JPWO2004000920A1 - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明は、耐衝撃性、透明性、色相に優れ、工程プロセスでのオリゴマー発生の少ないフィルムを得ることを目的とする。本発明は、基材層およびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなる積層フィルムであって、該基材層は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなり、固有粘度が0.45〜0.70dl/gの配向フィルムであり、該積層フィルムのヘーズがフィルム厚み100μm当たり0.5%以下、L*a*b*表色系におけるa*値とb*値のいずれもが、透過測定法でフィルム厚み100μm当たり−2.0〜+2.0、面配向係数が0.15〜0.30、であることを特徴とする前記積層フィルムである。

Description

本発明はポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなる積層フィルムに関する。さらに詳しくは、透明性、色相に優れ、加熱時のオリゴマー発生の少ないポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなる積層フィルムに関する。
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁用フィルム、金属ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイ等の表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として提案されている(特許文献1参照)。
またポリエステルフィルムを、液晶ディスプレイに代表される画像表示装置に適用することが提案されている。すなわち画像表示装置には、従来、ガラス基板が用いられてきた。しかし、近年、画像表示装置は薄型、軽量化、大画面化、形状の自由度、曲面表示という要求から、重くて割れやすいガラス基板のかわりにポリエステルフィルム等の透明高分子フィルム基板を用いることが検討されてきている(特許文献2および3参照)。
特に近年では有機ELに代表される自発光素子の開発が進み、液晶ディスプレイのようにバックライトを採用せざるを得ないがために多くの部材を使用する必要がある画像表示装置にとって変わろうとしており、このような用途でもガラスの欠点のひとつである割れ易さや重さを改良したいという要求が年々高まってきている。
しかしながら、ガラスの欠点である耐衝撃性を充分なレベルで改良し、かつガラスに近い透明性や色相を有する高分子フィルムを提供することはこれまで非常に困難であった。
また、上記に代表されるディスプレイ用途に使用される高分子フィルムは、用途に応じて、ガスバリア層、導電体層、半導体層、発光体層などが積層されるが、これらの層の積層においては、蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、プラズマCDV等々の手法が用いられる。上記手法を適用する際には、手法によって高低はあるものの、かなりの高温にフィルムがさらされるため、フィルム中に存在している低分子物であるオリゴマーが析出し、透明性が損なわれたり、発生したオリゴマーを除去するために工程が複雑になるなどの課題があった。
(特許文献1)特開2002−273844号公報
(特許文献2)特開2001−138465号公報
(特許文献3)特開2002−80621号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を解消し、耐衝撃性、透明性、色相に優れ、工程プロセスでのオリゴマー発生の少ないフィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、基材層およびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなる積層フィルムであって、
該基材層は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなり、固有粘度が0.45〜0.70dl/gの配向フィルムであり、
該積層フィルムのヘーズがフィルム厚み100μm当たり0.5%以下、L表色系におけるa値とb値のいずれもが、透過測定法でフィルム厚み100μm当たり−2.0〜+2.0、面配向係数が0.15〜0.30、であることを特徴とする積層フィルムである。
本発明は、前記積層フィルム上に機能層を設けた積層フィルムであり、機能層はハードコート層、ガスバリア層および導電層からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする積層フィルムを包含する。
また本発明は、前記積層フィルムからなるELディスプレイ用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板を包含する。
さらに本発明は、ELディスプレイ用基板、電子ペーパー用基板または太陽電池用基板への前記積層フィルムの使用を包含する。
加えて本発明は、前記積層フィルムの製造方法であって、
(1)コバルト元素の存在下でエステル交換反応を利用してポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを製造する工程、
(2)該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを回転冷却ドラム上に押出し未延伸フィルムを得る工程、
(3)該未延伸フィルム上に塗布層を設けた後に連続製膜方向(MD方向)に延伸するか、該未延伸フィルムをMD方向に延伸した後に塗布層を設け、積層一軸延伸フィルムを得る工程、
(4)該積層一軸延伸フィルムを連続製膜方向に対して垂直な方向(TD方向)に延伸し二軸延伸フィルムを得る工程、および
(5)得られた二軸延伸フィルムを熱固定する工程、
からなる前記積層フィルムの製造方法である。
第1図は、耐衝撃性試験装置を示す図である。
図中、1はおもり、2はポンチ、3はフィルム固定治具、4は試料フィルムを示す。
(ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート)
本発明において、積層フィルムを構成するポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、主たるジカルボン酸成分がナフタレンジカルボン酸であり、主たるグリコール成分がエチレングリコールである。
ナフタレンジカルボン酸としては、たとえば2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができ、これらの中で2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ここで「主たる」とは、本発明のフィルムの成分であるポリマーの構成成分において全繰返し単位の少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%を意味する。
コポリマーである場合、コポリマーを構成する共重合成分としては、分子内に2つのエステル形成性官能基を有する化合物を用いることができ、かかる化合物としては例えば、蓚酸、アジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の如きジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸の如きオキシカルボン酸、あるいはプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグリコールの如き2価アルコールを好ましく用いることができる。
これらの化合物は1種のみ用いてもよく、2種以上を用いることができる。またこれらの中で好ましい酸成分は、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香酸であり、グリコール成分としてはトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物である。
また、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであってよく、極く少量の例えばグリセリン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエステル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で共重合したものであってもよい。
本発明におけるポリエステルは、例えば、ジカルボン酸とグリコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとをエステル交換触媒を用いて反応させた後、重合触媒の存在下で溶融重合反応を行う方法で得ることができる。
エステル交換反応に用いる触媒としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトなどを含む化合物を例示することができるが、これらの内、コバルトを含む一種または二種以上の元素の化合物を用いることが、フィルムとした時の良好な色相を得る点から好ましい。
コバルト化合物の例としては酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が例示できるが、カルボン酸塩、特に酢酸塩が好ましい。好ましいコバルト化合物の添加量は、コバルト元素のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートに対する重量分率で2〜80ppm、さらに好ましくは4〜60ppm、特に好ましくは8〜40ppmである。コバルトの量が2ppmよりも少ないと色相が黄色味を帯びやすく、80ppmを超えると透明性の低下を引き起こす場合がある。
また、コバルト化合物と組み合わせて使用するのが好ましい化合物としてはマグネシウム、カルシウム、マンガンなどの化合物が挙げられるが、これらの内マンガン化合物が色相を良好に保ちかつエステル交換反応を促進する触媒として特に好ましい。
マンガン化合物の例としては酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が例示できるが、カルボン酸塩、特に酢酸塩が好ましい。好ましいマンガン化合物の添加量はマンガン元素のフィルムに対する重量分率で20〜120ppm、さらに好ましくは30〜100ppm、特に好ましくは40〜80ppmである。マンガン化合物の添加量が、マンガン元素のフィルムに対する重量分率で20ppm未満の場合はエステル交換反応が不充分となりやすく、一方120ppmを超えると透明性が損なわれることがあるため好ましくない。
エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物が通常は添加されるが、リン元素としてのポリエチレンナフタレンジカルボキシレート中の含有量が20〜100ppmであることがポリエステルの熱安定性の点から好ましい。さらに好ましい添加量は30〜90ppm、40〜80ppmである。また、リン化合物の添加量は、添加したエステル交換反応触媒の合計量に対して、モル比で0.7〜2.0の範囲であることが好ましい。このモル比が0.7未満の場合は、エステル交換触媒の失活効果が不充分となりやすく、2.0を超える場合は熱安定性が悪化しやすくなる。より好ましい添加量モル比は0.8〜1.9、さらに好ましくは0.9〜1.8、特に好ましくは1.0〜1.7である。
重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を挙げることができるが、良好な色相のフィルムを得るためにはアンチモン化合物が好ましく、特に三酸化アンチモンが好ましい。
アンチモン化合物の好ましい添加量は、アンチモン元素のフィルムに対する重量分率で50〜400ppm、さらに好ましくは60〜300ppm、特に好ましくは70〜200ppmである。アンチモンの添加量が50ppmよりも少ないと重合速度が極端に遅くなる傾向にあり、400ppmを超えると透明性の低下を引き起こす場合がある。
前述の触媒、安定剤の添加時期については、エステル交換触媒はエステル交換反応の開始時、安定剤はエステル交換反応が実質的に終了した時点、重合触媒は安定剤を添加する10分前までに添加するのが好ましい。
なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中においてさらに固相重合を施こすと、重合時の熱劣化による着色を防止できる点から好ましい。特に、固有粘度が0.40〜0.60dl/gに至るまで溶融重合したポリマーをいったんチップ化した後に、固有粘度が0.46〜0.75dl/gとなるように固相重合するのが色相を良好に保ち、かつ温度がかかる加工プロセスに於いてオリゴマーの発生を抑制する観点で好ましい。
本発明におけるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機潤滑剤などを含有することもできる。
本発明の積層フィルムは、上述のポリマーを熱により融解させて口金から回転する金属ロールなどに押出して急冷し、得られた未延伸フィルムを後述するように連続製膜方向(MD方向)および連続製膜方向に対して垂直な方向(TD方向)に延伸し、熱固定処理を施すことにより製造することができる。
(固有粘度)
基材層を構成する配向フィルムの固有粘度は、0.45〜0.70dl/gである。フィルムの固有粘度が0.45dl/g未満のフィルムは製膜工程中で結晶化し易いためにフィルム中に微結晶が生成しやすく、これが光を散乱させるために色相が悪化する。また、固有粘度が0.45dl/g未満のフィルムは、製膜工程中で破断が起きやすくなり、耐衝撃性が低下する傾向にあり、薄いフィルムとしたとき割れやすくなる。一方、固有粘度が0.70dl/gより高いフィルムを製造しようとすると、ポリマーの溶融粘度が高いため溶融押出しが困難となり、生産性が低くなりコストが高くなる。
配向フィルムの固有粘度は、積層フィルムから塗布層などを除去した後、基材層0.3gを25mlのo−クロロフェノール溶液に溶解し35℃の温度で測定する。塗布層などは、カミソリ、やすりなどで除去することができる。
(ヘーズ)
本発明の積層フィルムは、フィルムの厚み100μm当たりのヘーズが0.5%以下である。0.5%を超えると、透明性に欠け、ディスプレイとしたときの視認性を悪化させたり、太陽電池としたときに光電変換効率を低下させる。100μm当たりのヘーズはより好ましくは0.45%以下、特に好ましくは0.4%以下である。
(L表色系によるa値とb値)
本発明の積層フィルムは、フィルムの厚み100μm当たり、L表色系によるa値とb値のいずれもが、透過測定法で測定した場合に−2〜+2である。この値が−2未満または+2を超えると、フィルムの色あいが無彩色から大きくはずれるため、ディスプレイとしたときの色再現性が悪くなる。この値はより好ましくは−1.8〜+1.8、特に好ましくは−1.6〜+1.6である。
また本発明の積層フィルムは、フィルムの厚み100μm当たりのa値とb値が、反射測定法では−0.5から+0.5の範囲であると、外光が照射したときの色再現性の観点から好ましい。この値はより好ましくは−0.4〜+0.4、さらに好ましくは−0.3〜+0.3、特に好ましくは−0.2〜+0.2である。
これらの透明性、色相に関係するパラメータを制御して、良好な品質のフィルムを得るには、前述したようにポリエステル重合時に使用する触媒や安定剤の種類、添加量の最適化および重合度の最適化を図ることにより達成することができる。
(面配向係数)
本発明の積層フィルムは、面配向係数が0.15〜0.30である。面配向係数が0.15よりも小さいと、充分な耐衝撃性が得られず、0.30よりも大きくしようとするとフィルム製造時に破断しやすくなり安定した品質のフィルムを得ることが困難である。より好ましい面配向係数は0.18〜0.29、さらに好ましくは0.21〜0.28、特に好ましくは0.24〜0.27である。
(寸法変化率)
本発明の積層フィルムは、フィルムの連続製膜方向(MD方向)の寸法変化率が、200℃の温度において140g/mm荷重下で−2〜+2%であることが好ましい。これにより、フィルムにハードコート層、ガスバリア層、透明導電層、半導体層、発光体層、金属電極層等の機能層を設けるプロセスに於いてフィルムの寸法変化が少なくなり、機能層にひび割れ等が発生しにくくすることができる。より好ましい寸法変化率は−1.5〜+1.5%、さらに好ましくは−1.0〜+1.0%、特に好ましくは−0.5〜+0.5%である。
面配向係数および寸法変化率はポリマーの重合度を上述の通りとし、かつフィルムの延伸温度、延伸倍率、熱固定温度を調節することにより、所定の範囲とすることができる。
(オリゴマー数)
本発明の積層フィルムは、200℃で30分間加熱した後の表面の、0.24mmの面積内のオリゴマー数は、2,000個以下であることが好ましく、さらに好ましくは100個以下である。
オリゴマー数は、フィルムを200℃のオーブンで30分間加熱した後取り出し、表面にアルミニウムを蒸着した後に微分干渉顕微鏡で640倍で0.24mmの面積を観察し、析出しているオリゴマーの数をカウントする。
(塗布層)
本発明の積層フィルムは、後述する機能層との易接着性向上や、フィルム自体の易滑性の向上を目的として、その少なくとも片面に塗布層を有する。
塗布層はポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性または水分散性高分子樹脂からなることが好ましく、特にポリエステル樹脂とアクリル樹脂の両方を含むのが好ましい。
塗布層のポリエステル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が0〜100℃、さらに10〜90℃のものが好ましい。該ポリエステル樹脂は、水に可溶性または分散性のポリエステルが好ましいが、多少の有機溶剤を含有しても良い。
かかるポリエステル樹脂としては、以下のような多塩基酸またはそのエステル形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体から成る。
すなわち、多塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。これら酸成分を2種以上用いて共重合ポリエステル樹脂を合成する。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等およびp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いることができる。
また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加体等が挙げられる。また、これらモノマーが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明で用いる塗布層のアクリル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が−50〜50℃、さらには−50〜25℃のものが好ましい。該アクリル樹脂は、水に可溶性または分散性のアクリルが好ましいが、多少の有機溶剤を含有しても良い。
かかるアクリル樹脂としては以下のようなアクリルモノマーから共重合できる。このアクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。また、これらモノマーを挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明で用いられる上記組成物は、塗布を形成させるために、水溶液、水分散液あるいは乳化液等の水性塗液の形態で使用されるのが好ましい。塗布を形成するために、必要に応じて、前記組成物以外の他の樹脂、例えばオキサゾリン基を有する重合体、メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、滑剤(フィラー、ワックス)、界面活性剤などを添加することができる。特に、滑剤を添加することで滑性、耐ブロッキング性がさらに良化することができる。
水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下であり、さらには1〜10重量%であることが好ましい。この割合が1重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足し、一方、20重量%を超えると塗剤の安定性や塗布外観が悪化することがある。
塗布層の厚みは、0.01〜0.2μmであることが好ましい。より好ましい塗布層の厚みは0.01〜0.1μm、さらに好ましくは0.02〜0.1μmである。
(積層フィルムの厚み)
積層フィルムの厚みは、液晶ディスプレイ用拡散板用フィルム、反射防止フィルム、タッチパネル、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)用電磁波シールドフィルム、有機EL、電子ペーパー、太陽電池等の支持体フィルムとして使用する場合に必要な強度と、ある程度自由な屈曲性を得るために、12〜500μmであることが好ましい。より好ましい積層フィルムの厚みは16〜400μm、さらに好ましくは25〜350μm、特に好ましくは50〜250μmである。
(積層フィルムの製造方法)
本発明の積層フィルムは、好ましくは、
(1)コバルト元素の存在下でエステル交換反応を利用してポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを製造する工程、
(2)該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを回転冷却ドラム上に押出し未延伸フィルムを得る工程、
(3)該未延伸フィルム上に塗布層を設けた後、連続製膜方向(MD方向)に延伸するか、該未延伸フィルムをMD方向に延伸した後、塗布層を設け、積層一軸延伸フィルムを得る工程、
(4)積層一軸延伸フィルムを連続製膜方向に対して垂直な方向(TD方向)に延伸し二軸延伸フィルムを得る工程、および
(5)得られた二軸延伸フィルムを熱固定する工程、
により製造することができる。
エステル交換反応は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートに対する重量分率で2〜80ppm、さらに好ましくは4〜60ppm、特に好ましくは8〜40ppmのコバルト元素の存在下で行うことが好ましい。
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを製造する工程では、エステル交換反応の後、固有粘度が0.40〜0.60dl/gになるまで溶融重合反応を行い、その後チップ化し固有粘度が0.46〜0.75dl/gになるまで固相重合反応を行うことが好ましい。固有粘度の調整は、溶融重合で得られたチップを真空乾燥し、真空下または不活性ガスの存在下で、200〜250℃の温度で目的の固有粘度になるように加熱することで可能である。かかるチップを溶融し製膜しフィルムにすると固有粘度は若干低下する。
好ましいフィルムの延伸温度は、ポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としてTg−20℃〜Tg+60℃、より好ましくはTg−10℃〜Tg+50℃、さらに好ましくはTg〜Tg+40℃、特に好ましくはTg+5℃〜Tg+30℃である。
好ましい延伸倍率は、連続製膜されるフィルムにおける連続製膜方向(MD方向)およびそれに垂直な方向(TD方向)ともに、2.0〜5.0倍であり、かつそれぞれの延伸倍率差が1.0倍未満である。より好ましい延伸倍率は2.5〜4.5倍、さらに好ましくは2.8〜4.3倍、特に好ましくは3.0倍〜4.0倍である。
好ましい熱固定温度はポリマーの融点をTm(℃)としたときにTm−100℃〜Tm−5℃である。より好ましい熱固定温度はTm−80℃〜Tm−10℃、さらに好ましくはTm−60℃〜Tm−10℃、特に好ましくはTm−40℃〜Tm−10℃である。
本発明における積層フィルムは、熱固定をした後に、さらに熱処理を施すことにより製造することもでき、その場合は、加熱処理をフィルムの(X−80)〜X℃の温度において行い、連続製膜されるフィルムにおける連続製膜方向またはそれに垂直な方向において、弛緩させることも可能である。ここでXは熱固定温度のことを表す。
連続製膜されるフィルムの連続製膜方向における弛緩処理の方法としては、熱固定後ロールに巻き取るまでの間で、熱固定ゾーンの途中でフィルムの両端部を切り離しフィルムの供給速度に対して引き取り速度を減速させる方法、2つの速度の異なる搬送ロールの間においてIRヒーターで加熱する方法、加熱搬送ロール上にフィルムを搬送させ加熱搬送ロール後の搬送ロールの速度を減速させる方法、熱固定後、熱風を吹き出すノズルの上にフィルムを搬送させながら、供給の速度よりも引き取りの速度を減速する方法、あるいは製膜機で巻き取った後、加熱搬送ロール上にフィルムを搬送させ搬送ロールの速度を減速する方法、あるいは加熱オーブン内やIRヒーターによる加熱ゾーンを搬送させながら加熱ゾーン後のロール速度を加熱ゾーン前のロール速度より減速する方法があり、いずれの方法を用いても良く、供給側の速度に対して引き取り側の速度の減速率を0.1〜10%にして弛緩処理を行うことが好ましい。
また、連続製膜方向に対して垂直な方向の弛緩処理は、上記の連続製膜方向の弛緩処理を実施した場合にはその垂直方向に力がかからないため結果として達成でき、また独立に、フィルムを熱固定するときに熱固定出口でのテンターの幅を熱固定入口での幅に対して0.01〜10%の範囲で小さくすることにより達成が可能である。
塗布層は、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムに水性塗液を塗布し、その後、2方向または1方向に延伸し熱固定することでフィルム上に強固に設けることができる。塗工方法としてはロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレー法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて用いることができる。
(ハードコート層)
本発明における積層フィルムの少なくとも片面上に、機能層としてのハードコート層を設けることが好ましい。ハードコート層は塗布層側に設けることが好ましい。これにより、フィルムの傷つき防止性を向上できる。そうしたハードコート層としては、耐薬品性、耐傷性に強い硬化性樹脂であれば特に限定しない。このような硬化性樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂などがあるが、好ましくは、透明基材フィルムに対して、膜形成作業が容易でかつ鉛筆硬度を所望の値に容易に高めやすい電離放射線硬化型樹脂である。
ハードコート層の形成に用いる電離放射線硬化型樹脂としては、アクリレート系官能基を持つものが好ましく、特にポリエステルアクリレートまたはウレタンアクリレートが好ましい。
ポリエステルアクリレートは、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアクリレートおよび/またはメタアクリレート(以下、アクリレートとメタアクリレートとを含めて(メタ)アクリレートと称することがある)から構成される。
また、前記ウレタンアクリレートは、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものから構成される。
なお、アクリレートを構成する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどがある。
前記ハードコート層の硬度をさらに高めたい場合は、多官能モノマーを併用することができる。具体的な多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
ハードコート層の形成に使用するポリエステル系オリゴマーとしては、アジピン酸とグリコール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコールなど)やトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパンなど)、セバシン酸とグリコールやトリオールとの縮合生成物であるポリアジペートトリオールや、ポリセバシエートポリオールなどが例示できる。なお、上記脂肪族のジカルボン酸の一部または全てを他の有機酸で置換してもよい。この場合、他の有機酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸または無水フタル酸などが、ハードコート層に高度の硬度を発現することから、好ましい。
ハードコート層の形成に使用するポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。具体的なポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどが例示でき、また、具体的なポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどが例示できる。
さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂として、紫外線硬化型樹脂を使用するときは、これらの樹脂中にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。
なお、ウレタンアクリレートは、弾性や可撓性に富み、加工性(折り曲げ性)に優れる反面、表面硬度が不足し、2H以上の鉛筆硬度のものが得難い。これに対して、ポリエステルアクリレートは、ポリエステルの構成成分の選択により、極めて高い硬度のハードコート層を形成することができる。そこで、高硬度と可撓性とを両立しやすいことから、ウレタンアクリレート60〜90重量部に対して、ポリエステルアクリレート40〜10重量部を配合させたハードコート層が好ましい。
前記ハードコート層を形成するのに使用する塗工液には、光沢を調整するとともに、表面の滑りを付与する目的で二次粒径が20μm以下の不活性微粒子を、樹脂成分100重量部に対して0.3〜3重量部加えることが好ましい。0.3重量部以下では滑り性の向上効果が乏しく、他方、3重量部を超えると得られるハードコート層の鉛筆硬度が低下することがある。塗工液に加える不活性微粒子としては、シリカ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどの無機微粒子の他に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンナフタレート、メラミン樹脂などの有機ポリマーの微粒子が例示できる。
また、ハードコート層には、紫外線吸収剤を含有させることができる。これによって、基材層および着色剤(特に染料系)の紫外線劣化を防止し、長期間視認性と防爆性を保持することができる。紫外線吸収剤の種類は特定されないが、前述の特定の環状イミノエステルから選ぶことが好ましい。添加量は、ハードコート層を形成する樹脂に対し、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%未満では紫外線劣化防止効果が小さく、10重量%を超えると耐摩耗性や耐擦傷性が低下することがある。添加方法は溶剤に分散して使用することが好ましい。
ハードコート層を形成するための塗工方法は、ロールコート、グラビアコート、バーコート、押出しコートなど、塗液の特性や塗工量に応じて、従来それ自体公知の方法を適宜選択すればよい。ハードコート層の厚みは、1〜15μmの範囲が好ましい。塗液の固形分濃度は30〜70重量%、さらには40〜60重量%が好ましい。
ハードコート層は、積層フィルムの片面または両面に設けることが好ましい。また、ハードコート層と反対面やハードコート層上にガスバリア層や導電層などの機能層を設けてもよい。
(ガスバリア層)
本発明の積層フィルムを有機ELの支持体フィルムとして用いる場合には、少なくとも片面に、機能層としてのガスバリア層を設けることが望ましい。ガスバリア層は基材層上、塗布層上、ハードコート層上のいずれにも設けることができる。ガスバリア層としては、有機材料系および無機材料系が例示できる。
有機材料系のガスバリア層としては、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−エチレン共重合体、などのビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体やアクリロニトリル−スチレン共重合体などのアクリロニトリル共重合体、あるいはポリ塩化ビニリデンなどの有機高分子材料からなる層を用いることができる。これらの材料は、本発明ポリエステル上にグラビアコーターやリバースコーターを用いて湿式コーティング法によりガスバリア層とすることができる。ポリビニル系のバリア層を用いる場合、吸湿により酸素バリア特性が急激に低下しやすいため、別途、水蒸気バリアを形成させるのが好ましい。
無機材料系のガスバリア層としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、および亜鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、金属窒化物をあげることができる。これらは、ガスバリア性に優れている材料として知られているものである。これらの酸化物の層は例えばスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法により作製することができる。
この中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から、珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化物を主成分とする金属酸化物が良好である。珪素酸化物の珪素原子数に対する酸素原子数の割合は、X線光電子分光法、X線マイクロ分光法、オージェ電子分光法、ラザホード後方散乱法などにより分析、決定される。この割合が1.5よりも小さくなると屈曲性、透明性が低下することから、1.5〜2.0が好ましい。
金属酸化物からなる無機ガスバリア層の厚さとしては、5〜200nmの範囲が好ましい。5nmより薄くなると均一に膜を形成することは困難であり、膜が形成されない部分が発生し、この部分からガスが浸透し、ガスバリア性が悪くなる。また、200nmよりも厚くなると透明性を欠くだけでなく、屈曲性が悪く、クラックが発生してガスバリア性が損なわれることがある。また、金属酸化物の製膜方法により特性は異なるが、一般的に金属酸化物の膜厚が厚くなるにつれて金属酸化物層の残留応力が大きくなるので、本発明の透明導電性高分子基板は、金属酸化物層形成後のカールが大きくなり好ましくない。
さらにより高い透明性の要求に対してはフッ化マグネシウムを全体の重量に対して5〜30重量%含有してなる、上記の珪素酸化物が好ましい。この場合、ガスバリア性の観点から膜厚は、60〜200nmの範囲が好ましい。
これらガスバリア層は、単独層として用いてもよく、また、複数層を併用してもよい。特に有機系ガスバリア層と無機系ガスバリア層を併用した場合、ガスバリア層のクラックに対する有機系ガスバリアの優れた耐性と、特に水蒸気に対する無機ガスバリア層の優れた耐性が相乗効果をなすため、特に好ましい組み合わせである。
(アンカー層)
さらには、積層フィルムとガスバリア層との密着性を強化する目的で、これらの層間に各種のアンカー層を形成してもよい。かかるアンカー層としては、耐薬品性、透明性、良好な層間密着性を有する必要があり、例えば、珪素含有樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化性アクリル樹脂等の放射線硬化性樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。
バリア層付き積層フィルムの構成は特に限定しないが、積層フィルムの片面または両面に積層する構成、ハードコート付き積層フィルムのハードコート面に積層する構成やその反対面に積層する構成等が挙げられる。また、導電層、アンカー層などの機能層を含む構成体であっても構わない。
(導電層)
ELディスプレイ用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板として用いられる際には、基材層上、塗布層上、ハードコート層上、ガスバリア層上のいずれかに、機能層としての導電層を設けることが好ましい。導電層としては、透明性、導電性に優れているものであれば特に限定しない。
このような導電層としては、例えば不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化膜が挙げられる。なかでも酸化スズを2〜15重量%含有するインジウム錫酸化物(ITO)の薄膜が透明性、導電性に優れているため好ましい。
上記導電層の膜厚は目的の表面抵抗に応じて設定される。導電層の表面抵抗値は300Ω/□から1Ω/□まで目的に応じて設定され、その膜厚は通常10nmから400nm程度まで作製される。ただし、可撓性を有する高分子基板上に導電層を作製する場合には、基板の曲げ応力に対する導電層の割れ防止から薄く作られることが望ましく、導電層の厚さとしては30nmから140nmが特に好ましい。また、低い抵抗値を得るためには130〜200℃の温度にて熱処理するのが好ましい。
電極層の構成は特には限定しないが、基材層の少なくとも片面に積層する構成、ハードコート付き積層フィルムの少なくとも片面に積層する構成、ガスバリア層付き積層フィルムの少なくとも片面に積層する構成等が挙げられる。また、その他機能層を含む構成体であっても構わない。
本発明の積層フィルム、ハードコート層付き積層フィルム、ガスバリア層付き積層フィルム、導電層付き積層フィルムは、その良好な色相、透明性、割れにくさを利用して、例えば液晶ディスプレイの拡散板用フィルム、反射防止フィルム、有機EL、電子ペーパー、タッチパネル、PDP用電磁波シールドフィルム、太陽電池用基板、窓張り用として好ましく用いることができる。
なお、本発明における種々の物性値および特性は以下の如くして測定されたものでありかつ定義される。
(1)フィルム厚み
電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用い針圧30gにて、試料フィルムの厚みを測定した。
(2)ヘーズ、全光線透過率
JIS規格 K 7105−1981に準じて、試料フィルムの全光線透過率Tt(%)と拡散透過率Td(%)を測定した。そして試料フィルムのヘーズHz(%)は、
Hz=(Td/Tt)×100
により算出した。そしてさらに、試料フィルムの厚み100μm当たりのヘーズHz100(%)は、試料フィルムの厚みD(μm)とヘーズHzから、
Hz100=Hz×(D/100)
により算出した。
(3)色相
JIS規格 Z 8729に準じて、フィルムのL*b*表色系におけるL値、a値(a と表す)、b値(b と表す)を、透過測定法と反射測定法においてそれぞれ求めた。その際に、標準光Cに対するフィルムの透過および反射スペクトルを、色差計(日本電色工業製の商品名「SZS−Σ90」)を用いて測定した。そして試料フィルムの厚み100μm当たりのa値(a 100と表す)とb値(b 100と表す)は、試料フィルムの厚みD(μm)から、
100=a ×(D/100)
100=b ×(D/100)
により算出した。
(4)フィルムの屈折率
プリズムカプラ(Metricon社製の商品名「Model 2010」)を用いて、連続製膜されたフィルムの連続製膜方向、フィルム面内での製膜方向と垂直な方向、フィルム厚み方向の各屈折率(それぞれをnMD、nTD、nZと表す)を測定する。この測定は、波長473nm,633nm,830nmで行った。そして得られた測定値をコーシーの分散式である次式に当てはめる。ここで式中のλは測定波長、nは波長λで測定された屈折率である。
=a+[b/(λ]+[c/(λ
そして連立方程式を解くことによって定数のa,b,cを求める。得られたa,b,cの値を用いて、波長589nm(Na D線の波長)での屈折率を計算によって求め、フィルムの屈折率とする。
(5)面配向係数
上記で得られたフィルムの屈折率を用いて、下記式により面配向係数nSを算出する。
nS=(nMD+nTD)/2−nZ
(6)オリゴマー
フィルムを200℃のオーブンで30分間加熱した後取り出し、表面にアルミニウムを蒸着した後に微分干渉顕微鏡で640倍で0.24mmの面積を観察し、析出しているオリゴマーの数をカウントし以下の基準で判定する。
◎(優良):0〜100個
○(良) :101〜2,000個
×(不良):2,001個以上。
(7)寸法安定性
セイコーインスツルメンツ(株)製の商品名「TMA/SS120C」を用い、140g/mmの荷重をかけた状態で30℃から250℃まで20℃/分の昇温速度で昇温させ、寸法変化を測定した。そして下記式により得られた値を、200℃での寸法変化率とした。
寸法変化率(%)=(200℃における寸法−原長)/原長×100
(8)融点およびガラス転移点(Tg)
試料を20mgサンプリングし、示差走査熱量測定器(TAインスツルメンツ社製、商品名「DSC2920」)を用い、20℃/分の昇温速度で、ガラス転移度および融点を測定する。
(9)固有粘度
ポリマーの固有粘度([η]dl/g)は、35℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。基材層の配向フィルムの固有粘度は、塗布層を除去して同じ方法で測定した。
(10)塗布層中粒子の平均粒子径
フィルムの小片をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製の商品名「エポマウント」)中に包埋し、Reichert−Jung社製Microtome2050を用いて包埋樹脂ごと50nm厚さにスライスし、透過型電子顕微鏡(LEM−2000)にて加速電圧100kV、倍率10万倍にて100個の粒子観察し、平均値を粒子径とした。
(11)耐衝撃性
JIS規格 K 7211−1976に準じて、試料フィルムの50%破壊エネルギーE50を算出した。その際に測定装置には、第1図に示すものを用いた。第1図中、1はおもり(質量は300gまたは500g)、2はU型ポンチ(先端部直径4mm、質量142g)、3は試料フィルム固定治具、そして4は試料フィルムである。なお、本発明の評価方法においては、JIS規格 K 7211に示された50%破壊エネルギーE50の算出式中で、mの値には第1図中のおもり1の質量だけを用いた。
<ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの重合>
ポリマーA
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを酢酸コバルト4水塩0.01重量部、酢酸マンガン0.02重量部をエステル交換触媒として用い、常法に従ってエステル交換反応させ、三酸化アンチモンのエチレングリコール1%溶液1.2重量部を添加した後、トリメチルフォスフェート0.029重量部を添加し、エステル交換反応を終了せしめた。ここでのポリエチレンナフタレンジカルボキシレートに対する触媒添加量を表1に示す。次に引き続き常法どおり高温高真空下で重縮合反応を行ない、その後ストランド型のチップとした。このポリマーの固有粘度は0.49dl/gであった。
ポリマーB、C
ポリマーAを固相重合し、固有粘度0.62dl/gのポリマーB、0.79dl/gのポリマーCを得た。
ポリマーD、E
触媒の添加量を、上記のA〜Cとは変えて表1の通りとし、ポリマーAと同様に重合反応を行ない固有粘度0.50dl/gのポリマーチップを得た。得られたチップを固相重合し、固有粘度0.64dl/gのポリマーDおよび0.71dl/gのポリマーEを得た。
ポリマーF
コバルト化合物を添加せず、表1の触媒により重合反応を行ない、溶融重合のみにて固有粘度0.64dl/gのポリマーFを得た。
<塗布層の調整>
実施例1〜4、比較例1と3に使用した塗布層に用いる塗剤は、次のように調整した。
組成:ポリエステル樹脂とアクリル樹脂と濡れ剤とフィラーとで構成される。各成分の重量比は、ポリエステル樹脂:アクリル樹脂:濡れ剤:フィラー=45:40:5:10である。
ポリエステル樹脂:酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分が1,4ブタンジオール75モル%/ビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加体25モル%で構成されている。
ポリエステル樹脂は、特開平6−116487号公報記載の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル42.2部、イソフタル酸ジメチル7.9部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、1,4ブタンジオール36.8部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加体27.5部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。
アクリル樹脂:メチルメタクリレート 60モル%/エチルアクリレート 30モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリルレート 5モル%/N−メチロールアクリルアミド 5モル%で構成されている。
アクリル樹脂は、特開昭63−37167号公報記載の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水302部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、さらにモノマー類である、メタクリル酸メチル59.9部、アクリル酸エチル30部、2−ヒドロキシエチルメタクリルレート5.8部、N−メチロールアクリルアミド4.3部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25%のアクリルの水分散体を得た。
濡れ剤(界面活性剤):ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名「ナロアクティ−N−70」)。
フィラー:シリカフィラー(平均粒子径60nm)。日産化学株式会社製の商品名「スノーテックス」。
ポリマーBを170℃で6時間乾燥した後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度305℃で溶融し、平均目開きが10μmのステンレス鋼細線フィルターでろ過し、3mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃の回転冷却ドラム上で押出し、急冷して未延伸フィルムを得た。
このようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間でIRヒーターにて上下から加熱してフィルム温度が140℃となるようにして、連続製膜方向(MD方向)に3.3倍に延伸した。
このMD方向への延伸後のフィルムの片面に上記の塗剤を乾燥後の塗布厚みが0.03μmになるようにロールコーターで塗工した。
続いてテンターに供給し、145℃にて連続製膜方向と垂直な方向(TD方向)に3.5倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを240℃の温度で熱固定し厚み100μmの積層フィルムを得た。
フィルムの製造条件と得られたフィルムの特性を、表2と3に示す。透明性、色相に優れ、加熱時のオリゴマー発生が少なく、耐衝撃性の良好なフィルムを得ることができた。また、張力、温度をかけた時の寸法安定性も良好であった。
実施例2〜4
使用するポリマー、延伸倍率、熱固定温度を表2のとおりとする以外は実施例1と同様にして種々の厚みの積層フィルムを得た。フィルムの製造条件と得られたフィルムの特性を、表2と3に示す。
[比較例1]
ポリマーAを用いる以外は実施例1と同様にして厚み100μmの積層フィルムを得た。フィルムの製造条件と得られたフィルムの特性を、表2と3に示す。得られたフィルムは透明性、色相に劣り、加熱時にオリゴマーが発生しやすく、厚みのわりには耐衝撃性の低いフィルムであった。
[比較例2]
ポリマーCを用いて厚み200μmの未延伸フィルムを作成した。フィルムの製造条件と得られたフィルムの特性を、表2と3に示す。透明性、色相は良好であるが、加熱時にオリゴマーが発生しやすく、耐衝撃性に劣るフィルムであった。また、張力、温度をかけた状態では伸びてしまい、寸法安定性は測定不可能であった。
[比較例3]
ポリマーFを用いて、延伸倍率、熱固定温度を表2の通りとし、厚み100μmの積層フィルムを得た。フィルムの製造条件と得られたフィルムの特性を、表2と3に示す。得られたフィルムは透明性、色相に劣り、加熱時にオリゴマーが発生しやすかった。また、張力、温度をかけた状態でフィルムは比較的大きく収縮した。
実施例1で得られた積層フィルムの塗布層側にハードコート層を形成するためのハードコート剤(大日精化工業(株)製の商品名「PETD−31」)を1−ヒドロキシシクロフェニルケトンと共に添加攪拌脱泡して、ロールコート法でドライ厚みが5μmになるように塗工し、乾燥した後、電子線を175kVおよび10Mradの条件で照射してハードコート塗布を形成した。次にガスバリア層として、ハードコート層の反対面に真空蒸着装置にてSiとSiOの混合物よりなる蒸着材料を電子ビーム加熱により蒸発させ、厚さ20nmのSiOx膜を形成した。
次に、スパッタリング装置にて、Ar・O混合ガス(O濃度1.4Vol%)を導入し、圧力が0.27Paになるように調整し、ITOターゲット(SnO濃度5wt%)を用い、投入電力密度1W/cmの条件でDCスパッタリングを行い、ガスバリア層の上に厚さ130nmに積層した後、150℃にて2時間熱処理を行いITO膜からなる透明導電フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表4に示す。薄い構成体にて耐衝撃性に優れたものを得ることが出来た。
実施例2で得られたフィルムを用い、実施例5と同様にしてハードコート層、ガスバリア層、ITO膜からなる透明導電フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表4に示す。薄い構成体にて耐衝撃性に優れたものを得ることが出来た。
[比較例4]
比較例2で得られたフィルムを用い、実施例5と同様にしてハードコート層、ガスバリア層、ITO膜からなる透明導電フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表4に示す。得られたフィルムは耐衝撃性が劣っていた。
[比較例5]
厚み200μmのポリエーテルスルフォンフィルム(住友ベークライト社製の商品名「FS−1300」)を用いて、実施例5と同様にしてハードコート層、ガスバリア層、ITO膜からなる透明導電フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表4に示す。得られたフィルムは厚みの割には耐衝撃性が低かった。
[比較例6]
ITO付きガラス(コーニング社製の商品名「#1737」)から得られた特性を表4に示す。耐衝撃性が非常に悪いものであった。
Figure 2004000920
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発明の効果
本発明によれば、透明性に優れ、良好な色相を有し、加熱時のオリゴマー発生が極めて少なく、かつ薄いフィルムにて耐衝撃性に優れたポリエチレンナフタレンジカルボキシレートフィルムからなる積層フィルムを得ることができる。
また、本発明で得られる積層フィルムおよびこれをベースフィルムとしたハードコートフィルム、ガスバリアフィルム、透明導電フィルムは、上記の良好な特性により、液晶ディスプレイ、反射防止フィルム、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池、タッチパネル、PDP用電磁波防止フィルムなどの用途に特に有用である。

Claims (18)

  1. 基材層およびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなる積層フィルムであって、
    該基材層は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなり、固有粘度が0.45〜0.70dl/gの配向フィルムであり、
    該積層フィルムのヘーズがフィルム厚み100μm当たり0.5%以下、L表色系におけるa値とb値のいずれもが、透過測定法でフィルム厚み100μm当たり−2.0〜+2.0、面配向係数が0.15〜0.30、であることを特徴とする前記積層フィルム。
  2. ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは、コバルト元素の存在下でエステル交換反応を利用して得られたポリエステルである請求項1記載の積層フィルム。
  3. ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートに対するコバルト元素の重量分率は、2〜80ppmである請求項2記載の積層フィルム。
  4. 連続製膜方向での寸法変化率は、200℃における140g/mm荷重下で−2〜+2%である請求項1に記載の積層フィルム。
  5. 表色系におけるa値とb値が、フィルムの厚み100μm当たり、反射測定法で−0.5から+0.5の範囲である請求項1に記載の積層フィルム。
  6. 200℃で30分間加熱した後の表面の、0.24mmの面積内のオリゴマー数は100個以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  7. 塗布層は、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の水溶性または水分散性高分子樹脂からなる請求項1に記載の積層フィルム。
  8. 厚みが12〜500μmである請求項1に記載の積層フィルム。
  9. 請求項1に記載の積層フィルム上に、機能層を設けた積層フィルムであり、機能層はハードコート層、ガスバリア層および導電層からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする積層フィルム。
  10. ハードコート層は、ポリエステルアクリレートまたはウレタンアクリレートからなる請求項9に記載の積層フィルム。
  11. ガスバリア層は、珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化物を含有する金属酸化物からなる請求項9に記載の積層フィルム。
  12. 導電層は、酸化スズを2〜15重量%含有するインジウム錫酸化物(ITO)の薄膜である請求項9に記載の積層フィルム。
  13. 請求項1に記載の積層フィルムからなるELディスプレイ用基板。
  14. 請求項1に記載の積層フィルムからなる電子ペーパー用基板。
  15. 請求項1に記載の積層フィルムからなる太陽電池用基板。
  16. ELディスプレイ用基板、電子ペーパー用基板または太陽電池用基板への請求項1に記載の積層フィルムの使用。
  17. 請求項1に記載の積層フィルムの製造方法であって、
    (1)コバルト元素の存在下でエステル交換反応を利用してポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを製造する工程、
    (2)該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを回転冷却ドラム上に押出し未延伸フィルムを得る工程、
    (3)該未延伸フィルム上に塗布層を設けた後に連続製膜方向(MD方向)に延伸するか、該未延伸フィルムをMD方向に延伸した後に塗布層を設け、積層一軸延伸フィルムを得る工程、
    (4)該積層一軸延伸フィルムを連続製膜方向に対して垂直な方向(TD方向)に延伸し二軸延伸フィルムを得る工程、および
    (5)得られた二軸延伸フィルムを熱固定する工程、
    からなる前記積層フィルムの製造方法。
  18. エステル交換反応の後、固有粘度が0.40〜0.60dl/gになるまで溶融重合反応を行い、その後チップ化し固有粘度が0.46〜0.75dl/gになるまで固相重合反応を行う請求項17に記載の製造方法。
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