JP2550237B2 - 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルム

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JP2550237B2
JP2550237B2 JP22537191A JP22537191A JP2550237B2 JP 2550237 B2 JP2550237 B2 JP 2550237B2 JP 22537191 A JP22537191 A JP 22537191A JP 22537191 A JP22537191 A JP 22537191A JP 2550237 B2 JP2550237 B2 JP 2550237B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用二軸配向
ポリエステルフイルムに関し、更に詳しくは特定の形
状、大きさを有する炭酸カルシウム粒子を含有し、該粒
子により形成される突起により滑り性、耐削れ性の改善
された磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れ
た物理的・化学的特性の故に、磁気記録媒体用として広
く用いられている。
【0003】二軸配向ポリエステルフイルムにおいて
は、その滑り性や耐削れ性がフイルムの製造工程および
加工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質を左右
する大きな要因となっている。これらが不足すると例え
ば、二軸配向ポリエステルフイルム表面に磁性層を塗布
して磁気テープを製造する場合に、コーティングロール
とフイルム表面との摩擦が激しく削れ粉が発生したりフ
イルム表面にスクラッチが発生する。
【0004】特に最近では磁気テープ製造工程の高速化
にともない、ダイコーター方式が採用されたり、磁性面
を平滑に仕上げるためのカレンダー条件が厳しくなり、
ダイコーターではダイ固定部とフイルムとの接触による
削れ粉の発生による塗布筋等のトラブル、カレンダーで
は条件の強化によるベース突起の脱落が多くなり、磁気
テープとした時ドロップアウトが増加する等のトラブル
が発生しやすくなっている。
【0005】このような問題に対してはいまだ十分な技
術対応がなされておらず、磁気テープ製造工程高速化の
さまたげとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
テープ製造工程での滑り性や耐削れ性に優れ、また磁気
テープとして使用する際の走行性に優れ、かつ優れた電
磁変換特性を有する磁気記録媒体用二軸配向ポリエステ
ルフイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために次の構成をとる。
【0008】二軸配向されたポリエステルフイルムであ
って、(A)フイルム表面の突起の分布曲線が、高さX
(μm)が0.05μm以上で突起の数Y(個/mm2
が30個/mm2 以上の範囲において、下記式(1)を満
足し、(B)走行摩擦係数の上昇(Δμk)が0.15
未満であり、そして(C)該突起が、フイルム中に粒径
比(長径/短径)が1.5〜10で平均粒径が0.4〜
1.5μmでありかつ下記(2)式で表わされる粒径分
布比が1.4以下である紡錘状炭酸カルシウム粒子0.
005〜1.0重量%と、該粒子に対して平均粒径が
0.1μm以上小さくかつ0.1〜0.4μmの平均粒
径であり、粒径比(長径/短径)が1.5〜4.0であ
り、下記(2)式で表わされる粒径分布比が1.4以下
である紡錘状炭酸カルシウム粒子0.05〜1.0重量
%とを含有させることによって形成されていることを特
徴とする磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイル
ム。
【0009】 −11.4X+4<log Y<−10.0X+5 …(1) [但し、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
起の数(個/mm2 )である。] 粒径分布比=D20/D80 …(2) [但し、D20,D80は遠心沈降法による累積重量分率が
それぞれ20%,80%における粒径である。]
【0010】本発明におけるポリエステルは、芳香族ジ
カルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。かかる
ポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形
成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳香
族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
【0011】本発明において、ポリエステルとしては例
えばアルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレン
ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用
いられる。
【0012】かかるポリエステルのうちでも、特に、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成
分の80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6
―ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の
80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が
好ましい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタ
ル酸および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外
の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例え
ばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン
酸;シクロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環
族ジカルボン酸等であることができる。また、全グリコ
ール成分の20モル%以下は、エチレングリコール以外
の上記グリコールであることができ、あるいは例えばハ
イドロキノン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロ
キシフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,
4―ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有す
る脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の
如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレン
グリコール)等であることもできる。
【0013】また、本発明におけるポリエステルには例
えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒ
ドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカ
ルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重
合あるいは結合するものも包含される。
【0014】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
【0015】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0016】上記ポリエステルとしては、o―クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。
【0017】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、そのフイルム表面の平坦性を定義する突起分布の説
明から明らかなとおり、フイルム表面に多数の微細な突
起を有している。
【0018】それらの多数の微細な突起は、本発明によ
れば、ポリエステル中に分散して含有される多数の実質
的に不活性な紡錘状炭酸カルシウム粒子に由来する。
【0019】ポリエステル中に存在する粒子によって形
成されているフイルム表面の突起の分布曲線が、高さX
(μm)が0.05μm以上で突起の数Y(個/mm2
が30個/mm2 以上の範囲において、下記式(1)を満
足することが肝要である。
【0020】 −11.4X+4<log Y<−10.0X+5 …(1) ここで、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
起の数(個/mm2 )である。
【0021】突起分布曲線が上記(1)式の範囲から外
れると、フイルムはバックコートを設けないで磁気テー
プとして使用すると、走行性が不充分になったり、磁性
層を設けても大突起の存在により磁性層面が粗くなり、
電磁変換特性が不充分となり、磁気記録媒体用としては
好ましくない。
【0022】本発明において、フイルム表面に形成され
る突起は、特定の形状、大きさ等を有する炭酸カルシウ
ム粒子によることが肝要である。即ち、大粒子として粒
径比(長径/短径)が1.5〜10で、遠心沈降法で求
められる平均粒径が0.4〜1.5μmであり、下記
(2)式で表わされる粒径分布比が1.4以下である紡
錘状炭酸カルシウム粒子0.005〜1.0重量%と、
小粒子として大粒子に対して遠心沈降法で求められる平
均粒径が0.1μm以上小さく、かつ0.1〜0.4μ
mの平均粒径であり、粒径比(長径/短径)が1.5〜
4.0であり、下記(2)式で表わされる粒径分布比が
1.4以下である紡錘状炭酸カルシウム粒子0.05〜
1.0重量%とを、ポリエステル中に存在させることに
より、フイルム表面に突起を形成することが必要であ
る。
【0023】 粒径分布比=D20/D80 …(2) 但し、D20,D80は遠心沈降法による累積重量分率がそ
れぞれ20%,80%における粒径である。
【0024】紡錘状炭酸カルシウム粒子の製法として
は、炭酸ガス吹き込み法、塩の複分解法、アンモニア共
存下で塩化カルシウムと炭酸水素ナトリウムの反応によ
る製法等が挙げられる。例えば、水酸化カルシウムスラ
リーに炭酸ガスを吹き込み、炭酸化率が60〜70%で
該スラリーに水溶性多糖類もしくは硫酸塩等を添加した
後、炭酸化率が実質的に100%となるまで炭酸化を行
うことにより得られるが、上記の条件を満足する紡錘状
炭酸シルシウム粒子であれば、その製法に限定されな
い。
【0025】また、紡錘状炭酸カルシウム粒子の結晶形
態としては、カルサイト、アラゴナイト、バテライト等
が挙げられるが、これらの中でもバテライト炭酸カルシ
ウムがより好ましく用いられる。
【0026】本発明においてフイルム表面に大きな突起
を形成する大粒径の紡錘状炭酸カルシウム粒子は粒径比
が1.5未満の場合、フイルム延伸方向に粒子が応力緩
和を示さずポリエステルの親和性が不良となりカレンダ
ー削れ性が低下したり、形成される突起がシャープにな
りすぎテープ製造工程でのダイコーターのごとき衝撃的
な力が加わった時脱落しやすい等の問題がでる。一方、
粒径比が10を越えると、フイルムの滑り性が低下し削
れ粉が発生しやすくなる。また遠心沈降法で求められる
平均粒径が1.5μmを越えると、フイルム表面が粗く
なってしまい磁気テープ化後の電磁変換特性の低下をき
たす。一方、遠心沈降法で求められる平均粒径が0.4
μm未満ではバックコートを設けないで磁気テープとし
て使用すると走行性が不充分となる。また粒子の粒径分
布比は1.4以下、より好ましくは1.3以下である
が、粒径分布比が1.4を越えると突起の高さが不ぞろ
いになり、削れ粉が発生しやすくなったり磁気テープ化
後の電磁変換特性の低下につながる。さらにまた添加量
が0.005重量%未満ではフイルム表面に形成される
突起数が不充分になり、滑り性が不足する。一方添加量
が1.0重量%より多くなるとフイルム表面が粗くな
り、磁気テープ化後の電磁変換特性が低下する。好まし
い添加量は0.01〜0.6重量%である。
【0027】本発明においてフイルム表面に小さな突起
を形成する小粒径の紡錘状炭酸カルシウムは、大突起を
形成する粒子に対して遠心沈降法で求められる平均粒径
が0.1μm以上小さいことが必要である。平均粒径の
差が0.1未満では、結果として大きな突起が多くなり
すぎテープ製造工程でのカレンダー削れ性が低下した
り、磁気テープ化後の電磁変換特性の低下をきたし好ま
しくない。
【0028】また、小粒子の平均粒径が0.1μm未満
ではフイルム表面に形成される小突起が小さくなりすぎ
フイルム地肌に求められる滑り性が低下し好ましくな
い。この粒径が0.4μmを越えると得られるフイルム
の表面が粗くなりすぎ磁気テープ化後の電磁変換特性の
低下をきたし好ましくない。
【0029】また小粒子の粒径比は1.5〜4.0、よ
り好ましくは1.5〜3.0である。この粒径比が1.
5未満では、フイルム延伸方向に粒子が応力緩和を示さ
ずポリエステルの親和性が不良となり、形成される突起
がシャープになりすぎ、テープ製造工程でのダイコータ
ーのごとき衝撃的な力が加わった時脱落しやすい等の問
題がでる。一方、粒径比が4.0を越えると、小突起が
なだらかになりすぎ、フイルム地肌に求められる滑り性
が低下し好ましくない。さらに小粒子の添加量が0.0
5重量%未満ではフイルム地肌の滑り性が不十分とな
る。一方1.0重量%を越えると添加粒子の重なりが発
生し、各種の摩耗状況下で削れ粉を発生しやすくなり好
ましくない。好ましい添加量は0.08〜0.50重量
%である。これらの紡錘状炭酸カルシウム粒子は、各種
の表面処理剤でその表面が変性されていてもよい。エチ
レングリコールやポリエステルとの親和性を改良する目
的で用いられる表面処理剤は、一般に、粒子に対して5
重量%以下の量を適用されるが、その例として、例えば
シランカップリング剤やチタンカップリング剤、ポリア
クリル酸等を挙げることができる。
【0030】本発明の二軸配向フイルムは走行摩擦係数
の上昇(Δμk)が0.15未満である必要がある。Δ
μkが0.15以上になると、走行特性が不十分とな
り、例えば磁気テープを繰返し使用すると該テープの走
行性が低下し、μkが0.3を越えると走行ストップの
トラブルを起すようになる。Δμkの調節はフイルムに
含有させる粒子の特性や添加量および延伸配向条件等で
行うが、特に大粒子となる紡錘状炭酸カルシウム粒子の
特性選択で行うのが好ましい。
【0031】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、例えば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃
の温度でポリエステルを溶融して固有粘度0.35〜
0.9dl/gの未延伸フイルムを得、該未延伸フイルム
を一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg−10)〜
(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルの
ガラス転移温度)で2.5〜5.0倍の倍率で延伸し、
次いで上記延伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の
場合には、二段目延伸は横方向となる)にTg(℃)−
(Tg+70)℃の温度で2.5〜5.0倍の倍率で延
伸することで製造できる。この場合、面積延伸倍率は9
〜22倍、更には12〜22倍にするのが好ましい。延
伸手段は同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでも良
い。
【0032】更に、二軸配向フイルムは、(Tg+7
0)℃〜Tm(℃)の温度で熱固定することができる。
例えばポリエチレンテレフタレートフイルムについては
190〜230℃で熱固定することが好ましい。熱固定
時間は例えば1〜60秒である。
【0033】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、磁気テープ製造工程での過酷な使用条件に対しても
良好な工程適性を有し、また磁気テープとしても優れた
表面平滑性を有し電磁変換特性が良好であり、磁気記録
媒体のベースフイルムとして極めて有用である。
【0034】なお、本発明における種々の物性値および
特性は以下の如く測定されたものであり、かつ定義され
る。
【0035】(1)粒子の平均粒径、粒径分布比 粒子の平均粒径および粒径分布比は、島津製作所製遠心
沈降透過式粒度測定装置を用い測定する。
【0036】(2)粒子の粒径比 電子顕微鏡試料台上に粉体を個々の粒子ができるだけ重
ならないように散在させ、金スパッター装置により、こ
の表面に金薄膜蒸着層を厚み200〜300オングスト
ロームで形成し、走査型電子顕微鏡にて、例えば100
00〜30000倍で観察し、日本レギュレーター
(株)製ルーゼックス500にて、少なくとも100個
の粒子の長径、短径を求める。そして、これらの値から
粒径比を算出する。
【0037】(3)フイルム表面の平坦性 Ra(中心線平均粗さ)をJIS B 0601に準じ
て測定する。東京精密社(株)製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM3B )を用いて、針の半径2μm、荷重0.0
7gの条件下にチャート(フイルム表面粗さ曲線)をか
かせ、得られるフイルム表面粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分
の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ
特性Y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられる
値(Ra:μm)をフイルム表面の平坦性として定義す
る。
【0038】
【数1】 本発明では、基準長を0.25mmとして8個測定し、値
の大きい方から3個除いた5個の平均値としてRaを表
わす。
【0039】(4)突起分布 小坂研究所製三次元粗さ計(SE―30K)を用いて針
径2μmR、針圧30mg、測定長1mm、サンプリングビ
ッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方向拡大倍率2
万倍、横方向拡大倍率200倍、走査本数150本の条
件にてフイルム表面の突起のプロファイルを三次元的
(立体的)にイメージさせる。
【0040】そのプロファイルをフイルムの厚さ方向と
直角方向の平面でカットした場合に、各突起のプロファ
イルの断面積の合計が、フイルムの測定領域の面積の7
0%となる平面を基準レベル(0レベル)とし、その基
準レベルの平面と平行に突起の高さ方向に距離X(μ
m)だけ離れた平面でカットしたときにカウントされる
突起の数をY(個/mm2 )とする。Xを順次増加又は減
少させ、そのときのYの数を読み取り、グラフにプロッ
トすることにより、突起分布曲線を描く。
【0041】(5)フイルムの走行摩擦係数(μk) 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定する。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラ、3,5,6,8,9及び11はフリーローラー、4
はテンション検出機(入口)、7はステンレス鋼SUS
304製の固定棒(外径5mmφ、表面粗Ra=0.02
μm)、10はテンション検出機(出口)、12はガイ
ドローラー、13は巻取りリールをそれぞれ示す。
【0042】温度20℃、湿度60%の環境で、巾1/
2インチに裁断したフイルムを7の固定棒に角度θ=
(152/181)πラジアン(152°)で接触させ
て毎分200cmの速さで移動(摩擦)させる。入口テン
ションT1 が35gとなるようにテンションコントロー
ラー2を調整した時の出口テンション(T2 :g)をフ
イルムが90m走行したのちに出口テンション検出機で
検出し、次式で走行摩擦係数μkを算出する。
【0043】
【数2】
【0044】(6)フイルムの走行摩擦係数上昇(Δμ
k) 上記フイルムの走行摩擦係数(μk)を測定する装置を
用いてフイルム移動速度を2m/分として10m長のフ
イルムを50回繰返し走行させる。その時の1回目の摩
擦係数をμk1 ,50回目の摩擦係数をμk50として下
記式によりΔμkを算出する。 Δμk=μk50−μk1
【0045】(7)ブレード削れ性 フイルムの走行摩擦係数の測定に使用した図1に示す装
置において、7のステンレス鋼SUS304製の固定棒
の代りに米国GKI製工業用カミソリ試験機用ブレード
を用い、ブレード刃先にフイルムが6度の感度で当るよ
うにして、走行摩擦の測定と同一条件で100m走行さ
せ、ブレード刃先に付着する削れ粉量で削れ性を評価す
る。
【0046】<判定> ◎;ブレード刃先に付着する削れ粉付着幅が0.5mm未
満 ○;ブレート刃先に付着する削れ粉付着幅が0.5mm以
上で1.0mm未満 ×;ブレード刃先に付着する削れ粉付着幅が1.0mm以
上 この評価は磁気テープ製造工程、特にダイコーターでの
削れ粉発生とよく対応している。
【0047】(8)カレンダー削れ性 ナイロン製の弾性ロールを持つ3段式ミニスーパーカレ
ンダー装置(由利ロール株式会社製)にて加熱ロール温
度80℃、線圧160kg/cm、速度120m/分で15
0mm幅にスリットしたフイルムを5000m処理し、弾
性ロール上の汚れ状況で削れ性を評価する。
【0048】<判定> ◎;弾性ロール表面に汚れが認められない ○;弾性ロール表面の光沢度が若干低下するも、削れ粉
の付着は認められない ×;弾性ロール表面に削れ粉の付着が認められる。
【0049】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0050】
【実施例1〜2、比較例1〜4】ジメチルテレフタレー
トとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として
酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、
安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す添加
粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オルソク
ロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレ
フタレートを得た。
【0051】このポリエチレンテレフタレートのペレッ
トを170℃で3時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、
溶融温度280〜300℃で溶融し、この溶融ポリマー
を1mmのスリット状ダイを通して表面仕上げ0.3s程
度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、20
0μmの未延伸フイルムを得た。
【0052】このようにして得られた未延伸フイルムを
75℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm
上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加
熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに
供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得
られた二軸配向フイルムを205℃の温度で5秒間熱固
定し、厚み14μmの熱固定二軸配向フイルムを得た。
【0053】このようにして得られた二軸配向ポリエス
テルフイルムの特性を表1に示す。なお、得られたフイ
ルムの突起分布を調べたところ、実施例1,2、比較例
1〜3は前記(1)式を満足していたが、比較例4は規
定全範囲については満足しておらず、50回繰返し走行
後の走行摩擦係数が0.40と高くなって実用上懸念の
あるレベルになっている。
【0054】表1において、ブレード削れ性、カレンダ
ー削れ性の判定としては○レベル以上であれば磁気テー
プとして実用上なんら懸念はないが、×レベルになると
テープ製造工程の条件にもよるが塗工性や、削れ性の問
題が発生し、ドロップアウトの増加が懸念される。
【0055】表1から明らかなように、本発明によるも
のは磁気記録媒体用として優れた表面性を有するととも
に優れた耐削れ性を有したものになっている。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、表面性、滑り性、耐削
れ性の改善された磁気記録媒体用二軸配向ポリエステル
フイルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルム走行性を評価するため動摩擦係数を測
定する装置の模式図である。
【符号の説明】
1 繰出しリール 2 テンションコントローラー 3,5,6,8,9,11 フリーローラー 4 テンション検出器(入口) 7 固定ピン 10 テンション検出器(出口) 12 ガイドローラー 13 巻取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 105:16 B29L 7:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向されたポリエステルフイルムであ
    って、(A)フイルム表面の突起の分布曲線が、高さX
    (μm)が0.05μm以上で突起の数Y(個/mm2
    が30個/mm2 以上の範囲において、下記式(1)を満
    足し、(B)走行摩擦係数の上昇(Δμk)が0.15
    未満であり、かつ(C)該突起が、フイルム中に粒径比
    (長径/短径)が1.5〜10で、平均粒径が0.4〜
    1.5μmでありかつ下記(2)式で表わされる粒径分
    布比が1.4以下である紡錘状炭酸カルシウム粒子0.
    005〜1.0重量%と、該粒子に対して平均粒径が
    0.1μm以上小さくかつ0.1〜0.4μmの平均粒
    径であり、粒径比(長径/短径)が1.5〜4.0であ
    り、下記(2)式で表わされる粒径分布比が1.4以下
    である紡錘状炭酸カルシウム粒子0.05〜1.0重量
    %とを含有させることによって形成されていることを特
    徴とする磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフイル
    ム。 −11.4X+4<log Y<−10.0X+5 …(1) [但し、Xは基準レベルからの高さ方向の距離(μm)
    であり、Yは高さXでカットした時にカウントされる突
    起の数(個/mm2 )である。] 粒径分布比=D20/D80 …(2) [但し、D20,D80は遠心沈降法による累積重量分率が
    それぞれ20%,80%における粒径である。]
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