JPH07329170A - 圧延ポリエステルシート、その熱成形物及びその製造方法 - Google Patents

圧延ポリエステルシート、その熱成形物及びその製造方法

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JPH07329170A
JPH07329170A JP14553694A JP14553694A JPH07329170A JP H07329170 A JPH07329170 A JP H07329170A JP 14553694 A JP14553694 A JP 14553694A JP 14553694 A JP14553694 A JP 14553694A JP H07329170 A JPH07329170 A JP H07329170A
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rolling
polyester
polyester sheet
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Junzo Shimokawa
順造 下川
Takashi Indou
▲たかし▼ 印藤
Akio Kirimura
明男 桐村
Toshio Yamauchi
敏夫 山内
Shigeru Sakae
繁 栄
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来、実質的に非晶なポリエステルシートが熱
成形用途に用いられているが、PVCやOPSに比べて
コスト高である。これに対し本発明は、比較的簡易な圧
延を行い剛性を向上させ且つ従来の低倍率一軸延伸シー
トに比べて厚さ斑が改善された熱成形用ポリエステルシ
ートであり、また本発明の製造方法によれば圧延力を低
減することにより広巾化が可能となる。 【構成】実質的に非晶なポリエステルシートが圧延され
たシートであって、引取方向の引張弾性率が250kg
/mm2 以上でかつ厚み斑が±3%以下であることを特
徴とするポリエステルシート、及び実質的に非晶なポリ
エステルシートを引取方向で元の厚みの4/5以下に圧
延するに際し、(ニ)セラミックロールによりシートを
特定の温度に予熱し、(ホ)次いで特定の温度に加熱し
た圧延ロール間に通過せしめることを特徴とするポリエ
ステルシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚み斑が少なくかつ剛
性が向上して熱成形性の良好な圧延ポリエステルシー
ト、その熱成形物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アモルファスポリエチレンテレフタレー
ト(以下A−PETと記載する)シートの熱成形諸製品
の市場は最近拡大しつつある。A−PETシートは、比
重・軟化状態・風合いが無可塑塩化ビニール(硬質PV
C)シートに似ており、加えて透明性・耐寒性・耐衝撃
性・耐薬品性・熱成形性等に優れているので、従来のP
VC分野に進出しつつある。更にPET樹脂価格の低
下、成膜加工技術の向上とPVCの廃棄焼却処理問題
(塩素ガス発生)から世界的にもA−PET化が急速に
進展するものと考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PETは価格
が下がったといえどもPVCより樹脂価格が高く、また
PVCに次ぐ需要分野と予想される延伸ポリスチレン
(OPS)には比重差がありコスト高である。更に、両
者より剛性が劣るため使用シート厚みを増加する必要が
あり問題となっている。この剛性向上には物性バランス
・成形加工性などから二軸延伸が当然考えられるが、二
軸延伸はマシンディレクション(M.D)及びそれと直
交する方向(T.D)の二軸延伸を行う必要があり、簡
易な工程・設備の工程コストを上昇しない剛性向上方法
が望まれている。また二軸延伸シートはその配向のため
二次成形加工が困難であり、二次成形加工が可能な剛性
向上方法が望まれている。
【0004】かかる課題を解決するために、本発明者等
は特開平4−308728号公報として、特定の延伸ロ
ーラーを使用し熱成形性を妨げない範囲の低倍率で一軸
延伸を施すことを提案した。しかしながら、低倍率の延
伸であるためネッキングをコントロールして厚み斑を8
%以下とすることが困難であり、また延伸方向の熱収縮
率が40%以上になると熱成形性が低下するなど、実用
上充分でないことを見出した。
【0005】一方、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂シ
ートの圧延方法に関する発明に特公昭55−17694
号公報があり、互いに異なる周速度で回転する圧延ロー
ルの間に通過せしめると同時に周速度の大なる圧延ロー
ル面の一部に密着せしめた後引取ることにより圧延倍率
を大きくできることが開示されている(例えば3倍以
上)。しかしながら、これをポリエステルとくにポリエ
チレンテレフタレートを主成分とするポリエステルの熱
成形用シートに適用する場合の留意点については全く開
示する処がない。
【0006】また特開平3−231829号公報には、
未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを80〜17
0℃の温度、1〜3の厚み圧延比で一方向に圧延伸長す
ることにより耐熱性と熱成形性に優れた透明な圧延シー
トを製造すること、及び該シートを熱成形して透明な成
形品を得ることが開示されている。しかしながら、前記
同様に、圧延シートを製造する場合の留意点について具
体的記述がなく、実用上問題が多い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題に留意し研究実験した結果、本発明を完成した。即ち
本発明は、実質的に非晶なポリエステルシートが圧延さ
れたシートであって、引取方向の引張弾性率が250k
g/mm2 以上でかつ厚み斑が±3%以下であることを
特徴とするポリエステルシートである。
【0008】本発明の製造方法は、実質的に非晶なポリ
エステルシートを引取方向で元の厚みの4/5以下に圧
延するに際し、(ニ)セラミックロールによりシートを
下記式(II)の温度(T′℃)に予熱し、(ホ)次いで
下記式(III)の温度(T℃)に加熱した圧延ロール間に
通過せしめることを特徴とする方法であり、厚み斑が±
3%以下の圧延シートを得ることができる。 Tg≦T′≦Tg+20、但しTgはポリエステルのガ
ラス転移点…(II) Tg−20≦T≦Tg+20…(III) なお、TgはJIS K7121−1987で測定した
中間的ガラス転移温度をいう。
【0009】また本発明のポリエステル熱成形物は、引
取方向の引張弾性率が250〜600kg/mm2 であ
る上記ポリエステルシートを熱成形して得られることを
特徴とするポリエステル熱成形物である。
【0010】本発明を更に詳しく説明すると、本発明に
おいてポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレ
フタレート,ポリエチレンナフタレート等のホモポリマ
ーは勿論のこと、ジカルボン酸成分の80モル%以上、
好ましくは90モル%以上がテレフタル酸またはナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸であり、グリコール成分の
80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレン
グリコールである結晶性の熱可塑性ポリエステル樹脂が
有利に用いられる。
【0011】共重合成分としては、テレフタル酸を主た
る酸成分とする場合はナフタレン−2,6−ジカルボン
酸も、一方ナフタレン−2,6−ジカルボン酸を主たる
酸成分とする場合はテレフタル酸も含め、イソフタル
酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸,ジフェニルエーテルジカルボン酸,ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸,ヘキサヒドロジカルボン酸,
ヘキサヒドロテレフタル酸,ヘキサヒドロイソフタル
酸,アジピン酸,セバシン酸,p−β−ヒドロキシエト
キシ安息香酸,ε−オキシカプロン酸等の芳香族、脂環
族及び脂肪族の二官能カルボン酸等を挙げることができ
る。
【0012】また、グリコール成分としては、例えばジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカンメチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4′−β−
ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4′−
β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等が挙げ
られる。
【0013】なお、本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲において少量の3官能以上の多
官能性化合物を共重合成分として用いることができる。
【0014】本発明のポリエステルの粘度は、好ましく
は1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=
40/60混合溶媒で20℃で測定した極限粘度(I
V)が0.5〜1.0、熱成形用途では0.6以上0.
9以下の範囲がより好ましい。
【0015】また本発明のポリエステルは、必要に応じ
て公知の染顔料,熱安定剤,紫外線吸収剤,滑剤,帯電
防止剤,防曇剤,強化繊維等の改質剤を含有していても
よい。
【0016】圧延前のポリエステルシートは実質的に非
晶状態であり、結晶化度は通常5%以下の透明なシート
である。かかる非晶シートは、例えば原料樹脂を溶融し
た後膜状に押出し、急冷することにより得られる。押出
された非晶シートの厚さ斑は、通常±5%以下である。
また、シートの厚さは特に限定しないが、熱成型容器で
は通常有効部(両端耳部各5〜10cmを除いた部分)
で50〜1000μmであり好ましくは100〜800
μmである。圧延後のシート幅は、本発明によれば圧延
力の低減に伴い500mm程度と、好適な条件を選べば
1000mm程度とすることができる。延伸後両端耳部
を通常50mm程度除去した部分を実用として用いるの
が好ましい。また用途に応じて前記改質剤を含有した層
或いは他の樹脂層をかかる非晶シートに積層した多層シ
ートも用いることができる。
【0017】本発明に用いるシート成膜方法はタッチロ
ール方式,静電印加方式,エアーナイフ方式等の公知の
方式でよい。押出機は単軸押出機,二軸押出機,タンデ
ム押出機等公知の方式でよく、ベントの有無は問わな
い。ベントの無い場合またはベントの真空度が30to
rrより悪い場合は、予め原料を公知の乾燥方法例えば
真空加熱乾燥機やホッパードライヤーで乾燥し水分率を
100ppm以下、望ましくは50ppm以下にする必
要がある。水分率が高いとシートのIV低下が激しかっ
たり、フィッシュアイが発生する。非晶シートのIV値
は通常0.5〜1.0、好ましくは0.6〜0.9であ
り、あまり低下すると機械的物性が極端に低下する。一
方ベントの真空度が30Torr以下(好ましくは10
Torr以下)の場合は、原料樹脂は通常の環境での飽
和水分率3,000〜7,000ppmであれば特に問
題ない。また、樹脂の形状はペレット(チップ),フラ
フ,粉体状でも特に問題なく、成形品のリサイクルを使
用してもよい。
【0018】本発明の製造方法においては、セラミック
ロールによりシート温度をTg以上に予熱することに特
徴がある。シート温度を高くするため予熱ロールをTg
以上にすると粘着が始まり、実用上高くできない。その
ため、セラミックロールを用いることにより、従来方法
に比べより高温に予熱することができ圧延工程の操業性
が改善され、また圧延シートのしわや厚さ斑を大幅に低
減することが可能となった。シートの予熱温度は、上記
式(II)の範囲であり、低過ぎると圧延ロールへのシー
トの喰込みが不良となり、また上記効果が消失し、一方
高温となると剛性の向上も小さくなる。
【0019】本発明に用いるセラミックロールは、金属
ロール表面に、焼結棒式又は粉末式炎溶射法により、セ
ラミックを金属ロール表面に粉砕噴射させることにより
加工される。セラミック原料としては、アルミナ、ジル
コニア、ジルコン等が使用されるが、より具体的には、
例えば酸化アルミニウム(Al2 3 :90%以上)、
酸化ケイ素(SiO2 :0.3以上)、酸化ナトリウム
(Na2 O:0.1%以上)、酸化カルシウム(Ca
O:0.1%以上)、酸化鉄(Fe2 3 :0.05%
以上)、酸化チタン(TiO2 :0.01%以上)、酸
化マグネシウム(MgO:1%以上)などで構成され
る。
【0020】本発明に用いるセラミックロールの中心線
平均粗さは、フィルムとの粘着性が低く、またロール上
でのフィルムのすべり擦り傷を抑制できるという点か
ら、通常0.7〜2.0μmが好ましく、更に好ましく
は1.0〜1.7μmである。
【0021】セラミックロールの凹凸の最大深さは、熱
伝導度が低下せず、熱伝導むらによる局部的なクレータ
状の斑点ができにくいという点から、通常15μm以下
が好ましく、更に好ましくは12μm以下である。
【0022】セラミックロールの凹部は、フィルムとの
粘着性が低く、またロール上でのフィルムのすべり擦り
傷を抑制できるという点から、0.5μm以上の凹部が
1mm長当り17〜28個が好ましく、更に好ましくは
20〜25個である。
【0023】セラミック層の厚さは、粘着の発生を防止
し、またロールの熱伝導度を良好に保ち、均一な加熱が
できるという観点から、0.01〜3mmが好ましく、
更に好ましくは0.1〜0.5mmである。
【0024】なお、本発明のセラミックロールの表面
は、表面線より凹部のところに、さらに凹凸が形成され
ていることがより好ましい。
【0025】本発明のセラミックロールの表面の凹凸
は、予め金属ロールの表面に、金属により凹凸を形成し
ておき、この表面に上記の方法によってセラミックを被
覆するか、又は凹凸のない金属ロールの表面にセラミッ
ク被覆と同時にセラミックによる凹凸を形成させた後、
凸部を0.5mm以内に於いて、適宜研磨、除去するこ
とにより製造される。
【0026】圧延方法は一旦、成膜した非晶シートのロ
ール巻を圧延装置にかけてもよく、成膜直後に圧延(イ
ンライン)してもよい。熱エネルギー的にはインライン
方式が望ましい。また、高い圧延倍率では、圧延を一度
だけでなく数回にわたって行うこともできる。
【0027】本発明のポリエステルシートの熱成形方法
としては従来公知の方法でよく、例えば熱板成形,真空
成形,圧空成形,真空圧空成形等が挙げられる。
【0028】かくのごとく、本発明は、熱成型性をそこ
なわず1.25〜4倍の低い圧延倍率の範囲で均一に圧
延して厚み斑が少なくかつ剛性を向上した熱成型用ポリ
エステルシートとその熱成形物及び製造方法を提供する
ものである。
【0029】尚、剛性の評価法としては、非晶及び圧延
シートの場合は引張弾性率で行い、熱成形品では曲げ強
度と腰強度で評価した。
【0030】
【発明の効果】従来、実質的に非晶なポリエステルシー
トが熱成形用途に用いられているが、PVCやOPSに
比べてコスト高である。これに対し本発明は、比較的簡
易な圧延を行い剛性を向上させ且つ従来の低倍率一軸延
伸シートに比べて厚さ斑が改善された熱成形用ポリエス
テルシートであり、また本発明の製造方法によれば圧延
力を低減することにより従来の圧延シートに比べて広巾
化を可能とするもので、産業上極めて有用である。
【0031】以下、測定方法を説明する。 (1)極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール=4
0/60の混合溶媒に試料を溶かし、ウベロード粘度計
を用い20℃で測定した。
【0032】(2)シートの厚み及び厚み斑 シートの有効部につき、巾方向には20mm間隔、引取
り方向には100mm間隔でマイクロメータにより厚み
を測定した。
【0033】(3)結晶化度 密度勾配管を用いて測定した密度dから下式により算出
する。
【0034】
【数1】
【0035】但し、da :非晶状態の密度(例えばポリ
エチレンテレフタレートでは1.335g/ml)、
c :結晶状態の密度(例えばポリエチレンテレフタレ
ートでは1.455g/ml)。
【0036】(4)引張弾性率 シートの剛性の評価として引取方向の引張弾性率を用い
る。オリエンテック製:テンシロンRTA−100を用
い、JISの引張試験に準拠し測定する。但し、引張速
度は50mm/minとした。
【0037】(5)容器の曲げ強度、腰強度 容器の剛性の評価に曲げ強度(図2参照)と腰強度(図
3参照)を用いる。島津製作所製のオートグラフAGS
−500Sを使用し、ヘッドスピードは50mm/mi
nとした。
【0038】
【実施例】
比較例1〜3 三酸化アンチモンを重合触媒として、溶融重合したIV
=0.65,Tg=75℃のポリエチレンテレフタレー
ト樹脂(以下PET樹脂)のペレットを未乾燥のままベ
ント付2軸押出機にて成膜し、平均厚み500μmのシ
ートを得た。(比較例1、キャストロール温度55℃)
【0039】また、特開平4−308727号公報の図
1に記載の成膜・一軸延伸装置を用い、同様にシート成
膜し2.0倍(比較例2)、3.0倍(比較例3)に一
軸延伸した(予熱ローラ温度80℃、延伸ローラ間隔2
80mmで赤外線ヒーターをシート上部から照射)。各
々のシートをキーフェル社製の熱成形機にて、タテ16
0mm、ヨコ130mm、深さ35mmの熱成形容器に
した。これらの容器の曲げ強度、腰強度を測定し結果を
表1に示す。延伸倍率3.0倍では、熱成形時に充分賦
型出来なかった。
【0040】比較例4〜12 図1の圧延装置を用い、比較例1の非晶ポリエステルシ
ートを表2に示す異周速度の条件で圧延し、次いで比較
例2と同様にして熱成形容器にした(尚、遠赤外線ヒー
タは予熱ロールと同温度にした)。
【0041】圧延倍率4.4倍の比較例11では、剛性
の大きいシートが得られたが、熱成形時に充分賦型出来
なかった。また圧延温度の低い比較例12では、高い圧
延力が必要でありシートの厚み斑も大きかった。これら
のシートを熱成形した容器の腰強度、曲げ強度を測定し
た結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】比較例13,14 比較例1の非晶シート(巾300mm)を特開平3−2
31829号公報に開示された条件で図1の圧延装置を
使用して圧延したところ、非晶シートが予熱ロールに粘
着して安定した圧延ができず、得られた圧延シートもし
わや厚み斑が発生しとても実用に供しうるものではなか
った。なお、遠赤外線ヒータは使用しなかった。
【0045】比較例15〜20、実施例1〜8 図1で比較例13で使用した非晶シートをセラミックロ
ールを用い表4に示す条件で圧延し、次いで比較例2と
同様にして熱成形容器にした(尚、遠赤外線ヒータはシ
ートがセラミックロールの予熱温度となるように設定し
た)。予熱用セラミックロールとして、酸化アルミニウ
ム98.55%、酸化ケイ素0.58%、酸化ナトリウ
ム:0.31%、酸化マグネシウム0.23%、酸化カ
ルシウム0.19%、酸化鉄:0.10%、酸化チタン
0.04%を含むセラミックを焼結棒式により被覆させ
たロールで、被覆の厚さ0.3mm、仕上げ精度1S、
中心線平均粗さ1.3μm、最大深さ8.0μm、0.
5μm以上の凹部の粗さ密度が1mm長中に22個を有
するセラミックロールを使用した。これら圧延シートと
容器の物性を表3に示す。
【0046】シートの予熱温度を75〜95℃(Tg=
75)にして圧延すれば、非晶シートの圧延ロールへの
喰込みが安定すること、更に圧延ロールの温度が95℃
(=Tg+20)より高温になると、圧延シートにハク
リマークが出ることが判明した。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】実施例9 二酸化ゲルマニウム触媒にて溶融重合し、その後固相重
合したIV=0.85のPET樹脂を130℃×18時
間で真空乾燥し、水分率45ppmにした。これを75
φ単軸押出機にてシートを成膜し、実施例3と同様に圧
延した。この圧延シートを成形機(関西自動成形機社
製)でタテ190mm、ヨコ100mm、深さ20mm
の熱成形容器にした。各工程の操業性、更に得られた圧
延シートと容器の物性も実施例3と同様良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延ポリエステルシートを製造する際
に使用した圧延装置の概略説明図である。
【図2】本発明の圧延ポリエステルシートから製造した
容器の曲げ強度を測定する方法を示した概略図である。
【図3】本発明の圧延ポリエステルシートから製造した
容器の腰強度を測定する方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 非晶ポリエステルシート 2 圧延ポリエステルシート 3 予熱セラミックロール 4 圧延ロール 5 圧延ロール 6 遠赤外線予熱ヒータ 7 押えロール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に非晶なポリエステルシートが圧
    延されたシートであって、引取方向の引張弾性率が25
    0kg/mm2 以上でかつ厚み斑が±3%以下であるこ
    とを特徴とするポリエステルシート。
  2. 【請求項2】 実質的に非晶なポリエステルシートを引
    取方向で元の厚みの4/5以下に圧延するに際し、
    (ニ)セラミックロールによりシートを下記式(II)の
    温度(T′℃)に予熱し、(ホ)次いで下記式(III)の
    温度(T℃)に加熱した圧延ロール間に通過せしめるこ
    とを特徴とするポリエステルシートの製造方法。 Tg≦T′≦Tg+20、但しTgはポリエステルのガ
    ラス転移点…(II) Tg−20≦T≦Tg+20…(III)
  3. 【請求項3】 引取方向の引張弾性率が250〜600
    kg/mm2 である請求項1記載の圧延ポリエステルシ
    ートを熱成形して得られるポリエステル熱成形物。
JP14553694A 1994-06-02 1994-06-02 圧延ポリエステルシート、その熱成形物及びその製造方法 Pending JPH07329170A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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