JP5131617B2 - 太陽電池基板用ポリエステルフィルム - Google Patents

太陽電池基板用ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明はポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを主たる成分としてなる太陽電池基板用ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは、ロールツーロール法によって製造される太陽電池の基板に適したポリエステルフィルムに関する。
太陽電池には、一般的にガラスを基板材料とするリジットタイプのものと、フィルムを基板材料とするフレキシブルタイプがある。そうした中で最近では、時計あるいは携帯電話や携帯端末のような移動体通信機器の補助電源として、フレキシブルタイプの太陽電池が多く活用されるようになってきた。従来のリジットタイプは、フレキシブルタイプに比べると太陽電池セルでのエネルギーの変換効率は高いが、機器の薄型化や軽量化に限界があり、また衝撃を受けた場合には太陽電池モジュールが破損するケースも考えられる。
このため、フレキシブルタイプの有用性は以前から注目されてきた。例えば特許文献1には、高分子フィルム基板上に変換素子としてアモルファスシリコン層を電極層で挟んだ構造の薄膜太陽電池が開示されており、その中でポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム等が例示されている。また特許文献2、3及び4には、高分子フィルムからなる可撓性基板を用いた太陽電池モジュールが開示されている。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを太陽電池の基板フィルムとして使用する際に求められる特性として200℃前後での耐熱寸法安定性が必要とされている。基板フィルム上にアモルファスシリコン層を200℃前後で積層する必要があるため、基材フィルムの耐熱寸法安定性が十分でないと形成されたアモルファスシリコン層にクラックが入り、太陽電池としての品質が悪化するためである。具体的には、200℃での熱収縮率があらゆる方向で2.0%以下であること(特許文献5)、あるいはフィルムの連続製膜方向と幅方向における熱収縮率の差の絶対値が0.8%以下であること(特許文献6)が開示されている。
一方、最近ではアモルファスシリコンを変換素子として用いたフレキシブルタイプの太陽電池の利用が増加する中で、太陽電池の製造方法としてロールツーロール法によるコストダウン化の検討が行われており、特許文献7、8には耐熱性を有する高分子として例えばポリエステルフィルム基板上にロールツーロール法によって太陽電池構成層を堆積する技術が開示されている。
ロールツーロール法で太陽電池を製造する場合、長尺の基材フィルムを走行させながら、基材フィルム上に変換素子を積層させた状態で200℃前後の加工が行われる。ロールツーロール法を用いる方法では基板フィルムの長手方向に張力がかかるため、従来のバッチプロセスに適したポリエチレンナフタレンジカルボキシレートフィルムでは変換素子が壊れるか、壊れなくてもフィルムがカールすることが指摘されている。
そこで、ロールツーロール法で太陽電池を製造するに際し、変換素子の破壊や基材フィルムにカールが発生しないような、ロールツーロール法に適した基材フィルムが望まれているのが現状である。
特開平1−198081号公報 特開平2−260577号公報 特公平6−5782号公報 特開平6−350117号公報 特開昭62−84568号公報 特開2004−335517号公報 特開昭61−187377号公報 特開昭61−260681号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、ロールツーロール法を用いて製造されるフレキシブルタイプの太陽電池の基板として用いた際、変換素子及び電極層の破壊や基材フィルムにカールが発生しないような、ロールツーロール法に適した基材フィルムとして有用なポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ロールツーロール法を用いて200℃の加工温度で変換素子の加工処理を行う際、基材フィルムの長手方向は一定の張力を受ける一方、幅方向は保持されない状態にあることから、長手方向は張力によって変形しないような高強度で、かつ高温で伸びにくいこと、一方幅方向は高温での寸法安定性が高いことによって、ロールツーロール法で製造しても積層される変換素子や電極層などの機能層の破壊や基材フィルムにカールが発生しない、ロールツーロール法に適した基材フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、本発明の目的は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを主たる成分としてなる二軸配向フィルムであって、フィルムを200℃で10分間処理した際のフィルム長手方向の熱収縮率が1.1〜2.0%、幅方向の熱収縮率が0.1〜0.8%であり、かつ該フィルムの長手方向のヤング率が6500MPa以上7500MPa以下であって、80g/mm2荷重を負荷した状態で200℃におけるフィルム長手方向の寸法変化率が−2〜+2%であり、ロールツーロール法によって製造される太陽電池に用いられる太陽電池基板用ポリエステルフィルムによって達成される。
また、本発明の太陽電池基板用ポリエステルフィルムは、その好ましい態様として、太陽電池がアモルファスシリコン太陽電池であること、太陽電池がロールツーロール法によって製造される太陽電池であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも好ましい態様として包含する。
本発明の太陽電池基板用ポリエステルフィルムは、長手方向は張力によって変形しないような高強度であり、かつ高温で伸びにくく、一方幅方向は高温での寸法安定性が高いことから、ロールツーロール法を用いて製造される太陽電池の基板として用いることによって、基材フィルムにカールが発生せず、また変換素子や電極層などの機能層の破壊が生じないという効果を有する。そのため、変換効率の高い太陽電池を提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<ポリエステル>
本発明のポリエステルフィルムは、主たる成分がポリエチレンナフタレンジカルボキシレートである。かかるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される。「主たる成分」とは、フィルムの重量を基準として90重量%以上、好ましくは95重量%以上、特に好ましくは99重量%以上であることを意味する。ナフタレンジカルボン酸は、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができ、これらの中で2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは単独重合体、第三成分を共重合した共重合体のいずれでもよい。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが共重合体の場合、共重合成分として分子内に2つのエステル形成性官能基を有する化合物を用いることができる。このような化合物として例えば、蓚酸、アジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の如きジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等の如きオキシカルボン酸;或いはトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグリコール等の如き2価アルコール類等を用いることができる。これらの共重合成分は1種であっても、2種以上を併用してもよい。これらの共重合成分の中で、酸成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、p―オキシ安息香酸を、グリコール成分としてはジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物を好ましい例として挙げることができる。かかる共重合成分はポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを構成する全繰返し単位の10モル%以下であることが好ましく、更に好ましくは5モル%以下、特に好ましくは3モル%以下である。
また、芳香族ポリエステルは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであってもよく、或いは例えば極少量のグリセリン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエステル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で共重合したものであってもよい。
本発明において、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、単独重合体であることが特に好ましい。
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、一般に知られたポリエステル組成物の製造方法によって製造できる。例えば、ジカルボン酸とグリコールとの反応で直接低重合度ポリエステルを得、或いはジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応で低重合度ポリエステルを得、この低重合度ポリエステルを重合触媒の存在下で更に重合させてポリエステルを得る方法で製造することができる。
エステル交換反応に用いるエステル交換触媒としては、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の一種または二種以上を挙げることができる。また、重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を挙げることができる。
エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物を添加することができる。なお、芳香族ポリエステルは溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中においてさらに固相重合を施してもよい。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が下限に満たない場合、工程切断が多発することがある。一方固有粘度が上限を超える場合、溶融粘度が高いため溶融押出が困難であるうえ、重合に長時間を要し生産性が悪くなることがある。なお、固有粘度はo−クロロフェノールを溶媒として用いて、35℃で測定した値(単位:dl/g)である。
<その他成分>
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の課題を損なわない範囲内で少量のその他樹脂、粒子などを含んでもよい。ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート以外の成分の含有量は、フィルムの重量を基準として10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下の範囲内であることが好ましい。なお、透明性が求められる場合には粒子は含まないことが好ましい。粒子の種類は特に特定されず、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、シリカ、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子が挙げられる。
<熱収縮率>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、200℃の温度で10分間加熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率が1.1〜2.0%であることが必要である。ここで熱収縮率とはフィルムに30cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに200℃のオーブンで10分間熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定して、下記式(1)にて算出した値を指す。
熱収縮率(%)=(熱処理前標点間距離−熱処理後標点間距離)/熱処理前標点間距離×100 (1)
フィルム長手方向の熱収縮率の上限は1.8%以下であることが好ましく、1.7%以下であることがさらに好ましい。フィルム長手方向の熱収縮率が下限に満たない場合、ロールツーロール法を用いた200℃前後での加工工程でフィルムの長手方向に張力がかかっているとフィルムが伸びてしまい、積層されている変換素子や電極層にひびが入ったり、フィルムカール発生の原因となる。一方、フィルム長手方向の熱収縮率が上限を超える場合、ロールツーロール法を用いた200℃前後での加工工程で、フィルム長手方向に張力がかかっている状態でもフィルムが収縮してしまい、積層されている変換素子や電極にひびが入ったりシワが寄ることで十分な機能を発揮できなくなる。ここでロールツーロール法において基材フィルムに具体的に加わる張力は80g/mm2程度である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、200℃の温度で10分間加熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率が0.1〜0.8%であることが必要である。フィルム幅方向の熱収縮率の上限は0.5%以下であることが好ましく、0.4%以下であることがさらに好ましい。フィルム幅方向の熱収縮率が上限を超える場合、ロールツーロール法を用いた200℃前後での加工工程でフィルムが幅方向において収縮してしまい、積層されている変換素子や電極層にひびが入ったりシワが寄ることで十分な機能を発揮できなくなる。フィルム幅方向の熱収縮率は、かかる範囲内においてより小さい方が好ましい。フィルム幅方向の熱収縮率は、下限に満たない場合、フィルム長手方向との熱収縮率差が大きすぎてしわやたるみがはいりやすくなる。
該熱収縮率を達成する方法として、長手方向の熱収縮率は長手方向に3.7〜4.4倍の延伸倍率で延伸を行うこと、230〜240℃で熱固定を行うことによって達成される。また幅方向の熱収縮率は幅方向に3.2〜3.5倍の延伸倍率で延伸を行い、230〜240℃で熱固定を行った後、さらに0.05〜2%の範囲で幅方向に弛緩処理(トーイン)を行うことによって達成される。幅方向の延伸倍率が高い場合はトーインを大きくすることが好ましい。
<ヤング率>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム長手方向のヤング率が6500MPa以上であることが必要である。フィルムの長手方向のヤング率は6700MPa以上であることが好ましく、7000MPaであることがさらに好ましい。なおヤング率の上限はフィルム長手方向の熱収縮率との関係で7500MPa以下であることが好ましい。
ヤング率が下限に満たない場合、ロールツーロール法を用いた加工工程でフィルムの長手方向に張力がかかると、高温で変形してフィルムが伸びてしまい、積層されている変換素子や電極層にひびが入ったり、フィルムカール発生の原因となる。
フィルム長手方向のヤング率を達成する方法として、フィルム長手方向に3.7〜4.4倍の延伸倍率で延伸を行うこと、230〜240℃で熱固定を行うことによって達成される。
<寸法変化率>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、80g/mm2荷重を負荷した状態で200℃におけるフィルム長手方向の寸法変化率が−2〜+2%であることが好ましい。かかる寸法変化率とは、セイコーインスツルメンツ(株)製のTMA/SS120Cを用い、80g/mm2の荷重を負荷した状態で30℃から200℃まで20℃/分の昇温速度で昇温させた後に自然冷却し、加熱前後の寸法変化量を求め、加熱前の寸法で割った値から求められる。
フィルム長手方向の寸法変化率が下限に満たない場合、ロールツーロール法を用いた200℃前後での加工工程において、フィルム長手方向に張力がかかっている状態でフィルムが収縮してしまい、積層されている変換素子や電極層にひびが入ったりシワが寄ることで十分な機能を発揮できなくなる。一方、フィルム長手方向の寸法変化率が上限を超える場合、ロールツーロール法を用いた200℃前後での加工工程において、フィルムの長手方向に張力がかかっている状態でフィルムが伸びてしまい、積層されている変換素子や電極層にひびが入ったり、フィルムカール発生の原因となる。
フィルム長手方向の該寸法変化率を達成する方法として、長手方向の熱収縮率は長手方向に3.7〜4.4倍の延伸倍率で延伸を行うこと、230〜240℃で熱固定を行うことによって達成される。
<フィルム厚み>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、太陽電池の支持体として使用する場合に必要な強度とある程度自由な屈曲性を得るために25〜250μmの範囲であることが好ましい。フィルム厚みは、さらに好ましくは40〜188μmであり、特に好ましくは60〜125μmである。
<基材フィルム構成>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの層構成は、単層、積層のいずれでもよいが、光線透過率の向上を目的として二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に高分子バインダーを含む塗布層が形成されていることが好ましい。かかる塗布層を形成する高分子バインダー樹脂の種類として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。
<フィルム製膜方法>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、通常の溶融押出法により得た未延伸フィルムを二軸延伸し熱固定し、さらにフィルム幅方向に弛緩処理(トーイン)を行うことによって製造することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、十分に乾燥させたポリエチレンナフタレンジカルボキシレートをTm〜(Tm+70)℃の温度でTダイを通じて溶融押出し、フィルム状溶融物を冷却ロール(キャスティンクドラム)上で急冷して未延伸フィルムとし、次いで該未延伸フィルムを逐次または同時二軸延伸する。二軸延伸は逐次二軸延伸が好ましく、未延伸フィルムを長手方向に延伸し、次いでステンターにて幅方向に延伸する方法が挙げられる。長手方向の延伸は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのTg以上170℃以下の温度範囲で3.7〜4.4倍の範囲の延伸倍率で行うことが必要である。また幅方向の延伸はポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのTg以上170℃以下の温度範囲で3.2〜3.5倍の範囲の延伸倍率で行うことが必要である。ここで、Tgはポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのガラス転移温度、Tmはポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの融点を表わす。二軸配向されたポリエステルフィルムは、続いて230〜240℃の温度で緊張下又は制限収縮下で10〜30秒熱固定を行い、その後0.05〜2%の範囲で幅方向に弛緩処理(トーイン)を行うことが必要である。幅方向の延伸倍率が高い場合はトーインを大きくすることが好ましい。
塗布層を設ける場合は、一方向に延伸した1軸配向フィルムに、水性塗液を塗布し、次いで乾燥後、もう一方に延伸し、更に熱固定することで得られる。なお乾燥は、延伸製膜工程の熱を利用して行うものであってもよい。
<太陽電池用基材フィルム>
このようにして得られた二軸配向ポリエステルフィルムは、太陽電池基板用フィルムとして好適に用いられる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ロールツーロール法を用いた200℃前後の加工においてフィルム長手方向、幅方向の寸法安定性に優れることから、積層される変換素子や電極層の寸法変化に近く、そのためこれら機能層の破壊を防ぐことができる。また基材フィルムにカールが発生しないため、ロールツーロール法によって製造される太陽電池の基板に適している。
基板フィルム上に設ける変換素子は、公知のアモルファスシリコンを主成分としたもの、特に好ましくはプラズマCVD法で堆積したアモルファスシリコンを主成分とした半導体膜からなるものである。変換素子を基板フィルム上に堆積させる方法として、ロールツーロール法を用いることが好ましい。
具体的には、ロールアップされた基材フィルムから該基板を引き出し、Al/SUS層を蒸着させた後、反応槽中に導入し、該層上にアモルファスシリコン薄膜を沈積させる。その後、アモルファスシリコン薄膜上に、絶縁樹脂層としてエポキシ樹脂をスクリーン印刷法で設け、次に透明電極層として酸化インジウム・スズ(ITO)層をスパッタリング法によって形成し、その後ロール状に連続的に巻き上げる工程を含むアモルファスシリコン太陽電池の連続的製造方法が例示される。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を意味する。
(1)フィルム厚み
電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用いて針圧30gにてフィルム厚みを測定した。
(2)熱収縮率
フィルムサンプルに30cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに200℃のオーブンで10分間熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定して、フィルム長手方向(MD方向)と、フィルム幅方向(TD方向)において、下記式(1)にて熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)=(熱処理前標点間距離−熱処理後標点間距離)/熱処理前標点間距離×100 (1)
(3)ヤング率
オリエンテック社製テンシロンUCT−100型を用いて、温度20℃、湿度50%に調節された室内において、フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、長さ方向を測定方向として、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分で引張り、得られる荷重―伸び曲線の立ち上り部の接線よりヤング率を計算する。なおフィルムは、フィルム長手方向(MD方向)が測定方向となるように作成した。各ヤング率は10回測定し、その平均値を用いた。
(4)荷重下での寸法変化
セイコーインスツルメンツ(株)製のTMA/SS120Cを用い、80g/mm2の荷重をかけた状態で30℃から200℃まで20℃/分の昇温速度で昇温させた後に自然冷却し、加熱前後の寸法変化量を求め、加熱前の寸法で割った値により寸法変化率(%)を算出した。
○:−2%≦寸法変化率≦+2%
×:寸法変化率<−2% または +2%<寸法変化率
(5)ロールツーロールプロセスでの加工性
フィルム上にAl/SUS層を蒸着し、その上にCVD法でアモルファスシリコン層を堆積させた後、さらにアモルファスシリコン層上にエポキシ樹脂層をスクリーン印刷法で設け、次に透明電極層として酸化インジウム・スズ(ITO)層をスパッタリング法によって形成する。それぞれの機能層は、ロールツーロールの製膜装置でそれぞれ堆積させた。その際のプロセスの最高温度は200℃、張力は80g/mm2である。
○:カール変形無く、機能層にしわや割れ無し
×:カール変形有り、機能層にしわや割れ有り
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部とエチレングリコール60部の混合物に、酢酸マンガン・4水塩0.03部を添加し、常法に従ってエステル交換反応を行った。途中、平均粒径0.25μm、粒径比1.1の球状シリカ粒子を0.13重量%添加した。そして反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042部(2mmol%に相当)を添加して引き続きエステル交換反応を行い、エステル交換反応終了後、燐酸トリメチル0.023部を添加した。ついで、三酸化アンチモン0.024部を添加後、引き続き高温高真空下で常法通り重縮合反応を行い、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した固有粘度が0.66dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートポリマーを得た。
このポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレットを170℃で6時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが17μmのステンレス鋼細線フィルターで濾過し、2mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃の回転冷却ドラム上で押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より900℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.8に延伸した。続いてテンターに供給し、145℃にて横方向に.3.3倍に延伸し、さらに240℃で5秒間熱固定処理及び幅方向に1.5%収縮(トーイン)させ厚み75μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例2〜3、比較例1〜4]
フィルムの製膜条件を表1に示すように変える以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示す。なお、比較例4は縦方向にも熱弛緩処理を行った。
Figure 0005131617
本発明の太陽電池基板用ポリエステルフィルムは、長手方向は張力によって変形しないような高強度であり、かつ高温で伸びにくく、一方幅方向は高温での寸法安定性が高いことから、かかるフィルムを太陽電池基板として用いることによって、ロールツーロール法を用いて太陽電池を製造する際に基材フィルムにカールが発生せず、また積層される変換素子や電極層の破壊が生じないという効果を有する。そのため、生産性の高い方法で変換効率の高い太陽電池を提供することができる。

Claims (2)

  1. ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを主たる成分としてなる二軸配向フィルムであって、フィルムを200℃で10分間処理した際のフィルム長手方向の熱収縮率が1.1〜2.0%、幅方向の熱収縮率が0.1〜0.8%であり、かつ該フィルムの長手方向のヤング率が6500MPa以上7500MPa以下であって、80g/mm2荷重を負荷した状態で200℃におけるフィルム長手方向の寸法変化率が−2〜+2%であり、ロールツーロール法によって製造される太陽電池に用いられることを特徴とする太陽電池基板用ポリエステルフィルム。
  2. 太陽電池がアモルファスシリコン太陽電池である請求項1に記載の太陽電池基板用ポリエステルフィルム。
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