JP2018127605A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 導電性フィルムを製造する際に用いられる、高温での加熱処理に使用されても熱変形し難く、透明性の悪化の発生しない導電性フィルム用表面保護フィルム、および透明導電基材フィルムなどを提供する。【解決手段】 ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルムであって、ポリエステルフィルムの冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満であり、該ポリエステルフィルムの環状三量体の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下であるポリエステルフィルムである。【選択図】なし

Description

本発明は、高温での加熱処理に使用されても熱変形し難く、透明性の悪化や加工不具合が発生しないポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性などに優れ、さまざまな分野で使用されている。
特に近年では、タッチパネルや電子ペーパー等に使用されている透明導電性積層体の基材として、ガラスの代わりに使用されることが増えてきている。かかる透明導電性積層体としては、ポリエステルフィルムを基材とし、その上に直接、あるいはアンカー層を介して、ITO(酸化インジウムスズ)膜がスパッタリングによって形成されているものがあり、ここで用いられるポリエステルフィルムは、加熱加工されることが一般的である。
また、タッチパネル用の透明電極の製造工程において、ITOからなる透明導電膜が形成された透明導電性フィルムは、アニール処理、ITOの結晶化工程、レジストの印刷工程、エッジング処理工程など、多くの加熱工程や薬液処理の工程を経る。このような透明電極の製造工程においては、透明導電性フィルムの透明導電膜が形成された面とは反対側の面に汚損、損傷が生じるのを防止するために、透明導電性フィルム用表面保護フィルムを貼り合わせて加工を行う。
前記製造工程では、例えば、低熱収縮率化のために130℃で熱処理を行なう(特許文献1)、あるいはITOの結晶化のために150℃で熱処理を行う(特許文献2)等の処理があるため、透明導電性フィルム用基材フィルムおよび透明導電性フィルム用表面保護フィルムに用いられるポリエステルフィルムには、耐熱変形性が求められる。また、上記熱処理工程においてポリエステルフィルムに残存もしくは熱分解等で発生する低分子量物(オリゴマ)が表面に析出してポリエステルフィルム外観の白化、ITOへの転写による歩留まり低下や工程の汚染、洗浄などの余分な工程を増やし、製品の生産性を大きく低下させる課題がある。特に近年では、ITOの更なる電気抵抗の低減のために前記ITOの熱処理時温度の高温化、長時間化が進み、より高度な耐熱変形性が求められ、静電容量型タッチパネルを搭載したスマートフォンやタブレットの導電回路の緻密化および外観品位に対する要望がますます高度化しており、フィルム表面のオリゴマ析出の更なる抑制が求められている。
しかし、ポリエステルフィルムがこのような高温処理に晒されると、熱によるフィルム変形が発生し、導電性の低下や、変形による視認性の低下などが起こるため、ポリエステルフィルムを基材とした透明導電性積層体の特性は、耐熱変形性の面では十分に満足のいくものとは言えなかった。
上述の熱変形防止策として、例えば、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂中に結晶核剤を添加して結晶性を高くすることで耐熱変形性を向上させる方法(特許文献3)が提案されている。
特開2007−42473号公報 特開2007−200823号公報 特開2011−213770号公報 特開2014−46503号公報
しかしながら、特許文献3に記載されている方法では、透明性が悪化しやすく、フィルム外観の白化による視認性の低下が発生しやすい。
また、従来オリゴマの析出を防止する方法としてコーティングなどで表面に積層膜を設け、その積層膜にオリゴマの析出を防止する機能を持たせることが提案されているが (特許文献4)、前述の熱処理条件の過酷化により十分でない。
このため、ポリエステルフィルムは、導電性フィルム用表面保護フィルム、および透明導電基材フィルム用途として用いるには十分に満足のいくものとは言えず、透明性や加工性との両立が求められている。
本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、高温での加熱処理に使用されても熱変形し難く、オリゴマの析出にともなう透明性の悪化を抑制するポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成する本発明は以下である。
1)ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満であり、該ポリエステルフィルムの環状三量体の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下であるポリエステルフィルム。
2)前記ポリエステルフィルムのヘイズと前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズの差ΔHzが0.5%未満である1)に記載のポリエステルフィルム。
3)前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズが1.5%以下である1)又は2)に記載のポリエステルフィルム。
4)前記ポリエステルフィルムのヘイズが1.5%以下である1)〜3)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
5)前記ポリエステルフィルムの総厚みが16μm以上300μm以下である1)〜4)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
6)光学用途にしようされる1)〜5)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
本発明によれば、高温での加熱処理に使用されても熱変形し難く、透明性の悪化が抑制されたポリエステルフィルムなどを提供することができるため、透明導電性積層体の保護フィルムや基材フィルムとして好適に利用ができ、本発明の工業的価値は高い。
次に、本発明のポリエステルフィルムを実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明における「フィルム」とは、2次元的な構造物、例えば、シート、プレート、および膜などを含む意味に用いられる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を主成分とすることが重要である。ポリエステル樹脂は、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性などに優れ、ポリエステル樹脂からなるポリエステルフィルムは、例えば、導電性フィルム用表面保護フィルム、および透明導電基材フィルム用途として好ましく用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満であることが必要である。冷結晶化温度とは、後述する示差走査熱量測定により求められる2ndrunの結晶化ピークをいう。冷結晶化温度(Tcc)が150℃未満である場合、170℃3時間加熱した後のフィルムと、加熱前のフィルムのヘイズの差ΔHzが0.5%を超える傾向がある。ΔHzが0.5%を超える理由としては冷結晶化温度(Tcc)が150℃未満であるとフィルムの熱結晶化が進行しているためであると考えられる。冷結晶化温度(Tcc)が165℃以上である場合、加熱後のフィルムの平面性が悪化する傾向がある。冷結晶化温度(Tcc)は、151℃以上160℃未満であると、加熱後のフィルムの平面性をより良好にでき、ΔHzをより小さくできるため好ましい。
本発明において冷結晶化温度は、ポリエステルサンプルを電子天秤で5mg計量し、アルミパッキンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)ロボットDSC−RDC220熱示差走査計を用いて測定を行い、データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いて、JIS−K−7121(1987年)に従って行って得られる値のことを表す。具体的な測定条件としては、25℃から300℃まで20℃/分で昇温し、その後25℃まで急冷し、再び300℃まで20℃/分で昇温した(2ndRun)際の、結晶化ピーク温度(Tcc)として、結晶化ピークの頂点温度として求める。2ndrunの結晶化ピークが複数観測される場合には、JIS−K−7122により求められる最大となるピーク面積を示す結晶化ピーク頂点温度を結晶化ピーク温度(Tcc)とする。
冷結晶化温度(Tcc)を150℃以上165℃未満とするための手段としては特に限定されず、例えば、特許文献3に例示するような公知の方法でフィルムの結晶化度を調製することが可能である。しかしながら、これらの方法では透明性の悪化が発生する場合があるので、後述するような方法、すなわち、ポリエステルフィルム中の環状三量体の含有量を0.01質量%以上1.00質量%以下とする方法が好ましい。
メカニズムは未だ未解明であるが、環状三量体はポリエステル樹脂の非晶部分にしか存在できないことから、ポリエステル樹脂中の全体に存在する環状三量体が少ない場合には、フィルム製造工程中の延伸工程などでポリエステル樹脂の結晶化が進行する際に、環状三量体を非晶部分に追いやることに要するエネルギーが相対的に小さくなり、結晶化が進みやすくなる、すなわち結晶性が高くなり、フィルムの冷結晶化温度(Tcc)は低くなる。そのため、同一のフィルム製造装置、フィルム製造条件でフィルムを製造した場合であっても、環状三量体量が少ないと相対的にフィルムの結晶化度が高くなりやすい、すなわち、冷結晶化温度(Tcc)が小さくなりやすくなるものと推測している。環状三量体と同様に他の粒子添加についても同様のことが言える。そのため本発明のポリエステルフィルムにおいて粒子は、ポリエステル樹脂原料の冷結晶化温度(Tcc)にあわせて添加量を定めることが必要となるが、後述するポリエステルフィルムのヘイズを考慮するような透明性が求められる用途には、実質的に含有しないことが好ましく、具体的には0.02質量%以下さらに好ましくは、0.015質量%以下、さらには、0.01質量%以下であることが好ましく、粒子をフィルム中に含有しない場合には、フィルムの少なくとも片面にコーティング層などを設けてコーティング層中に粒子を含有させる方法が好ましく用いられる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム中の環状三量体の含有量を0.01質量%以上1.00質量%以下である必要がある。環状三量体の含有量を上記範囲とすることで、透明性が良好で、かつ、加熱後の平面性に優れたフィルムとすることができる。ポリエステルフィルム中の環状三量体の含有量を0.01質量%以上1.00質量%以下とする手段は、特に限定されないが、環状三量体の含有量が少ないポリエステル樹脂を原料としてフィルムを製造することが特に好ましい手段である。環状三量体の含有量が少ないポリエステル樹脂の製造方法としては、種々公知の方法を用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂の製造後に固相重合する方法等が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは、ヘイズが1.5%以下であることが好ましい。ヘイズが1.5%を超えると、視認性が低下し、例えば、タッチパネル用等、高度な視認性が必要とされる用途に不適当となる場合がある。本発明のポリエステルフィルムのヘイズは、0.1%以上1.2%以下であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは170℃3時間加熱した後と、加熱前のフィルムのヘイズ差ΔHzが0.5%未満であることが好ましく、好ましくは、0.4%以下、さらに好ましくは、0.2%以下である。ΔHz値が0.5%以上であると、上述した通り、(Tcc)が150℃未満であるためにフィルムの熱結晶化が進むため、フィルムそのもののヘイズが高くなり、透明導電積層体の保護フィルムとした場合、検査視認性が低下する場合がある。また、ΔHzが0.5%を超える場合として、フィルム中に存在する環状三量体が加熱後にフィルム表面に析出される場合があり、他の部材と張り合わせて透明導電性積層体の保護フィルムとした場合には、加工後に本発明のポリエステルフィルムが剥離されるが、ポリエステルフィルム表面上に析出した環状三量体が相手部材の表面に転写され、製品としての品質を悪化させる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、170℃3時間加熱後のヘイズが1.5%以下であることが好ましい。更に好ましくは1.0%以下である。
本発明のポリエステルフィルムは、厚みが16μm以上300μm以下であることが好ましい。フィルムの厚みが16μm未満あるいは300μmを超える場合は、フィルムとして安定した製造が困難となる場合があり、特に、300μmを超える場合は透明性との両立が困難となる場合がある。本発明のポリエステルフィルムの厚みは、18μm以上260μm以下であることがより好ましく、20μm以上250μm以下であることがさらに好ましく、20μm以上200μm以下あることが特に好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、屈折率が1.63以上1.69以下であることが好ましい。屈折率が1.63未満である場合は、フィルムの結晶化が進み難いこと等から耐熱変形性が十分でない場合があり、また、導電性フィルム用表面保護フィルムや透明導電基材フィルムと使用した際に十分な機械的特性を得られない場合がある。また、屈折率が1.69を超える場合は、フィルム製造工程中の延伸工程中においてフィルム破れが発生しやすくなり、製造安定性が悪化する場合がある。本発明のポリエステルフィルムの屈折率は、1.65以上1.67以下であることが特に好ましい。
なお、ここで言う屈折率とは、フィルム長手方向の屈折率とフィルム幅方向の屈折率の平均値をいう。屈折率は、ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、中間液としてジヨードメタンを用い、アッベ屈折計により測定する事ができる。屈折率を上記の範囲とする方法は特には限定されないが、一般的には延伸時の延伸倍率や温度を調整することによって制御できる。
本発明のポリエステルフィルムの屈折率を制御するための方法は特に限定されないが、ポリエステルフィルムを二軸配向フィルムとすることで容易に達成できる。なお、ここで言う「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸配向フィルムは一般に、二軸延伸法、すなわち、未延伸状態のシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5〜5.0倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了させることにより得ることができる。また、二軸延伸法としては、逐次二軸延伸法を用いても良いし、同時二軸延伸法を用いても良い。さらには、二軸延伸を施した後に再度、フィルム長手方向あるいはフィルム幅方向に延伸を施す、再延伸法を施しても良い。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの主成分となる樹脂がポリエステル樹脂であることが重要であるが、本発明でいうポリエステル樹脂とは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称である。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂としては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主成分とするものが良いが、これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも、品質、経済性などを総合的に考慮すると、ポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。また、これらポリエステル樹脂には、さらに他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
上述したポリエステル樹脂の、JIS K7367(2000)に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定したときの極限粘度は、0.4dl/g以上1.2dl/g以下となることが好ましく、0.5dl/g以上0.8dl/g以下となることが特に好ましい。
さらに、このポリエステル樹脂中には、本発明の効果を阻害しない限り、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤等が添加されていてもよい。特に、紫外線カット機能を付与する場合においてはポリエステル樹脂中に紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびベンゾオキサジン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく例示することができるが、380nmでの紫外線カット性、色調などの点及び後述するポリエステル樹脂のM+P、M/P(Mはフィルム中に残存する触媒金属元素の濃度(ミリモル%)、Pはフィルム中に残存するリン元素の濃度(ミリモル%)を示す。)の制御による分散性向上の効果発現度合いの点からベンゾオキサジン系化合物が最も好ましい。これらの化合物は1種単独であるいは2種以上一緒に併用することができる。またHALSや酸化防止剤等の安定剤を併用することもでき、特にリン系の酸化防止剤を併用することが好ましい。
また、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂としては、ホモポリエチレンテレフタレートであって、実質的に他の共重合成分および/または他の樹脂成分を含まないことが特に好ましい。ポリエステル樹脂がホモポリエチレンテレフタレートであって実質的に他の共重合成分および/または他の樹脂成分を含まないことが、ポリエステルフィルムの冷結晶化温度(Tcc)を本発明の範囲とすることが容易となる。なお、本発明でいう実質的に他の共重合成分および/または他の樹脂成分を含まないこととは、共重合成分としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸以外のジカルボン酸成分を、また、ジオール成分としてエチレンジオール以外のジオール成分を、共重合成分として意図的に共重合させないことを意味する。また他の樹脂成分としては、ホモポリエチレンテレフタレートとは別に、ホモポリエチレンテレフタレートと相溶性のある樹脂、例えばホモポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂や、非相溶性であっても100nm以下の分散サイズで分散される副成分として添加される樹脂成分のことを意味する。すなわち、前述したような各種添加剤、ならびに、ホモポリエチレンテレフタレートを重合するために添加する各種触媒や、易滑性や防眩性等の付与等を目的として添加されるような、フィルム化した後でも任意の形状を維持する高分子系粒子等の各種粒子、および不純物等は、ここでは該当しない。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の重要な要件を満たす限り、そのフィルム構成に制限はなく、単層フィルムであっても、積層フィルムであっても良い。積層フィルムとする場合においては、例えば、層A/層Bの積層フィルムすなわち2種2層積層フィルム、層B/層A/層Bの積層フィルムすなわち2種3層積層フィルム、層B/層A/層Cの積層フィルムすなわち3種3層積層フィルム等の構成を挙げることができる。
本発明のポリエステルフィルムを積層構成フィルムとする場合においては、その積層方法は制限されるものではなく、例えば、共押出法による積層方法、貼り合わせによる積層方法、これの組み合わせによる方法等を挙げることができるが、透明性と製造安定性の観点から、共押出法を採用することが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを積層構成フィルムとする場合においては、それぞれの層に異なる機能を付与すること目的として、異なる樹脂構成としても良い。例えば、層B/層A/層Bの積層フィルムすなわち2種3層積層フィルムとする場合には、透明性の観点から層Aをホモポリエチレンテレフタレートで構成し、層Bには、易滑性付与のために、粒子を添加する等の方法を挙げることができる。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法を、ポリエステル樹脂としてホモポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)を用いた場合を例にして説明する。ただし、本発明のポリエステルフィルムはこれに限定されるものではない。
PETペレット(環状三量体含有量1.0〜0.3質量%、極限粘度0.5〜0.8dl/g)を真空乾燥した後、押出機に供給し260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作製する。この未延伸フィルムを70〜100℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向を指し「長手方向」ともいう)に2.5〜5.0倍延伸する。続いて、このフィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、75〜95℃の温度まで加熱を行い、引き続き連続的に90〜115℃の加熱ゾーンで横方向(フィルムの進行方向とは直交する方向を指し「幅方向」ともいう)に3.0〜5.0倍延伸し、続いて200〜240℃の加熱ゾーンで5〜60秒間熱処理を施し、100〜200℃の冷却ゾーンを経て結晶配向の完了したポリエステルフィルムを得る。なお、上記熱処理中に必要に応じて3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの端部をカットした後に巻き取り中間製品とし、その後スリッターを用いて所望の幅にカット後、円筒状のコアに巻き付け所望の長さのポリエステルフィルムロールを得ることができる。なお、巻き取り時に巻姿改善のためにフィルム両端部にエンボス処理を施しても良い。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムの片面、あるいはフィルムの両面に塗布層を設けても良い。また、塗布層は、一方の面に2層以上の複数層の塗布層であっても良いし、両面に塗布層を設ける場合は、一方の面と、その反対の面で異なる組成物を塗布しても良い。
本発明のポリエステルフィルムの表面に設ける塗布層としては、本発明の重要な要件を満たす限り特に限定されないが、各種公知の塗布層を設けることができ、例えば、フィルムに易滑性を付与するための粒子含有組成物層、フィルムの表面硬度や耐擦過性を補完するためのハードコート層、別に設けるハードコート層等の機能層との接着性を補完するための易接着層、別に設けるハードコート層と基材ポリエステルフィルム間の屈折率差により生じる光の干渉ムラを抑制するための高屈折率層、フィルム表面へのオリゴマー析出に起因する白化を抑制するためのオリゴマーブロック層、あるいは、他のフィルムとの貼り合わせを行うために設ける粘着層等が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムの表面に設ける塗布層としては、例えば、易滑性と易接着性、または易滑性とオリゴマーブロック性といった、複数の機能をひとつの塗布層で補完することも可能であり、また、片方の面に易滑性と易接着性を補完する塗布層を設け、その上にハードコート層を設け、さらにもう片方の面に易滑性とオリゴマーブロック性の両方を補完する塗布層を設けるといった構成をとることができる等、塗布面、機能、ひとつの塗布層で補完する機能の数と種類、塗布層数の組み合わせ等に、なんら制限は受けない。
本発明のポリエステルフィルムの表面に塗布層を設ける場合において、塗布層を設ける方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程とは別工程で塗布を行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、ポリエステルフィルムの製造工程中に塗布を行い、塗布層がコーティングされたポリエステルフィルムを一気に得る、いわゆるインラインコーティング方法の両方を用いる事が可能である。本発明のポリエステルフィルムにおいては、コストの面や、塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いる塗液の溶剤は、環境汚染や防爆性の点から水系であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの表面に塗布層を設ける場合においては、ポリエステルフィルムの製造方法として、前記インラインコーティング法を用いて、以下の工程1)〜4)をこの順にて実施する方法が、前述した塗布層の特性を発現させ、かつ生産性を高める観点から、特に好ましい方法として挙げられる。
1) ベースとなるポリエステルフィルムの工程フィルムの少なくとも片面に、塗布層を形成する塗液を塗布する塗布工程。
2) ベースとなるポリエステルフィルムの工程フィルムに塗布された塗液を加熱乾燥することによって、塗布層を形成せしめる加熱乾燥工程。
3) 塗布層が形成された工程フィルムを延伸する延伸工程。
4) 延伸された工程フィルムを加熱し、熱処理を行う熱処理工程。
前記1)項に記載した塗布工程における塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用いることができるが、塗布層の厚みムラを低減する観点から、グラビアコート法およびバーコート法を用いるが好ましく、計量バーによるバーコート方式を用いることが特に好ましい。計量バーによるバーコート方式を用いる場合に用いる計量バーに関して、その直径は特には限定されないが、通常は10〜30mmの範囲となる。また、計量のための溝の作成方法は、ワイヤーを円筒形の部材に巻き付けるワイヤーバー方式を採用してよいし、部材表面に螺旋状溝を掘った方式を採用しても良い。なお、塗布均一性の観点から、計量バーの振れ量に関しては、150μm以下であるものを用いるが好ましく、100μm以下であるものを用いることが特に好ましい。
前記2)項に記載した加熱乾燥工程において、加熱乾燥後の塗布層面のフィルム表面の温度を75〜95℃の範囲に調整する事が好ましい。加熱乾燥後の塗布層面のフィルム表面の温度が75℃未満である場合には、フィルムの予熱が不十分となり、引き続き実施される延伸工程でのフィルム破れが発生しやすい傾向がある。また、加熱乾燥後の塗布層面のフィルム表面の温度が95℃を越える場合には、塗布層の延伸時の均一性が損なわれる場合があり、塗布層の厚みのバラツキが大きくなる傾向がある。
また、加熱乾燥工程における加熱乾燥方法については特には限定されず、例えば熱風を吹き付ける方法や非接触式のヒーターで加熱する方法などを挙げることができるが、加熱乾燥の均一性の観点から、熱風を吹き付ける方法を採用することが好ましい。また、加熱乾燥工程終了後の塗布層面のフィルム表面を非接触温度計にて測定し、該測定結果が上述の温度範囲となるように決められた目標値に制御されるように、加熱乾燥工程における熱風の風速および/または温度を制御する(目標温度より高くなった場合は風速を落とすか温度を下げる。目標温度より低くなったときは風速を上げるか温度を上げる)方法を用いることが、長時間連続生産時の塗布厚みの変動抑制の観点で好ましい。
なお、インラインコート法においては、通常、オーブンによる加熱乾燥後に横延伸を実施するが、両端部はクリップに把持されているため、塗布は中央部のみに実施される場合が多い。このため、塗布が施されているフィルム中央部と塗布が施されていないフィルム端部とでは、延伸時のフィルム温度に差が生じる場合があり、この場合、相対的に温度が高いフィルム端部が、より延伸されやすい状態となっている。また、塗布層中に各種架橋剤等が含有されている場合においては、計量バーやグラビアロールが長期の連続生産による目詰まりにより経時で塗布厚みが減少する傾向があり、こ場合には、横延伸時のフィルム中央部のフィルム温度が上昇するため、フィルム中央部が比較的延伸されやすい傾向となり、フィルム中央部の横延伸の実効倍率が上昇することで、横延伸後の塗布層厚みが薄くなる場合がある。これらの実情を鑑みて、加熱乾燥工程終了後のフィルム温度を、フィルム幅方向、あるいは連続生産時の経時で一定に制御することが、好ましい態様となる。
前記3)項の延伸工程においては、塗布層が形成された工程フィルムに90〜115℃に設定した熱風を吹き付けながら、フィルム幅方向に3.0〜5.0倍に延伸することが好ましい態様である。熱風の温度が90℃未満である場合は、延伸時にフィルム破れが発生する場合があり、一方、熱風の温度が115℃を越える場合には、前記加熱乾燥時の状況と同様に、塗布層の厚みの均一性が悪化しやすい傾向あるため、好ましくない。また、フィルムの横延伸倍率が3.0倍未満である場合には、フィルム幅方向の強度が悪化しやすかったり、フィルム幅方向の厚みの均一性が悪化しやすい傾向があり、一方で、フィルムの横延伸倍率が5.0倍を越える場合には、延伸時にフィルム破れが発生しやすい傾向があるため、好ましくない。
前記4)項の熱処理工程においては、200℃〜240℃に設定した熱風を5〜60秒間吹き付ける方法が好ましい。この工程においては、工程フィルムの結晶化を促進することで、フィルムを構成する高分子の二次構造、三次構造を固定化し、フィルムの耐熱変形性、熱寸法安定性、耐薬品性などを向上させる事ができる。熱処理工程の温度および時間については、上記した範囲内において、目標とするフィルム特性に応じて調整する事ができる。
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。各実施例の記述に先立ち、各種物性の測定方法を記載する。
(1)厚み
フィルムをA4サイズにカットし、ダイヤルゲージ(ミツトヨ社製“No2110S−10”)を用いて、任意の20点を測定し、平均値を厚み(μm)とした。
(2)ヘイズ
5cm角のフィルムを試料とし、加熱前と加熱後のヘイズをそれぞれJIS−K−7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーターで測定した。(スガ試験機製“HZ−V3”)測定試料はそれぞれ3試料用意し、平均をもってヘイズ値とし、差分からΔHzを求めた。
(3)冷結晶化温度(Tcc)
フィルムを電子天秤で5mg計量し、アルミパッキンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)ロボットDSC−RDC220熱示差走査計を用いて測定を行い、データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いて、JIS−K−7121(1987年)に従って行った。25℃から300℃まで20℃/分で昇温した。その後25℃まで急冷し、再び300℃まで20℃/分で昇温した(2ndRun)。ガラス転移温度(Tg)として、中間点ガラス転移温度を求め、結晶化ピーク温度(Tcc)として、結晶化ピークの頂点温度を求めた。
2ndrunの結晶化ピークが複数観測される場合には、JIS−K−7122により求められる最大となるピーク面積を示す結晶化ピーク頂点温度とする。
(4)環状三量体の含有量
加熱前のフィルム片20mgを試料として、OCP(o−クロロフェノール)に150℃で30分間溶解し、室温で冷却した。その後、内部標準として1,4−ジフェニルベンゼンを添加後、メタノール2mlを加えて高速遠心分離機でポリマーを分離し、液層部を高速液体クロマトグラフ(島津製作所製“LC−10ADvp”)を用いて測定した。
(5)加熱後の平面性評価(耐熱変形性)
20cm四方に切り出したフィルムをパンチングメタルの上に置いた状態で、温度を150℃に設定したオーブン中に無緊張状態で10分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却し、蛍光灯の反射光により、フィルムの表面に映し出された蛍光灯の反射像の状態を観察した。パンチングメタルは下記の2種を用いて評価を行ない、下記の判定基準により耐熱変形性を判定した。
・パンチングメタルA:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 1.5t×D4.5×P7.5 60°チドリ
・パンチングメタルB:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 2t×D7/H1.3×P10 60°チドリ
(耐熱変形性の判定基準)
○:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、蛍光灯の反射像に歪みは見られなかった。
△:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれかの場合において、フィルム表面の一部に、パンチングメタルのエンボス加工ピッチで、蛍光灯の反射像に歪みがあった。
×:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、フィルム表面の一部、あるいは全面に、パンチングメタルのエンボス加工ピッチで、蛍光灯の反射像に歪みがあった。
(6)フィルム中の粒子含有量(質量%)
試料をメタノールで十分洗浄し、表面付着物を取り除き、水洗して乾燥した300gのサンプルにo−クロロフェノール2.7Kgを加えて撹拌しつつ100℃まで昇温させ、昇温後さらに1時間そのまま放置してポリエステル部分を溶解させる。ただし、高度に、結晶化している場合などでポリエステル部分が溶解しない場合は、一度溶解させて急冷した後に前記の溶解操作を行なう。
ついで、ポリエステル中に含有されているゴミなどの粗大不溶物をG−1ガラスフィルターでろ別し、除去し、このロ上物の重量を試料重量から差し引く。
日立製作所分離用超遠心機40p型にローターRP30を装備し、セル1個当りに前記ガラスフィルターろ別後の溶液30ccを注入後、ローターを4500rpmにて回転させ、回転異常のないことを確認後、ローター中を真空にし、30000rpmに回転数を上げ、この回転数にて粒子の遠心分離を行なう。
分離の完了はほぼ40分後であるが、この確認は必要あれば分離後の液の375mμにおける光線透過率が分離前のそれに比し、高い値の一定値になることで行なう。分離後、上澄液を傾斜法で除去し分離粒子を得る。
分離粒子には分離が不十分なことに起因するポリエステル分の混入があり得るので、採取した該粒子に常温のo−クロロフェノールを加え、ほぼ均一懸濁後、再び超遠心分離機処理を行なう。この操作は後述の粒子を乾燥後該粒子を走差型差動熱量分析を行なって、ポリマに相当する融解ピークが検出できなくなるまで繰返す必要がある。最後に、このようにして得た分離粒子Aを120℃、16時間真空乾燥して秤量する。
これをフィルム中の粒子含有量(質量%)とした。
[使用したポリエステル樹脂]
(PET−A)
テレフタル酸とエチレングリコールの反応物であるエステル化反応物を予め255℃の溶融状態で貯留させ、さらにテレフタル酸とエチレングリコールとをテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.15になるようにスラリー状にしてエステル化反応槽の温度を保ちながら定量供給し、水を留出させながらエステル化反応を行い、エステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物を、重合反応槽に移送し、リン酸を含むエチレングリコール溶液と酢酸マグネシウム4水和物を含むエチレングリコール溶液、三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液、水酸化カリウムを含むエチレングリコール溶液を別々に、得られるポリエステル樹脂に対して、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、リン元素をM/Pが2.8に、アンチモン元素として60ppmとなるように添加し、引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、30分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して280℃とし、重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、液相ポリエステルを得た。ここで得られた液相ポリエステルを用いて、回転式真空乾燥装置により、0.13KPaの減圧下、215℃の温度で20時間固相重合を行い、ポリエステル樹脂(PET−A)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−A)の固有粘度は0.65dl/g、環状三量体含有量は0.40質量%であった。
(PET−B)
上記のポリエステル樹脂(PET−A)の製造工程において、液相ポリエステルを得た後の固相重合を連続式真空乾燥装置を用いて行うとこと以外はPET−Aと同様にしてポリエステル樹脂(PET−B)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−B)の固有粘度は0.73dl/g、環状三量体含有量は、0.40質量%であった。
(PET−C)
固相重合を実施せずに、固有粘度を変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−A)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−C)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−C)の固有粘度は0.70dl/g、環状三量体含有量は1.07質量%であった。
(PET−D)
回転式真空乾燥装置により、0.13KPaの減圧下、215℃の温度で40時間固相重合を行うこと、触媒量を調整すること以外はPET−Aと同様にして、ポリエステル樹脂(PET−D)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−D)の固有粘度は0.8dl/g、環状三量体含有量は0.35質量%であった。
(PET−E)
固相重合時間を26時間と変更する以外は、PET−Aと同様の方法で実施し、
ポリエステル樹脂(PET−E)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−E)
の固有粘度は0.70dl/g、環状三量体含有量は0.38質量%であった。
[使用した塗液]
(塗剤−1)
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸50モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール95モル部、ジエチレングリコール5モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万質量部に対して100質量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、トリメリット酸5モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万質量部に対して100質量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(A)を得た。その後、ポリエステル(A)を100質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を50質量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5質量部混合してなる有効成分を5.0質量部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを3.0質量部、水を92.0質量部混合して、塗液−1を得た。
(塗液−2)
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール100モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万質量部に対して100質量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、1,3,5−トリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万質量部に対して100質量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(B)を得た。その後、ポリエステル(A)をポリエステル(B)に変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−2を得た。
(塗液−3)
有効成分を、ポリエステル(A)を100質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を40質量部(有効成分換算)、カルボジイミド系架橋剤(日清紡ケミカル(株)製“カルボジライト”(登録商標)V−04:有効成分40質量%)を10質量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−4を得た。
(塗液−4)
有効成分を、ポリエステル(A)を100質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を40質量部(有効成分換算)、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒(株)製“エポクロス”(登録商標)WS500:有効成分40質量%、1−メトキシ−2−プロパノール38質量%含有)を10質量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−4を得た。
[ポリエステルフィルムの作成]
(実施例1)
PET−Aを真空中160℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。なお、この時キャスティングドラムの反対面から温度10℃の冷風を長手方向に8段設置した間隙2mmのスリットノズルから風速20m/sでフィルムに吹き付け、両面から冷却を実施した。
この未延伸フィルムを予熱ロールにて70℃に予熱後、上下方向からラジエーションヒーターを用いて90℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.1倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。
一軸延伸フィルムをクリップで把持してオーブンに導き、温度120℃、風速20m/分の熱風にて加熱乾燥した。引き続き連続的に延伸工程に導き、温度100℃、風速15m/分の熱風にて加熱しながら幅方向に3.7倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き連続的に温度230℃、風速20m/分の熱風にて15秒間熱処理を実施後、230℃から120℃まで冷却しながら幅方向に5%の弛緩処理を施し、続けて50℃まで冷却した。引き続き幅方向両端部を除去した後に巻き取り、厚み125μmのポリエステルフィルムを得た。
ここで得られたポリエステルフィルムは、透明性、耐熱変形性、に優れ、導電性フィルム用表面保護フィルム用途および透明導電基材フィルム用途として好適に使用できるものであった。
(実施例2、3、4、6)
一軸延伸フィルムを得た後、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとし、表1に記載する塗液を上記一軸延伸フィルムの両面にバーコーターを用いて塗布した。なお、メタリングワイヤーバーは直径13mm、ワイヤー径0.1mm(#4)のものを用いた。
このことと、表1に表すフィルムの総厚みを変更すること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例2、3、4、6のポリエステルフィルム透明性と耐熱変形性に優れ、導電性フィルム用表面保護フィルム用途および透明導電基材フィルム用途として特に好適に使用できるものであった。
(実施例5、7)
PET−Aに粒子を0.01質量%添加することと、表1記載の構成に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例5、7のポリエステルフィルムは、冷結晶化温度(Tcc)が実施例1、2、3、4、6に比べ、2℃低下していた。これは、粒子の添加により樹脂中で結晶化が進んだことによると考えられるが、透明性、耐熱変形性に優れ、導電性フィルム用表面保護フィルム用途および透明導電基材フィルム用途として好適に使用できるものであった。
(実施例8)
PET−Bの原料を用いることと、表1に記載の塗剤を用いること以外は実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。実施例8のポリエステルフィルムは冷結晶化温度(Tcc)が実施例3と比べて7℃低いため透明性と特に耐熱変形性に優れ、導電性フィルム用表面保護フィルム用途および透明導電基材フィルム用途として特に好適に使用できるものであった。
(実施例9)
PET−Eの原料を用いること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。実施例9のポリエステルフィルムは冷結晶化温度(Tcc)が実施例1と比べて5℃低いが、透明性と特に耐熱変形性に優れ、導電性フィルム用表面保護フィルム用途および透明導電基材フィルム用途として特に好適に使用できるものであった。
(比較例1)
PET−Cの原料を用いることと、表1に記載の塗剤を用いること以外は実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。比較例1のポリエステルフィルムは環状三量体の含有量が、1.0質量%を超えたために加熱後のヘイズが上昇し、透明性が悪化し、また、冷結晶化温度が165℃と高いため、耐熱変形性が悪化した。
(比較例2)
PET−Aに粒子を1.5質量%添加することと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。比較例2のフィルムは粒子を多く添加したために、初期のフィルムのヘイズ値が高く、フィルムの冷結晶化温度(Tcc)が低下し、ΔHzが高く加熱後のフィルムのヘイズが悪化した。
(比較例3)
PET−Cの原料を用いること以外は、実施例4と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。比較例3のポリエステルフィルムは環状三量体の含有量が、1.0質量%を超えたために加熱後のヘイズが上昇し、透明性が悪化し、また、冷結晶化温度が165℃と高いため、耐熱変形性が悪化した。
(比較例4)
PET−Cに粒子を0.02質量%添加することと、表1記載の構成に変更したこと以外は、実施例7と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
比較例4のポリエステルフィルムは、環状三量体の含有量が、1.0質量%を超えたこと、粒子添加量を多く添加したためフィルムの初期ヘイズが高く、加熱後のヘイズが上昇し、透明性が悪化。また冷結晶化温度が160℃とやや高かったため、耐熱変形性がやや悪化した。
(比較例5)
PET−Dの原料を用いること以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。比較例5のポリエステルフィルムは、冷結晶化温度が149℃と低く、耐熱変形性には優れるが、ΔHzは上昇した。
(比較例6)
PET−Eの原料を用いること以外は比較例4と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
比較例6のポリエステルフィルムは、冷結晶化温度が147℃と低く、耐熱変形性には優れるが、ΔHzが上昇した。
Figure 2018127605

Claims (6)

  1. ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満であり、該ポリエステルフィルムの環状三量体の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下であるポリエステルフィルム。
  2. 前記ポリエステルフィルムのヘイズと前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズの差ΔHzが0.5%未満である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズが1.5%以下である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 前記ポリエステルフィルムのヘイズが1.5%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 前記ポリエステルフィルムの総厚みが16μm以上300μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. 光学用途に使用される請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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