JPH05310964A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH05310964A
JPH05310964A JP4111822A JP11182292A JPH05310964A JP H05310964 A JPH05310964 A JP H05310964A JP 4111822 A JP4111822 A JP 4111822A JP 11182292 A JP11182292 A JP 11182292A JP H05310964 A JPH05310964 A JP H05310964A
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film
particle size
calcium carbonate
polyester film
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JP4111822A
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English (en)
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Satoyuki Kotani
智行 小谷
Kazuo Endo
一夫 遠藤
Masahiko Fujimoto
正彦 藤本
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面の均一性、走行性および耐摩耗性の優れた
ポリエステルフィルムを提供する。 【構成】下記式〜を同時に満足する炭酸カルシウム
を0.005〜5.0重量%配合してなる二軸配向ポリ
エステルフィルム。 0.005≦d≦0.10 … 0.15≦d50≦1.50 … 1.00≦R≦1.80 … 20.0≦S≦200 … 8.0≦d50×S≦100 … [上記式中、d50は、二次粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の50%に相当する粒径
(μm)を示し、dは、電子顕微鏡による写真法で一次
粒子を測定し等価球に換算した粒径(μm)を示し、R
は、二次粒子の長径と短径の比を示し、Sは、二次粒子
のBET法による比表面積(m2 /g)を示す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は均一な表面を有し、走行
性および耐摩耗性に優れた二軸配向ポリエステルフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】二軸
配向ポリエステルフィルムは、産業用資材として広く用
いられているが、近年、各用途において高級志向が著し
くなり、フィルム表面が均一であることが強く望まれる
ようになった。また、ポリエステルフィルムは、フィル
ムの摩耗による表層の削れや粒子の脱落に代表される摩
耗特性が必ずしも十分でなく、この点の改良が切望され
ている。特に厳しい品質が要求される磁気記録媒体用途
においてはこれらの点を高度に満足する必要がある。従
来、ポリエステルフィルムの走行性および耐摩耗性を改
良する手段として、フィルム中に不活性な微粒子を存在
させ、フィルム表面を適度に粗す方法が知られており、
ある程度その改良がなされているが、必ずしも十分な結
果は得られていない。
【0003】例えば、微粒子としてポリエステル製造時
の触媒残渣等からのいわゆる析出粒子を用いた場合は、
延伸により析出粒子が破壊されやすいため、走行性や耐
摩耗性が劣り、また析出粒子の再生使用も困難である。
また、酸化ケイ素、硫酸バリウム、二酸化チタン、リン
酸カルシウム等のポリエステルに不活性な無機化合物粒
子を添加した場合は、添加した粒子が延伸により破壊、
変形されることはなく、比較的急峻な突起をフィルム表
面に与えることができ、フィルムの走行性は改良される
が、それらの粒子の粒度分布が広く、粒子の脱落も生じ
やすいため、例えば磁気記録媒体用として用いた場合、
しばしば電磁変換特性の悪化やドロップアウトの多発を
引き起こしてしまう。
【0004】これらの欠点を克服するため、近年シャ−
プな粒度分布を有する無機または有機粒子を用いること
が提案されている。例えば、特開昭62−207356
号公報、特開昭59−217755号公報には、それぞ
れ単分散性の酸化ケイ素、乳化重合法による架橋有機粒
子を用いた例が示されている。しかしながら、酸化ケイ
素粒子を用いた場合には、その粒子硬度が高いためフィ
ルムが接触する基材を傷付けやすく、また耐摩耗性の改
良が不十分であり、一方、架橋有機粒子を用いた場合に
は、耐熱性において難があるだけでなく、延伸により粒
子が変形しやすいという欠点がある。このように、これ
までフィルムの表面均一性、走行性および耐摩耗性を高
度なレベルで満足するポリエステルフィルムは得られて
いないのが実情である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意検討を行った結果、ある特殊形状の炭酸カルシ
ウム粒子を含有してなるフィルムによれば、上記の課題
が解決されるを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、下記式〜
を同時に満足する炭酸カルシウムを0.005〜5.0
重量%配合してなる二軸配向ポリエステルフィルムに存
する。 0.005≦d≦0.10 … 0.15≦d50≦1.50 … 1.00≦R≦1.80 … 20.0≦S≦200 … 8.0≦d50×S≦100 … [上記式中、d50は、二次粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれ総体積の50%に相当する粒径
(μm)を示し、dは、電子顕微鏡による写真法で一次
粒子を測定し等価球に換算した粒径(μm)を示し、R
は、二次粒子の長径と短径の比を示し、Sは、二次粒子
のBET法による比表面積(m2 /g)を示す]
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはその
エステルとグリコ−ルとを主たる出発原料として得られ
るポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上
がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6
−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。そし
て、上記の範囲を逸脱しない条件下であれば、他の第三
成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分と
しては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例え
ば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることが
できる。グリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル
以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレング
リコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジ
メタノ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の一種または二
種以上を用いることができる。
【0008】本発明の重要な構成要件は、ポリエステル
フィルムに配合する粒子として特殊形状の炭酸カルシウ
ムを用いることにある。従来、炭酸カルシウム粒子の製
法としては、天然の炭酸カルシウムを粉砕、分級する方
法のほか、例えば特開昭59−69425号公報に示さ
れているような、水酸化カルシウム溶液に二酸化炭素含
有ガスを注入して反応させて製造する、いわゆる合成法
による沈降性炭酸カルシウム粒子の製造方法が知られて
いる。この場合、比較的粒径の揃った炭酸カルシウム粒
子が得られ、これを例えば特公平1−16856号公報
に示されているようにポリエステルフィルムに配合する
ことが行われているが、かかる粒子は耐摩耗性または走
行性等の改良効果が不十分であるため、高度なレベルで
良好な特性を有するフィルムは得られない。
【0009】本発明者らは、ポリエステルフィルムに配
合する粒子として特殊形状の炭酸カルシウムを用いるこ
とにより、耐摩耗性および走行性等の改良効果が非常に
高く、高度なレベルで良好な特性を有するフィルムが得
られることを見いだしたのである。以下、本発明におい
て用いられる特殊形状の炭酸カルシウムについて説明す
る。
【0010】本発明において用いる炭酸カルシウムの二
次粒子の平均粒径d50は0.15〜1.50μmであ
り、好ましくは0.15〜1.20μm、さらに好まし
くは0.15〜1.00μmであり、特に好ましくは
0.20〜1.00μmである。二次粒子の平均粒径d
50が0.15μm未満では、走行性や耐摩耗性がほとん
ど改良されず不適当である。一方、二次粒子の平均粒径
50が1.50μmを超える場合は、フィルムの表面粗
度が高くなり過ぎるため、かかるフィルムを磁気記録媒
体として用いた場合、電磁変換特性を損ねてしまうので
不適当である。また本発明において用いる炭酸カルシウ
ムの一次粒子の平均粒径dは0.005〜0.10μm
であり、好ましくは0.01〜0.10μm、さらに好
ましくは0.01〜0.07μmである。一次粒子の平
均粒径dが0.005μm未満では、走行性や耐摩耗性
がほとんど改良されない。一方、一次粒子の平均粒径d
が0.10μmを超える場合は、走行性や耐摩耗性がほ
とんど改良されない。
【0011】本発明で用いられる炭酸カルシウムの結晶
構造は特に限定されないが、結晶構造の安定性の点か
ら、カルサイト型が80重量%以上であることが好まし
く、カルサイト型の含量は90重量%以上がさらに好ま
しく、99重量%以上であることが特に好ましい。他の
結晶構造(バテライト型、アラゴナイト型)のものが2
0重量%を超えて含まれている場合、結晶構造が不安定
な傾向があり、例えば、溶融押出し時に凹凸状のすじを
生じやすくなり、その結果、フィルムの厚みむらが悪化
する恐れがある。本発明で用いられる炭酸カルシウムの
二次粒子の粒度分布値は2.50以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは2.00以下、特に好ましくは
1.70以下である。なお、ここで粒度分布値とは、d
25/d75(d25およびd75は、二次粒子群の積算体積を
大粒子側から計測し、それぞれ総体積の25%および7
5%に相当する粒径を示す)により定義される値であ
り、この値が小さいほど、粒度分布がシャ−プである。
かかる粒度分布値が2.50を超えると、最終的に得ら
れるフィルムの表面粗度が不均一となる傾向があり、電
磁変換特性を損ねたり、耐電圧が悪化したりすることが
ある。
【0012】また、本発明において用いる炭酸カルシウ
ム粒子の二次粒子形状は、フィルム表面の均一性、耐摩
耗性および走行性等の改良効果に大きく寄与するもので
あり、具体的には、粒子の球形比R(長径と短径の比)
が、1.0〜1.8あることが必要である。R値は、
1.0〜1.6が好ましく、1.0〜1.5がさらに好
ましい。かかる範囲にある粒子は球状ないしは楕円体状
である。また、本発明において用いる炭酸カルシウム粒
子の一次粒子形状は、立方体または直方体状が好まし
く、立方体状が特に好ましい。かかる一次粒子形状を有
するとき、フィルムの耐摩耗性および走行性がさらに向
上する。さらに、本発明において用いる炭酸カルシウム
粒子の二次粒子の比表面積Sは20〜200m2 /gで
あることが必要であり、好ましくは30〜200m2
g、さらに好ましくは40〜150m2 /gの範囲であ
る。すなわち、適度の多孔質性を有することが必要であ
る。二次粒子のS値が200m2 /gを超える、または
20m2 /gより小さい炭酸カルシウム粒子を用いた場
合、フィルム走行性や耐摩耗性の改良効果が小さいため
不適当である。
【0013】さらに、本発明者らの検討結果によると、
粒子の比表面積が上記の範囲内にあっても、フィルム走
行性や耐摩耗性の改良効果が小さいことが判明した。こ
の理由は、同様の多孔性の粒子であっても、粒径が小さ
いほどかかる粒子の比表面積は大きくなり、逆に粒径が
大きいほどかかる粒子の比表面積は小さくなるためであ
る。ここで、本発明者らは下記式を炭酸カルシウム粒子
の多孔性を表す関係式とする。
【数1】比表面積の比=比表面積の実測値/比表面積の
計算値≒ 0.45 ×d50×S
【0014】ここで、比表面積の計算値とは、粒子を粒
径がd50μm、粒度分布値が1.0であり、完全に非孔
性の真球とみなした場合の値である。すなわち、d50
Sの積が小さいほど、かかる粒子は非孔性であるといえ
る。すなわち、本発明において用いる炭酸カルシウム二
次粒子の平均粒径d50と比表面積Sの積(d50×S)は
8.0〜100であり、さらに好ましくは10〜70、
特に好ましくは15〜50である。d50×Sの値が8.
0未満または100を超える炭酸カルシウム粒子では、
フィルム走行性および/または耐摩耗性の改良効果が小
さいため不適当である。
【0015】本発明において用いる炭酸カルシウム粒子
のポリエステルフィルムへの配合量は、0.005〜
5.0重量%であり、好ましくは0.01〜2.0重量
%、さらに好ましくは0.03〜1.0重量%である。
配合量が0.005重量%未満では、フィルムの走行性
や耐摩耗性がほとんど改良されない。一方、配合量が
5.0重量%を超える場合は、フィルムの表面粗度が高
くなりすぎるため電磁変換特性を損ねてしまう。
【0016】本発明において用いる炭酸カルシウム粒子
には、ポリエステルへの分散性を向上させるため表面処
理を施しておくことが好ましい。この分散剤を兼ねる表
面処理剤としては、例えば特開昭59−69426号公
報、特開平1−256558号公報または特開平4−3
1319号公報に記載されているような表面処理剤、特
にポリカルボン酸あるいはそれらのナトリウム塩、アン
モニウム塩等が好ましく用いられ、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、PEGモノアクアクリレ−
ト、アクリル酸ブチル、シクロヘキシルアクリレ−ト等
の未中和またはアンモニウム塩、ナトリウム塩等が好ま
しい。また、これらの表面処理剤は、通常、粒子の製造
段階の途中で加えると効果的である。
【0017】このように本発明においてはある特殊形状
の炭酸カルシウム粒子を用いるが、幾つかの次の要件が
組み合わされたときに、その効果がより発揮される。ま
ず、エチレンテレフタレ−ト単位を80モル%以上含む
フィルムの場合、フィルムの厚み方向の屈折率を1.4
92以上とすることである。フィルムの厚み方向の屈折
率を1.492以上とした場合、磁性層との接着性を向
上することができ好適である。かかる屈折率は、好まし
くは1.494〜1.505である。かかる物性を有す
るフィルムは、例えば逐次二軸延伸の場合、縦延伸温度
を通常の延伸温度よりも5〜30℃高い85〜115℃
程度とすることによって得ることができる。
【0018】また、幅方向の屈折率(nTD)と長手方向
の屈折率(nMD)との差(Δn)(nTD−nMD)が0.
010以上の場合、特に、裁断性に優れ、磁気テ−プの
ベ−スフィルムとして適したものとなる。上記の裁断性
は、磁気テ−プをシェア−カッタ−等でスリットする際
の特性であり、裁断性が悪い場合には、切り口が筋状に
めくれ上がったり、切り口からヒゲや粉が発生したりす
る。かかる現象が生じた場合、テ−プに白粉が付着し、
電磁変換特性を悪化させたり、ドロップアウトを誘起す
る。Δnは、好ましくは0.020以上、さらに好まし
くは0.025以上、特に好ましくは0.035以上で
ある。Δnが大きすぎる場合は、熱収縮率等の不都合が
生じるため、Δnの上限は、0.060とすることが好
ましい。
【0019】上記組成のポリエステルフィルムの極限粘
度は、0.52〜0.62が好ましく、0.54〜0.
59がさらに好ましい。極限粘度が低いほど、フィルム
の裁断性が良好であるが、極限粘度が0.52未満の場
合は、製膜時にフィルム破断が多発して生産性に支障を
きたすので好ましくない。一方、極限粘度が0.62を
超える場合は、フィルムの裁断性改良効果が不十分とな
り好ましくない。
【0020】さらに、上記組成のフィルムの場合、フィ
ルムの縦方向のヤング率と横方向のヤング率の和は、好
ましくは900kg/mm2 以上、さらに好ましくは1
000kg/mm2 以上、特に好ましくは1100kg
/mm2 以上の場合である。このように高強度となるよ
うに強く延伸された場合は、フィルム表層から粒子が脱
落しやすく耐摩耗性が悪化するが、本発明の粒子を用い
た場合にはかかる粒子脱落現象が減少する傾向にある。
なお、このような高強度フィルムは、例えば次の公知の
製膜方法により得ることができる。すなわち、実質的に
無配向の未延伸シ−トを80〜120℃で縦方向に、
3.0〜6.0倍、次いで横方向に3.0〜6.0倍延
伸し、170℃〜240℃にて熱処理する方法である。
もちろん縦横に逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸した
後、さらに110〜180℃の温度で縦方向に1.05
〜2.5倍再延伸を行った後、熱処理する方法も採り得
る。この際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再
縦延伸前または後に微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用
も可能である。また、同様に横方向に再延伸を行っても
よい。
【0021】ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位
を80モル%以上含むフィルムに本発明の粒子を配合す
る場合、フィルムの縦方向のヤング率と横方向のヤング
率の和を好ましくは1300kg/mm2 以上、さらに
好ましくは1400kg/mm2 以上、特に好ましくは
1500kg/mm2 以上とすることにより、フィルム
の耐摩耗性の改良効果が顕著となる。ポリエチレン−
2,6−ナフタレ−トの場合、延伸温度を高くすること
以外はポリエチレンテレフタレ−トと同様な手法によ
り、高強度フィルムを得ることができる。すなわち、実
質的に無配向の未延伸シ−トを90〜180℃で縦方向
に、3.0〜6.0倍、次いで横方向に3.0〜6.0
倍延伸し、180〜260℃にて熱処理すればよく、縦
横に逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸した後、さらに
140℃〜200℃の温度で縦方向に1.05〜4.0
倍再延伸を行った後、熱処理する方法も採り得る。この
際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前
または後微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用も可能であ
る。また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。
【0022】本発明においては、その要旨を超えない範
囲で、他の粒子を一種以上併用して、さらにフィルムの
走行性、耐摩耗性、耐擦傷性等を改良することが可能で
ある。かかる粒子の一つとして析出粒子を挙げることが
できる。ここでいう析出粒子とは、例えばエステル交換
触媒としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物
を用いた系を常法により重合することにより反応系内に
析出するものを指す。また、エステル交換反応あるいは
重縮合反応時にテレフタル酸を添加することにより析出
させてもよい。これらの粒子には、リン酸、リン酸トリ
メチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、酸性リ
ン酸エチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸
トリエチル、亜リン酸トリブチル等のリン化合物の一種
以上を存在させてもよい。また、エステル化工程を経る
場合にもこれらの方法で不活性物質粒子を析出させるこ
とができる。例えば、エステル化反応終了前または後に
アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を存在さ
せ、リン化合物の存在下あるいは非存在下に重縮合反応
を行う。いずれにしても本発明でいう析出粒子には、カ
ルシウム、リチウム、アンチモン、リン等の元素が一種
以上含まれている。
【0023】また、併用する粒子として添加粒子も挙げ
ることができる。ここでいう添加粒子とはポリエステル
に外部から添加する粒子を指すが、具体的にはカオリ
ン、タルク、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、石
膏、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、フッ化リチウ
ム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素、二酸化チタン等を挙げることができ
る。なお、かかる添加粒子の例として耐熱性の高分子微
粉体を挙げることもできる。この場合の典型的な例とし
ては、例えば特公昭59−5216号公報に記載されて
いるような、分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有
するモノビニル化合物と架橋剤として分子中に二個以上
の脂肪族の不飽和結合を有する化合物との共重合体を例
示することができるが、これらに限定されるものではな
く、例えば熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性フェノ−ル
樹脂、熱硬化性尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂あるい
はポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂の微
粉体を用いることもできる。
【0024】本発明において併用する粒子量は、その二
次粒子の平均粒径が本発明の炭酸カルシウム粒子のそれ
より大きい場合には、炭酸カルシウム粒子と同量以下と
することが好ましく、0.005〜0.5倍重量がさら
に好ましく、0.01〜0.3倍重量が特に好ましい。
一方、その二次粒子の平均粒径が本発明の炭酸カルシウ
ム粒子のそれより小さい場合には、炭酸カルシウム粒子
と同量以上が好ましく、1〜20倍重量がさらに好まし
い。また、本発明においては、平均粒径の異なる本発明
の炭酸カルシウム粒子を二種以上用いてもよい。特に、
巻き特性および走行性改良等を目的として、大粒子の炭
酸カルシウム粒子と小粒子の炭酸カルシウム粒子を組み
合わせることはさらに好ましい態様である。ここでいう
大粒子の炭酸カルシウム粒子とは、平均粒径が0.3〜
1.0μmのものを指し、その含有量は0.005〜
0.15重量%が特に好ましく、一方、小粒子の炭酸カ
ルシウム粒子とは、平均粒径が0.15〜0.8μmの
ものを指し、その含有量は0.20〜2.0重量%が特
に好ましい。
【0025】前記の併用粒子の中でも、特に酸化アルミ
ニウムを選択することが好ましい。特に平均粒径0.5
μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のデルタ型
もしくはガンマ型酸化アルミニウムがさらに好ましく、
0.1μm以下のデルタ型酸化アルミニウムが特に好ま
しく用いられる。 これらの粒子の製造法としては、例
えば熱分解法、すなわち無水塩化アルミニウムを原料と
して火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニウム明
ばん熱分解法、すなわち水酸化アルミニウムを原料とし
て硫酸と反応させて硫酸アルミニウムとした後、硫酸ア
ンモニウムと反応させてアンモニウム明ばんとして焼成
する方法等を挙げることができる。これらの方法により
得られる酸化アルミニウムの一次粒径は、通常、5〜4
0nmの範囲にあるが、しばしば0.5μmを超える凝
集体を形成しているので、適度に解砕して使用すること
が望ましい。この場合、多少凝集した二次粒子となって
いてもよいが、見掛け上の平均粒径は0.5μm以下が
好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
【0026】本発明の炭酸カルシウム粒子を含むポリエ
ステルの製造に際しては、粒子および併用する添加粒子
は、ポリエステルの合成反応中に添加することが好まし
く、特にエステル交換反応またはエステル化反応終了
後、重縮合反応開始前に添加することが好ましい。な
お、添加する粒子は、通常、エチレングリコ−ルのスラ
リ−として添加するが、必要に応じ事前に解砕、分散、
分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。添加するエ
チレングリコ−ル中のスラリ−濃度は5〜50重量%、
好ましくは10〜40%とするのがよい。スラリ−の粒
子濃度が3重量%未満では、エチレングリコ−ルの使用
量が増し、エチレングリコ−ルの原単位が大きくなる。
また、粒子濃度が50重量%を超えたスラリ−を添加す
ると、粒子の分散性が悪化する傾向がある。なお、ポリ
エステル合成の重縮合反応触媒としては、Sb,Ti,
Ge,Sn,Si化合物等の通常用いられている触媒が
使用される
【0027】特に磁気記録媒体用として好適な本発明の
フィルムは、特定の粒子と特定のフィルム物性との組み
合わせにより初めて得られるものであるが、そのフィル
ム表面粗度(Ra)は、通常、0.005〜0.1μm
であり、0.007〜0.08μmが好ましく、0.0
1〜0.03μmが特に好ましい。さらに、本発明のフ
ィルムの最大突起高さ(Rt)と中心線平均粗さ(R
a)の比(Rt/Ra)は15以下であることが好まし
く、12以下であることがさらに好ましく、5〜10が
特に好ましい。Rt/Ra比が15を超える場合、ベ−
スフィルム表面の均一性、走行性または耐摩耗性が劣る
傾向がある。本発明のフィルムは、本発明の構成要件を
満足していれば、単層または2層以上の積層フィルムで
あってもよい。本発明のフィルムはビデオテ−プ用のベ
−スフィルムとして賞用されるほか、オ−ディオ用、フ
ロッピ−ディスク用のそれとして用いた場合にも特に効
果を発揮し得る。もちろん必要に応じ、コンデンサ−の
誘電体用、包装用、製版用、その他の用途に用いること
も可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例における種々の物性および特性の測定方法、定義は下
記のとおりである。実施例および比較例中「部」とある
は「重量部」を示す。 (1)平均粒径および粒度分布 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径d50を二次粒子の平均粒径とした。また同時
に大粒子側から積算して重量分率25%の点の直径d25
と重量分率75%の点の直径d75の比、d25/d75を粒
度分布の指標とした。また、炭酸カルシウムの一次粒子
の平均粒径については、電子顕微鏡による写真法で10
0点測定し等価球に換算し、かかる値を平均した。
【0029】(2)比表面積 S 液体窒素を用いて、窒素ガスの吸着量から求めるいわゆ
るBET法によって測定した。 (3)球形比 電子顕微鏡で二次粒子の長径と短径を測定し、その平均
値を各々の粒子の長径および短径とし、球形比(=長径
/短径)を求めた。 (4)フィルムの極限粘度 ポリマ−1gをフェノ−ル/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ
て、30℃で測定した。
【0030】(5)フィルムの屈折率 アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルムの厚さ
方向の屈折率(nα)、幅方向の屈折率(nTD)および
長手方向の屈折率(nMD)を測定した。なお、屈折率の
測定はナトリウムD線を用いた。 (6)ヤング率(引張弾性率) (株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル20
01型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節さ
れた室内において、長さ300mm、幅20mmの試料
フィルムを10%/minの歪速度で引張り、引張応力
−歪曲線の初めの直線部分を用いて次式によってヤング
率(E)を計算した。 E=Δσ/Δε (上記式中、E、Δσ、Δεはそれぞれヤング率(kg
/mm2 )、直線上の2点間の元の平均断面積による応
力差、同じ2点間の歪差を表す)
【0031】(7)フィルム表面の平均粗さおよび粗さ
の均一性 日本工業規格JIS B0601に記載されている方法
に従い、(株)小坂研究所製 表面粗さ測定機(SE−
3F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)および最大高
さ(Rt)を求めた。なおこのとき使用した触針の半径
は2.0μm、荷重は30mgであり、カットオフ値は
0.08mmとした。Rt/Raが小さいほど表面が均
一である。 (8)走行性 フィルムの滑り性により評価した。滑り性は、固定した
硬質クロムメッキ金属ロール(直径6mm)にフィルム
を巻き付け角(θ)135°で接触させ、53g(T
2 )の荷重を一端にかけて、1m/minの速度でこれ
を走行させ他端の抵抗力(T1 ,g)を測定し、次式に
より走行中の摩擦係数(μd)を求めた。 μd=0.424・ln(T1/53)
【0032】(9)粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、ニコンオプチフ
ォト干渉顕微鏡を用い、二光束法にて測定した。測定波
長は0.54μmで3次以上の干渉縞を示す突起(突起
高さ0.81μm以上)個数を100cm2 の面積に亘
り測定し、粗大突起数とした。
【0033】(10)摩耗特性 固定した直径6mmの硬質クロム製固定ピン(材質SU
S420−J2、仕上げ0.2S)に幅10mmのフィ
ルムを巻きつけ角135°で接触させ、速度は11.4
m/min、初期張力300gで、200mのフィルム
を計5000mにわたって走行させ、ピンに付着した摩
耗白粉量を目視評価し、下に示すランク別に評価を行っ
た。 ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクD:極めて多く付着する (11)フィルムの巻き特性 ポリエステルフィルムの巻き取り作業時のロ−ルの巻き
ずれ、シワ入りおよび巻き姿等の良否を総合的に判断し
た。
【0034】(12)磁気テ−プ特性 まず磁気テープを製造した。すなわち、磁性微粉末20
0部、ポリウレタン樹脂30部、ニトロセルロース10
部、塩化ビニル−酢酸セルロース共重合体10部、レシ
チン5部、シクロヘキサノン100部、メチルイソブチ
ルケトン100部、およびメチルエチルケトン300部
をボールミルにて48時間混合分散後、ポリイソシアネ
ート化合物5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエス
テルフィルムに塗布した後、塗料が十分乾燥固化する前
に磁気配向させ、その後乾燥し、2μmの膜厚の磁性層
を形成した。
【0035】次いでこの塗布フィルムを、鏡面仕上げの
金属ロ−ルとポリエステル系複合樹脂ロ−ルとから構成
されている5段のス−パ−カレンダ−を用い、ロ−ル温
度85℃、線圧250kg/cm、走行速度80m/m
inの条件下、5000mにわたって7回繰り返し走行
させ、樹脂ロ−ルに付着する白粉量を目視評価し、下に
示すランク別に評価を行った。 〇…樹脂ロ−ルに白粉の付着はほとんど見られない; △…極く僅かな白粉の付着が見られる; ×…明らかに白粉の付着が見られる 次いで、カレンダー処理後のテープを1/2インチ幅に
スリットした後、松下電気製NV−3700型ビデオデ
ッキにより、常速にて下記の磁気テープ特性を評価し
た。 電磁変換特性(VTRヘッド出力) シンクロスコープにより測定周波数が4メガヘルツにお
けるVTRヘッド出力を測定し、基準テ−プと比較し下
に示すランク別に評価を行った。 ◎…基準テ−プより非常に優れる。 〇…基準テ−プと同等である △…基準テ−プより劣る ×…実用に耐えない
【0036】最大ドロップアウト数 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)ドロップアウトカウンタ
ーでドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当り
のドロップアウト数に換算した。その測定を20回繰り
返し、換算値の最大値を最大ドロップアウト数とした。
【0037】(13)耐擦傷性 幅1/2インチにスリットした磁気テ−プを直径6mm
の硬質クロムメッキ金属ピン(仕上げ3S)にフィルム
を巻きつけ角135°、走行速度3m/sec、張力5
0gで磁気テ−プのベ−スフィルム面を1回擦過させ
た。次に擦過面にアルミニウムを約1000 厚となる
よう真空蒸着し、傷の量を目視により観察し、下記判定
を行った。 ランク1:傷の量が極めて多い ランク2:傷の量が多い ランク3:傷の量が2、4の中間 ランク4:傷の量が少ない ランク5:傷が付かない
【0038】(14)裁断性 広幅で塗布した磁気テ−プを1/2インチ幅に裁断し、
磁気テ−プの裁断面の状態を電子顕微鏡で観察し、下記
判定を行った。 〇…裁断面のスジ状めくれ、切り粉の発生がなく、極め
て良好; ×…裁断面にスジ状めくれが多く、切り粉の発生も見ら
れる; △…上記〇およびXの中間的状況
【0039】実施例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム4水塩0.09部を反応
器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去して
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了
した。次いで、一次粒子の平均粒径dが0.05μm、
二次粒子の平均粒径d50が0.40μm、粒度分布値d
25/d75が1.50、比表面積Sが81.5m2 /g、
50×Sが32.6の球状体(球形比R=1.10)で
あり、一次粒子の形状がほぼ立方体のカルサイト型炭酸
カルシウム粒子(日鉄鉱業(株)製ナノボ−ル)0.4
0部をエチレングリコ−ルスラリ−として添加した。な
お、用いた粒子は、高分子ポリカルボン酸で、あらかじ
め表面処理が施されたものである。
【0040】スラリー添加後、さらにリン酸0.03
部、三酸化アンチモン0.04部を加えて4時間重縮合
反応を行い、極限粘度0.61のポリエチレンテレフタ
レートを得た。そのポリマー内部を顕微鏡で観察したと
ころ、粒子が均一に分散していることが確認された。次
いで、得られたポリエステルを用いて二軸延伸ポリエス
テルフィルムを製造した。すなわち、該ポリエステルを
乾燥後290℃で溶融押出し、無定形シートを得、シー
トの流れ方向(縦方向)に93℃で3.5倍、横方向に
110℃で3.5倍延伸し、220℃で3秒間熱処理を
行い、厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィル
ムのヤング率は縦方向が430kg/mm2 、横方向が
440kg/mm2 であった。また、フィルムの極限粘
度は0.59であった。得られたフィルムに磁性層を塗
布し磁気テープを得、その特性を測定した。
【0041】実施例2 実施例1で用いた炭酸カルシウムを用い、フィルムの厚
さ方向の屈折率を1.490とする以外は実施例1と同
様にしてフィルムを得、その特性を評価した。 実施例3 実施例1で用いた炭酸カルシウムを用い、フィルムの複
屈折率を0.006とする以外は実施例1と同様にして
フィルムを得、その特性を評価した。
【0042】比較例1 実施例1において、平均粒径dが0.41μm(d50
0.41μm)、粒度分布値d25/d75が2.10、比
表面積Sが15.9m2 /gの塊状のカルサイト型炭酸
カルシウム粒子を用い、表2に示す含有量とするほかは
実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムを得、その特性を評価した。 比較例2 実施例1において、平均粒径dが0.45μm(d50
0.46μm)、粒度分布値d25/d75が2.65の塊
状のカオリン粒子を用い、表2に示す含有量とするはか
は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレ−トフ
ィルムを得、その特性を評価した。
【0043】実施例4 実施例1で用いた炭酸カルシウムと共に平均粒径が0.
03μmであるデルタ型の酸化アルミニウムを表2に示
すように配合するほかは実施例1と同様にしてフィルム
を得、その特性を評価した。なお、得られたフィルムの
極限粘度は0.59であった。 実施例5 実施例1で用いた炭酸カルシウムの代わりに、一次粒子
の平均粒径dが0.05μm、二次粒子の平均粒径d50
が0.30μm、粒度分布値d25/d75が1.45、比
表面積Sが111.7m2 /g、d50×Sが33.5の
球状体(球形比R=1.10)であり、一次粒子の形状
がほぼ立方体のカルサイト型炭酸カルシウム粒子(日鉄
鉱業(株)製ナノボ−ル)0.40部をエチレングリコ
−ルスラリ−として添加した。なお、用いた粒子は、高
分子ポリカルボン酸で、あらかじめ表面処理が施された
ものである。実施例1のフィルムの製造と同様に縦およ
び横方向に延伸した後、130℃で縦方向に1.08倍
延伸を行い、縦方向に強化された厚み9.8μmのフィ
ルムを得、その特性を評価した。
【0044】実施例6 実施例5において用いた炭酸カルシウムと共に平均粒径
が0.03μmであるデルタ型の酸化アルミニウムを
0.40重量部配合するほかは実施例5と同様にして厚
み9.8μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
得た。 比較例3 比較例1で用いた粒子を用い、実施例5と同様にしてフ
ィルムを得、その特性を評価した。
【0045】実施例7 実施例1のポリエステルの製造において、ジメチルテレ
フタレ−トの代わりにジメチル−2,6−ジメチルナフ
タレ−トを用いるほかは実施例1と同様にしてエステル
交換反応を行った。次いで、実施例5で用いた炭酸カル
シウム0.4部をエチレングリコ−ルスラリ−として添
加し、さらにリン酸0.03部、三酸化アンチモン0.
04部を加えて常法により重縮合反応を行い、極限粘度
0.59のポリエチレン−2,6−ナフタレートを得
た。次いで得られたポリマ−を0.3mmHg、235
℃で7時間固相重合し、極限粘度0.68のポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートを得た。次いで、得られたポ
リマ−を295℃で押出機よりシ−ト状に押し出し、静
電印加冷却法を用いて厚さ100μmの無定形シ−トを
得、140℃で縦方向に4.2倍、テンタ−で横方向に
3.9倍延伸した後、220℃で5秒間熱処理を行い、
厚み8μmのポリエチレン−2,6−ナフタレートフィ
ルムを得、その特性を評価した。
【0046】比較例4 比較例1で用いた粒子を用い、実施例7と同様にしてフ
ィルムを得、その特性を評価した。 実施例8 実施例4で用いた粒子を用い、かつ縦方向のヤング率を
1010kg/mm2とするほかは実施例7と同様にし
てポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得、
その特性を評価した。 実施例9 実施例6において用いる粒子を表5に示すように変更し
た2種の炭酸カルシウムと共に平均粒径が0.03μm
であるデルタ型の酸化アルミニウムを0.30重量部配
合するほかは実施例6と同様にして厚み9.8μmのポ
リエチレンテレフタレ−トフィルムを得た。得られたフ
ィルムの縦方向のヤング率は440kg/mm2 、横方
向のヤング率は680kg/mm2 であった。
【0047】比較例5 実施例9において用いる粒子を表5に示すように変更し
た2種の塊状のカルサイト型炭酸カルシウム粒子を配合
するほかは実施例9と同様にして、厚み9.8μmのポ
リエチレンテレフタレ−トフィルムを得た。 実施例10 実施例8において用いる粒子を表5に示すように変更し
た2種の炭酸カルシウムと共に平均粒径が0.03μm
であるデルタ型の酸化アルミニウムを0.30重量部配
合するほかは実施例10と同様にして、厚み8μmのポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。得
られたフィルムの縦方向のヤング率は1030kg/m
2 横方向のヤング率は740kg/mm2 であった。
以上、得られた結果を、まとめて下記表1〜表5に示
す。
【0048】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 ──────────────────────────────────── 粒子種 カルサイト型 カルサイト型 カルサイト型 炭カル 炭カル 炭カル 粒度分布値 d25/d75 1.50 1.50 1.50 一次粒径 d (μm) 0.05 0.05 0.05 二次粒径 d50(μm) 0.40 0.40 0.40 比表面積S(m2 /g) 81.5 81.5 81.5 d50×S 32.6 32.6 32.6 二次粒径の球形比 R 1.10 1.10 1.10 含有量 (wt%) 0.30 0.30 0.30 ──────────────────────────────────── 粒子種 − − − 平均粒径 (μm) − − − 含有量 (wt%) − − − ──────────────────────────────────── nα 1.497 1.490 1.496 Δn 0.038 0.039 0.006 Ra(μm) 0.012 0.011 0.011 Rt(μm) 0.115 0.104 0.103 Rt/Ra 10 10 10 耐摩耗性 A A〜B A カレンダ−汚れ ○ ○ ○ 裁断性 ○ ○ ○〜△ 電磁変換特性 ◎〜○ ○ ○〜△ 耐擦傷性 3 3 3 ────────────────────────────────────
【0049】
【表2】 ──────────────────────────────────── 比較例1 比較例2 実施例4 ──────────────────────────────────── 粒子種 カルサイト型 カオリン カルサイト型 炭カル 炭カル 粒度分布値 d25/d75 2.10 2.65 1.50 一次粒径 d (μm) 0.41 0.45 0.05 二次粒径 d50(μm) − − 0.40 比表面積S(m2 /g) 15.9 − 81.5 d50×S 6.5 − 32.6 二次粒径の球形比 R − − 1.10 含有量 (wt%) 0.30 0.30 0.30 ──────────────────────────────────── 粒子種 − − 酸化 アルミニウム 平均粒径 (μm) − − 0.03 含有量 (wt%) − − 0.40 ──────────────────────────────────── nα 1.497 1.496 1.497 Δn 0.036 0.038 0.036 Ra(μm) 0.012 0.012 0.012 Rt(μm) 0.195 0.205 0.115 Rt/Ra 16 17 10 耐摩耗性 B〜C B A カレンダ−汚れ △ △〜× ○ 裁断性 ○ ○ ○ 電磁変換特性 △ △〜× ◎ 耐擦傷性 2 1 5 ────────────────────────────────────
【0050】
【表3】 ──────────────────────────────────── 実施例5 比較例3 実施例6 ──────────────────────────────────── 粒子種 カルサイト型 カルサイト型 カルサイト型 炭カル 炭カル 炭カル 粒度分布値 d25/d75 1.45 2.10 1.45 一次粒径 d (μm) 0.05 0.41 0.05 二次粒径 d50(μm) 0.30 − 0.30 比表面積S(m2 /g) 111.7 15.9 111.7 d50×S 33.5 6.5 33.5 二次粒径の球形比 R 1.10 − 1.10 含有量 (wt%) 0.40 0.30 0.40 ──────────────────────────────────── 粒子種 − − 酸化 アルミニウム 平均粒径 (μm) − − 0.03 含有量 (wt%) − − 0.40 ──────────────────────────────────── Ra(μm) 0.011 0.011 0.011 Rt(μm) 0.102 0.193 0.101 Rt/Ra 9 18 9 ヤング率 縦方向 680 690 440 (kg/mm2) 横方向 430 430 690 滑り性 0.29 0.38 0.30 耐摩耗性 A B〜C A カレンダ−汚れ ○ △ ○ 電磁変換特性 ◎〜○ △ ◎ 耐擦傷性 3 2 5 ────────────────────────────────────
【0051】
【表4】 ──────────────────────────────────── 実施例7 比較例4 実施例8 ──────────────────────────────────── 粒子種 カルサイト型 カルサイト型 カルサイト型 炭カル 炭カル 炭カル 粒度分布値 d25/d75 1.45 2.10 1.45 一次粒径 d (μm) 0.05 0.41 0.05 二次粒径 d50(μm) 0.30 − 0.30 比表面積S(m2 /g) 111.7 15.9 111.7 d50×S 33.5 6.5 33.5 二次粒径の球形比 R 1.10 − 1.10 含有量 (wt%) 0.40 0.30 0.40 ──────────────────────────────────── 粒子種 − − 酸化 アルミニウム 平均粒径 (μm) − − 0.03 含有量 (wt%) − − 0.40 ──────────────────────────────────── Ra(μm) 0.011 0.011 0.011 Rt(μm) 0.103 0.196 0.102 Rt/Ra 9 18 9 ヤング率 縦方向 730 730 1010 (kg/mm2) 横方向 740 730 740 滑り性 0.29 0.36 0.30 耐摩耗性 A B〜C A カレンダ−汚れ ○ △ ○ 電磁変換特性 ◎〜○ △ ◎ 耐擦傷性 3 2 5 ────────────────────────────────────
【0052】
【表5】 ──────────────────────────────────── 実施例9 比較例5 実施例10 ──────────────────────────────────── 粒子種 カルサイト型 カルサイト型 カルサイト型 炭カル 炭カル 炭カル 粒度分布値 d25/d75 1.45 2.10 1.45 一次粒径 d (μm) 0.05 0.41 0.05 二次粒径 d50(μm) 0.30 − 0.30 比表面積S(m2 /g) 111.7 15.9 111.7 d50×S 33.5 6.5 33.5 二次粒径の球形比 R 1.10 − 1.10 含有量 (wt%) 0.30 0.30 0.30 ──────────────────────────────────── 粒子種 カルサイト型 カルサイト型 カルサイト型 炭カル 炭カル 炭カル 粒度分布値 d25/d75 1.45 2.05 1.45 一次粒径 d (μm) 0.05 0.49 0.05 二次粒径 d50(μm) 0.50 − 0.50 比表面積S(m2 /g) 50.7 13.1 50.7 d50×S 30.4 6.4 30.4 二次粒径の球形比 R 1.05 − 1.05 含有量 (wt%) 0.05 0.05 0.05 Ra(μm) 0.011 0.011 0.011 Rt(μm) 0.107 0.197 0.108 Rt/Ra 10 18 10 耐摩耗性 A B〜C A 巻き特性 良 不良 良 電磁変換特性 ◎ △ ◎ ────────────────────────────────────
【0053】本発明の要件を満足する実施例のフィルム
は、何れもフィルム表面が均一であり、走行性、耐摩耗
性に優れたものである。特に微細な酸化アルミニウム粒
子を併用したフィルムは、さらに耐擦傷性にも優れ、磁
気記録媒体用ベ−スフィルムとして好適である。
【0054】
【発明の効果】本発明のフィルムは均一微細な表面構造
を有しており、特に耐摩耗性および走行性等に優れ、磁
気記録媒体用ベ−スフィルムをはじめとする産業用資材
として有用であり、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式〜を同時に満足する炭酸カルシ
    ウムを0.005〜5.0重量%配合してなる二軸配向
    ポリエステルフィルム。 0.005≦d≦0.10 … 0.15≦d50≦1.50 … 1.00≦R≦1.80 … 20.0≦S≦200 … 8.0≦d50×S≦100 … [上記式中、d50は、二次粒子群の積算体積を大粒子側
    から計測し、それぞれ総体積の50%に相当する粒径
    (μm)を示し、dは、電子顕微鏡による写真法で一次
    粒子を測定し等価球に換算した粒径(μm)を示し、R
    は、二次粒子の長径と短径の比を示し、Sは、二次粒子
    のBET法による比表面積(m2 /g)を示す]
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