JP2014195985A - 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
高温での使用や加工条件下でも非常に優れた寸法安定性を有し、かつフィルムの巻出し・搬送時のバタツキが少なく、さらにフィルムの幅方向中央部以外の位置においても直進性が良好である、ロール形態での連続加工性に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】
長手方向の150℃30分における熱収縮率が0.0%以上0.6%以下、長手方向片伸び量の絶対値が8mm/10m長以下であり、かつポリエステルフィルムの幅方向中央部におけるソニックシートテスターで測定される超音波伝導速度が最大値を示す方向と、ポリエステルフィルムの長手方向をなす角度が10°以上80°以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温での使用や高温での加工条件下でも非常に優れた寸法安定性を有し、かつフィルムの巻出し・搬送時のバタツキが少なく直進性が良好である、連続加工性に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法に関するものである。
ポリエステル樹脂は機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステル樹脂をフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その機械的特性、電気的特性などから、電気絶縁用途、磁気記録材料や、コンデンサ用材料、包装材料、建築材料、写真用途、グラフィック用途、感熱転写用途、フラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの光学用途など種々の用途に使用されている。
ここで、二軸配向されたポリエステルフィルムにおいては、フィルムを延伸して分子配向させることにより、強度や剛性といった機械特性を向上させているが、延伸される事により分子鎖に歪みが残留するため、熱がかかる事で分子鎖の歪みが解放され収縮するという性質を持っている。この収縮は、使用時に高温環境下にさらされる用途や加工時に高温処理が必要な用途においては、フィルムの寸法変化による不具合が発生するという問題があった。例えば、特に近年需要の伸びが著しいタッチパネル用途において、ポリエステルフィルムからなる基材フィルムの上にインジウム錫酸化層(ITO)などの導電層を形成させるが、導電層を形成させるためには透明電極層を形成しているインジウム錫酸化層(ITO)を結晶化し電気抵抗値を低減させるために150℃以上の高温で熱処理される。このとき、基材フィルムの表面にはタッチされた位置を検知するために微細な電極パターンが形成されているため、熱処理によって基材フィルムに収縮が発生すると、パターンずれによる誤検知が発生したり、貼り合わせフィルムがカールしたりする問題が生じる。そのため、基材フィルムであるポリエステルフィルムには、このような高温域におけるフィルムの熱寸法安定性が求められている。
この収縮を低減する方法として、二軸延伸工程の後に熱処理を行う事で分子鎖の歪みを解放する方法が知られており、具体的には、熱処理と共にフィルムの幅方向両端を把持しているクリップの間隙を徐々に縮める弛緩工程を実施することで幅方向の歪みを低減する方法などが実施されている。しかしながら、本方法では長手方向の残留歪みを完全に除去することが困難であり、高温域における長手方向の収縮量を低減することが難しいという課題があった。
上記の課題に対して、例えば特許文献1には、幅方向の両端を把持しているクリップを解放した後にクリップの走行速度とその下流側のフィルムの走行速度差を利用して、長手方向に緩和する方法が提示されている。しかしながら、本方法を実施した場合は、長手方向弛緩時にフィルムが自由に弛緩するため均一性が不足し、フィルムロールを巻出し・搬送時にフィルムのバタツキが発生したり、特に中間製品のフィルム幅方向端部位置においては、フィルムを巻出した時の直進性が劣り、フィルム加工時にシワやムラといった欠点が発生する不具合があった。
上記不具合を改善し、長手方向の熱収縮の低減と加工性を両立させるために種々の検討がなされている。例えば、熱処理工程や熱処理工程後のオーブン出口付近におけるフィルムの幅方向の温度を制御する方法(特許文献2,3,4)や、長手方向(フィルム走行方向)に隣り合うフィルム端部を把持しているクリップの間隙を調整する方法(特許文献5)等が検討されている。
特開2004−223391号公報 特開2009−112971号公報 特開2008−238082号公報 特開2010−75777号公報 国際公開第2006/132244号公報
しかしながら、熱処理時の幅方向の温度差を制御する特許文献2の手法ではフィルム加工時の直進性は改善できるが、高温域における長手方向の熱収縮は低減できなかった。同様にテンター出口でのフィルムの幅方向温度を制御する特許文献3,4の技術では、加工時の直進性の改善と若干のフィルム長手方向の熱収縮の低減は可能であるが、150℃といった高温領域における長手方向の熱収縮率低減は不十分であった。また巻出し・搬送時のバタツキに対する改善が不十分であり、加工性の問題も残っていた。また、特許文献5の技術では、高温領域での長手方向の熱収縮率の低減や巻出し・搬送時のバタツキは改善可能であるが、長手方向の弛緩がクリップ近傍のフィルム幅方向端部領域とクリップから離れたフィルム幅方向中央部において差が生じる事でフィルムの直進性が悪くなり、加工性の改善が不十分であるという問題があった。特に近年では、生産性を向上させるために、最終製品となる2軸配向ポリエステルフィルムは、広幅で2軸配向ポリエステルフィルムを製膜して中間製品を得た後、その中間製品を幅方向に数本から十数本切り出す方法で製造される。このとき、広幅の中間製品のフィルムの幅方向中央部から離れた幅方向端部に近い位置のフィルムは、特に熱寸法安定性とフィルムの直進性などの加工安定性が悪くなるため、熱寸法安定性、フィルムの直進性などの加工安定性、フィルムの平面性に優れる製品は、フィルム幅方向中央部に近い限られた範囲しか得ることができていなかった。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高温での使用や高温での加工条件下でも非常に優れた寸法安定性を有し、かつフィルムの巻出し・搬送時のバタツキが少なく直進性が良好である、連続加工性に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することである
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を用いるものである。
(1).二軸配向ポリエステルフィルムであって、150℃で30分処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率が0.0%以上0.6%以下、フィルム長手方向の片伸び量が8mm/10m長以下であり、かつポリエステルフィルムの幅方向中央部におけるソニックシートテスターで測定される超音波伝導速度が最大値を示す方向と、ポリエステルフィルムの長手方向とのなす角度(θ)が10°以上80°以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
(2).ポリエステルフィルムを長手方向に1m長切り出し、平面台に静置した時、長手方向の長さ(x)が30mm以上、幅方向の長さ(y)が100mm以上、かつ高さ(h)が2.0mm以上のフィルム幅方向端部の浮き上がりが0箇所である(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(3).150℃で30分処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率が−0.2%以上0.5%以下である(1)または(2)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)150℃で30分処理したときのフィルム長手方向とのなす角度が45°の方向の熱収縮率と、フィルム長手方向とのなす角度が135°の方向の熱収縮率の差(斜め方向の熱収差)が0.5%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(5).ポリエステルフィルムを構成するポリエステルがポリエチレンテレフタレートである(1)〜(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(6).フィルムの厚みが20μm以上350μm以下である(1)から(5)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(7).タッチパネル用フィルムとして用いられる(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(8).太陽電池封止用フィルムとして用いられる(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(9).前記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなる、フィルムの幅が500mm以上2500mm以下のポリエステルフィルムロール。
(10).未延伸ポリエステルフィルムを長手方向および幅方向に二軸延伸する工程と、二軸延伸工程後に以下(a)〜(d)に記載の熱処理工程、第1の長手方向の弛緩工程、微延伸工程、第2の長手方向の弛緩工程を有する、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
(a)二軸配向ポリエステルフィルムを210℃以上250℃以下にて5秒以上熱処理する工程
(b)前記熱処理工程後に、二軸配向ポリエステルフィルムのフィルム幅方向の両端をクリップで把持し、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を広げる方法にて、温度150℃以上230℃以下にて、長手方向に1.0%以上2.0%以下の弛緩処理を施す第1の長手方向弛緩工程。
(c)前記第1の長手方向弛緩工程後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を伸ばす方法にて、温度100℃以上180℃以下にて、長手方向に0.5%以上1.5%以下の微延伸を施す長手方向微延伸工程。
(d)前記長手方向微延伸工程後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて、温度100℃以上150℃以下にて、長手方向に0.3%以上1.5%以下の弛緩処理を施す第2の長手方向弛緩工程。
本発明によれば、高温での使用や高温での加工条件下でも非常に優れた寸法安定性を有し、かつ平面性や直進性が良好な連続加工性に優れたポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することが可能となる。
本発明に係る片伸び量を示す概略図。 本発明に係るフィルム端部浮き上がりを示す概略図。
本発明のポリエステルフィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムである。二軸配向している事により、機械強度の向上、熱安定性の向上、耐薬品性の向上、電気特性の向上など、フィルムの機能として必要な主要特性が発現される。ここで言う「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸配向ポリエステルフィルムは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5〜5.0倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了させることにより得ることができる。なお、長手方向と幅方向の延伸は、それぞれ個別に順次実施するいわゆる逐次二軸延伸法であっても、同時に実施する同時二軸延伸法であってもよい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、150℃といった高温領域における熱収縮率が小さく、かつフィルムの片伸び量が小さいポリエステルフィルムである必要がある。ポリエステルフィルムは、二軸配向されることでフィルム内部に微小な歪みが残存するため、加熱時にその歪みが解放されて収縮したり、フィルム内部に残存する歪み量が幅方向位置により異なる事等を主要因としたフィルムの片伸び現象が発生する。この片伸びが発生すると、フィルム走行時のタルミやバタツキ、蛇行といった不具合(直進性の悪化)を誘発し、加工性が悪化する。そのため、加工性を改善するためには片伸び量を低減する事が必要になる。二軸配向ポリエステルフィルムは、ボーイング現象によりフィルム幅方向中央から離れるほどフィルムの配向軸が傾くため、フィルム内部に残存する歪み量は、フィルム幅方向中央部から離れるほど大きくなる。そのため、フィルム幅方向中央付近をカットして得られるフィルムは、片伸び量の低減と熱収縮率の低減を両立することは比較的容易であるが、フィルム幅方向中央部から離れた位置のフィルムの片伸び量の低減と熱収縮率の低減を両立する事は非常に困難である。本発明のポリエステルフィルムは、これらを両立させることで、加工時や使用時に高温にさらされた場合の位置ずれやカールを抑止しつつ、かつロール状態で巻き出し・搬送した場合のフィルムの直進性が良好な加工性に優れたポリエステルフィルムとする事ができる。
本発明のポリエステルフィルムは、150℃で30分処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率が0.0%以上0.6%以下であり、好ましくは0.0%以上0.5%以下である。フィルム長手方向の熱収縮率が0.6%を越えると、加工時や使用時のフィルム収縮が大きくなりすぎるため、保護フィルム等の貼合せ用途で用いられた場合はフィルムのカールが発生したり、またタッチパネル電極の基材として用いられた場合は、パターンがずれる事による誤検出が発生する。フィルムの長手方向の熱収縮率が0.0%を下回る場合は、フィルム幅方向の熱収縮率が高くなり加工時や使用時の幅縮みの問題が発生してフィルム製造時の生産性が著しく低下させたり、部分的にフィルムに浮きが生じるなど平面性を悪化させる要因となる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、150℃で30分処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率は、−0.2%以上0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.0%以上0.5%以下である。フィルム幅方向の熱収縮率を上記の範囲とすると、フィルム長手方向の収縮率とバランスが取れて、より寸法安定性を高め、加工性を向上させるため好ましい。フィルム幅方向の熱収縮率が0.5%を越える場合は、幅縮みによる寸法安定性の低下による不具合が発生する場合があり、また−0.2%未満である場合は、長手方向の熱収縮率が高くなり加工時や使用時や使用時に寸法変化を要因として位置ずれやカール等の問題が発生したり、フィルム製造時の生産性を低下させたり、部分的にフィルムに浮きが生じるなど平面性を悪化させる場合がある。
さらに、本発明のポリエステルフィルムは、150℃で30分処理したときのフィルム長手方向とのなす角度が45°の方向の熱収縮率と、フィルム長手方向とのなす角度が135°の方向の熱収縮率の差(斜め方向の熱収差)が0.50%以下であることが好ましく、より好ましくは0.30%以下である。斜め方向の熱収差を0.50%以下とすると、加熱を伴う加工時において、斜め方向にねじれるようなカールの発生を抑制し、搬送性の悪化や、たるみの発生を抑制することができる。また、斜め方向の熱収差を0.30%以下とすると、搬送性が特に良好となり、加工時のシワや巻取り時の端部不揃いの発生を極めて少なくすることができる。
本発明において、長手方向とのなす角度が45°の方向とは長手方向から左周り(反時計回り)に45°回転した角度の方向を示し、長手方向とのなす角度が135°の方向とは長手方向から左周り(反時計回り)に135°回転した角度の方向を示す。
なお、長手方向は2方向(上流側・下流側)存在するが、どちらの方向を長手方向としても、斜め方向の熱収差の値は変わらない。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステルフィルムの長手方向の片伸び量は8mm/10m長以下であり、好ましくは5mm/10m長以下、さらには3mm/10m長以下である。片伸びとは、ポリエステルフィルムを長手方向に巻出した時に、フィルムが円弧状に湾曲する現象である。本発明でいう片伸び量とは、フィルムを長手方向に10m長巻出した時に、フィルム長手方向10m長の両端部の端から端に糸を貼り、長手方向中央部分(5mの位置)の糸とフィルム端部との距離の事をあらわし、片伸び量が大きいほどフィルムが円弧状に湾曲している事をあらわす。片伸び量の絶対値が8mm/10m長を越える場合は、フィルム巻出し・搬送時に片側端部がたるんだりバタついたりする(直進性が悪化する)ため、加工ムラやシワ、巻取り時の耳不揃いなどの不具合が発生し、生産性を悪化させる。片伸び量の下限値は特に規定されず小さければ小さいほど好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法において、二軸延伸により発生した残留歪みを、熱固定からフィルム冷却過程においてフィルムを長手方向に弛緩させる方法(特許文献3、4に記載の方法)は、フィルム長手方向の熱収縮率を低減させるために有効であるが、その弛緩量はフィルム幅方向の位置により異なる。その弛緩量の違いが、フィルムの幅方向の両端部での寸法に差異が生じ円弧状に湾曲する片伸びを発生させると考えられる。特に長手方向の熱収縮率低減のために有効な方法である、オーブン内においてフィルム幅方向両端部を把持しているクリップの走行方向に隣り合う間隙を縮める方法(特許文献5に記載の方法)でフィルムを作製した場合、クリップに近いフィルム幅方向端部とクリップから遠いフィルム幅方向中央部では、クリップに近い幅方向端部の方が、長手方向の残留歪み弛緩量が大きくなる。そのため、上記の方法で得られたフィルムを幅方向に切り出す方法で得られるポリエステルフィルムにおいては、フィルム幅方向中央部から離れた位置のフィルムでは片伸び量が大きくなるという問題があった。この問題を改善する具体的な方法については後述する。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム幅方向中央部におけるソニックシートテスターで測定される超音波伝導速度が最大値を示す方向と、ポリエステルフィルムの長手方向とのなす角度(θ)が10°以上80°以下である。本発明においてフィルムの超音波伝導速度の最大値を示す方向とは、後述する測定方法において、フィルムの垂線を軸としてフィルムを回転させてソニックシートテスターを用いて超音波伝導速度を測定し、超音波伝導速度が最大値を示す(超音波伝導速度が最も速い)方向のことをあらわす。フィルムの超音波伝導速度はポリエステルフィルムを構成しているポリエステル鎖の配向性と関連がある指標であり、超音波伝導速度が速いほど、その方向におけるポリエステル鎖の配向が強い事を示している。超音波伝導速度が最大値を示す方向とは、すなわち二軸配向ポリエステルフィルムの配向が最も強い方向(長軸方向(以降、2軸配向ポリエステルフィルムに有する2つの配向軸について、配向が強い方を長軸、配向が弱い方を短軸と称する))を示しており、角度(θ)は長軸方向とフィルムの長手方向のなす角度を示している。なお、製膜後、幅方向にカットされていない2軸配向ポリエステルフィルムの幅方向中央部においては通常フィルムの配向軸は長手方向および幅方向の2方向となるが、長手方向および幅方向のどちらが長軸となり、どちらが短軸となるかは、フィルムの製造方法によって異なる。フィルムの長手方向の延伸倍率がフィルムの幅方向と比較して高い場合は、配向の長軸が長手方向となり、超音波伝導速度の最大値を示す方向もフィルムの長手方向になる。この場合の角度(θ)はフィルム幅方向中央部では0°となり、長軸が10°ずれた場合は10°となる。一方、フィルムの幅方向の延伸倍率がフィルムの長手方向と比較して高い場合は、配向の長軸が幅方向となり、超音波伝導速度の最大値を示す方向もフィルムの幅方向となる。この場合の角度(θ)はフィルム幅方向中央部では90°となり、長軸が10°ずれた場合は80°となる。近年では生産性を向上させるために、最終製品となる2軸配向ポリエステルフィルムは、広幅で2軸配向ポリエステルフィルムを製膜して中間製品を得た後、その中間製品を幅方向に数本から十数本切り出す方法で製造される。広幅の中間製品のポリエステルフィルムのフィルム幅方向中央部では、上述したとおり、フィルム長手方向に配向が高い場合は角度(θ)は0°であり、フィルム幅方向に配向が高い場合は角度(θ)は90°であるが、ポリエステルフィルムの幅方向中央部から離れる(端部に近づく)に従い、フィルム長手方向に配向が高い場合は角度(θ)は0°から大きくなり、フィルム幅方向に配向が高い場合は角度(θ)は90°から小さくなる。角度(θ)の好ましい範囲としては、10°以上40°以下、または、50°以上80°以下である。角度(θ)が40°を越えて50°未満であると片伸びが大きくなる傾向や斜め方向の収縮率の差が大きくなる傾向が見られる場合がある。
上述の通り、フィルム長手方向の残留歪みの発生量ならびに該残留歪みを緩和する時のフィルム弛緩量については、延伸から熱固定にて発生するフィルム配向のボーイング現象により内部歪みが幅方向位置により変化する事と、熱固定から冷却工程にて発生するフィルム内部の残留歪み緩和時のフィルム弛緩量がフィルム幅方向の位置によって異なる。そのため、フィルム幅方向中央部から離れた位置のフィルムでは、片伸び現象が大きく発生し、幅方向中央部から採取したフィルムは片伸び量が少ないものとなると考えられる。最終製品のポリエステルフィルムは、通常は生産性を上げるために広幅のフィルムの中間製品から、幅方向に数本から十数本切り出す方法で製造されるため、片伸び量が少ない(良好な)製品はフィルム幅方向中央部に近い限られた極一部となり非常に生産性が悪かった。また、従来の2軸配向ポリエステルフィルムでは、角度(θ)が10°以上80°以下のポリエステルフィルムでは、寸法安定性(特にフィルムの長手方向の熱収縮率を低くすること)、直進性(特にフィルムの片伸び量を低くすること)、フィルムの平面性に優れたポリエステルフィルムを得ることは出来ていなかった。本発明によれば、フィルム幅方向中央部から離れた、角度(θ)が10°以上80°以下のポリエステルフィルムにおいても片伸び量が少なく、かつ熱収縮率の低減を両立する事ができる。
本発明のポリエステリフィルムは、フィルムを長手方向に1m長切り出し、平面台に静置した時に観測される、長手方向の長さ(x)が30mm以上、幅方向の長さ(y)が100mm以上、かつ高さ(h)が2.0mm以上のフィルム幅方向端部での浮き上がり箇所が0箇所であることが好ましく、さらに好ましくは、長手方向の長さ(x)が15mm以上、幅方向の長さ(y)が50mm以上、かつ高さ(h)が1.0mm以上の浮き上がり箇所が0箇所である事である。フィルム端部の浮き上がりは、熱固定から冷却工程にて発生するフィルム内部の残留歪みの緩和が部分的に異なることで、部分的に寸法が変わるために発生し、上記の大きさ以上の浮き上がりが発生した場合は、フィルムは搬送した場合にバタつきが大きくなり、加工性が悪化する場合がある。特に長手方向の熱収縮率を低減するために、フィルム製造工程における弛緩量を大きくした場合にフィルム端部の浮きが発生しやすい傾向があった。この問題を改善する具体的な方法については後述する。
本発明のポリエステルフィルムを得るための製造方法、つまり150℃における長手方向の熱収縮率低減と片伸び低減を両立させる条件については、特には限定されないが、未延伸ポリエステルフィルムを長手方向および幅方向に二軸延伸する工程と、二軸延伸工程後に以下(a)〜(d)に記載の熱処理工程、第1の長手方向の弛緩工程、微延伸工程、第2の長手方向の弛緩工程を有する方法を用いることが、生産性やコスト、特性の安定性の面で好ましい方法として挙げられる。
(a)二軸配向ポリエステルフィルムを210℃以上250℃以下にて5秒以上熱処理する工程
(b)前記熱処理工程後に、二軸配向ポリエステルフィルムのフィルム幅方向の両端をクリップで把持し、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて、温度150℃以上230℃以下にて、長手方向に1.0%以上2.0%以下の弛緩処理を施す第1の長手方向弛緩工程
(c)前記第1の長手方向弛緩工程後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を広げる方法にて、温度100℃以上180℃以下にて、長手方向に0.5%以上1.5%以下の微延伸を施す長手方向微延伸工程
(d)前記長手方向微延伸工程後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて、温度100℃以上150℃以下にて、長手方向に0.3%以上1.5%以下の弛緩処理を施す第2の長手方向弛緩工程。
本発明においては、長手方向および幅方向に二軸延伸したフィルムを、温度210℃以上250℃以下で熱処理する熱処理工程を有する事が好ましく、より好ましくは225℃以上240℃以下である。また熱処理時間については、5秒以上が好ましく、さらには7秒以上である。上述の熱処理を施すことにより、ポリエステル分子鎖の結晶化が促進され、また延伸により発生した非晶鎖部位の分子鎖歪みの解放が進む事で、熱収縮率が低減される。熱処理温度が210℃未満である場合は、熱収縮率の低減効果が不十分である事があり、また250℃を越える場合はフィルム破れが増加し生産性が落ちる事がある。また210℃以上250℃以下の温度での熱処理時間が5秒未満である場合は、熱収縮値の低減効果が不十分である事がある。熱処理時間の上限値は特には限定されないが、生産性の観点から通常60秒以下である。
本発明において、長手方向の熱収縮率を低減するためには、長手方向の分子鎖歪みを低減させる事が必要であり、前記熱処理工程後に長手方向にフィルムを弛緩させる事が好ましい方法として挙げられる。特に、フィルムの両端をクリップで把持したまま、フィルムの走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて長手方向に弛緩させる方法が好ましい。本方法を用いた場合は、フィルム両端がクリップで保持されつつ、長手方向への弛緩が実施されることで、弛緩工程における歪みの緩和量の均一性が向上し、高温領域での熱収縮率を低減させるために、高温にて高い弛緩率を適用した場合においても、弛緩量のバラツキによる部分的なフィルムの浮きが発生しにくい特性があり好ましい。長手方向にフィルムを弛緩させる方法としては、フィルム両端を把持しているクリップを解放後、次の搬送ロールまでの間にて、クリップ走行速度と搬送ロールの速度差により弛緩を実施する方法も挙げられるが、この方法を用いた場合は両端部が保持されていないためフィルムがあらゆる方向に自由に弛緩しやすく、部分的な緩和ムラを生じることで、フィルム浮きなどの平面性不良が、特に高温領域での熱収縮率を低減させるような条件においては生じ易い場合がある。
前記、フィルムの走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて長手方向に弛緩させる方法のみ(特許文献5の方法)を用いて得られたフィルムでは、ソニックシートテスターで測定される超音波伝導速度が最大値を示す方向と、ポリエステルフィルムの長手方向とのなす角度(θ)が10°以上80°以下のフィルムにおいて、フィルムの片伸び量を上述の範囲とすることは困難であった。上記方法においては、クリップ近傍(フィルム幅方向中央から離れた位置)においては、端部をクリップにて把持されつつ長手方向に弛緩処理が実施されるので、長手方向に沿って直ちにフィルムの歪みが解放されるが、一方クリップから距離が離れたフィルム幅方向中央部においては、物理的に把持されている部分から距離が遠く、長手方向の弛緩分がフィルムを通して伝わるため、フィルム幅方向端部と比較して長手方向の弛緩が遅れると共に、弛緩方向についても有る程度自由度が生じ、長手方向以外での弛緩も発生すると考えられる。この事によりフィルム幅方向端部側の方が長手方向での歪み弛緩量が幅方向中央部と比較して多くなり、この結果、フィルム幅方向端部のフィルムを製品取りした場合は、円弧状に湾曲する片伸びが生じ易い。このような片伸びを低減する方法としては、例えば、フィルム幅方向中央部のみを製品取りする方法、フィルム幅を狭くすることで幅方向端部と中央部との弛緩量の差を低減する方法や、長手方向の弛緩速度を緩やかとする事で片伸び量を改善することが可能となる。しかしながら、これらの方法は生産性の面において課題がある。そこで、前記長手方向弛緩工程(ここで該工程を「第1の長手方向弛緩工程」と呼ぶ)の後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を広げる方法において長手方向に微延伸を施す方法が好ましい方法として挙げられる。該微延伸工程を実施する事により、クリップ近傍におけるフィルムを長手方向に微延伸させる事が出来、その結果、幅方向端部と中央部の弛緩量の差を低減する事が可能となる。さらに、熱収縮量を出来る限り低減させるために、再度長手方向に緩和を行う、第2の長手方向弛緩工程を有することが好ましい方法として挙げられる。第2の長手方向弛緩工程において、フィルムを弛緩する方法は特には限定されないが、第1の長手方向弛緩工程と同様、フィルムの幅方向両端部をクリップで把持しながら、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法とる事が、部分的なフィルムの浮きが発生しにくく好ましい。
前記第1の長手方向弛緩工程においては、温度150℃以上230℃以下、さらに好ましくは160℃以上210℃以下にて、長手方向に弛緩率1.0%以上2.0%以下の処理を施すことが、長手方向の熱収縮率および斜め方向の熱収差の低減とフィルムの片伸び量低減を両立するため好ましい。第1の長手方向弛緩工程における温度が150℃未満では、熱収縮率が高くなる場合があり、ハードコート加工後にカールが大きくなる等の問題が発生する場合がある。230℃を越える場合は、冷却工程に費やす時間が大きくなるため、過大な設備を必要とし、またフィルム端部の浮き上がり(平面性)が悪化する事がある。また、弛緩量が1.0%未満では、熱収縮率が高くなる場合があり、2.0%を越える場合は、フィルム端部の浮き上がり(平面性)が悪化する事がある。
前記長手方向微延伸工程においては、温度100℃以上180℃以下、さらに好ましくは120℃以上170℃以下にて、長手方向に0.5%以上1.5%以下の微延伸を施す事が、フィルムの片伸び量を低減させ、斜め方向の熱収差を低減するために好ましい。長手方向微延伸工程における温度が100℃未満では、熱収縮率が高くなる場合があり、180℃を越える場合は、フィルム端部の浮き上がり(平面性)が悪化する事がある。また、微延伸率が0.5%未満では、片伸びを低減する効果や斜め方向の熱収差を小さくする効果が不足する場合があり、1.5%を越える場合は、フィルム端部の浮き上がり(平面性)が悪化する事がある。
前記第2の長手方向弛緩工程においては、温度100℃以上150℃以下、さらに好ましくは110℃以上140℃以下にて、長手方向に弛緩率0.3%以上1.5%以下の弛緩を施すことが、長手方向の熱収縮率低減、斜め方向の熱収差の低減、フィルムの片伸び量低減をすべて達成できるため好ましい。第2の長手方向弛緩工程における温度が100℃未満では、熱収縮率が高くなる場合があり、150℃を越える場合は、片伸び量、斜め方向の熱収差が増加する事がある。また、弛緩率が0.3%未満では、熱収縮率が高くなる場合があり、1.5%を越える場合は、片伸び量、斜め方向の熱収差が増加する事がある。
本発明においては、第2の長手方向弛緩工程後、フィルムがオーブンを出てフィルム幅方向両端部のクリップを解放するまでの間に、フィルム温度を30℃〜90℃に冷却する冷却工程を有する事が好ましい。クリップ解放時のフィルム温度が90℃を越える場合は、クリップ解放時にフィルムに残留する歪みによる部分的な収縮が進むためフィルムの片伸び量は低減するが、部分的にフィルム浮き上がりが発生する場合があるため、特に平面性を厳しく管理する必要がある用途に置いては、上記冷却工程を有することが効果的である。
また、クリップ解放直後の搬送ロール速度について、横延伸時の工程速度よりも高くすることで、フィルムの片伸び量や、斜め方向の熱収差を低減することが可能である。しかし、長手方向での熱収縮率が増加するため、特に熱収縮率を厳しく管理する必要がある用途においては、クリップ離間時のフィルム走行速度を基準としたときの搬送ロールの速度比率を100%とすることが望ましい。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは20μm以上350μm以下が好ましく、より好ましくは38μm以上250μm以下である。厚みが20μm未満である場合はフィルムの剛性が低くなるため、加工性が悪化する傾向があり、また350μmを越える場合は逆に剛性が高くなり過ぎる事で取り扱いが難しくなったり、フィルムを巻き取った時の巻径が大きくなるので、フィルムロール1本あたりに巻き取れる面積が小さくなるなど生産性が悪化する傾向がある。ポリエステルフィルムの厚みを上記の範囲とすると、フィルムそのものが一定の剛性を有しているために、加工時の張力などでフィルムが変形追従しにくく、よって片伸び量を上述の範囲とする事が容易となり、加工性を改善するため好ましい。
本発明にかかるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを用いることができる。これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルを用いることが特に好ましい。また、これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
上述したポリエステルの極限粘度(JIS K7367(2000)に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲内である。
さらに、このポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムは、2層以上の積層構造体であっても良い。好ましい積層構造体としては、例えば、内層部と表層部と有する複合体フィルムであって、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルムを挙げることができる。内層部と表層部を構成するポリエステルが、化学的に異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。さらに、ポリエステルフィルムの表面に、接着性や易滑性、帯電防止性などの機能を付与するためのコーティング層を有していても良い。
次に本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法をポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)と場合を例にして説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
基材フィルム層を構成する極限粘度0.5〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、押し出し機に供給し260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作製する。この未延伸フィルムを70〜130℃に加熱されたロール間で長手方向に2.5〜5.0倍延伸する。必要に応じて長手方向に一軸延伸されたフィルムの表面に塗布層を構成する塗剤を塗布しても良い。続いて、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらオーブン内に導き、予熱・乾燥ゾーンにて70〜150℃の温度で加熱を行い、引き続き連続的に70〜150℃の加熱しながら幅方向に2.5〜5.0倍延伸して二軸配向フィルムを得る。続いて210〜250℃の熱処理工程にて、5〜60秒間熱処理を施した後に幅方向に向かい合うクリップの間隙を縮める方法にて、幅方向に3〜12%の弛緩処理を実施し、引き続き、走行方向に隣り合うクリップの間隙を縮める方法にて150℃〜230℃にて長手方向に1.0%〜2.0%の第1の長手方向弛緩処理を実施する。引き続き走行方向に隣り合うクリップの間隙を広げる方法にて100℃〜180℃にて0.5%〜1.5%の長手方向微延伸処理を実施した後、さらに、走行方向に隣り合うクリップの間隙を縮める方法にて100℃〜150℃にて長手方向に0.5%〜1.5%の第2の長手方向弛緩処理を実施する。次に30〜90℃の冷却ゾーンを経て二軸配向ポリエステルフィルムを得る。
なお、上記は逐次延伸法による二軸延伸方法を記載したが、縦、横同時二軸延伸法を用いてもよく、また本発明を阻害しない範囲において必要に応じて、縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。得られたフィルムの端部をカットした後に巻き取り中間製品とし、その後スリッターを用いて所望の幅にカット後、円筒状のコアに巻き付け所望の長さのポリエステルフィルムを得ることができる。なお、巻き取り時に巻姿改善のためにフィルム両端部にエンボス処理を施しても良い。得られたポリエステルフィルムの幅については500mm以上2500mm以下とすることが好ましい。500mm未満である場合は、加工時の効率が悪く、また2500mmを越える場合は、幅が広すぎて加工時や巻き取り時の均一性悪化を主要因として、生産性が悪化する傾向がある。
[物性の測定法]
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。各実施例の記述に先立ち、各種物性の測定方法を記載する。
(1)片伸び量
測定試料用フィルムを長手方向10m長取り出し、平板上におきフィルムと平板間のエアーを抜きシワがないように密着させる。図1に示すように、フィルム長手方向10m長の両端部の端から端に糸を貼り、長手方向中央部分(5mの位置)の糸とフィルム端部との距離の絶対値d(mm)を測定した。なお、片のび量はフィルム幅方向両端部の両側にて距離の絶対値dを測定し、その平均値とした。結果の判定は以下基準で実施し、S,A,Bが合格範囲である。
S:3mm以下
A:3mmを越えて5mm以下
B:5mmを越えて8mm以下
C:8mmを越える。
(2)熱収縮率
測定試料用フィルムを、幅方向300mm、長手方向300mmのフィルム試料を採取した。それぞれの試料の中央部に、長手方向、幅方向、長手方向となす角度が45°の方向および長手方向となす角度が135°の方向のそれぞれについて、原長(L0)として200mmの間隔となるように一対の印をつけた。試料をオーブン中で150℃にて30分処理をした後に室温まで冷却し、一対の印間の距離を測定し、処理後の長さ(L1)とした。そして、長手方向、幅方向、長手方向となす角度が45°の方向および長手方向となす角度が135°の方向における熱収縮率は、100×(L0−L1)/L0に従い算出した。フィルム長手方向とのなす角度が45°の方向の熱収縮率と、フィルム長手方向とのなす角度が135°の方向の熱収縮率の差を斜め方向の熱収差として算出した。
(3)超音波伝導速度が最大値を示す方向とフィルム長手方向とのなす角度(θ)
フィルム幅方向中央部から幅方向300mm、長手方向300mmのフィルム試料を採取し、野村商事(株)製SONIC SHEET TESTER SST−4000にて、ポリエステルフィルムの長手方向を基準(0゜)とし、フィルムの垂線を軸としてフィルムを回転させ、11.25°毎に0°を越えて180°まで超音波伝導速度(km/秒)を16点測定した。測定結果を解析して得られた超音波伝導速度が最大値を示す方向と、フィルム長手方向とのなす角度(θ)を算出した。なお、角度(θ)は超音波伝導速度が最大値を示す方向と、フィルム長手方向とのなす角度の内、鋭角(0°以上90°以下)な方の角度を指す。
(4)平面性(フィルム端部の浮き上がり)
フィルムを長手方向に1m長切り出して平面台の上に置き、フィルムの端部から逆側の端部に掛けて棒に布を巻きつけた冶具を用いて平面台とフィルム間の空気を抜き、密着させる。
その状態で30秒静置した後、端部の浮き上がりの数を計測する。
<端部浮き上がり大>
長手方向の長さ(x)が30mm以上、幅方向の長さ(y)が100mm以上、かつ高さ(h)が2.0mm以上のフィルム端部の浮き上がり箇所をフィルム幅方向両端部について数えた。
<端部浮き上がり小>
長手方向の長さ(x)が15mm以上、幅方向の長さ(y)が50mm以上、かつ高さ(h)が1.0mm以上のフィルム端部の浮き上がり箇所をフィルム幅方向両端部について数えた。ただし、端部浮き上がり大としてカウントした箇所を除いて数えた。
(5)加工性
ポリエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層形成用塗布液を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布した。その後、ロールサポート式のオーブンにて80℃で、続けてフローティングノズルを有するオーブン中にて100℃にて乾燥した。乾燥後に紫外線を300mJ/cmとなるように照射してハードコート層を形成後、巻き取ってハードコート積層ロールを得た。
<ハードコート層形成用塗布液>
紫外線硬化性アクリル樹脂80質量部(シリコーンアクリレート40質量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部)、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解・分散したハードコート層形成用塗布液(固形分濃度30質量%)を調製した。
なお、加工性は以下の基準にて評価を行った。S,A,Bが合格範囲であり、Cは不合格である。
S:ハードコート塗布時にフィルムの蛇行・ばたつきが無く、幅方向に均一に加工が可能。
また、フィルムの搬送状態に合わせての、搬送ロールのパスラインの調整を必要としない。
A:ハードコート塗布時にフィルムの蛇行・ばたつきがあるが、幅方向に均一に加工が可能。
また、フィルムの搬送状態に合わせての、搬送ロールのパスラインの調整を必要としない。
B:フィルムの搬送状態に合わせ、パスラインを調整しなければ、幅方向に均一な加工が行え
ない。
C:パスラインの調整を行っても幅方向に均一な加工が行えない。
各実施例・比較例で用いる樹脂等の調整法を参考として示す。
(6)フィルム厚み
フィルムを中間製品より長手方向に1m長切り出し、JIS C2151に規定された、マイクロメーター法を用いて幅方向に等間隔で9点厚みを測定する。得られた値の平均値をフィルム厚みとした。
[実施例1]
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を真空中160℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを予熱ロールにて70℃に予熱後、上下方向からラジエーションヒーターを用いて90℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.1倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。このフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとした。
次いで、下記水系塗液を塗液塗布装置を用いて、ウェット厚み6μmとなるようにフィルム両面に塗布した。水系塗液を塗布した1軸延伸フィルムをクリップで把持してオーブン中にて雰囲気温度120℃で乾燥・予熱した。引き続き連続的に120℃の延伸ゾーンで幅方向に3.7倍延伸した。得られた二軸配向(二軸延伸)フィルムを引き続き230℃の加熱ゾーンで10秒間熱処理を実施後、230℃から200℃まで冷却しながら幅方向に向かい合うクリップの間隔を縮めることで5.0%の弛緩処理を施した。次に、200℃にてフィルムの走行方向(長手方向)に隣り合うクリップの間隙を縮める事で、長手方向に1.3%の第1の弛緩処理を実施し、続けて150℃にて走行方向に隣り合うクリップの間隙を広げる事で、長手方向に1.0%の微延伸を行い、さらに続けて120℃にて走行方向に隣り合うクリップの間隙を縮める事で、長手方向に1.2%の第2の弛緩処理を実施した。その後オーブンにて80℃まで冷却した。その後フィルム幅方向両端部を把持しているクリップを離間することでオーブンからフィルムを取り出し、幅方向両端部を切断除去し、搬送ロールにて搬送後に巻き取り3000mm幅のフィルム中間製品を得た。なお、この時、クリップ離間時のフィルム走行速度を基準としたときの搬送ロールの速度比率は100.0%(同速度)とした。
得られたポリエステルフィルム中間製品をスリッターにて幅1300mm×2本(両端耳部200mm×2)となるように切断しながら内径152.5mm、外径167mmのコアに巻き取り二軸配向ポリエステルフィルムロールを得た。
ポリエステルフィルムロールに巻き取られたポリエステルフィルムについて各種特性を評価した。結果は表2に示す通り、150℃における熱寸法安定性に優れ、かつ平面性が良好であり、片伸び量が小さく良好な結果であった。
<塗液>
ポリエステル樹脂固形分を100重量部とした時に、以下成分を含有する、ポリエステル樹脂固形分換算の濃度が5.0重量%である水溶液。
ポリエステル樹脂(A):100重量部
メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF):50重量部(固形分換算)
粒径140nmのコロイダルシリカ:1.5重量部
ポリエステル樹脂(A)の調製
窒素ガス雰囲気下でジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸45モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール90モル部、ジエチレングリコール10モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。
その後、3価以上の多価カルボン酸成分であるトリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万重量部に対して100重量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(A)を得た。該ポリエステル樹脂(A)のガラス転移点温度(Tg)は80℃であった。
<ポリエステル樹脂(A)の組成>
(ジカルボン酸成分および多価カルボン酸成分)
・2,6−ナフタレンジカルボン酸 40モル部
・テレフタル酸 45モル部
・5−スルホイソフタル酸ナトリウム 5モル部
・トリメリット酸 10モル部
(グリコール成分)
・エチレングリコール 90モル部
・ジエチレングリコール 10モル部
[実施例2〜17、比較例1〜7、参考例1〜4]
製造条件を表1−1、表1−2の通りとした以外は実施例1に従い二軸配向フィルムロールを得た。得られたフィルムの特性を表2−1、表2−2に示す。ただし、実施例6、16比較例7、参考例4については、長手方向の延伸倍率を3.5倍に、幅方向の延伸倍率を3.4倍に変更した。また、実施例16、17はフィルム厚みをそれぞれ23μm、250μmとした。なお、参考例1,2はそれぞれ比較例2,3の中央部分のフィルムロールである。
[実施例18]
平均粒径1.5μmの二酸化珪素粒子を0.02%含有するPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を用い、フィルム表面に水系塗剤を塗布しなかった事以外は、実施例1に従い二軸配向ポリエステルフィルムロールを得た。また得られたフィルムの特性を表2−2に示す。
[結果のまとめ]
超音波伝導速度が最大値を示す方向とポリエステルフィルムの長手方向とのなす角度(θ)が10°以上80°以下の幅方向中央部から外れた位置であっても、フィルム長手方向の150℃で30分処理したときの熱収縮率が0.6%以下の低熱収縮フィルムでかつフィルムの片伸び量を8mm/10m長以下とすることで、加工性を大きく改善することができている。(実施例1〜18)特に、第1の長手方向緩和工程の後に、長手方向微延伸工程を実施した水準にて片伸び量が改善した。さらに、第2の長手方向緩和工程を有することで、長手方向熱収縮率をさらに低い値に維持する事が可能となっており、それぞれの緩和工程や微延伸工程の条件を適正化した実施例1〜6、16〜18においては、長手方向の熱収縮率を0.5%以下、斜め方向の熱収差を0.5%以下という非常に小さな値としながら、片伸び量を3mm/10m長以下に抑制し、かつフィルム幅方向端部の浮きもほとんど見られず、非常に良好な加工性を有する結果であった。
一方、比較例1,2,3,5,6については片伸び量が8mm/10m長を越えており、加工性が非常に悪かった。また、長手方向緩和率を低減させた比較例4は、片伸び量は小さな値にすることが出来たが、長手方向の熱収縮率が悪化した。
また、中間製品における製品取り位置と片伸びおよび斜め方向の熱収差について、中間製品中央部からの距離が大きくなるにつれ片伸びおよび斜め方向の熱収差が増加する傾向が見られた(実施例1と実施例3、比較例1と比較例2の比較等)。なお、中間製品の中央部では微延伸工程を用いない場合においても片伸び・斜め方向の熱収差共に良好である結果が得られたが(参考例1〜4)、片伸び量が良好な位置は、中間製品中央部の限られた範囲のみであるため、生産性は大幅に低下する。
Figure 2014195985
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本発明に係るポリエステルフィルムおよびその製造方法によれば、高温領域における熱寸法安定性とロール状態での加工性を両立する事が可能となるため、使用時に高温環境下にさらされる用途や加工時に高温処理が必要な用途、例えば、タッチパネル用フィルム、太陽電池封止フィルム、面状発熱体、自動車用材料、建築材料などに好適に使用することができる。
1:フィルム
2、2’:糸
3、3’:片伸び量(糸とフィルム幅方向端部との距離d)
4:フィルムの長手方向
5:フィルムの幅方向
6:平面台
7、7’ :フィルム端部の浮き上がり
8、8’ :フィルム端部の浮き上がりの長手方向の長さ(x)
9、9’ :フィルム端部の浮き上がりの幅方向の長さ(y)
10、10’:フィルム端部の浮き上がりの高さ(h)

Claims (10)

  1. 二軸配向ポリエステルフィルムであって、150℃で30分処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率が0.0%以上0.6%以下、フィルム長手方向の片伸び量が8mm/10m長以下であり、かつポリエステルフィルムの幅方向中央部におけるソニックシートテスターで測定される超音波伝導速度が最大値を示す方向と、ポリエステルフィルムの長手方向とのなす角度(θ)が10°以上80°以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルフィルムを長手方向に1m長切り出し、平面台に静置した時、長手方向の長さ(x)が30mm以上、幅方向の長さ(y)が100mm以上、かつ高さ(h)が2.0mm以上のフィルム幅方向端部の浮き上がりが0箇所である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 150℃で30分処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率が−0.2%以上0.5%以下である請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 150℃で30分処理したときのフィルム長手方向とのなす角度が45°の方向の熱収縮率と、フィルム長手方向とのなす角度が135°の方向の熱収縮率の差(斜め方向の熱収差)が0.50%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. ポリエステルフィルムを構成するポリエステルがポリエチレンテレフタレートである請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. フィルムの厚みが20μm以上350μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. タッチパネル用フィルムとして用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 太陽電池封止用フィルムとして用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなる、フィルムの幅が500mm以上2500mm以下のポリエステルフィルムロール。
  10. 未延伸ポリエステルフィルムを長手方向および幅方向に二軸延伸する工程と、二軸延伸工程後に以下(a)〜(d)に記載の熱処理工程、第1の長手方向の弛緩工程、微延伸工程、第2の長手方向の弛緩工程を有する、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
    (a)二軸配向ポリエステルフィルムを210℃以上250℃以下にて5秒以上熱処理する工程
    (b)前記熱処理工程後に、二軸配向ポリエステルフィルムのフィルム幅方向の両端をクリップで把持し、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて、温度150℃以上230℃以下にて、長手方向に1.0%以上2.0%以下の弛緩処理を施す第1の長手方向弛緩工程
    (c)前記第1の長手方向弛緩工程後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を広げる方法にて、温度100℃以上180℃以下にて、長手方向に0.5%以上1.5%以下の微延伸を施す長手方向微延伸工程
    (d)前記長手方向微延伸工程後に、走行方向(長手方向)に隣り合うクリップとの間隙を縮める方法にて、温度100℃以上150℃以下にて、長手方向に0.3%以上1.5%以下の弛緩処理を施す第2の長手方向弛緩工程
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