JP2017035883A - 熱収縮性フィルムの製造方法 - Google Patents

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光隆 坂本
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健治 原
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直美 高橋
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Abstract

【課題】広幅であっても一方向収縮性が均一に得られる熱収縮性フィルムの製造方法を提供すること。【解決手段】フィルム幅W(mm)が1000mm以上の熱収縮性フィルムの製造方法であって、長手方向に延伸する工程(MD1)を有し、MD1前のフィルム幅W1(mm)と、MD1後のフィルム幅W2(mm)が下記(I)式を満足し、かつ前記W2(mm)と、MD1の延伸倍率(倍)が(II)式を満足することを特徴とする熱収縮性フィルムの製造方法。0.3≦(W2)/(W1)<0.8・・・(I)400≦(W2)/(MD1の延伸倍率)≦6000・・・(II)【選択図】なし

Description

本発明は熱収縮性フィルムの製造方法に関するものであり、1000mm以上の広幅であっても、一方向収縮性が良好な熱収縮性フィルムの製造方法に関する。
熱収縮性フィルムは、包装用途、ラベル用途など広範囲に渡って使用されている。たとえば、お茶や清涼飲料水等のボトル容器のラベル用途やマルチシュリンク用途を中心とした包装用途、フィルムの収縮を利用して複雑形状な部材に高意匠なデザインを付与する加飾用途などが挙げられる。これらの用途に対して、特許文献1および2に代表されるような一軸延伸フィルムおよび横方向に延伸した後に縦方向に逐次二軸延伸することで特定方向にのみ収縮させるフィルムが提案されている。
熱収縮フィルムは、一度に大面積の印刷や加工を行って製造コストを抑制させる観点から、広幅での製品化が求められているが、特許文献1または2に挙げた提案をもとにして1000mm以上の広幅のフィルムを採取しても、フィルムの長手方向など一方向のみに収縮させる特性を発現するのが困難な場合があった。そこで、1000mm以上の広幅サンプルとした場合でも、一方向収縮性が良好なフィルムが求められている。
特開2011−79229号公報 国際公開第2014/021120号
そこで、本発明では上記の欠点を解消し、1000mm以上の広幅サンプルとした場合でも、一方向収縮性が良好なフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下となる。
(1) フィルム幅W(mm)が1000mm以上の熱収縮性フィルムの製造方法であって、長手方向に延伸する工程(MD1)を有し、MD1前のフィルム幅W1(mm)と、MD1後のフィルム幅W2(mm)が下記(I)式を満足し、かつ前記W2(mm)と、MD1の延伸倍率(倍)が(II)式を満足することを特徴とする熱収縮性フィルムの製造方法。
0.3≦(W2)/(W1)<0.8・・・(I)
400≦(W2)/(MD1の延伸倍率)≦6000・・・(II)
(2) 長手方向に延伸する工程(MD1)が熱風加熱方式である、(1)に記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
(3) 長手方向に延伸する工程(MD1)前のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE1(μm)と中心部の厚みTC1(μm)が下記(III)式を満足する、(1)または(2)に記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
1.0≦(TE1)/(TC1)≦30・・・(III)
(4) 長手方向に延伸する工程(MD1)後のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE2(μm)と、中心部の厚みTC2(μm)が下記(IV)式を満足する、(1)〜(3)のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
1.0≦(TE2)/(TC2)≦30・・・(IV)
(5) TE1(μm)、TC1(μm)、TE2(μm)、TC2(μm)が下記(V)式を満足する、(1)〜(4)のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
0.9≦{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}≦1.5・・・(V)
(6) 熱収縮性フィルムがポリエステル系樹脂を主たる構成成分とすることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、1000mm以上の広幅サンプルとした場合でも、幅方向の中心と端部で収縮が均一なフィルムを得ることができるため、包装用途、加飾用途でのフィルムの製造方法として好ましく用いられる。
以下、本発明の熱収縮性フィルム製造方法について詳細に説明する。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、フィルム幅W(mm)が1000mm以上の熱収縮性フィルムの製造方法であって、長手方向に延伸する工程(MD1)を有し、MD1前のフィルム幅W1(mm)と、MD1後のフィルム幅W2(mm)が下記(I)式を満足することが重要である。
0.3≦(W2)/(W1)<0.8・・・(I)
フィルム幅W(mm)が1000mm未満であると、一度に印刷、加工できるフィルムの面積が少なくなることから、包装用途、加飾用途で用いられる各種フィルム加工製品の製造コストが高くなるといった不具合が生じる場合がある。フィルム幅W(mm)は広いほど好ましいが、フィルムの延伸設備、印刷、加工設備の幅制約の観点からは、7000mm以下が好ましく、5000mm以下がより好ましい。
(W2)/(W1)は、長手方向に延伸する工程(MD1)前後での幅の寸法維持率を示しており、0.8以上であると、MD1工程時の幅方向収縮が小さくなるため、フィルム幅方向に歪みが残って、フィルムの幅方向の熱収縮率が高くなる場合がある。(W2)/(W1)は、一方向収縮性を良好とする観点から、0.75以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。また、一方向収縮性の観点からは、(W2)/(W1)は小さいほど好ましいが、0.3未満となると、1000mm以上のフィルム幅の確保が困難な場合がある。
(W2)/(W1)を(I)式の範囲にするための具体的な方法としては、延伸倍率や両端部のフィルム幅など、製造条件を調整する方法などが挙げられる。中でも、後述するMD1工程前の両端部の調整や、MD1工程時の加熱方式を熱風加熱方式とする方法などが有効である。MD1工程前の両端部を調整することで、MD1工程での延伸前のロールにおいてフィルムにかかる摩擦力がフィルム全体に分散され、延伸時の幅方向へのフィルム収縮を進行させることができる。また、熱風加熱方式とすると、延伸前後のロールが加熱されておらずロールとフィルムとの粘着を抑制できる観点からも、延伸時のフィルムの収縮進行で有利となる。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、MD1後のフィルム幅W2(mm)と、MD1の延伸倍率(倍)が(II)式を満足することが重要である。
400≦(W2)/(MD1の延伸倍率)≦6000・・・(II)
(W2)/(MD1の延伸倍率)は、MD1後のフィルム幅であるW2をMD1の延伸倍率で除した値(単位はmm/倍で表す)である。W2が小さいほどフィルム幅方向の収縮性が抑制され、MD1の延伸倍率が大きいほど、収縮性が良好となることから、(W2)/(MD1の延伸倍率)が大きいほど、一方向収縮性が良好になることを示す。(W2)/(MD1の延伸倍率)が6000を超える値になると、一方向収縮性が不十分な場合がある。一方向収縮性を良好とする観点からは、(W2)/(MD1の延伸倍率)は3000以下が好ましく、1000以下がより好ましく800以下が特に好ましい。また、(W2)/(MDの延伸倍率)が400未満になると、1000mm以上のフィルム幅確保が困難になる場合があるほか、結晶性の樹脂を主成分とするフィルムの場合、延伸倍率が大きくなるので配向結晶化が促進され、延伸方向に対する収縮性が不十分になる場合がある。
(W2)/(MD1の延伸倍率)を(II)式の範囲にするための具体的な方法としては、延伸倍率や両端部のフィルム幅など、製造条件を調整する方法などが挙げられる。中でも、後述するMD1工程前の両端部の調整や、MD1工程時の加熱方式を熱風加熱方式とする方法などが有効である。MD1工程前の両端部を調整することで、MD1延伸前のロールにおいてフィルムにかかる摩擦力がフィルム全体に分散され、延伸時の幅方向へのフィルム収縮を進行させることができる。また、熱風加熱方式とすると、延伸前後のロールが加熱されておらずロールとフィルムとの粘着を抑制できる観点からも、延伸時のフィルムの収縮進行で有利となる。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、MD1工程の前後に、長手方向もしくは幅方向のいずれかに延伸する工程を含んでもよい。また、延伸、収縮させる方式は、MD1工程、ならびにその前後の延伸工程とも、インフレーション法、フラット法のいずれでもよい。ここで、インフレーション法とは、円形ダイから押出されたチューブ状の溶融樹脂を内部の気体圧で膨張させる延伸方式であり、フラット法は、Tダイなどで押出されたシート状溶融樹脂をロール収束差やクリップの速度変化、幅変化を利用してシート状樹脂の面内方向に拡げる延伸方式である。フィルム幅W(mm)が1000mm以上とする観点からは、フラット法が好ましく用いられる。
また、フラット法の延伸方法は、湿式延伸法と乾式延伸法に大別され、いずれを用いてもよい。ここで、湿式延伸法とは、加熱溶媒槽中で延伸を行う延伸方法であり、乾式延伸法とは、熱風やロール加熱などでフィルムを加熱して延伸を行う方法である。また、湿式延伸法と乾式延伸法を併用しても構わない。なお、延伸温度が上げやすく、溶媒の乾燥(除去)が不要な観点からは、乾式延伸法が好ましい。
乾式延伸法は、輻射加熱方式、熱風加熱方式、熱板加熱方式、ロール加熱方式などの各種加熱方式が用いられ、これらの方式を組み合わせても構わない。ここで、輻射加熱方式は、赤外線(IR)ヒータなどにより加熱して延伸する方式であり、熱風加熱方式、熱板加熱方式はそれぞれ熱風の循環あるいは加熱プレートによりフィルムを加熱して延伸する方式であり、ロール加熱方式は加熱ロールによりフィルムを加熱して延伸する方式である。また、延伸方式は、低速ロール群と高速ロール群のロール周速差により延伸するロール延伸方式、フィルムの両端をクリップ等で把持し、長手方向の速度変化、幅の変化により延伸を行うテンター方式などが好ましく用いられる。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法において、長手方向に延伸する工程(MD1)は、ロール方式、テンター方式等のいずれの方式を適用してもよいが、(W2)/(W1)を0.3以上0.8未満にしやすい観点からは、ロール延伸方式が好ましく、ロール延伸方式の中でも、熱風の循環によりフィルムを加熱する熱風方式との組み合わせがより好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、長手方向に延伸する工程(MD1)前のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE1(μm)と中心部の厚みTC1(μm)が下記(III)式を満足することが好ましい。
1.0≦(TE1)/(TC1)≦30・・・(III)
(TE1)/(TC1)は、長手方向に延伸する工程(MD1)前のフィルム両端部がフィルム中心部に対してどれだけ厚くなっているかの指標であり、1.0以上であると、フィルムと延伸前のロールとの密着点が少なくなるのでフィルム表面に傷が付きづらくなり、品位の点から好ましい。(TE1)/(TC1)はより好ましくは1.1以上、特に好ましくは1.2以上である。また、(TE1)/(TC1)が30以下であると、MD1工程時の幅方向収縮を進行し、得られたフィルムの一方向収縮性を良好とすることができるので、好ましい。(TE1)/(TC1)は、より好ましくは25以下、特に好ましくは20以下である。
(TE1)/(TC1)を(III)式の範囲にするための具体的な方法としては、延伸前のシートを吐出する口金のリップ幅について、フィルム全体の厚みムラが適切な範囲になるよう調整する方法などが挙げられる。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、長手方向に延伸する工程(MD1)後のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE2(μm)と、中心部の厚みTC2(μm)が下記(IV)式を満足することが好ましい。
1.2≦(TE2)/(TC2)≦30・・・(IV)
(TE2)/(TC2)は、長手方向に延伸する工程(MD1)後のフィルム両端部がフィルム中心部に対してどれだけ厚くなっているかの指標であり、1.0以上であると、フィルムと延伸後のロールとの密着点が少なくなるのでフィルム表面に傷が付きづらくなり、品位の点から好ましい。(TE2)/(TC2)はより好ましくは1.1以上、特に好ましくは1.2以上である。また、(TE2)/(TC2)が30以下であると、MD1工程時の幅方向収縮を進行し、得られたフィルムの一方向収縮性を良好とすることができるので、好ましい。(TE2)/(TC2)は、より好ましくは25以下、特に好ましくは20以下である。
(TE2)/(TC2)を(IV)式の範囲にするための具体的な方法としては、延伸前のシートを吐出する口金のリップ幅について、フィルム全体の厚みムラが適切な範囲になるよう調整する方法などが挙げられる。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、長手方向に延伸する工程(MD1)前のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE1(μm)と中心部の厚みTC1(μm)、ならびに長手方向に延伸する工程(MD1)後のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE2(μm)と中心部の厚みTC2(μm)が、下記(V)式を満足することが好ましい。
0.9≦{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}≦1.5・・・(V)
{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}は、長手方向に延伸する工程(MD1)前後での、フィルムの両端部がフィルム中心部に対してどれだけ厚くなっているかの指標であり、0.9以上であると、たとえば、フィルムと延伸前後のロールとの密着点が少なくなるのでフィルム表面に傷が付きづらくなり、品位の点から好ましい。{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}はより好ましくは0.95以上、特に好ましくは1.0以上である。また、{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}が1.5以下であると、延伸後のロール上にてフィルムにかかる応力がフィルム全体に分散されることから、延伸後に収縮しきれずに残った歪みをロール表面で緩和させることができ、好ましい。{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}は、より好ましくは1.3以下、特に好ましくは1.2以下である。
{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}を(V)式の範囲にするための具体的な方法としては、延伸前のシートを吐出する口金のリップ幅について、フィルム全体の厚みムラが適切な範囲になるよう調整する方法、熱風加熱方式でMD1工程を延伸する際に端部側のフィルムの実温度を高くして、フィルムの端部の延伸時の貯蔵弾性率を下げる方法などが挙げられる。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法においては、熱収縮性フィルムの主たる構成成分は、本発明の効果が発現する範囲であれば特に限定されず、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体といったフッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン共重合体)系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、トリアセテート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。MD1工程への収縮性を発現させる観点からは、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂とすることが好ましく、中でもポリエステル系樹脂が特に好ましい。また、収縮特性を良好とする観点から、熱収縮性フィルムの主たる構成成分とする樹脂がポリエステル系樹脂の場合、結晶性を有することが好ましい。ここで、樹脂の結晶性の判断方法としては、たとえば、JIS K−7121−1987、JIS K−7122−1987に準拠して測定した示差走査熱量測定において、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より吸熱ピークが見られるかどうかで、判断することができる(すなわち、吸熱ピークが見られた場合、樹脂は結晶性である)。また、得られたDSC曲線から求められる結晶融解エネルギーが大きいほど、樹脂の結晶性が高いと判断することが可能である。
本発明において、熱収縮性フィルムの主たる構成成分として、ポリエステル系樹脂を使用する場合、ポリエステル系樹脂を構成するグリコールあるいはその誘導体としては、エチレングリコールが80モル%以上であることが好ましいが、その他の成分として、たとえば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、並びに、それらの誘導体を含んでいてもよい。
また、ジカルボン酸あるいはその誘導体としては、テレフタル酸が80モル%以上であることが好ましいが、その他の成分として、たとえば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、並びに、それらの誘導体を挙げることができる。ジカルボン酸の誘導体としてはたとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどのエステル化物を含んでいてもよい。
本発明の製造方法によって得られた熱収縮性フィルムは、1000mm幅以上においても一方向収縮性が良好であることから、包装用途として好ましく用いられる。印刷層、耐候層、粘着層、接着層、蒸着層等などの各種機能層の塗工、形成工程や乾燥工程においては熱収縮しない耐熱性を有するため、たとえば水系溶媒のコーティング剤への対応も可能である。さらに、高温加熱することで、高い熱収縮性を示すため、ボトル等の容器への装着性に優れるので、ラベル用を中心とした各種包装用途に好ましく用いられる。
また、本発明の製造方法によって得られた熱収縮性フィルムは、加飾用途にも好ましく用いられる。
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)フィルム幅W、W1、W2
フィルム幅Wは、製品ロールから巻き出して切り取ったフィルムサンプルについて、平面に置いたあと、鋼製巻尺(ヤマヨ測定機製、スチロンカスタム「NC10」)を使用してフィルムの両端部間の距離を測定して求めた。MD1工程前のフィルム幅W1は、MD1工程前の幅を、フィルム幅Wと同様の方法にして測定した。MD1工程後のフィルム幅W2は、W1の測定を完了したフィルムをMD1工程に投入したサンプルについて、フィルム幅Wと同様の方法にて測定した。なお、測定は、フィルムの長手方向50mmずつ位置をずらして合計5回の測定を行い、これら5回の幅の平均値を採用した。
(2)延伸倍率
ロール延伸方式の場合は、延伸ロール群の最初に設置されているロールと、延伸ロール群の最後に設置されているロールの周速を測定し、最後のロールの周速を最初のロールの周速で除した値を延伸倍率とした。テンター方式の場合は、テンターの入口箇所のクリップ速度と、テンター出口箇所のクリップ速度を測定し、出口箇所のクリップ速度を入口箇所のクリップ速度で除した値を延伸倍率とした。
(3)フィルム厚み
ダイヤルゲージ(ミツトヨ製、2046S)を用いて、フィルム厚みを測定した。(1)のフィルム幅から求めた中心部、およびフィルムの両端部より5mmフィルム幅方向中心部側の位置、の計3箇所について測定を行った。測定は、1箇所あたり、フィルムの長手方向50mmずつ位置をずらして合計5回の測定を行い、5回の厚みの平均値を求めた。中心部については5回の厚みの平均値を採用し、工程に応じてTC1、TC2とした。両端部については、各端部で測定した5回、すなわち合計10回の厚みの平均値を採用し、工程に応じてTE1、TE2とした。
(4)熱収縮率
フィルムをロール製品の長手方向に150mm×幅10mmのサイズに切り出したサンプルに、100mm(L0)の間隔の両端位置にマークを入れ、3gの錘を吊して110℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離(L1)を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式にて熱収縮率を算出した。測定は5サンプル実施して平均値で評価を行った。なお、測定箇所は、(3)で求めた中心部と両端部の計3箇所とした。両端部については、各端部で測定した5サンプル、すなわち合計10サンプルの測定の平均値を採用した。また、表において、フィルム中心部の熱収縮率をSC、フィルム端部の熱収縮率をSEと表記している。
また、幅方向についても同様にして測定を行った。なお、フィルムの中心部については、測定サンプルの中心位置が(3)で求めた各位置になるようにし、フィルムの端部については、測定サンプルの最も端部に近い位置が、両端部よりフィルム幅方向に5mm近づいた位置として評価を行った。
熱収縮率(%) = 100×(L0−L1)/L0
(5)一方向収縮性
フィルムの幅方向中心部の熱収縮率SCについて測定し、下記基準で判断した。
A:20%以上
B:11%以上20%未満
C:9%以上11%未満
D:9%未満
(6)一方向収縮の均一性
フィルムの中心部のMD方向とTD方向の熱収縮率差(SC(MD)−SC(TD))、フィルムの端部のMD方向とTD方向の熱収縮率差(SE(MD)−SE(TD))から、中心部と端部の熱収縮率差の絶対値|((SC(MD)−SC(TD))−((SE(MD)−SE(TD))|を求め、|((SC(MD)−SC(TD))−((SE(MD)−SE(TD))|を下記基準で判断した。
A:2%以下
B:2%を超えて3%以下
C:3%を超えて5%以下
D:5%を超えた値
(7)フィルム品位
フィルムの幅方向中心部について、A4サイズのサンプルを10枚切り出した後、3波長蛍光灯下にてフィルム表面の観察を行い、5mm以上の長さの認知できる傷の個数を数えた。10枚分の傷の個数の合計量を求め、下記基準で判断した。
A:傷が5個以下
B:傷が6個以上10個以下
C:傷が11個以上
(8)広幅加工性
(1)の方法でフィルム幅を測定し、下記基準で判断した。
○:フィルム幅Wが1000mm以上
×:フィルム幅Wが1000mm未満
(フィルムの主たる構成成分の樹脂)
本発明の実施例の実施にあたり、下記原料を使用した。
(9)ガラス転移温度
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および解析を行った。樹脂原料5mgをサンプルとし、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読み取った。各ベースラインを延長した直線から縦軸(熱流を示す軸)方向で等距離(中間点)にある上記直線に平行な直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点である中間点ガラス転移温度を求め、樹脂原料のガラス転移温度とした。
(10)融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K−7121−1987、JIS K−7122−1987に準拠して測定および解析を行った。樹脂原料5mgをサンプルとし、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を融点とした。
(PET)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)に、数平均粒子径0.2μmの凝集シリカを、ポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量%に対して0.5重量%になるようコンパウンドしたポリエステル系樹脂。なお、ガラス転移温度は78℃、融点は255℃であった。
(PET−I)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が88モル%、イソフタル酸成分が12モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエステル樹脂(固有粘度0.65)に、数平均粒子径0.2μmの凝集シリカを、ポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量%に対して0.5質量%になるようにコンパウンドしたポリエステル系樹脂。なお、ガラス転移温度は77℃、融点は230℃であった。
(PP)
住友化学製“ノーブレンR101” (JIS K7210−1999によるMFRが19g/10min、融点が160℃である、ポリオレフィン系樹脂)
(Ny)
東レ製“アミランCM6241M”(ポリアミド樹脂)
(実施例1)
「PET」を酸素濃度0.2体積%としたベント同方向二軸押出機に供給し、押出機シリンダー温度を270℃で溶融し、短管温度を275℃、口金温度を280℃で、Tダイより50℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その後、MD1工程として98℃のロール加熱(水を熱媒とした)によるロール延伸にて長手方向に3.7倍の延伸を行い、フィルムを得た。
(実施例2〜4)
各種条件を表1の通りとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
(実施例5〜8)
各種条件を表1または表2の通りとし、MD1工程として、低速ロール群と高速ロール群の間の延伸区間を断熱材で囲って熱風加熱で100℃に設定し、かかる区間で長手方向に延伸した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
(実施例9)
各種条件を表2の通りとし、MD1工程の前に、テンター方式で幅方向に一軸延伸(熱風オーブン加熱、85℃、3.0倍)を行い(TD0工程)、加熱温度を120℃(加圧水蒸気を熱媒とした)とした以外は、実施例5と同様にしてフィルムを得た。
(実施例10)
各種条件を表2の通りとし、MD1工程の後に、テンター方式で幅方向に一軸延伸(熱風オーブン加熱、120℃、1.8倍)を行った(TD2工程)以外は。実施例5と同様にしてフィルムを得た。
(実施例11)
各種条件を表2の通りとし、MD1工程の前に、テンター方式で幅方向に一軸延伸(熱風オーブン加熱、85℃、3.0倍)を行い(TD0工程)、テンター方式で幅方向に一軸延伸(150℃、1.5倍)を行った(TD2工程)以外は、実施例6と同様にしてフィルムを得た。
(実施例12〜14)
フィルムの主たる構成成分の樹脂を、「PET」から表2または表3の通りに変更し、各種条件を表2または表3の通りとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
(実施例15)
各種条件を表3の通りとし、熱風加熱する際の風向を調整し、MD1工程時のフィルム端部付近の温度を105℃、フィルム中心部付近の温度を100℃とした以外は、実施例5と同様にしてフィルムを得た。
(比較例1〜4)
各種条件を表3の通りとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
なお、実施例、比較例において、W2とWの値が異なる例については、MD1工程後にスリットを両端部とも同じ長さで行い、残ったフィルムサンプルの幅をWとしていることを表す。
Figure 2017035883
Figure 2017035883
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本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、1000mm以上の広幅サンプルとした場合でも、幅方向の中心と端部で収縮が均一なフィルムを得ることができるため、包装用途、加飾用途で熱収縮特性が均一な熱収縮フィルムの製造が可能となる。

Claims (6)

  1. フィルム幅W(mm)が1000mm以上の熱収縮性フィルムの製造方法であって、長手方向に延伸する工程(MD1)を有し、MD1前のフィルム幅W1(mm)と、MD1後のフィルム幅W2(mm)が下記(I)式を満足し、かつ前記W2(mm)と、MD1の延伸倍率(倍)が(II)式を満足することを特徴とする熱収縮性フィルムの製造方法。
    0.3≦(W2)/(W1)<0.8・・・(I)
    400≦(W2)/(MD1の延伸倍率)≦6000・・・(II)
  2. 長手方向に延伸する工程(MD1)が熱風加熱方式である、請求項1に記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
  3. 長手方向に延伸する工程MD1前のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE1(μm)と中心部の厚みTC1(μm)が下記(III)式を満足する、請求項1または2に記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
    1.2≦(TE1)/(TC1)≦30・・・(III)
  4. 長手方向に延伸する工程(MD1)後のフィルムの幅方向位置の両端部の厚みの平均値TE2(μm)と、中心部の厚みTC2(μm)が下記(IV)式を満足する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
    1.2≦(TE2)/(TC2)≦30・・・(IV)
  5. TE1(μm)、TC1(μm)、TE2(μm)、TC2(μm)が下記(V)式を満足する、請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
    0.9≦{(TE2)/(TC2)}/{(TE1)/(TC1)}≦1.5・・・(V)
  6. 熱収縮性フィルムがポリエステル系樹脂を主たる構成成分とすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
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