記の磁性層等の塗布形成時には、
塗料中に架橋剤としての多官能イソシアネートを所定量
添加しておくのが望ましい。こうした架橋剤としては、
既述した多官能ポリイソシアネートの他、トリフェニル
メタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネ
ートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネート等が挙げられるが、メチレンジイ
ソシアネート系、トリレンジイソシアネート系がよい。
【0068】図4は、他の磁気記録媒体を示すものであ
るが、図3の媒体の磁性層2上にOC層4が設けられて
いる。このOC層4のバインダー樹脂として上記の降伏
点を有するウレタン樹脂を用いることができる。このO
C層4は、磁性層2を損傷等から保護するために設けら
れているが、そのために滑性が充分である必要がある。
【0069】OC層4の表面粗さは特にカラーS/Nと
の関連でRa≦0.01μm、Rmax≦0.13μmとするの
がよい。この場合、支持体1の表面粗さをRa≦0.01μ
m、Rmax≦0.13μmとし、平滑な支持体1を用いる
のが望ましい。
【0070】図5は、磁気ディスクとして構成された磁
気記録媒体を示し、支持体1の両面に上述と同様の磁性
層2、OC層4が夫々設けられている。
【0071】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例につき説明す
る。以下に示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精
神から逸脱しない範囲において種々変更しうる。
【0072】下記表−1に示す成分をボールミルに仕込
み、分散させた後、この磁性塗料を1μmフィルターで
濾過後、多官能イソシアネート5部を添加し、リバース
ロールコータにて支持体上に5μm厚みに塗布してスー
パーカレンダーをかけ、1/2インチ幅にスリットしてビ
デオテープ(各実施例、比較例の番号に対応する)とし
た。但し、表−1の第2欄以後の数字は重量部を表わ
し、また第2欄以後の「実」は実施例を、「比」は比較
例を表わす。
【0073】ここで、「平均表面粗さ」は、磁性層に対
し、JIS−B0601の5項に示された粗さ曲線のカット
オフ値0.25mmの中心線あらさでの測定を行い、測定装置
として小坂研究所製、三次元粗さ測定器SE−3FKを
用いて求めた。この表面粗さは、磁性塗料の分散状態
(混練、分散時間等)によってコントロールした。
【0074】 表−1A 磁性塗料成分 実-1 実-2 実-3 実-4 ─────────────────────────────────── Fe系メタル磁性粉 100 100 100 100 Co含有γ−Fe2O3 ポリウレタン(本発明のもの: 11 11 11 11 降伏点約290kg/cm2 、シクロヘ キシル基含有) 塩ビ−酢ビ共重合体(VAGH) 11 塩ビ−酢ビ−無水マレイン酸共 11 11 重合体 フェノキシ樹脂(PKHH) 11 エスタン5701 ミリスチン酸 0.5 0.5 0.5 0.5 ブチルステアレート 0.5 0.5 0.5 0.5 粉レシチン 3 3 3 3 アルミナ 2 2 2 2 カーボンブラック 5 5 5 5 シクロヘキサノン 160 160 160 160 テトラヒドロフラン 50 50 50 50 トルエン 70 70 70 70 平均表面粗さ(μm) 0.012 0.012 0.012 0.020
【0075】 表−1B 磁性塗料成分 比-1 比-2 比-3 比-4 比-5 比-6 比-7 ──────────────────────────────────── Fe系メタル磁性粉 100 100 100 Co含有γ−Fe2O3 100 100 100 100 ポリウレタン(本発明の 11 11 もの:降伏点約290kg/cm2 シクロヘキシル基含有) 塩ビ−酢ビ共重合体(VAGH) 11 11 11 11 11 塩ビ−酢ビ−無水マレイン 11 酸共重合体 フェノキシ樹脂(PKHH) 11 エスタン5701 11 11 11 11 11 ミリスチン酸 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 ブチルステアレート 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 粉レシチン 3 3 3 3 3 3 3 アルミナ 2 2 2 2 2 2 2 カーボンブラック 5 5 5 5 5 5 5 シクロヘキサノン 160 160 160 160 160 160 160 テトラヒドロフラン 50 50 50 50 50 50 50 トルエン 70 70 70 70 70 70 70 平均表面粗さ(μm) 0.029 0.026 0.030 0.010 0.027 0.014 0.022
【0076】上記の各例によるビデオテープについて次
の測定を行った。
【0077】クロマS/N:カラービデオノイズメータ
ー「Sibasoku 925D/1」により測定した。
【0078】ルミS/N:同上
【0079】RF出力:RF出力測定用VTRデッキを
用いて4MHzでのRF出力を測定し、100 回再生後の、
当初の出力に対して低下している値を示した。(単位:
dB)
【0080】ジッター値:メグロ・エレクトロニクス社
製のVTRジッターメーター「MK−612 A」を使用
し、30℃、80%RHの高温多湿下で走行初期値(1回
目)、100 回走行後のジッターを測定した。
【0081】それぞれの例のビデオテープの性能を表−
2に示した。
【0082】 表−2A 実-1 実-2 実-3 実-4 ─────────────────────────── クロマS/N(dB) 0 0.1 0 -1.0 ルミS/N(dB) 0 0.1 0.1 -1.2 RF出力(dB) 0 0 0 -0.9 走行初期の 0.10 0.10 0.10 0.10 ジッター値 (μsec) 100 回走行後の 0.12 0.12 0.12 0.12 ジッター値 (μsec)
【0083】 表−2B 比-1 比-2 比-3 比-4 比-5 比-6 比-7 ──────────────────────────────── クロマS/N(dB) -1.8 -2.1 -2.0 0 -2.2 -1.5 -1.4 ルミS/N(dB) -2.4 -1.9 -2.5 0 -2.0 -1.0 -1.8 RF出力(dB) -2.0 -1.7 -2.1 0 -1.9 -0.8 -1.3 走行初期の 0.22 0.21 0.22 0.10 0.10 0.20 0.22 ジッター値 (μsec) 100 回走行後の 0.45 0.36 0.53 0.12 0.12 0.35 0.46 ジッター値 (μsec)
【0084】但し、実−1を0dBとして比−1のクロ
マS/N、ルミS/N、RF出力を求めた。比−4を0
dBとして比−2のクロマS/N、ルミS/N、RF出
力を求めた。
【0085】上記結果から、本発明に基いて磁性層に降
伏点のあるウレタン樹脂とメタル磁性粉とカーボンブラ
ックとを添加し、平均表面粗さを0.02μm以下とするこ
とによって、テープ性能が著しく向上することが分る。
特に、メタル磁性粉の場合、比−1にみられるように、
比−2の酸化鉄磁性粉使用の場合に比べて特にルミS/
N、RF出力が悪くなりがちであるが、本発明に基いて
降伏点のあるウレタン樹脂の添加によって実−1のよう
に結果がメタル磁性粉の場合に顕著に改善され、ジッタ
ーも減少する。また、磁性層の表面粗さを本発明の範囲
内とすることにより、クロマS/Nが向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウレタン樹脂の応力−伸び率の関係を示す曲線
図である。
【図2】磁性層の平均表面粗さによるクロマS/Nの変
化を示すグラフである。
【図3】磁気記録媒体の一例の拡大断面図である。
【図4】磁気記録媒体の他の例の拡大断面図である。
【図5】磁気記録媒体の更に他の例の拡大断面図であ
る。
【図6】磁性層の平均表面粗さによるジッター値の変化
を示すグラフである。
【符号の説明】
2 磁性層 3 バックコート層(BC層) 4 オーバーコート層(OC層)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 降伏点を有するウレタン樹脂と、メタル
    磁性粉とが磁性層に含有され、かつこの磁性層の平均表
    面粗さが0.02μm以下であることを特徴とする磁気記録
    媒体。
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