JP6274298B2 - 蒸着ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
1. 厚みが5〜20μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に蒸着層を有する蒸着ポリエステルフィルムであって、酸素透過量が20ml/m2・day・MPa以下、かつ水蒸気透過量が、2.0g/m2/day以下であると共に、該二軸延伸ポリエステルフィルムが下記要件(1)〜(4)をすべて満たすことを特徴とするポリエステルフィルム。
(1)フィルム全幅において、長手方向の屈折率Nxと幅方向の屈折率Nyとの差(Nx−Ny)が−0.030以上0.015以下の範囲内であること
(2)フィルム全幅において、150℃で30分間熱処理したときの熱収縮率が長手方向で0.8%以上2.0%以下、幅方向で−0.5%以上1.0%以下の範囲内であること
(3)フィルム幅方向に対して、配向角の変化量が1mあたり0°以上20°以下であること
(4)フィルム幅方向に対して、150℃で30分間熱処理したとき、長手方向に対して、時計回り方向を正方向として+45°方向の熱収縮率と−45°方向の熱収縮率との差(斜め熱収縮率差)のフィルム幅方向に対する変化量が1mあたり0%以上0.25%以下であること
ここで、要件(1)〜(4)における試料の採取位置は、全幅に対して中央位置および中央位置から両端に向かって500mm毎の間隔の位置とし、両端近傍にて500mm間隔を確保できない場合、採取可能な端位置とする。
また、要件(1)及び(2)では、各測定位置データの最大値及び最小値が範囲内にあり、要件(3)及び(4)は隣接する2点の試料採取位置間の各変化量の最大値が範囲内にあることを要件とする。
2. 蒸着層が金属または金属酸化物からなることを特徴とする上記第1に記載の蒸着ポリエステルフィルム。
3. 蒸着層が金属酸化物からなり、前記金属酸化物が酸化アルミニウム、酸化珪素、またはそれらの混合物からなることを特徴とする上記第1または第2に記載の蒸着ポリエステルフィルム。
4. フィルム全幅が1500mm以上であることを特徴とする上記第1〜第3のいずれか1項に記載の蒸着ポリエステルフィルム。
5. 前記二軸延伸ポリエステルフィルムに粒子が含有されていることを特徴とする上記第1〜第4のいずれかに記載の蒸着ポリエステルフィルム。
本発明の基材フィルムはポリエステル樹脂からなる二軸延伸ポリエステルフィルムである。本発明で使用するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーである。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが挙げられ、機械的特性および耐熱性、コストなどの観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の目的に好適な基材の特性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得るために、長手方向の延伸方法としては、長手方向の収縮応力を抑えた一軸延伸ポリエステルフィルムを得ることが好ましく、これにより、次工程であるテンター内で発生する長手方向の応力を抑えることができるため、ボーイングの低減を図ることが可能である。例えば、延伸温度としては(Tg+15)〜(Tg+55)℃、延伸倍率としては3.3〜4.7倍に延伸することが好ましい。延伸温度が(Tg+55)℃よりも高く、または3.3倍より低い場合、ボーイングが低減され、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの配向角や斜め熱収縮率差の変化量は低減されるものの、長手方向よりも幅方向の分子配向が大きくなりすぎるため、配向バランスが崩れ好ましくない。また、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの平面性も悪化するため好ましくない。一方、(Tg+15)℃よりも低く、または4.7倍よりも高い場合、収縮応力が増加し、ボーイングが増加するため、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの配向角や斜め熱収縮率差の変化量が増加するため好ましくない。
本発明の目的に好適な基材の特性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得るために、幅方向の延伸方法としては、蒸着加工に好適な配向バランスを保持しつつ、ボーイングの低減を図る条件が好ましく、例えば、延伸温度としては(Tg+15)〜(Tg+60)℃、延伸倍率としては3.5〜4.7倍が好ましい。延伸温度が(Tg+60)℃よりも高く、または3.5倍より低い場合、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの幅方向よりも長手方向の分子配向が大きくなりすぎるため、配向バランスが崩れ好ましくない。また、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの平面性も悪化するため好ましくない。一方、(Tg+15)℃よりも低く、または4.7倍よりも高い場合、ボーイングが低減され、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの配向角の変化量は低減されるものの、長手方向よりも幅方向の分子配向性が大きくなりすぎるため、配向バランスが崩れ好ましくない。また、幅方向の分子配向性が大きすぎる場合、配向角の傾きと熱収縮率の歪みの変化が比例的な関係とはならず、配向角の変化量は低減されるものの、一方で、斜め熱収縮率差の変化量はむしろ増加傾向を示すため好ましくない。
本発明の目的に好適な基材の特性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得るために、熱固定方法としては、蒸着加工に好適な長手方向および幅方向の熱収縮率を達成しつつ、高温処理による熱収縮のボーイング増加を抑える条件が好ましい。例えば、熱固定温度としては、220〜245℃が好ましい。熱固定温度が245℃よりも高い場合、ボーイングが増加し、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの配向角や斜め熱収縮率差の変化量が増加するため好ましくない。一方、220℃よりも小さい場合、長手方向および幅方向ともに熱収縮率が高くなり、蒸着加工時の熱寸法安定性が悪くなるため好ましくない。
本発明の目的に好適な基材の特性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得るために、熱弛緩方法としては、蒸着加工に好適な幅方向の熱収縮率を達成しつつ、熱緩和処理にて幅方向の拘束力が減少し、変形し易くなることによるボーイング増加を抑える条件が好ましい。例えば、幅方向の熱弛緩率としては4〜8%が好ましい。熱緩和率が4%未満の場合、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの幅方向の熱収縮率が高くなり、蒸着加工時の寸法安定性が悪くなるため好ましくない。一方、熱緩和率が8%より大きい場合、ボーイングが増加し、得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの配向角や斜め熱収縮率差の変化量が増加するため好ましくない。
フェノール/ テトラクロロエタン= 60 /40(重量比)の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。
示差走査型熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DSC6220型)を用いて、試料を窒素雰囲気下にて280℃まで溶融し、5分間保持した後、液体窒素にて急冷し、室温より昇温度速度20℃/分の条件にて測定を行った。
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて長手方向、幅方向の屈折率(Nx、Ny)を測定し、(Nx−Ny)を計算して求めた。なお、測定は得られた二軸延伸フィルムロール全幅に対して、中央および中央位置より両端に向かって500mm毎の間隔で測定を行った。また、両端部近傍にて500mm間隔を確保できない場合は、測定可能な端位置にて測定を行った。このようにして求めたNx−Nyに対して、ロール全幅でのNx−Nyの最大値と最小値を求めた。
長手方向および幅方向に対し、試料を幅10mm、長さ250mmに切り取り、200mm間隔で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定する。次いで、フィルムを無荷重下の状態で、150℃で30分間加熱処理した後、5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定し、式(1)より熱収縮率を求めた。なお、測定は得られた二軸延伸フィルムロール全幅に対して、中央および中央位置より両端に向かって500mm毎の間隔で測定を行った。また、両端部近傍にて500mm間隔を確保できない場合は、測定可能な端位置にて測定を行った。このようにして求めた熱収縮率に対して、ロール全幅での長手方向および幅方向の熱収縮率の最大値と最小値を求めた。
熱収縮率(%)={(A−B)/A}×100 式(1)
まず、長手方向の軸を基準として、時計回り方向を正方向として+45°方向および−45°方向に試料を幅10mm、長さ250mmに切り取り、上記の方法と同様に、+45°方向および−45°方向に対する熱収縮率を求め、式(2)より、斜め熱収縮率差を求めた。なお、測定は得られた二軸延伸フィルムロール全幅に対して、中央および中央位置より両端に向かって500mm毎の間隔で測定を行い、隣接する各二点間の斜め熱収縮率差の変化量をそれぞれ求め、式(3)より1mあたりに換算した。また、両端部近傍にて500mm間隔を確保できない場合は、測定可能な端位置にて測定を行い、測定したサンプル間隔の距離で割り返し、同様に1mあたりに換算した。
熱収縮率の斜め差(%)=熱収縮率(+45°方向)−熱収縮率(−45°方向)
式(2)
1mあたりの斜め熱収縮率差の変化量(%/m)
=|隣接する二点間の斜め熱収縮率差(%)|÷500(mm)×1000(mm/m) 式(3)
そして、算出される隣接する二点の試料採取位置間の複数の変化量の最大値を、そのフィルムの変化量評価結果とした。
ここで、式(2)により、熱収縮率の斜め差(%)のデータはプラスデータの場合もあれば、マイナスデータの場合もある。そして、式3において、隣接する二点間の斜め熱収縮率差(%)の絶対値を算出すれば、隣接する二点の試料採取位置の熱収縮率の斜め差(%)のどちらからどちらを差し引いても同じ正の値となり、どちらからどちらを差し引いても同じ1mあたりの斜め熱収縮率差の変化量(%/m)を算出できる。
フィルムを100mm×100mmに切り取り、王子計測株式会社製のMOA−6004型分子配向計を用いて、フィルムの幅方向の軸を基準にして、分子鎖主軸の配向角を求めた。このとき、フィルム幅方向に対して反時計回りの傾きを+、時計回りを−とした。なお、測定は得られた二軸延伸フィルムロール全幅に対して、中央および中央位置より両端に向かって500mm毎の間隔で測定を行い、隣接する各二点間の配向角の変化量をそれぞれ求め、式(4)より1mあたりに換算した。また、両端部近傍にて500mm間隔を確保できない場合は、測定可能な端位置にて測定を行い、測定したサンプル間隔の距離で割り返し、同様に1mあたりに換算した。
1mあたりの配向角の変化量(°/m)
=|隣接する二点間の配向角の差(°)|÷500(mm)×1000(mm/m) 式(4)
そして、算出される隣接する二点の試料採取位置間の複数の変化量の最大値を、そのフィルムの変化量評価結果とした。
酸素透過量は、酸素透過度測定装置(Modern Controls社製OX-TRAN100)を用いて、温度23℃、湿度65%の条件にて測定を行い、以下のように評価した。
◎:0以上20(ml/m2・day・MPa)未満
○:20以上40(ml/m2・day・MPa)未満
×:40(ml/m2・day・MPa)以上
水蒸気透過量は、水蒸気透過度測定装置(Modern Controls社製PERMATRAN-W)を用いて、温度40℃、湿度90%の条件にて測定を行い、以下のように評価した。
◎:0以上2(g/m2・day)未満
○:2以上4(g/m2・day)未満
×:4(g/m2・day)以上
蒸着加工時のフィルムの加工性および加工後の外観評価を○、×で評価した。たるみやシワがなく、走行性が良好であれば、○とした。
平均粒径が2.5μmのシリカを0.1重量%含有したポリエチレンテレフタレート(極限粘度=0.62dl/g、Tg=78℃)を、乾燥後、押出機に供給し、285℃で溶融し、T字の口金から吐出させ、キャスティングドラムにて冷却固化させ、未延伸のポリエチレンテレフタレートシートを得た。このシートを115℃に加熱し、一段目を1.4倍、二段目を2.86倍とした二段延伸にて、全延伸倍率4.0倍で長手方向に延伸した。このとき、未延伸シートの全幅に対して両端部から10%の位置にかけて赤外線ヒーターを設置し、中央部よりも端部のフィルム温度を+3℃とした。引き続き、温度115℃、延伸倍率4.3倍にて幅方向に延伸し、235℃で熱固定し、幅方向に5%熱弛緩処理させた。このとき、上下部のノズル風量を調整することで、熱弛緩ゾーンのフィルム中央部の膨らみが+50mmになるようにした。そして、耳部をトリミングし、コロナ放電処理を経てロール状に巻取ることで、厚み12μm、ロール幅6300mmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのマスターロールを得た。得られたフィルムの屈折率、熱収縮率および配向角をそれぞれ測定した。また、得られたマスターロールは各2200mm幅にスリットし、蒸着加工用フィルムロールを得た。上記で得られた蒸着加工用フィルムロールのコロナ処理面に、無機薄膜層として、酸化アルミニウムの無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のAl2O3(純度99.9%)を用い、加熱源として、電子銃を使用し、酸素ガスの供給を調整し、真空度10−4Torr以下の条件で蒸着を行った。得られた酸化アルミニウム薄膜層の膜厚は20nmであった。酸素および水蒸気透過率を測定した。結果を表1に示す。
長手方向の延伸条件として、温度を105℃、一段目を1.3倍、二段目を2.77倍、全延伸倍率を3.6倍で行い、端部のフィルム温度を中央部よりも+2℃とし、幅方向の延伸条件として、温度を118℃、延伸倍率を4.5倍、熱固定温度を230℃、熱弛緩ゾーンのフィルム中央部の膨らみを0mmになるように変更した以外は実施例1と同様の方法で、厚み15μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。実施例1と同様に、スリット加工および酸化アルミニウムの蒸着加工を行い、酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
平均粒径が2.5μmのシリカを0.14重量%含有したポリエチレンテレフタレート(A)(極限粘度=0.62dl/g、Tg=78℃)と平均粒径が2.5μmのシリカを0.035重量%含有したポリエチレンテレフタレート(B)(極限粘度=0.62dl/g、Tg=78℃)を乾燥後、別々の押出機に供給し、285℃で溶融し、A/B/Aの二種三層の構成になるように合流させた後、T字の口金から吐出させ、キャスティングドラムにて冷却固化させ、未延伸のポリエチレンテレフタレートシートを得た。このとき各層の厚さの比としては、A/B/A=7/86/7になるように吐出量を調整した。
長手方向の延伸条件として、温度を110℃、一段目を1.3倍、二段目を3.0倍、全延伸倍率を3.9倍で行い、端部のフィルム温度を中央部よりも+3℃とし、熱固定温度を225℃、幅方向に6%熱弛緩処理を変更した以外は実施例1と同様の方法で、厚み9μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。実施例1と同様に、スリット加工および酸化アルミニウムの蒸着加工を行い、酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
実施例1の方法で得られた蒸着加工用フィルムロールを用い、コロナ処理面に無機蒸着層として、二酸化珪素の無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のSi(純度99.99%)とSiO2(純度99.9%)を用い、加熱源として、電子銃を使用し、酸素ガスの供給を調整し、真空度10−4Torr以下の条件で蒸着を行った。得られた二酸化珪素薄膜層の膜厚は20nmであった。酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
実施例1の方法で得られた蒸着加工用フィルムロールを用い、コロナ処理面に無機蒸着層として、二酸化珪素と酸化アルミニウムの複合無機酸化物層を電子ビーム蒸着法で形成した。蒸着源としては、3mm〜5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とA12O3(純度99.9%)とを用いた。ここで複合酸化物層の組成は、SiO2/A12O3(質量比)=60/40であった。加熱源として、電子銃を使用し、真空度10−4Torr以下の条件で蒸着を行った。得られた二酸化珪素と酸化アルミニウム薄膜層の膜厚は20nmであった。酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
長手方向の延伸条件として、一段目を1.6倍、二段目を3.1倍、全延伸倍率を4.9倍で行い、端部の加熱は行わず(中央部よりも端部のフィルム温度は−3℃であった)、幅方向に10%熱弛緩処理し、熱弛緩ゾーンの上下部のノズル風量を調整は行わず(フィルム中央部の膨らみが+150mmであった)、それ以外は実施例1と同様の方法で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。同様に、スリット、蒸着加工を行い、酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
長手方向の延伸条件として、一段目を1.3倍、二段目を2.92倍、全延伸倍率を3.8倍で行い、端部の加熱は行わず(中央部よりも端部のフィルム温度は−3℃であった)、幅方向の延伸条件として、温度を118℃、延伸倍率を4.8倍、熱固定温度を248℃、幅方向に5%熱弛緩処理、熱弛緩ゾーンの上下部のノズル風量を調整は行わず(フィルム中央部の膨らみが+150mmであった)、それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み15μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。同様に、スリット、蒸着加工を行い、酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
熱固定温度を190℃、幅方向に2%熱弛緩処理、熱弛緩ゾーンの上下部のノズル風量を調整は行わず(フィルム中央部の膨らみが+120mmであった)、それ以外は実施例1と同様の方法で、厚み9μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。同様に、スリット、蒸着加工を行い、酸素および水蒸気透過率を測定した。結果は表1に示す。
Claims (5)
- 厚みが5〜20μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に蒸着層を有する蒸着ポリエステルフィルムであって、酸素透過量が20ml/m2・day・MPa以下、かつ水蒸気透過量が、2.0g/m2/day以下であると共に、該二軸延伸ポリエステルフィルムが下記要件(1)〜(4)をすべて満たすことを特徴とする蒸着ポリエステルフィルム。
(1)フィルム全幅において、長手方向の屈折率Nxと幅方向の屈折率Nyとの差(Nx−Ny)が−0.030以上0.015以下の範囲内であること
(2)フィルム全幅において、150℃で30分間熱処理したときの熱収縮率が長手方向で0.8%以上2.0%以下、幅方向で−0.5%以上1.0%以下の範囲内であること
(3)フィルム幅方向に対して、配向角の変化量が1mあたり0°以上20°以下であること
(4)フィルム幅方向に対して、150℃で30分間熱処理したとき、長手方向に対して、時計回り方向を正方向として+45°方向の熱収縮率と−45°方向の熱収縮率との差(斜め熱収縮率差)のフィルム幅方向に対する変化量が1mあたり0%以上0.25%以下であること
ここで、要件(1)〜(4)における試料の採取位置は、全幅に対して中央位置および中央位置から両端に向かって500mm毎の間隔の位置とし、両端近傍にて500mm間隔を確保できない場合、採取可能な端位置とする。
また、要件(1)及び(2)では、各測定位置データの最大値及び最小値が範囲内にあり、要件(3)及び(4)は隣接する2点の試料採取位置間の各変化量の最大値が範囲内にあることを要件とする。 - 蒸着層が金属または金属酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の蒸着ポリエステルフィルム。
- 蒸着層が金属酸化物からなり、前記金属酸化物が酸化アルミニウム、酸化珪素、またはそれらの混合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着ポリエステルフィルム。
- フィルム全幅が1500mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸着ポリエステルフィルム。
- 前記二軸延伸ポリエステルフィルムに粒子が含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蒸着ポリエステルフィルム。
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