JPH055039A - ポリエチレン―2,6―ナフタレートフイルム - Google Patents

ポリエチレン―2,6―ナフタレートフイルム

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JPH055039A
JPH055039A JP3226416A JP22641691A JPH055039A JP H055039 A JPH055039 A JP H055039A JP 3226416 A JP3226416 A JP 3226416A JP 22641691 A JP22641691 A JP 22641691A JP H055039 A JPH055039 A JP H055039A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録の磁気記録媒体、特にメタルテー
プのベースフィルムとして有用なポリエチレン―2,6
―ナフタレートフイルムを提供することにある。 【構成】 フイルム中に平均粒径が0.05〜0.3μ
mの不活性固体粒子を小粒径粒子として0.05〜0.
4重量%、さらに平均粒径が0.3〜1.0μmの不活
性固体粒子を大粒径粒子として0.005〜0.05重
量%含有し、かつ大粒径粒子と小粒径粒子の平均粒径の
差が0.2μm以上であり、フィルムの表面粗さRaが
0.003〜0.010μmであり、縦方向のヤング率
(EM )が650kg/mm2 以上、横方向のヤング率(E
T )が600kg/mm2 以上であり、これらの比(EM /
ET )が0.9〜1.5の範囲にあり、そして70℃で
1時間無加重で熱処理したときの縦方向の熱収縮率が
0.08%以下である二軸配向ポリエチレン―2,6―
ナフタレートフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二軸配向ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフィルムに関し、更に詳しくは高
密度記録の磁気記録媒体、特にメタルテープのベースフ
ィルムとして有用な二軸配向ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンテレフタレート
フィルムは磁気テープのベースフィルムとして広く用い
られている。近年、磁気テープは小型化および高画質化
のために益々高密度記録化が要求され、また8ミリビデ
オに代表されるようにテープの薄手化が要求されてい
る。このため、磁気テープの磁性層側の表面はますます
平滑であることが要求されかつ厚さも薄いものが要求さ
れる。これに伴ないベースフィルムも表面の平坦化と薄
手化が要求される。しかし、従来の家庭用VTRの磁気
テープに供されているポリエステルフィルムには表面が
粗く、上述の要求特性を満足して実用に供しうるものは
見出されない。そこで、高密度記録用には、表面粗さを
非常に低下させたものとする必要がある。しかし、一般
に表面粗さを減少させると、フィルム面間の滑り性が悪
くなり、またフィルム間に存在する空気の逃げが悪くな
り、フィルムをロール上に巻き上げることが非常に難し
くなる。また、その難しさは、フィルムが薄くなればな
るほど著しくなる。さらにフィルムが薄くなるほど高い
ヤング率が要求される。一方高いヤング率のものほど、
一般的には熱収縮率が大きく、磁気テープとした後の寸
法安定性が劣るばかりでなく、磁性層を塗布して表面を
平滑処理したあとの熱処理工程での裏移り現象(ロール
状に巻かれた磁気テープを熱硬化させる熱処理工程にお
いて、仕上げられた磁性面とベースフィルム面が相対し
て巻き締まるため、仕上げられた磁性面が粗化する現
象)が大きくなり、電磁変換特性を悪化する。それ故、
従来このような高密度記録用テープに供されるポリエス
テルフィルムの要求を充分満足するものは見出せなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解消し、高密度磁気記録用テープとしたときの電
磁変換特性がよく、しかもロール状に巻き上げるのが容
易な磁気記録媒体用二軸配向ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成からなる。フィルムの中に平
均粒径が0.05〜0.3μmの不活性固体粒子を小粒
径粒子として0.05〜0.4重量%、さらに平均粒径
が0.3〜1.0μmの不活性固体粒子を大粒径粒子と
して0.005〜0.05重量%含有し、かつ大粒径粒
子と小粒径粒子の平均粒径の差が0.2μm以上であ
り、フィルムの表面粗さRaが0.003〜0.010
μmであり、縦方向のヤング率(EM )が650kg/mm
2 以上、横方向のヤング率(ET )が600kg/mm2
上であり、これらの比(EM /ET )が0.9〜1.5
の範囲にあり、そして70℃で1時間無荷重で熱処理し
たときの縦方向の熱収縮率が0.08%以下である二軸
配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルム。
【0005】本発明において、フィルムを構成するポリ
エチレン―2,6―ナフタレートは、ナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分とするが、少量の他のジカルボン
酸成分を使用してもよく、またエチレングリコールを主
たるグリコール成分とするが、少量の他のグリコール成
分を併用してもよいポリマーである。ナフタレンジカル
ボン酸以外のジカルボン酸としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、
ベンゾフェノンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、1,3―アダマンタンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸をあげることができる。またエチレン
グリコール以外のグリコール成分としては、例えば1,
3―プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,
6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4―シクロヘキサンジメタノール、p―キシリレングリ
コールなどをあげることができる。また、ポリマー中に
安定剤、着色剤等の添加剤を配合したものでもよい。こ
のようなポリエチレン―2,6―ナフタレートは通常溶
融重合法によって公知の方法で製造される。この際、触
媒等の添加剤は必要に応じて任意に使用することができ
る。
【0006】ポリエチレン―2,6―ナフタレートの固
有粘度は0.45〜0.90の範囲にあることが好まし
い。
【0007】本発明において上述のポリエチレン―2,
6―ナフタレートに含有させる不活性な固体粒子として
は、好ましくは(1)二酸化ケイ素(水和物、ケイソウ
土、ケイ砂、石英、単分散シリカ等を含む);(2)ア
ルミナ;(3)SiO2 分を30重量%以上含有するケ
イ酸塩(例えば非晶質あるいは結晶質の粘土鉱物、アル
ミノシリケート(焼成物や水和物を含む)、温石綿、ジ
ルコン、フライアッシュ等);(4)Mg、Zn、Z
r、及びTiの酸化物;(5)Ca、及びBaの硫酸
塩;(6)Li、Na、及びCaのリン酸塩(1水素塩
や2水素塩を含む);(7)Li、Na、及びKの安息
香酸塩;(8)Ca、Ba、Zn、及びMnのテレフタ
ル酸塩;(9)Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Pb、
Sr、Mn、Fe、Co、及びNiのチタン酸塩;(1
0)Ba、及びPbのクロム酸塩;(11)炭素(例え
ばカーボンブラック、グラファイト等);(12)ガラ
ス(例えばガラス粉、ガラスビーズ等);(13)C
a、及びMgの炭酸塩;(14)ホタル石及び(15)
ZnSが例示される。更に好ましくは、二酸化ケイ素、
無水ケイ酸、含水ケイ酸、アルミナ、ケイ酸アルミニウ
ム(焼成物、水和物等を含む)、燐酸1リチウム、燐酸
3リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、硫酸バ
リウム、酸化チタン、安息香酸リチウム、これらの化合
物の複塩(水和物を含む)、ガラス粉、粘土(カオリ
ン、ベントナイト、白土等を含む)、タルク、ケイソウ
土、炭酸カルシウム等が例示される。特に好ましくは、
単分散シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム
が挙げられる。
【0008】本発明においてはかかる不活性な固体粒子
のうち、小粒径粒子としてはその平均粒径が0.05〜
0.3μm、好ましくは0.10〜0.3μmのもの
を、その添加量が0.05〜0.4重量%、好ましくは
0.1〜0.3重量%を満足する範囲で用い、かつ大粒
径粒子としてはその平均粒径が0.3〜1.0μm、好
ましくは0.5〜0.8μmのものを、その添加量が
0.005〜0.05重量%、好ましくは0.01〜
0.03重量%を満足する範囲で用いる。大粒径粒子は
電磁変換特性上多くを添加しない方が望ましいが、添加
しないと巻取が困難となる。したがって、大粒径粒子は
極く少量添加し、巻取性を良化させるのが好ましい。し
かし、0.05重量%より多く添加すると、電磁変換特
性が悪化するので好ましくない。一方、小粒径粒子は、
0.05重量%以上添加しないと、大粒径粒子を添加し
ても巻取りが難しく、また0.4重量%より多く添加す
ると、電磁変換特性上好ましくない。このとき、大粒径
粒子と小粒径粒子との平均粒径の差は0.2μm以上が
必要であり、好ましくは0.3μm以上である。この差
が0.2μmより小さいと、巻取性と電磁変換特性との
両方とも満足するものは得られない。
【0009】本発明のポリエチレン―2,6―ナフタレ
ートフィルムは、上述した大小2種の不活性な固体粒子
を含有するポリエチレン―2,6―ナフタレートからな
るが、さらにフィルム表面粗さ(Ra)は0.003〜
0.010μmであることが必要である。Raが0.0
10μmより大きくなると、最早高密度記録用の磁気テ
ープとして必要な電磁変換特性を維持することは難し
く、またRaが0.003μmより小さくなると、摩擦
係数が大きくなりフィルムの取扱性及びロール状に巻き
上げることが非常に難しくなる。
【0010】ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィ
ルムは、さらに、縦方向のヤング率(EM )が650kg
/mm2 以上、横方向のヤング率(ET )が600kg/mm
2 以上であり、これらの比(EM /ET )が0.9〜
1.5の範囲にあることが必要である。特にベースフィ
ルムの厚みが12μm以下で、かつテープの厚みが16
μm以下の磁気テープでは縦方向が650kg/mm2 より
低く、横方向が600kg/mm2 より低いヤング率ではテ
ープの走行中にテープエッジが折れ曲ったり、テープが
伸びてしまう場合がある。またヤング率が低いとビデオ
回転ヘッドへのテープの押し付けが弱くなり、電磁変換
特性が悪化する。また、ヤング率の比(EM /ET )が
0.9〜1.5の範囲内にない場合には、電磁変換特性
が悪くなる。
【0011】かかるヤング率を得る手段としては、一般
的なロールやステンターを用いて縦横同時に延伸しても
よく、また縦横方向に各々逐次に延伸してもよく、また
縦横方向に2段以上延伸する方法を用いてもよい。
【0012】ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィ
ルムは、さらにまた、70℃で無荷重下で1時間熱処理
したときに生ずる縦方向の熱収縮率が0.08%以下で
あることが必要である。好ましい熱収縮率は0.04%
以下である。この熱収縮率が0.08%より大きいと、
テープにしたあとも熱的非可逆変化が生じ、またVTR
で記録と再生の温度が異なると画面にスキュー歪を生じ
る。また熱収縮率が大きいと、磁性表面へのベースフィ
ルム面の裏移り効果が生じ、磁性面の表面粗さが粗くな
ってしまう。70℃、1時間の熱収縮率を下げる手段と
しては、延伸後の熱処理温度を上げることが一般的であ
るが、あまり上げすぎると機械的特性が悪化する結果と
なり、また磁気テープ加工工程中でのすりキズ発生が多
くなり、その削れ粉が磁気テープの磁性面に付着して、
ドロップアウトの原因となる。この問題を解決する手段
としては速度差を持った2つのロール間にフィルムを通
し、ポリエチレン―2,6―ナフタレートのガラス転移
温度(Tg)以上の温度をかけて弛緩処理をする方法が
あるが、これに限定されるものではない。
【0013】本発明のポリエチレン―2,6―ナフタレ
ートフィルムは、その厚さに特に制限はないが、12μ
m以下の厚さのものが好ましく、特に2〜12μmの厚
さのものが好ましい。
【0014】本発明の二軸配向ポリエチレン―2,6―
ナフタレートフィルムを用いて磁気記録テープを作成す
ると、磁性面の表面粗さが低く、またテープとビデオデ
ッキ中のヘッドとの押付け圧力が増すために高密度磁気
記録に必要な電磁変換特性が得られる。さらにビデオデ
ッキ走行中に生ずるテープエッジの折れやテープの伸び
等の異常が少なく、かつ熱的安定性が良いのでスキュー
歪が少ない。従って、本発明の二軸配向ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフィルムは高密度磁気記録テー
プ、特にメタルテープのベースフィルムとして有用であ
る。
【0015】
【実施例】以下、実施例に掲げて本発明を更に説明す
る。なお、本発明における種々の物性値及び特性は以下
の如くして測定したものであり、かつ定義される。
【0016】(1)ヤング率 フィルムを試料巾10mm、長さ15cmに切り、チャック
間100mmにして引張速度10mm/分、チャート速度5
00mm/分にインストロンタイプの万能引張試験装置に
て引張った。得られた荷重―伸び曲線の立上り部の接線
よりヤング率を計算した。
【0017】(2)フィルム表面粗さ(Ra) 小坂研究所(株)製の触針式表面粗さ計(サーフコーダ
30C)を用いて針の半径2μm、触針圧30mgの条件
下にチャート(フィルム表面粗さ曲線)をかかせた。フ
ィルム表面粗さ曲線から、その中心線の方向に測定長さ
Lの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸
とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ曲線をY=f
(x)で表わしたとき、次の式(数1)で与えられるR
a(μm)をフィルム表面粗さとして定義する。
【0018】
【数1】 本発明では、測定長を1.25mmとし、カットオフ値を
0.08mmとして、5回測定した平均値をRaとした。
【0019】(3)電磁変換特性 シバソク(株)製ノイズメーターを使用し、ビデオ用磁
気テープのS/N比を測定した。また表1に示す比較例
3のテープに対するS/N比の差を求めた。また使用し
たVTRはソニー(株)製EV―S700である。
【0020】(4)磁気テープの耐久性 ソニー(株)製EV―S700で走行開始、停止を繰り
返しながら100時間走行させ、走行状態を調べるとと
もに出力測定を行った。このときの磁気テープの走行耐
久性を下記のように判定した。 <3段階判定> ○:テープの端が折れたり、ワカメ状にならない。ま
た、削れがなく白粉付着がない。 △:若干、テープの端の折れやワカメが発生したり、小
量の白粉付着が見られる。 ×:テープの折れやワカメの発生が著しい。また、テー
プ削れが著しく白粉が多量に発生する。
【0021】(5)熱収縮率 70℃に設定されたオーブンの中にあらかじめ正確な長
さを測定した長さ約30cm、巾1cmのフィルムを無荷重
で入れ、1時間熱処理し、その後オーブンよりサンプル
を取り出し、室温に戻してからその寸法の変化を読み取
った。熱処理前の長さ(L0 )と熱処理による寸法変化
量(ΔL)より、次式(数2)で熱収縮率を求める。
【0022】
【数2】
【0023】(6)スキュー スキュー特性は常温(20℃)常湿下で録画したビデオ
テープを70℃で1時間熱処理した後、再び常温常湿下
で再生し、ヘッド切換点におけるズレ量を読み取った。
【0024】(7)巻き上がり良品率 フィルムを500mm巾で4000m、ロール状に100
本巻き取ったときに得られる良品数を百分率で示した。
このとき良品とは、次のものをいう。 フィルムが円
筒上に巻き上げられており、角ばったり、たれさがった
りしていない。 フィルムロールにしわの発生がな
い。
【0025】(8)不活性粒子の平均粒径 島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyzer)を用いて測定した。得られた遠心沈降曲
線をもとに算出した各粒径の粒子とその存在量との累積
曲線から、50マスパーセント(mass percent)に相当
する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした。
【0026】
【実施例1】平均粒径0.1μmの単分散シリカ粒子を
0.2重量%、平均粒径0.6μmの炭酸カルシウム粒
子を0.014重量%含有した固有粘度0.62dl/g
(オルソクロロフェノールを溶媒として用い、25℃で
測定した値)のポリエチレン―2,6―ナフタレートを
170℃で乾燥した後300℃で溶融押出し、60℃に
保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて1
80μmの厚みの未延伸フィルムを得た。
【0027】この未延伸フィルムを速度差をもった2つ
のロール間で125℃の温度で縦方向に4.85倍延伸
し、さらにテンターによって横方向に5.15倍延伸
し、その後215℃で10秒間熱処理をした。さらに1
10℃に加熱されたオーブンにより浮遊熱処理を実施
し、これにより0.3%弛緩処理した。
【0028】このようにして厚み7μmの二軸配向ポリ
エチレン―2,6―ナフタレートフィルムを巻取った。
【0029】一方、下記に示す組成物をボールミルに入
れ、16時間混練、分散した後、イソシアネート化合物
(バイエル社製のデスモジュールL)5重量部を加え、
1時間高速剪断分散して磁性塗料とした。
【0030】
【表1】
【0031】この磁性塗料を上述のポリエチレン―2,
6―ナフタレートフィルムの片面に塗布厚3μmとなる
ように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配
向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スーパーカレ
ンダー処理(線圧200kg/cm、温度80℃)を行な
い、巻き取った。この巻き取ったロールを55℃のオー
ブン中に3日間放置した。
【0032】さらに下記組成のバックコート層塗料を厚
さ1μmに塗布し、乾燥させ、さらに8mmに裁断し、磁
気テープを得た。
【0033】
【表2】
【0034】得られたフィルム及びテープの特性を第1
表(表3)に示す。この表から明らかなように巻き上り
良品率もよく、電磁変換特性、走行耐久性、スキューも
良好であった。
【0035】
【実施例2】実施例1と同様にして未延伸フィルムを
得、該未延伸フィルムを縦方向に130℃で2.3倍延
伸し、次いで横方向に130℃で4.0倍延伸し、引き
続いて160℃で中間熱処理した。このフィルムをさら
に縦方向に170℃で2.4倍、横方向に1.5倍延伸
し、215℃で熱処理した。このようにして7μm厚み
の二軸配向フィルムを得た。以下、実施例1と同様にし
てテープを得た。この結果を第1表(表3)に示す。実
施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0036】
【実施例3】実施例1における添加不活性粒子の代わり
に小粒径粒子として平均粒径0.1μmの単分散シリカ
粒子を0.35重量%、大粒径粒子として平均粒径0.
8μmの炭酸カルシウム粒子を0.01重量%添加した
以外は実施例1と同様にして未延伸フィルムを得、次い
で実施例2と同様にして7μm厚みの二軸配向フィルム
を得た。以下、実施例1と同様にしてテープを得た。こ
の結果を第1表(表3)に示す。実施例1と同様に良好
な結果が得られた。
【0037】
【実施例4】実施例3における不活性粒子の代わりに平
均粒径0.25μmの単分散シリカ粒子を0.3重量
%、平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子を0.0
15重量%を使用した以外は実施例3と同様にしてフィ
ルムおよびテープを得た。この結果を第1表(表3)に
示す。実施例3と同様に良好な結果が得られた。
【0038】
【比較例1】実施例1における添加不活性粒子の代わり
に平均粒径0.02μmの単分散シリカを0.05重量
%使用した以外は実施例1と同様にして厚み7μmの二
軸配向フィルムを得たが、ベースフィルムの滑り不良の
ため巻取り不可となり、磁気テープとすることができな
かった。
【0039】
【比較例2】実施例1における添加不活性粒子の代わり
に小粒径粒子として平均粒径0.15μmの単分散シリ
カを0.3重量%、大粒径粒子として平均粒径0.2μ
mの炭酸カルシウムを0.03重量%添加した以外は実
施例1と同様にしてフィルム及びテープを得た。その結
果を第1表(表3)に示す。テープの電磁変換特性も悪
化しており、また巻き上がり良品率も50%であって実
施例1に比べると悪い。
【0040】
【比較例3】実施例1において縦延伸倍率を3.7倍、
横延伸倍率を4.0倍に延伸し(延伸温度は縦、横とも
実施例1と同じ)てフィルム及びテープを得た。その結
果を第1表(表3)に示す。ヤング率が低いために走行
耐久性は不良であった。また、電磁変換特性もテープの
腰が弱いために良くなかった。
【0041】
【比較例4】実施例1において弛緩処理を省略した以外
は実施例1と同様の方法でフィルム及びテープを得た。
その結果を第1表(表3)に示す。熱収縮率が高いため
にスキューが大きく、また裏移り効果のために磁性面を
粗化し、電磁変換特性はやや不良であった。
【0042】
【比較例5】実施例2における添加不活性粒子の代わり
に小粒径粒子として平均粒径0.35μmの単分散シリ
カを0.2重量%、大粒径粒子として平均粒径1.2μ
mの炭酸カルシウムを0.01重量%添加した以外は実
施例2と同様にしてフィルム及びテープを得た。その結
果を第1表(表3)に示す。ベースフィルムの表面粗さ
(Ra)が大きいため、磁性面も粗化し電磁変換特性が
悪い。また大粒径粒子の粒径が大きく粗大突起がテープ
表面に散在するため、テープ走行時に若干削れが発生し
走行耐久性がやや悪い。
【0043】
【比較例6】実施例1における添加不活性固体粒子の代
わりに小粒径粒子として平均粒径0.1μmの単分散シ
リカを0.35重量%、大粒径粒子として平均粒径0.
8μmの炭酸カルシウム粒子を0.01重量%添加した
以外は実施例1と同様にして未延伸フィルムを得、該未
延伸フィルムを縦方向に130℃で2.3倍延伸し、次
いで横方向に130℃で4.0倍延伸し、引き続いて1
60℃で中間熱処理し、さらに縦方向に170℃で2.
6倍、215℃で熱処理した後、実施例1と同様のフィ
ルム及びテープを得た。この結果を第1表(表3)に示
す。該テープの横方向のヤング率が低く弱いためエッジ
ダメージを生じ走行耐久性がやや悪い。また縦横ヤング
率比が大きいためVTRヘッドとのなじみが悪く電磁変
換特性も良くない。
【0044】
【比較例7】実施例2における添加不活性粒子の代わり
に小粒径粒子として平均粒径0.1μmの単分散シリカ
を0.5重量%、大粒径粒子として平均粒径1.2μm
の炭酸カルシウム粒子を0.07重量%添加した以外は
実施例2と同様にしてフィルム及びテープを得た。この
結果を第1表(表3)に示す。ベースフィルムの表面粗
さ(Ra)が非常に大きく、磁性面も粗れているため電
磁変換特性が悪く、また削れによる白粉発生が著しい。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、電磁変換特性、走行耐
久性、スキュー歪、巻き特性等に優れ、高密度磁気記録
媒体特にメタルテープのベースフィルムとして有用なポ
リエチレン―2,6―ナフタレートフィルムを提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPM 8933−4J // B29K 67:00 B29L 7:00 4F C08L 67:02 (72)発明者 越中 正己 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 フィルム中に平均粒径が0.05〜0.
    3μmの不活性固体粒子を小粒径粒子として0.05〜
    0.4重量%、さらに平均粒径が0.3〜1.0μmの
    不活性固体粒子を大粒径粒子として0.005〜0.0
    5重量%含有し、かつ大粒径粒子と小粒径粒子の平均粒
    径の差が0.2μm以上であり、フィルムの表面粗さR
    aが0.003〜0.010μmであり、縦方向のヤン
    グ率(EM )が650kg/mm2 以上、横方向のヤング率
    (ET )が600kg/mm2 以上であり、これらの比(E
    M /ET )が0.9〜1.5の範囲にあり、そして70
    ℃で1時間無加重で熱処理したときの縦方向の熱収縮率
    が0.08%以下である二軸配向ポリエチレン―2,6
    ―ナフタレートフィルム。 【請求項2】 小粒径粒子としての不活性固体粒子が単
    分散シリカである請求項1記載の二軸配向ポリエチレン
    ―2,6―ナフタレートフィルム。 【請求項3】 大粒径粒子としての不活性固体粒子が炭
    酸カルシウムである請求項1記載の二軸配向ポリエチレ
    ン―2,6―ナフタレートフィルム。 【請求項4】 フィルムの厚みが2〜12μmの範囲に
    ある請求項1記載の二軸配向ポリエチレン―2,6―ナ
    フタレートフィルム。
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