JPH0542593A - 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム

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JPH0542593A
JPH0542593A JP22243991A JP22243991A JPH0542593A JP H0542593 A JPH0542593 A JP H0542593A JP 22243991 A JP22243991 A JP 22243991A JP 22243991 A JP22243991 A JP 22243991A JP H0542593 A JPH0542593 A JP H0542593A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平坦性に優れかつ耐削れ性に優れた磁気
記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルムを提供する。 【構成】 粒径比(長径/短径)が1.5〜10で、面
積円相当径の平均粒径が0.1〜0.5μmであり、相
対標準偏差が0.5以下である紡錘状炭酸カルシウム粒
子0.005〜1.0重量%を含有し、該粒子によって
フイルム表面に形成される突起の分布曲線が、高さX
(μm)が0.02μm以上で突起の数Y(個/mm2
が10個/mm2 以上の範囲において下記式を満足するこ
とを特徴とする磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフ
イルム。 -71.4 X+5<log Y<-32.4 X+5.5 [但し、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
起の数(個/mm2 )である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用二軸配向
ポリエステルフイルムに関し、更に詳しくは特定の形状
を有する炭酸カルシウム粒子を含有し、かつ該粒子によ
ってフイルム表面に形成される突起の分布が特定の範囲
にあることによって、電磁変換特性が極めて優れた特性
を有する磁気記録媒体を製造でき、かつ磁気記録媒体加
工工程での耐削れ性に優れた磁気記録媒体用二軸配向ポ
リエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れ
た物理的・化学的特性の故に、磁気記録媒体用として広
く用いられている。
【0003】磁気記録媒体用として用いる場合には、磁
性層をもうける工程でのハンドリング性のための滑り性
を確保するために表面突起の大きさ、頻度をアップする
と磁性層への突起つき出しが発生し、電磁変換特性が低
下する問題があった。このため、生産速度を下げ、滑り
性や巻取り性の低いフイルムを用いて、S−VHSや8
ミルの如く記録波長の短いシステムに対応した磁気記録
媒体を提供しているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
記録媒体、特にS−VHSや8ミリの磁気テープ用途に
おいてその製造工程の生産性向上を可能とする磁気記録
媒体用二軸配向ポリエステルフイルムを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために次の構成をとる。
【0006】粒径比(長径/短径)が1.5〜10で、
面積円相当径の平均粒径が0.1〜0.5μmであり、
下記式(1)で表わされる相対標準偏差が0.5以下で
ある防錘状炭酸カルシウム粒子0.005〜1.0重量
%を含有し、該粒子によってフイルム表面に形成される
突起の分布曲線が、高さX(μm)が0.02μm以上
で突起の数Y(個/mm2 )が10個/mm2以上の範囲に
おいて、下記式(2)を満足することを特徴とする磁気
記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム。
【0007】
【数2】
【0008】 -71.4 X+5<log Y<-32.4 X+5.5 …(2) [但し、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
起の数(個/mm2 )である。]
【0009】本発明におけるポリエステルは、芳香族ジ
カルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。かかる
ポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形
成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳香
族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
【0010】本発明において、ポリエステルとしては例
えばアルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレン
ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用
いられる。
【0011】かかるポリエステルのうちでも、特に、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成
分の80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6
―ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の
80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が
好ましい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタ
ル酸および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外
の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例え
ばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン
酸;シクロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環
族ジカルボン酸等であることができる。また、全グリコ
ール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の
上記グリコールであることができ、あるいは例えばハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4
―ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する
脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如
きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレング
リコール)等であることもできる。
【0012】また、本発明におけるポリエステルには例
えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒ
ドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカ
ルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重
合あるいは結合するものも包含される。
【0013】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
【0014】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0015】上記ポリエステルとしては、o―クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。
【0016】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、そのフイルム表面の平坦性を定義する突起分布の説
明から明らかなとおり、フイルム表面に多数の微細な突
起を有している。
【0017】それらの多数の微細な突起は、本発明によ
れば、ポリエステル中に分散して含有される多数の実質
的に不活性な紡錘状炭酸カルシウム粒子に由来する。
【0018】ポリエステル中に存在する粒子によって形
成されているフイルム表面の突起の分布曲線が、高さX
(μm)が0.02μm以上で突起の数Y(個/mm2
が10個/mm2 以上の範囲において、下記式(2)を満
足することが肝要である。
【0019】 -71.4 X+5<log Y<-32.4 X+5.5 …(2) [但し、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
起の数(個/mm2 )である。]
【0020】突起分布曲線が上記(2)式の範囲から外
れると、S−VHSや8ミリ用途としてはフイルム表面
に存在する大きな突起が磁性層につき出し現象を呈し、
結果として電磁変換特性の低下をきたしたり、磁性層が
あまりにも平坦になりすぎ、ヘッドとの摩擦が高くなり
すぎ摺動ノイズがアップする現象が生じ好ましくない。
【0021】本発明において、フイルム表面に形成され
る突起は特定の形状を有する紡錘状炭酸カルシウム粒子
によることが肝要である。即ち、粒径比(長径/短径)
が1.5〜10で面積円相当径の平均粒径が0.1〜
0.5μmであり、かつ下記式(1)
【0022】
【数3】
【0023】で表わされる相対標準偏差が0.5以下で
ある紡錘状炭酸カルシウム粒子0.005〜1.0重量
%をポリエステル中に存在させることにより、フイルム
表面に突起を形成することが必要である。
【0024】紡錘状炭酸カルシウム粒子の製法として
は、例えば炭酸ガス吹き込み法、塩の複分解法、アンモ
ニア共存下で塩化カルシウムと炭酸水素ナトリウムの反
応による製法等が挙げられる。例えば、水酸化カルシウ
ムスラリーに炭酸ガスを吹き込み、炭酸化率が60〜7
0%で該スラリーに水溶性多糖類もしくは硫酸塩等を添
加した後、炭酸化率が実質的に100%となるまで炭酸
化を行うことにより得られるが、上記の条件を満足する
紡錘状炭酸カルシウム粒子であれば、その製法に限定さ
れない。
【0025】また、紡錘状炭酸カルシウム粒子の結晶形
態としては、カルサイト、アラゴナイト、バテライト等
が挙げられるが、これらの中でもバテライト炭酸カルシ
ウムがより好ましく用いられる。
【0026】本発明において紡錘状炭酸カルシウム粒子
の粒径比が1.5未満の場合、フイルム延伸方向に粒子
が応力緩和を示さずポリエステルの親和性が不良となっ
たり、形成される突起がシャープになりすぎテープ製造
工程でのダイコーターのごとき衝撃的な力が加わった時
脱落しやすい等の問題がでる。一方、粒径比が10を越
えると、フイルム表面に形成される突起がなだらかにな
りすぎ、電磁変換特性を向上させる目的で式(2)のご
とき表面性を追及するとフイルム間のハリつき現象が発
生し、好ましくない。
【0027】また、粒子の面積円相当径の平均粒径が
0.5μmを越えると、フイルム表面が粗くなってしま
い磁気テープ化後の電磁変換特性の低下をきたす。一
方、粒子の面積円相当径の平均粒径が0.1μm未満で
は、磁気テープとした時、あまりにも平坦になりすぎ摺
動ノイズが発生し好ましくない。
【0028】また、粒子の粒径の相対標準偏差は0.5
以下、より好ましくは0.4以下であるが、相対標準偏
差が0.5を越えると突起の高さが不揃いになり、磁気
テープ化後の電磁変換特性の低下につながる。さらにま
た添加量が0.005重量%未満ではフイルム表面に形
成される突起数が不充分になり、滑り性が不足する。一
方添加量が1.0重量%より多くなるとフイルム表面が
粗くなり、磁気テープ化後の電磁変換特性が低下する。
好ましい添加量は0.01〜0.6重量%である。
【0029】これらの紡錘状炭酸カルシウム粒子は、各
種の表面処理剤でその表面が変性されていてもよい。エ
チレングリコールやポリエステルとの親和性を改良する
目的で用いられる表面処理剤は、一般に、粒子に対して
5重量%以下の量を適用されるが、その例として、例え
ばシランカップリング剤やチタンカップリング剤、ポリ
アクリル酸等を挙げることができる。
【0030】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、例えば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃
の温度でポリエステルを溶融して固有粘度0.35〜
0.9dl/gの未延伸フイルムを得、該未延伸フイルム
を一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg−10)〜
(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルの
ガラス転移温度)で2.5〜5.0倍の倍率で延伸し、
次いで上記延伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の
場合には、二段目延伸は横方向となる)にTg(℃)−
(Tg+70)℃の温度で2.5〜5.0倍の倍率で延
伸することで製造できる。この場合、面積延伸倍率は9
〜22倍、更には12〜22倍にするのが好ましい。延
伸手段は同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよ
い。
【0031】更に、二軸配向フイルムは、(Tg+7
0)℃〜Tm(℃)の温度で熱固定することができる。
例えばポリエチレンテレフタレートフイルムについては
190〜230℃で熱固定することが好ましい。熱固定
時間は例えば1〜60秒である。
【0032】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、特定の形状の炭酸カルシウム粒子によってフイルム
表面に突起が形成され、かつ、その突起分布が特定の範
囲にあることによって、極めて優れた電磁変換特性を有
するとともに磁気記録媒体加工工程での耐削れ性に優れ
ており、磁気記録媒体のベースフイルムとして極めて有
用である。
【0033】なお、本発明における種々の物性値および
特性は以下の如く測定されたものであり、かつ定義され
る。
【0034】(1)紡錘状炭酸カルシウム粒子の面積円
相当径、粒径比等 粒子の面積円相当径等の測定には次の手法がある。 1)粉体から、面積円相当径の平均粒径、粒径比等を求
める場合 2)フイルム中粒子の面積円相当径の平均粒径、粒径比
等を求める場合。
【0035】1)粉体からの場合 電子顕微鏡試料台上に粉体を個々の粒子ができるだけ重
ならないように散在させ、金スパッター装置により、こ
の表面に金薄膜蒸着層を厚み200〜300オングスト
ロームで形成し、走査型電子顕微鏡にて、例えば100
00〜30000倍で観察し、日本レギュレーター
(株)製ルーゼックス500にて、少なくとも100個
の粒子の長径、短径、および面積円相当径を求める。そ
して、これらの値から平均粒径、粒径比を算出する。
【0036】2)フイルム中粒子からの場合 試料フイルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC―
1100型イオンエッチング装置)を用いてフイルム表
面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。条件
は、ベルジャー内に試料を設置し、約10-3Torrの
真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25kV、電流1
2.5mAにて約10分間イオンエッチングを実施す
る。更に同装置にてフイルム表面に金スパッターを施
し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍で
観察し、1)と同様に平均粒径、粒径比等を算出する。
【0037】(2)フイルム表面の平坦性 Ra(中心線平均粗さ)をJIS B 0601に準じ
て測定する。東京精密社(株)製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM3B )を用いて、針の半径2μm、荷重0.0
7gの条件下にチャート(フイルム表面粗さ曲線)をか
かせ、得られるフイルム表面粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分
の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ
特性Y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられる
値(Ra:μm)をフイルム表面の平坦性として定義す
る。
【0038】
【数4】 本発明では、基準長を0.25mmとして8個測定し、値
の大きい方から3個除いた5個の平均値としてRaを表
わす。
【0039】(3)突起分布 小坂研究所製三次元粗さ計(SE―30K)を用いて針
径2μmR、針圧30mg、測定長1mm、サンプリングピ
ッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方向拡大倍率2
万倍、横方向拡大倍率200倍、走査本数150本の条
件にてフイルム表面の突起のプロファイルを三次元的
(立体的)にイメージさせる。
【0040】そのプロファイルをフイルムの厚さ方向と
直角方向の平面でカットした場合に、各突起のプロファ
イルの断面積の合計が、フイルムの測定領域の面積の7
0%となる平面を基準レベル(0レベル)とし、その基
準レベルの平面と平行に突起の高さ方向に距離X(μ
m)だけ離れた平面でカットしたときにカウントされる
突起の数をY(個/mm2 )とする。Xを順次増加又は減
少させ、そのときのYの数を読み取り、グラフにプロッ
トすることにより、突起分布曲線を描く。
【0041】(4)ブレード削れ性 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定する。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラー、3,5,6,8はフリーローラー、4はテンショ
ン検出機、7はブレード(米国GKI製工業用カミソリ
試験機用ブレード)、9はガイドローラー、10は巻取
リールをそれぞれ示す。
【0042】1/2インチ幅にスリットしたサンプルフ
イルムをブレード刃先に6度の角度であたるようにして
張力50g、走行速度100m/分で100m走行さ
せ、ブレード刃先に付着する削れ粉量で削れ性を評価す
る。
【0043】この評価はフイルム表面に形成される突起
の衝撃強さと関係し、磁気テープ製造工程におけるカレ
ンダーやダイコーターでの削れ粉発生とよく対応してい
る。 <判定> ◎:ブレード刃先に付着する削れ粉付着幅が0.5mm未
満 ○:ブレード刃先に付着する削れ粉付着幅が0.5mm以
上で1.0mm未満 △:ブレード刃先に付着する削れ粉付着幅が1.0mm以
上で2.0mm未満 ×:ブレード刃先に付着する削れ粉付着幅が2.0mm以
【0044】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0045】
【実施例1〜2、比較例1〜3】ジメチルテレフタレー
トとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として
酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、
安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す添加
粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オルソク
ロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレ
フタレートを得た。
【0046】このポリエチレンテレフタレートのペレッ
トを170℃で3時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、
溶融温度280〜300℃で溶融し、この溶融ポリマー
を1mmのスリット状ダイを通して表面仕上げ0.3s程
度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、20
0μmの未延伸フイルムを得た。
【0047】このようにして得られた未延伸フイルムを
75℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm
上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加
熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに
供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得
られた二軸配向フイルムを205℃の温度で5秒間熱固
定し、厚み14μmの熱固定二軸配向フイルムを得た。
【0048】このようにして得られた二軸配向ポリエス
テルフイルムの特性を表1に示す。なお、得られたフイ
ルムの突起分布を調べたところ、実施例1,2、比較例
2のものは前記式(2)を満足していたが、比較例1,
3のものについては規定範囲より高突起が多い方に外れ
ており、8ミリやS―VHS用途向けの磁気記録媒体と
しては電磁変換特性が懸念されるレベルになっている。
【0049】表1においてブレード削れ性の判定として
は○以上レベルであれば実用上なんら懸念はないが、△
レベルになると磁気テープ製造工程で削れ粉が発生し、
塗布トラブルや製品でのドロップアウト増が発生し、好
ましくない。
【0050】表1から明らかなように本発明によるもの
は、磁気記録媒体用として優れた表面性を有するととも
に、極めて優れた耐削れ性を有したものになっている。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、表面平坦性に優れかつ
耐削れ性に優れた磁気記録媒体用二軸配向ポリエステル
フイルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルムのブレード削れ性を測定する装置の模
式図である。
【符号の説明】
1 繰出しリール 2 テンションコントローラー 3,5,6,8 フリーローラー 4 テンション検出機(入口) 7 ブレード 9 ガイドローラー 10 巻取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 4F 105:16 4F B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径比(長径/短径)が1.5〜10
    で、面積円相当径の平均粒径が0.1〜0.5μmであ
    り、下記式(1)で表わされる相対標準偏差が0.5以
    下である紡錘状炭酸カルシウム粒子0.005〜1.0
    重量%を含有し、該粒子によってフイルム表面に形成さ
    れる突起の分布曲線が、高さX(μm)が0.02μm
    以上で突起の数Y(個/mm2 )が10個/mm2 以上の範
    囲において、下記式(2)を満足することを特徴とする
    磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム。 【数1】 -71.4 X+5<log Y<-32.4 X+5.5 …(2) [但し、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
    であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
    起の数(個/mm2 )である。]
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05310964A (ja) * 1992-04-30 1993-11-22 Diafoil Co Ltd 二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH05310964A (ja) * 1992-04-30 1993-11-22 Diafoil Co Ltd 二軸配向ポリエステルフィルム

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