JPH0576693B2 - - Google Patents

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JPH0576693B2
JPH0576693B2 JP59139980A JP13998084A JPH0576693B2 JP H0576693 B2 JPH0576693 B2 JP H0576693B2 JP 59139980 A JP59139980 A JP 59139980A JP 13998084 A JP13998084 A JP 13998084A JP H0576693 B2 JPH0576693 B2 JP H0576693B2
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urethane resin
fatty acid
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Kunitsuna Sasaki
Tooru Myake
Yutaka Shimizu
Masaaki Nitsuta
Kazuo Nakamura
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Description

【発明の詳細な説明】
1 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気デイス
ク等の磁気記録媒体に関するものである。 2 従来技術 一般に、磁気記録媒体は、磁性粉とバインダー
樹脂等を含む磁性塗料を支持体上に塗布、乾燥す
ることによつて製造される。 こうした磁気記録媒体の磁性層のバインダー樹
脂として、ウレタン樹脂を使用することがよく知
られている。従来から公知のウレタン樹脂は、高
分子ジオールとジイソシアネートと鎖延長剤と
(必要に応じて使用する)架橋剤とから合成され
る。高分子ジオールとしては、アジピン酸、ブタ
ンジオール等から得られるポリエステルジオール
や、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジ
オールが挙げられ、ジイソシアネートとしてはジ
フエニルメタンジイソシアネート等が使用可能で
ある。また、鎖延長剤はエチレングリコール、ブ
タンジオール等からなつており、架橋剤はポリオ
ール類、ポリアミン類等であつてよい。 しかし、このような一般的なウレタン樹脂は、
柔軟性には優れていても、硬さが不足するために
ガイドピンや磁気ヘツド等との摺接に対して磁気
記録媒体の機械的強度が不良となり、しかも走行
性や粉落ちの面でも問題がある。 一方、磁性層には種々の潤滑剤を添加してその
摩擦係数を下げ、これによつて媒体の走行性の向
上が図られている。しかし、公知の潤滑剤では、
なおもその効果が不充分であり、またブルーミン
グが生じたりし易い。 3 発明の目的 本発明の目的は、適度な柔軟性と共に充分な機
械的強度、耐久性、低摩擦特性を有し、走行性に
優れかつ粉落ちも少ない磁気記録媒体を提供する
ことにある。 4 発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明による磁気記録媒体は、降伏点を
有するウレタン樹脂と、脂肪酸と、脂肪酸エステ
ルと、導電性カーボンブラツクとが磁性層に含有
されていることを特徴とするものである。 本発明によれば、磁性層のバインダー樹脂成分
として、降伏点を有するウレタン樹脂を使用して
いるが、このウレタン樹脂は、第1図に曲線aで
示す従来のウレタン樹脂の特性に比べ、曲線bで
例示して示すように降伏点YPを有するウレタン
樹脂であつて、降伏点YPに至るまでは応力が加
わつても伸びが非常に小さく、このためにウレタ
ン樹脂に適度な硬さが付与され、かつ降伏点YP
以降は破壊することなく応力と共に伸びる性質を
示す。従つて、磁気記録媒体の機械的強度が向上
して摺接時の摩耗等の損傷、粉落ち等が大幅に少
なくなり、走行性も著しく改善されることにな
る。特に、VTR用の磁気テープではエツジ折れ
等がなく、エツジ近傍のコントロールトラツクを
保持してその機能を良好に発揮させることができ
る。上記降伏点YPは、本発明のウレタン樹脂の
性能にとつて重要であり、50〜600Kg/cm2、望ま
しくは100〜560Kg/cm2の応力範囲(第1図の例で
は約290Kg/cm2)で降伏点が存在するのが望まし
い。降伏点が存在する範囲が、応力50Kg/cm2未満
では樹脂が柔かくなり易く、600Kg/cm2を越える
と樹脂が硬くなり、もろくなり易い。 本発明に使用するウレタン樹脂は、上記の優れ
た性能を発揮するには、分子中に環状炭化水素残
基を有しているのがよい。この環状炭化水素残基
は飽和環状炭化水素残基であるのが好ましく、こ
れには2価又は1価のシクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基等、或いはこれらの誘導体(例えばメ
チル基等のアルキル基置換体、塩素原子等のハロ
ゲン置換体)からなるものが挙げられる。これら
の飽和環状炭化水素残基はウレタン樹脂に適度な
硬さを付与する点、及び原料入手性の面から望ま
しいものである。また、この環状炭化水素残基の
結合位置は、ウレタン樹脂分子の主鎖中であるの
がよいが、その側鎖に結合していてもよい。ま
た、ウレタン樹脂中での環状炭化水素残基をもつ
構成成分の量を変化させることにより、任意のガ
ラス転移点(Tg)をもつウレタン樹脂を得るこ
とができ、Tgとしては−30℃〜100℃、好ましく
は0℃〜90℃である。−30℃よりTgが低いと軟ら
かすぎて充分な膜強度を得にくく、また100℃よ
りTgが高いと膜がもろくなり易い。 また、本発明によれば、磁性層に潤滑剤として
脂肪酸と脂肪酸エステルとの双方を含有せしめて
いるので、摩擦力が低下し、媒体の走行性が著し
く良好となる。即ち、脂肪酸は磁性層の静摩擦係
数を下げる性質があると共に、融点が50℃以上の
ものが多く、ブルーミングが生じ難い。しかも、
脂肪酸エステルの方は磁性層の動摩擦係数を下げ
る性質がある。従つて、脂肪酸と脂肪酸エステル
との併用によつて、これらの本来有する摩擦低減
効果に加え、その配合比を決めれば如何なる摩擦
状態においても媒体の摩擦を充二分に減少せし
め、その走行性を良好に保持することができる。 このためには、上記配合比は、脂肪酸:脂肪酸
エステル=1:3〜3:1(重量比)、更には1:
2〜2:1とするのが望ましい。この範囲を外れ
て、脂肪酸が少なすぎると静摩擦特性が低下し、
潤滑剤のブルーミングも生じ易くなる。また、脂
肪酸が多すぎるとエステルの割合が減るために、
動摩擦特性が低下し易い。 更に、磁性層は磁気ヘツド等との摺接によつて
静電気を帯び易く、これが媒体の走行性に悪影響
を与えることがある。このため、上記した如くウ
レタン樹脂や潤滑剤の使用によつて媒体の走行性
が良好とはなるが、静電気による悪影響を防止す
れば更に走行性を向上させることができる。 本発明によれば、磁性層には更に、導電性カー
ボンブラツクを含有せしめているので、上記静電
気の発生を防止し、媒体の帯電を有効に防止し
て、走行性をより向上させることができる。 本発明に使用するウレタン樹脂はポリオールと
ポリイソシアネートとの反応によつて合成可能で
ある。この際、上記環状炭化水素残基を導入する
には、次の(1)〜(4)の方法を採用することができ
る。 (1) ポリオール(例えば高分子ジオール)の原料
となる多価アルコールとして、予め環状炭化水
素残基を有した多価アルコールを用いる方法。 (2) 上記ポリオールの原料となる有機二塩基酸
(ジカルボン酸)として、予め環状炭化水素残
基を有したジカルボン酸を用いる方法。 (3) 上記(1)と(2)の多価アルコール及びジカルボン
酸をポリオールの原料に用いる方法。 (4) 上記(1)〜(3)のいずれかと併用して、或いは単
独で、鎖延長剤として予め環状炭化水素残基を
有した多価アルコールを用いる方法。 例えば、上記ウレタン樹脂を得る合成方法とし
て、1,4−ジ−ヒドロキシメチルシクロヘキサ
【式】とアジピン酸 (HOOC−(CH24−COOH)とから得られるポリ
エステルポリオールをメチレン−ビス−フエニル
イソシアネート
【化】 でウレタン化する方法が挙げられる。この際、鎖
延長剤は上記の1,4−ジ−ヒドロキシメチルシ
クロヘキサン又は他のジオール(例えばブタン−
1,4−ジオール)であつてよい。 環状炭化水素残基を予め有していてよい上記多
価アルコールは、上記した如くエチレングリコー
ル構造の分子鎖中にシクロヘキシル基を有するも
のが使用可能であるが、そうした構造以外にもプ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエ
チレングリコールなどのグリコール類もしくはト
リメチールプロパン、ヘキサントリオール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、ペンタエリスリトールなどの多価アル
コール類もしくはこれらのグリコール類、又はそ
の構造中に環状炭化水素残基を有するものが使用
できる。また、使用可能な二塩基酸はフタル酸、
二量化リノレイン酸、マレイン酸等、又はこれら
の分子中に環状炭化水素残基を有するものも挙げ
られる。上記のポリオールに代えて、s−カプロ
ラクタム、α−メチル−1−カプロラクタム、s
−メチル−s−カプロラクタム、γ−プチロラク
タム等のラクタム類から合成されるラクトン系ポ
リエステルポリオール;またはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
などから合成されるポリエーテルポリオール等も
使用してよい。 これらのポリオールは、トリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレ
ンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネート等のイソシアネート化合物と反応せしめ、
これによつてウレタン化したポリエステルポリウ
レタン、ポリエーテルポリウレタンが合成され
る、これらの本発明に係るウレタン樹脂は通常は
主として、ポリイソシアネートとポリオールとの
反応で製造され、そして遊離イソシアネート基及
び/又はヒドロキシル基を含有するウレタン樹脂
またはウレタンプレポリマーの形でも、あるいは
これらの反応性末端基を含有しないもの(例えば
ウレタンエラストマーの形)であつてもよい。 また、使用可能な鎖延長剤は、上記に例示した
多価アルコール(分子中に環状炭化水素残基を有
していてよいし、或いは有していなくてもよい。)
であつてよい。 一方、本発明で使用可能な上述の脂肪酸として
は、融点が50℃より高いものではミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸等があり、融点50℃
以下のものとしては、カプロン酸、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、リノレン酸、オレイン
酸等がある。融点が50℃より脂肪酸は浸み出しを
おこしにくい利点がある。一方、、50℃以下のも
のはバインダー樹脂等とのなじみはよいが、表面
へ移行し易いので、この点に留意する必要があ
る。 また、本発明で使用可能な上述の脂肪酸エステ
ルとしては、ステアリン酸イソプロピル、ステア
リン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、パルミ
チン酸ブチル、カプリン酸セチル、ステアリン酸
イソセチル、オレイン酸ブチル、ミリスチン酸オ
クチル、ステアリン酸ヘキシル、ラウリン酸ノニ
ル等がある。 また、本発明で使用可能な上述の導電性カーボ
ンブラツクとしては、例えばコロンビアカーボン
社製のコンダクテツクス(Conductex)975(比表
面積250m2/g、粒径24mμ)、コンダクテツクス
900(比表面積125m2/g、粒径27mμ)、カボツト
社製のバルカン(Cabot Vulcan)XC−72(比表
面積254m2/g、粒径30mμ)、ラーベン1040、
420、三菱化成(株)製の#44等がある。遮光用カー
ボンブラツクも併用してよく、こうした遮光用カ
ーボンブラツクとしては、例えばコロンビアカー
ボン社製のラーベン2000(比表面積190m2/g、粒
径18mμ)、2100、1170、1000、三菱化成(株)の
#100、#75、#40、#35、#30等が使用可能で
ある。カーボンブラツクは20〜30mμ、好ましく
は21〜29mμの粒径を有しているのがよいが、そ
の吸油量が90ml(DBP)/100g以上であるとス
トラクチヤー構造をとり易く、より高い導電性を
示す点で望ましい。 なお、バインダー樹脂として上記のウレタン樹
脂と共に、フエノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル
系共重合体も含有せしめているので、磁性粉の分
散性が向上し、その機械的強度が増大する。但、
フエノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体
のみでは層が硬くなりすぎるが、これはポリウレ
タンの含有によつて防止でき、支持体又は下地層
との接着性が良好となる。 使用可能なフエノキシ樹脂には、ビスフエノー
ルAとエピクロルヒドリンの重合により得られる
重合体であり、下記一般式であらわされる。
【化】 (但、n82〜13) 例えば、ユニオンカーバイド社製のPKHC、
PKHH、PKHT等がある。 また、使用可能な上記の塩化ビニル系共重合体
としては、 一般式:
【化】 で表わされるものがある。この場合、
【化】 におけるl及びmから導き出されるモル比は、前
者のユニツトについては95〜50モル%であり、後
者のユニツトについては5〜50モル%である。ま
た、Xは塩化ビニルと共重合しうる単量体残基を
表わし、酢酸ビニル、ビニルアルコール、無水マ
レイン酸等からなる群より選ばれた少なくとも1
種を表わす。(l+m)として表わされる重合度
は好ましくは100〜600であり、重合度が100未満
になると磁性層等が粘着性を帯びやすく600を越
えると分散性が悪くなる。上記の塩化ビニル系共
重合体は、部分的に加水分解されていてもよい。
塩化ビニル系共重合体として、好ましくは塩化ビ
ニル−酢酸ビニルを含んだ共重合体(以下、「塩
化ビニル−酢酸ビニル系共重合体」という。)が
挙げられる。塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
の例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸の各共重合体等が挙げられ、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体の中でも、部分加水分解さ
れた共重合体が好ましい。上記の塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体の具体例としては、ユニオン
カーバイド社製の「VAGH」、「VYHH」、
「VMCH」、積水化学(株)製の「エスレツクA」、
「エスレツクA−5」、「エスレツクC」、「エスレ
ツクM」、電気化学工業(株)製の「デンカビニル
1000G」、「デンカビニル1000W」等が使用でき
る。 また、上記以外にも、バインダー樹脂として繊
維素系樹脂が使用可能であるが、これには、セル
ロースエーテル、セルロース無機酸エステル、セ
ルロース有機酸エステル等が使用できる。セルロ
ースエーテルとしては、メチルセルロース、エチ
ルセルロース等が使用できる。セルロース無機酸
エステルとしては、ニトロセルロース、硫酸セル
ロース、燐酸セルロース等が使用できる。また、
セルロース有機酸エステルとしては、アセチルセ
ルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセ
ルロース等が使用できる。これら繊維素系樹脂の
中でニトロセルロースが好ましい。 本発明の磁気記録媒体を構成する層のバインダ
ー樹脂としては、前記したものの他、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化
型樹脂が使用されてもよい。 熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、
平均分子量が10000〜200000、重合度が約200〜
2000程度のもので、例えばアクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体等が使用される。 熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布乾
燥後には縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。また、これらの樹脂のなかで樹
脂が熱分解するまでの間に軟化または溶融しない
ものが好ましい。具体的には、例えばフエノール
樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
アルキツド樹脂等である。 電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プレポ
リマー、例えば無水マレイン酸タイプ、ウレタン
アクリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ等
がある。 上述の、環状炭化水素残基を有するウレタン樹
脂をバインダー樹脂として含む層は、例えば第2
図に示すように、支持体1の磁性層2である。磁
性層2と反対側の面にBC層3が設けられている
(BC層は設けてもよいし、また設けなくてもよ
い。)。 磁性層2に使用される磁性粉末、特に強磁性粉
末としては、γ−Fe2O3、Co含有γ−Fe2O3
Fe3O4、Co含有Fe3O4等の酸化鉄磁性粉;Fe、
Ni、Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−Mn−Zn合金、
Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−Cr合金、Fe−
Co−Ni−p合金、Co−Ni合金等Fe、Ni、Co等
を主成分とするメタル磁性粉等が挙げられる。 ここで磁性層2の磁性粉の比表面積30m2/gr
以上にすれば(好ましくはその粒径を小さくし
て)媒体の再生出力、S/N比を著しく向上させ
ることができる。この磁性粉の比表面積は必要以
上に大きくすると却つて分散不良を生じるので、
上限を100m2/grとするのが望ましい。 また、磁性層2には、公知の分散剤(例えば粉
レシチン)、研磨材(例えば溶融アルミナ)等を
添加してよい。添加可能な研磨材としては、α−
Al2O3(コランダム)、人造コランダム、溶融アル
ミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、ダイヤモンド、
人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー(主成
分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用される。これ
らの研磨材は平均粒子径0.05〜5μの大きさのもの
が使用され、特に好ましくは、0.1〜2μである。 なお、BC層3に含有せしめられる非磁性粉と
しては、カーボンブラツク、酸化珪素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、
炭化カルシウム、酸化亜鉛、α−Fe2O3、タル
ク、カオリン、硫酸カルシウム、窒化ホウ素、フ
ツ化亜鉛、二酸化モリブデン、炭酸カルシウム等
からなるもの、好ましくはカーボンブラツク(特
に導電性カーボンブラツク)および/又は酸化チ
タンからなるものが挙げられる。これらの非磁性
粉をBC層に含有せしめれば、BC層の表面を適度
に荒らして(マツト化して)表面性を改良でき、
またカーボンブラツクの場合にはBC層に導電性
を付与して帯電防止効果が得られる。カーボンブ
ラツクと他の非磁性紛とを併用すると表面性改良
(走行性の安定化)と導電性向上の双方の効果が
得られ、有利である。 また、第2図の磁気記録媒体は、磁性層2と支
持体1との間に下引き層(図示せず)を設けたも
のであつてよく、或いは下引き層を設けなくても
よい(以下同様)。 また、支持体1の素材としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチツ
ク、Al、Zn等の金属、ガラス、BN、Siカーバイ
ド、磁器、陶器等のセラミツクなどが使用され
る。 なお、上記の磁性層、BC層の塗布形成時には、
各塗料中に架橋剤としての多官能イソシアネート
を所定量添加しておくのが望ましい。こうした架
橋剤としては、既述した多官能ポリイソシアネー
トの他、トリフエニルメタントリイソシアネー
ト、トリス−(p−イソシアネートフエニル)ネ
オホスフアイト、ポリメチレンポリフエニルイソ
シアネート等が挙げられる。 第3図は、他の磁気記録媒体を示すものである
が、第2図の媒体の磁性層2上にOC層4が設け
られている。 このOC層4は、磁性層2を損傷等から保護す
るために設けられるが、そのために滑性が充分で
ある必要がある。OC層4の表面粗さは特にカラ
ーS/Nとの関連でRa≦0.01μm、Rmax≦
0.13μmとするのがよい。この場合、支持体1の
表面粗さをRa≦0.01μm、Rmax≦0.13μmとし、
平滑な支持体1を用いるのが望ましい。 第4図は、磁気デイスクとして構成された磁気
記録媒体を示し、支持体1の両面に上述と同様の
磁性層2、OC層4が夫々設けられている。 5 実施例 以下、本発明を具体的な実施例につき説明す
る。 表−1に示す成分をボールミルに仕込み、分散
させた後、この磁性塗料を1μmフイルターで濾過
後、多官能イソシアネート5部を添加し、リバー
スロールコータにて支持体上に5μm厚みに塗布し
てスーパーカレンダーをかけ、1/2インチ幅にス
リツトしてビデオテープ(各実施例、比較例の番
号に対応する)とした。ただし表−1の第2欄以
後の数字は重量部を表わし、また第2欄以後の
「実」は実施例を、「比」は比較例を表わす。
【表】 上記の各例によるビデオテープについて次の測
定を行なつた。 クロマS/N: カラービデオノイズメーター「Shibasoku
925D/1」により測定した。 ルミS/N: 同上 RF出力: RF出力測定用VTRデツキを用いて4MHzでの
RF出力を測定し、100回再生後の、当初の出力に
対して低下している値を示した。(単位:dB)。 スキユー値: 画像再生時のタイミングのズレの大きさを表わ
すパラメーターで、100回再生後、基準信号
(CRT画面上を約64μsecで走査する信号)に対し
てどれだけズレるのかを測定し、値が小さい程、
ズレが小さく画像が乱れていないことを示す。 ジツター値: メグロ・エレクトロニクス社製のVTRジツタ
ーメーター「MK−612A」を使用し、30℃、80
%RHの高温多湿下で走行回数0回、100回後の
各ジツターを測定した。 それぞれの例のビデオテープの性能を表−2に
示した
【表】
【表】 上記結果から、本発明に基いて磁性層を形成し
た実施例では、テープ性能が著しく向上すること
が判る。 特に、実−1と比−1、比−3及び比−4との
比較、実−2と比−2、比−5及び比−6との比
較から了解できると思うが、降伏点を有するウレ
タン樹脂と脂肪酸と脂肪酸エステルと導電性カー
ボンブラツクとが全て併用された場合には、併用
されなかつた場合に比べ、顕著な特長の奏されて
いることが判る。 すなわち、降伏点を有するウレタン樹脂と脂肪
酸と脂肪酸エステルと導電性カーボンブラツクと
が全て併用された場合には、これらによる相乗効
果が奏されるのである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すものであつて、第
1図はウレタン樹脂の応力−伸び率の関係を示す
曲線図、第2図、第3図、第4図は各例による磁
気テープの一部分の各拡大断面図である。 なお、図面に用いられている符号において、2
……磁性層、3……バツクコート層(BC層)、4
……オーバーコート層(OC層)、である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 降伏点を有するウレタン樹脂と、脂肪酸と、
    脂肪酸エステルと、導電性カーボンブラツクとが
    磁性層に含有されていることを特徴とする磁気記
    録媒体。
JP13998084A 1984-07-06 1984-07-06 磁気記録媒体 Granted JPS6120221A (ja)

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JPS6120221A JPS6120221A (ja) 1986-01-29
JPH0576693B2 true JPH0576693B2 (ja) 1993-10-25

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