JPH05179021A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH05179021A
JPH05179021A JP105492A JP105492A JPH05179021A JP H05179021 A JPH05179021 A JP H05179021A JP 105492 A JP105492 A JP 105492A JP 105492 A JP105492 A JP 105492A JP H05179021 A JPH05179021 A JP H05179021A
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JP
Japan
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particles
particle size
film
calcium carbonate
polyester
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JP105492A
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English (en)
Inventor
Kazuo Endo
一夫 遠藤
Satoyuki Kotani
智行 小谷
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な表面を有し、走行性や巻き特性に代表
される作業性および耐摩耗性に優れた二軸配向ポリエス
テルフィルムを提供する。 【構成】 平均粒径が0.005〜1μmで、下記式に
定義する粒度分布値が2.00以下であるバテライト型
炭酸カルシウム粒子(A)を0.05〜 3重量%、お
よび平均粒径が粒子(A)の平均粒径よりも大きく、か
つ0.1〜2μmで、下記式に定義する粒度分布値が
2.00以下であるバテライト型炭酸カルシウム粒子
(B)を0.001〜0.2重量%含有することを特徴
とするニ軸配向ポリエステルフィルム。 粒度分布値=d25/d75 [上記式中、d25、d75は、粒子群の積算体積を大粒子
側から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当
する粒径(μm)を示す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は均一な表面を有し、走行
性や巻き特性に代表される作業性および耐摩耗性に優れ
た二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】二軸
配向ポリエステルフィルムは、産業用資材として広く用
いられているが、近年、各用途において高級志向が著し
くなり、フィルム表面が均一であることが強く望まれる
ようになった。また、ポリエステルフィルムはフィルム
の摩耗による表層の削れや粒子の脱落に代表される摩耗
特性が必ずしも十分でなく、この点の改良が切望されて
いる。特に厳しい品質が要求される磁気記録媒体用途に
おいては、これらの点を高度に満足する必要がある。従
来、ポリエステルフィルムの作業性および耐摩耗性を改
良する手段として、フィルム中に不活性な微粒子を存在
させ、フィルム表面を適度に粗面化する方法が知られて
おり、ある程度その改良がなされているが、必ずしも十
分な結果は得られていない。例えば、微粒子としてポリ
エステル製造時の触媒残渣等からのいわゆる析出粒子を
用いた場合は、延伸により該微粒子が破壊されやすいた
め、作業性や耐摩耗性が劣り、また再生使用も困難であ
る。また、酸化ケイ素、硫酸バリウム、二酸化チタン、
リン酸カルシウム等のポリエステルに不活性な無機化合
物粒子を添加した場合は、延伸により該微粒子が破壊、
変形されることはなく、フィルム表面に比較的急峻な突
起を与えることができ、作業性は改良されるが、通常、
その粒度分布は広く、粒子の脱落も生じやすいため、例
えば磁気記録媒体用として用いた場合、しばしば電磁変
換特性の悪化やドロップアウトの多発を引き起こしてし
まう。
【0003】一方、他の重要な要求特性として、いわゆ
る巻き特性がある。従来、ポリエステルフィルムの巻き
特性を改良する手段として、フィルム中に大粒子を配合
する方法が知られており、ある程度その改良がなされて
いるが、必ずしも十分な結果は得られていない。かかる
大粒子として、酸化ケイ素、硫酸バリウム、二酸化チタ
ン、リン酸カルシウム等のポリエステルに不活性な無機
化合物粒子を挙げることができるが、通常その粒度分布
は広く、フィルム表面粗度が高くなるとともに、粗大粒
子の混在等により、往々にして粗大突起が増加してしま
い、高性能化のためのフィルム表面平坦化には相反して
しまうことになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討を行った結果、平均粒径の異なる2種以
上の単分散のバテライト型炭酸カルシウム粒子を含有し
てなるフィルムが優れた特性を有することを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨
は、平均粒径が0.005〜1μmで、下記式に定義す
る粒度分布値が2.00以下であるバテライト型炭酸カ
ルシウム粒子(A)を0.05〜 3重量%、および平
均粒径が粒子(A)の平均粒径よりも大きく、かつ0.
1〜2μmで、下記式に定義する粒度分布値が2.00
以下であるバテライト型炭酸カルシウム粒子(B)を
0.001〜0.2重量%含有することを特徴とする二
軸配向ポリエステルフィルムに存する。 粒度分布値=d25/d75 [上記式中、d25、d75は、粒子群の積算体積を大粒子
側から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当
する粒径(μm)を示す]
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、繰り返し構造単位の80%以上
がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6
−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。本発
明の重要な骨子は、ポリエステルフィルムに配合する粒
子として平均粒径の異なる2種以上の単分散のバテライ
ト型炭酸カルシウム粒子を特定量ずつ併用する点にあ
る。従来、炭酸カルシウム粒子の製法としては天然の炭
酸カルシウムを粉砕、分級する方法のほか、例えば特開
昭59−69425号公報に示されているように、水酸
化カルシウム溶液に二酸化炭素含有ガスを注入して反応
させるいわゆる合成法による沈降性炭酸カルシウム粒子
が知られている。この場合、比較的粒径のそろったカル
サイト型炭酸カルシウム粒子が得られ、これを例えば特
公平1−16856号公報に示されているようにポリエ
ステルフィルムに配合することが通常行われているが、
かかる粒子の粒度分布は広く、高度なレベルで良好な特
性を有するフィルムは得られていない。
【0006】本発明者らは、かかる合成法において、特
にメタノ−ルを典型的な例とするアルコ−ル媒体中で二
酸化炭素を吹き込む炭酸化反応を採用し、系内の水素イ
オン濃度、反応速度、反応温度、を始めとする製造条件
を適宜選定することにより、粒度分布の極めて鋭いバテ
ライト型炭酸カルシウム粒子を製造し得ることを知見し
た。かかるバテライト型炭酸カルシウム粒子は、そのま
まポリエステル製造工程に添加することも可能である
が、反応系への溶解度を減少させ、また分散性を向上さ
せるため表面処理を施しておくことが好ましい。この分
散剤を兼ねる表面処理剤としては、例えば特開昭59−
69426号公報あるいは特開平1−256558号公
報に記載されているような、表面処理剤、特にポリカル
ボン酸あるいはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩
等が好ましく用いられる。これらの表面処理剤は、通
常、粒子の製造段階の途中で加えると効果的である。
【0007】本発明で用いるバテライト型炭酸カルシウ
ム粒子(A)の平均粒径は0.005〜1μmであり、
好ましくは0.01〜1μm、さらに好ましくは0.0
5〜0.8μmである。平均粒径が0.005μm未満
では、走行性や耐摩耗性がほとんど改良されず不適当で
ある。一方、平均粒径が1μmを超える場合は、フィル
ムの表面粗度が高くなりすぎるため電磁変換特性を損ね
てしまう。さらに、粒子(A)の粒度分布値は2.00
以下であり、好ましくは1.80以下、さらに好ましく
は1.50以下である。、粒度分布値が2.00を超え
ると、最終的に得られるフィルムの表面粗度が不均一と
なるため、電磁変換特性を損ねたり、耐電圧が悪化した
りするようになる。また、粒子(A)のフィルムへの配
合量は0.05〜3重量%であり、好ましくは0.1〜
2.0重量%、さらに好ましくは0.2〜1重量%であ
る。配合量が0.1重量%未満では、走行性や耐摩耗性
がほとんど改良されず不適当である。一方、配合量が3
重量%を超える場合は、フィルムの表面粗度が高くなり
すぎるため電磁変換特性を損ねてしまう。さらに、粒子
(A)の球形比(長径と短径の比)は通常、1.5以下
であり、好ましくは1.3以下である。粒子(A)の球
形比が1.3を越えると走行性が劣る場合がある。
【0008】本発明で用いるバテライト型炭酸カルシウ
ム粒子(B)の平均粒径は、上記粒子(B)の平均粒径
よりも大きく、かつ0.1〜2μmの範囲である必要が
ある。粒子(B)の平均粒径は、好ましくは0.20〜
1.5μm、さらに好ましくは0.3〜1.0μmであ
る。平均粒径が0.1μm未満では、走行性や巻き特性
がほとんど改良されず不適当である。一方、平均粒径が
2μmを超える場合は、フィルムの表面粗度が高くなり
すぎるため電磁変換特性を損ねてしまう。さらに、粒子
(B)の粒度分布値は2.00以下であり、好ましくは
1.80以下、さらに好ましくは1.50以下である。
粒度分布値は2.00を超えると、最終的に得られるフ
ィルムの表面粗度が不均一となるため、電磁変換特性を
損ねたり、耐電圧が悪化したりするようになる。また、
粒子(B)のフィルムへの配合量は0.001〜0.2
重量%であり、好ましくは0.005〜0.15重量
%、さらに好ましくは0.01〜0.1重量%である。
配合量が0.001重量%未満では、走行性や巻き特性
がほとんど改良されず不適当である。一方、配合量が
0.2重量%を超える場合は、フィルムの表面粗度が高
くなりすぎるため電磁変換特性を損ねてしまう。さら
に、粒子(B)の球形比は1.3〜2.0の楕円体であ
ることが好ましく、1.4〜1.8がさらに好ましい。
粒子(B)の球形比が1.3未満では耐摩耗性および耐
久走行性が劣ることがあり、球形比が2.0を越えると
走行性が劣ることがある。
【0009】このように本発明においては、ある特定形
状、特定粒度分布を有する2種以上のバテライト型炭酸
カルシウム粒子を併用した場合にその効果が発揮される
が、その効果は、次の幾つかの要件が組み合わされたと
きに格段のものとなる。第一は、エチレンテレフタレ−
ト単位を80モル%以上含むフィルムの場合、フィルム
の厚み方向の屈折率を1.492以上とすることであ
る。この値が1.492未満では、フィルムの易滑性お
よび耐摩耗性の改良効果が不十分である。また、フィル
ムの厚み方向の屈折率が1.492以上である場合、磁
性層との接着性を向上することができ好適である。フィ
ルム厚み方向の屈折率は、好ましくは1.494〜1.
505である。かかる物性を有するフィルムは、例えば
逐次二軸延伸の場合、縦延伸温度を通常の延伸温度より
も5〜30℃高い105〜115℃程度とすることによ
って得ることができる。
【0010】本発明の効果が特に発揮される第二の組み
合わせは、エチレンテレフタレ−ト単位を80モル%以
上含むフィルムの場合、該粒子を含むフィルムの縦方向
のヤング率と横方向のヤング率の和を900kg/mm
2 以上、さらに好ましくは1000kg/mm2 以上、
特に好ましくは1100kg/mm2 以上とすることで
ある。通常、このように高強度となるように強く延伸さ
れた場合は、フィルム表層から粒子が脱落しやすく、フ
ィルムの耐摩耗性が悪化するが、本発明の粒子を用いた
場合には、かかる脱落現象が減少する傾向にある。な
お、かかる高強度フィルムは、例えば次の公知の製膜方
法により得ることができる。すなわち、実質的に無配向
の未延伸シ−トを80℃〜120℃で縦方向に、3.0
〜6.0倍、次いで横方向に3.0〜6.0倍延伸し、
170℃〜240℃にて熱処理する方法である。もちろ
ん縦横に逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸した後、さ
らに110℃〜180℃の温度で縦方向に1.05〜
2.5倍再延伸を行った後、熱処理する方法も採り得
る。この際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再
縦延伸前または後に、微小倍率縦延伸等の手法を適宜採
用することも可能である。また、同様に横方向に再延伸
を行ってもよい。
【0011】本発明の効果が特に発揮される第三の組み
合わせは、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を
80モル%以上含むフィルムに粒子(A)および(B)
を配合する場合である。ポリエステルフィルムの中でも
特にポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を80モ
ル%以上含むフィルムは、機械的強度や耐熱性に優れて
いることから注目されているが、かかるフィルムはフィ
ルムの走行速度や張力の点において、しばしば厳しい条
件下で使用されるので、特に耐摩耗性の改良が望まれて
いる。特に、フィルムの縦方向のヤング率と横方向のヤ
ング率の和を1300kg/mm2 以上、さらに好まし
くは1400kg/mm2 以上、特に好ましくは150
0kg/mm2 以上とすることにより、その耐摩耗性の
改良効果が顕著に得られる。ポリエチレン−2,6−ナ
フタレ−トの場合、延伸温度を高くすること以外は、ポ
リエチレンテレフタレ−トと同様な手法により、かかる
高強度フィルムを得ることができる。すなわち、実質的
に無配向の未延伸シ−トを140℃〜120℃で縦方向
に3.0〜6.0倍、次いで横方向に3.0〜6.0倍
延伸し、180℃〜260℃にて熱処理する。もちろん
縦横に逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸した後、さら
に140℃〜200℃の温度で縦方向に1.05〜4.
0倍再延伸を行った後、熱処理する方法も採り得る。こ
の際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸
前または後に、微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用する
ことも可能である。また、同様に横方向に再延伸を行っ
てもよい。
【0012】このように本発明においてはある特定形
状、特定粒度分布を有する2種以上のバテライト型炭酸
カルシウム粒子を併用することにより、ポリエステルフ
ィルムの特性を改良することができるが、上記3通りの
場合において、その効果がを特に享受することができ
る。本発明においては、その要旨を超えない範囲で、他
の粒子を一種以上併用して、さらにフィルムの走行性、
耐摩耗性、耐擦傷性等を改良することが可能である。か
かる粒子の一つとして析出粒子を挙げることができる。
ここでいう析出粒子とは、例えばエステル交換触媒とし
てアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を用いた
系を常法により重合することにより反応系内に析出する
ものを指す。また、併用する粒子の一つとして添加粒子
も用いることができる。ここでいう添加粒子とはポリエ
ステルに外部から添加する粒子を指すが、具体的にはカ
オリン、タルク、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、
石膏、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、フッ化リチウ
ム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、耐熱性の高分子微粉
体等を挙げることができる。
【0013】近年、磁気記録媒体用ベ−スフィルムに対
し、平坦性、易滑性、耐摩耗性、接着性、新たに耐擦傷
性がしばしば要求されるようになった。これは例えば、
テ−プが高速で走行する際、テ−プが接触する部分から
傷付けられたり、発生した摩耗粉によりフィルムに傷が
入りやすくなったりするためである。傷付きが多いと、
外観上好ましくないだけでなく、工程の汚染やドロップ
アウトの増加を引き起こすようになる。この耐擦傷性を
高度に改良するためには、併用する粒子として特に酸化
アルミニウムを選択することが好ましい。特に平均粒径
0.5μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のデ
ルタ型もしくはガンマ型がさらに好ましく、0.1μm
以下のデルタ型が特に好ましく用いられる。これらの粒
子の製造法としては、例えば熱分解法、すなわち無水塩
化アルミニウムを原料として火焔加水分解させる方法、
あるいはアンモニウム明ばん熱分解法、すなわち水酸化
アルミニウムを原料として硫酸と反応させて硫酸アルミ
ニウムとした後、硫酸アンモニウムと反応させてアンモ
ニウム明ばんとして焼成する方法等を挙げることができ
る。これらの方法により得られる酸化アルミニウムの一
次粒径は、通常、5〜40nmの範囲にあるが、しばし
ば0.5μmを超える凝集体を形成しているので、適度
に解砕して使用することが望ましい。この場合、多少凝
集した二次粒子となっていてもよいが、見掛け上の平均
粒径は0.5μm以下が好ましく、0.1μm以下が特
に好ましい。
【0014】このように特定の形状、粒径および粒度分
布を有する2種類のバテライト型炭酸カルシウム粒子
と、さらに必要に応じ酸化アルミニウム粒子を始めとす
る他の粒子を配合することにより、極めて優れた、特に
磁気記録媒体用に適したポリエステルフィルムを得るこ
とが可能となる。本発明のバテライト型炭酸カルシウム
粒子を含むポリエステルの製造に際し、炭酸カルシウム
粒子および併用する添加粒子は、ポリエステルの合成反
応中に添加することが好ましい。特に、エステル交換反
応またはエステル化反応終了後、重縮合反応開始前に添
加することが好ましい。なお、添加する粒子は、通常、
エチレングリコ−ルのスラリ−として添加するが、必要
に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施し
ておいてもよい。添加するエチレングリコ−ル中のスラ
リ−濃度は3〜50重量%、好ましくは10〜40%と
するのが良い。スラリ−の粒子濃度が3重量%未満で
は、エチレングリコ−ルの使用量が増し、エチレングリ
コ−ルの原単位が大きくなり好ましくない。また、粒子
濃度が50重量%を超えたスラリ−を添加すると、粒子
の分散性が往々にして悪化する。なお、ポリエステル合
成の重縮合反応触媒としては、Sb,Ti,Ge,S
n,Si化合物等の通常用いられている触媒が使用され
る。特に磁気記録媒体用として好適な本発明のフィルム
は特定の粒子と特定のフィルム物性との組み合わせによ
り初めて得られるものであるが、そのフィルム表面の中
心線平均粗さは、通常、0.005〜0.1μmであ
り、0.007〜0.08μmが好ましく、0.01〜
0.03μmがさらに好ましい。
【0015】本発明のフィルムはビデオテ−プ用のベ−
スフィルムとして賞用されるほか、オ−ディオ用のそれ
として用いた場合にも特に効果を発揮し得る。もちろん
必要に応じ、コンデンサ−の誘電体用、包装用、製版
用、その他の用途に用いることも可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例における種々の物性および特性の測定方法、定義は下
記のとおりである。実施例および比較例中「部」とある
は「重量部」を示す。
【0017】(1)平均粒径および粒度分布 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。また、同時に大粒子側か
ら積算して重量分率25%の点の直径と重量分率75%
の点の直径の比を粒度分布の指標とした。 (2)球形比 電子顕微鏡で粒子の長径と短径を測定し、その平均値を
各々の粒子の長径および短径とした。 (3)フィルムの屈折率 アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルムの厚さ
方向の屈折率(nα)、フィルム面内の屈折率の最大値
となる屈折率(nγ)およびその直角方向の屈折率(n
β)を測定した。なお、屈折率の測定はナトリウムD線
を用いた。 (4)ヤング率(引張弾性率) (株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル20
01型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節さ
れた室内において、長さ300mm、幅20mmの試料
フィルムを、10%/minの歪速度で引張り、引張応
力−歪曲線の初めの直線部分を用いて次式によってヤン
グ率(E)を計算した。 E=Δσ/Δε (上記式中、E、Δσ、Δεはそれぞれヤング率(kg
/mm2 )、直線上の2点間の元の平均断面積による応
力差、同じ2点間の歪差を表す)
【0018】 (5)フィルム表面の平均粗さおよび粗さの均一性 日本工業規格JIS B0601に記載されている方法
に従い、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3
F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)および最大高さ
(Rt)を求めた。Rt/Raが小さいほど表面が均一
である。 (6)走行性 フィルムの滑り性により評価した。滑り性は、固定した
硬質クロムメッキ金属ロール(直径6mm)にフィルムを
巻き付け角(θ)135°で接触させ、53g(T2
の荷重を一端にかけて、1m/minの速度でこれを走
行させ他端の抵抗力(T1 ,g)を測定し、次式により
走行中の摩擦係数(μd)を求めた。
【0019】
【数1】
【0020】(7)摩耗特性 固定した直径6mmの硬質クロム製固定ピンにフィルム
を巻きつけ角135°で接触させ、速度10m/mi
n、張力200gでフィルムを1000mにわたって走
行させ、ピンに付着した摩耗白粉量を目視評価し、下に
示すランク別に評価を行った。 ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクD:極めて多く付着する (8)フィルムの巻き特性 ポリエステルフィルムの巻き取り作業時のロールの巻き
ずれ、シワ入りおよび巻き姿等の良否を総合的に判断し
た。 (9)磁気テ−プ特性 まず磁気テープを製造した。すなわち、磁性微粉末20
0部、ポリウレタン樹脂30部、ニトロセルロース10
部、塩化ビニル−酢酸セルロース共重合体10部、レシ
チン5部、シクロヘキサノン100部、メチルイソブチ
ルケトン100部、およびメチルエチルケトン300部
をボールミルにて48時間混合分散後、ポリイソシアネ
ート化合物5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエス
テルフィルムに塗布した後、塗料が十分乾燥固化する前
に磁気配向させ、その後乾燥し、2μmの膜厚の磁性層
を形成した。次いで、鏡面仕上げの金属ロ−ルとポリエ
ステル系複合樹脂ロ−ルとから構成されている5段のス
−パ−カレンダ−を用い、ロ−ル温度85℃、線圧25
0kg/cm、走行速度80m/minの条件下、上記
の磁気テープ5000mを7回繰り返し走行させ、樹脂
ロ−ルに付着する白粉量を目視評価し、下に示すランク
別に評価を行った。 〇…樹脂ロ−ルに白粉の付着はほとんど見られない △…極く僅かな白粉の付着が見られる ×…明らかに白粉の付着が見られる また、磁気テープを1/2インチ幅にスリットした後、
松下電気製NV−3700型ビデオデッキにより、常速
にて下記の磁気テープ特性を評価した。 (i)VTRヘッド出力 シンクロスコープにより、測定周波数が4メガヘルツに
おけるVTRヘッド出力を測定し、ブランクを0デシベ
ル(dB)として、その相対値をデシベルで示した。 (ii)ドロップアウト数 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)ドロップアウトカウンタ
ーでドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当り
のドロップアウト数に換算した。
【0021】実施例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム4水塩0.09部を反応
器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去して
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了
した。次いで、高分子ポリカルボン酸(3重量%/対粒
子)で表面処理した、平均粒径0.21μm、粒度分布
値1.32、球形比1.05の、ほぼ球状のバテライト
型炭酸カルシウム粒子(丸尾カルシウム株製VAN−S
020)0.6部をエチレングリコ−ルスラリ−として
添加した。スラリー添加後、さらにリン酸0.03部、
三酸化アンチモン0.04部を加えて4時間重縮合反応
を行い、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレー
ト(A)を得た。得られたポリエチレンテレフタレート
(A)の内部を顕微鏡で観察したところ、粒子が均一に
分散していることが確認された。また、別途上記球状バ
テライト型炭酸カルシウムの代わりに、高分子ポリカル
ボン酸(3重量%/対粒子)で表面処理した、平均粒径
0.45μm、粒度分布値1.35、球形比1.50の
楕円体のバテライト型炭酸カルシウム粒子(丸尾カルシ
ウム株製VAN−R075)を0.3%添加し、同様に
してエステル交換反応、重縮合反応を行い、極限粘度
0.63のポリエチレンテレフタレート(B)を得た。
さらに、粒子添加を行わないこと以外は上記方法と全く
同様にしてエステル交換反応、重縮合反応を行い、極限
粘度0.63のポリエチレンテレフタレート(C)を得
た。次いで、得られたポリエステル(A)50%、ポリ
エステル(B)16.7%とポリエステル(C)33.
3%とを均一にブレンドし、常法にて乾燥後、290℃
で溶融押出し、無定形シートを得、シートの流れ方向
(縦方向)に110℃で3.5倍、横方向に110℃で
3.5倍延伸し、220℃で3秒間熱処理を行い、厚さ
15μmのフィルムを得た。得られたフィルムのヤング
率は、縦方向が430kg/mm2 、横方向が430k
g/mm2 であった。得られたフィルムに磁性層を塗布
し磁気テープを得、その特性を測定した。
【0022】実施例2 実施例1において、得られたポリエステルの配合比をポ
リエステル(A)50%、ポリエステル(B)3.3%
とポリエステル(C)46.7%とするほかは実施例1
と同様にしてポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
得、その特性を評価した。
【0023】実施例3 実施例1において、ポリエチレンテレフタレ−ト(B)
を製造する際に用いた楕円体のバテライト型炭酸カルシ
ウム粒子の代わりに、高分子ポリカルボン酸(3重量%
/対粒子)で表面処理した、平均粒径0.50μm、粒
度分布値1.25、球形比1.05のほぼ球状のバテラ
イト型炭酸カルシウム粒子(丸尾カルシウム株製VAN
−S050)を用いたほかは実施例1と同様にしてポリ
エチレンテレフタレ−トフィルムを得、その特性を評価
した。 比較例1 実施例1において、ポリエステルの配合比をポリエステ
ル(A)50%、ポリエステル(C)50%とするほか
は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレ−トフ
ィルムを得、その特性を評価した。
【0024】比較例2 実施例1において、ポリエチレンテレフタレ−ト(B)
を製造する際に用いた楕円体のバテライト型炭酸カルシ
ウム粒子の代わりに、平均粒径0.50μm、粒度分布
値2.12の塊状バテライト型炭酸カルシウム粒子を用
いたほかは実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムを得、その特性を評価した。 実施例4 実施例1のフィルムの製造において、縦および横方向に
延伸した後、130℃で縦方向に1.08倍延伸を行
っ。 実施例5 実施例3のフィルムの製造において、縦および横方向に
延伸した後、130℃で縦方向に1.08倍延伸を行っ
てフィルムを得、その特性を評価した。 比較例3 比較例2のフィルムの製造において,縦および横方向に
延伸した後、130℃で縦方向に1.08倍延伸を行っ
てフィルムを得、その特性を評価した。
【0025】実施例6 実施例1のポリエステルの製造において、ジメチルテレ
フタレ−トの代わりにジメチル−2,6ナフタレ−トを
用いるほかは実施例1と同様にしてエステル交換反応を
行った。次いで、実施例1で用いた、高分子ポリカルボ
ン酸(3重量%/対粒子)で表面処理した、平均粒径
0.21μm、粒度分布値1.32、球形比1.05の
ほぼ球状のバテライト型炭酸カルシウム粒子(丸尾カル
シウム株製VAN−S020)0.6部をエチレングリ
コ−ルスラリ−として添加した。さらに、リン酸0.0
3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて常法により
重縮合反応を行い、極限粘度0.59のポリエチレン−
2,6−ナフタレートを得た。得られたポリマ−を0.
3mmHg、235℃で7時間固相重合し、極限粘度
0.68のポリエチレン−2,6−ナフタレート(D)
を得た。また、別途、上記球状バテライト型炭酸カルシ
ウムの代わりに、高分子ポリカルボン酸(3重量%/対
粒子)で表面処理した、平均粒径0.45μm、粒度分
布値1.35、球形比1.50の楕円体のバテライト型
炭酸カルシウム粒子(丸尾カルシウム株製VAN−R0
75)を0.3%添加し、同様にしてエステル交換反
応、重縮合反応を行い、極限粘度0.63のポリエチレ
ン−2.6−ナフタレート(E)を得た。さらに、粒子
添加を行わないこと以外は上記方法と全く同様にしてエ
ステル交換反応、重縮合反応を行い、極限粘度0.63
のポリエチレン−2.6−ナフタレート(F)を得た。
得られたポリエステル(D)50%、ポリエステル
(E)16.7%とポリエステル(F)33.3%とを
均一にブレンドし、常法にて乾燥後、295℃で押出機
よりシ−ト状に押し出し、静電印加冷却法を用いて厚さ
100μmの無定形シ−トを得た。次いで、140℃で
縦方向に4.2倍、テンタ−で横方向に3.9倍延伸し
た後、220℃で5秒間熱処理を行い、厚み8μmのポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得、その
特性を評価した。
【0026】実施例7 実施例6において、縦方向のヤング率を1020kg/
mm2とするほかは実施例6と同様にしてポリエチレン
−2,6−ナフタレートフィルムを得、その特性を評価
した。 比較例4 実施例6において、ポリエチレン−2.6−ナフタレ−
ト(E)を製造する際に用いた楕円体のバテライト型炭
酸カルシウム粒子の代わりに、平均粒径0.50μm、
粒度分布値2.12の塊状バテライト型炭酸カルシウム
粒子を用いたほかは実施例6と同様にしてポリエチレン
−2.6−ナフタレ−トフィルムを得、その特性を評価
した。以上、得られた結果をまとめて下記表1〜4に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明のフィルムは均一微細な表面構造
を有しており、特に耐摩耗性および走行性等に優れ、磁
気記録媒体用ベ−スフィルムをはじめとする産業用資材
として有用であり、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 B29L 7:00 4F C08L 67:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.005〜1μmで、下記
    式に定義する粒度分布値が2.00以下であるバテライ
    ト型炭酸カルシウム粒子(A)を0.05〜3重量%、
    および平均粒径が粒子(A)の平均粒径よりも大きく、
    かつ0.1〜2μmで、下記式に定義する粒度分布値が
    2.00以下であるバテライト型炭酸カルシウム粒子
    (B)を0.001〜0.2重量%含有することを特徴
    とする二軸配向ポリエステルフィルム。 粒度分布値=d25/d75 [上記式中、d25、d75は、粒子群の積算体積を大粒子
    側から計測し、それぞれ総体積の25%、75%に相当
    する粒径(μm)を示す]
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8297614B2 (en) 2008-02-20 2012-10-30 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus
JP2014195985A (ja) * 2013-03-08 2014-10-16 東レ株式会社 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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US8297614B2 (en) 2008-02-20 2012-10-30 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus
US8608159B2 (en) 2008-02-20 2013-12-17 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus
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