JP3045811B2 - 一軸延伸ポリエステルシートの製造方法 - Google Patents

一軸延伸ポリエステルシートの製造方法

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JP3045811B2
JP3045811B2 JP15373091A JP15373091A JP3045811B2 JP 3045811 B2 JP3045811 B2 JP 3045811B2 JP 15373091 A JP15373091 A JP 15373091A JP 15373091 A JP15373091 A JP 15373091A JP 3045811 B2 JP3045811 B2 JP 3045811B2
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polyester
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剛性が向上した熱成形
用ポリエステルシートの製造方法に関する。さらに詳し
くは、熱成形性を妨げない範囲の低倍率の一軸延伸を施
して剛性を向上させ、従来のポリエステルシート成形物
より剛性が大きく、使用シート厚みを節減できるなど、
経済性に優れた熱成形用ポリエステルシートの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2次成形を伴わない二軸延伸ポリ
エステルフィルムの製造は、かなりの高倍率で延伸され
るため、延伸班はなく、製造方法も確立されている。例
えば、ポリエステルの剛性向上方法として、物性バラン
ス・成形加工性などから二軸延伸がなされているが、延
伸はマシンディレクション(M.D.)及びそれと直交
する方向(T.D.)の二軸延伸を行う必要があり、工
程および設備の上からコスト上昇は避けられない。また
二軸延伸シートはその配向のため二次成形加工が困難で
あり、二次成形加工を伴う熱成形用には適さない。
【0003】二次成形を伴う熱成形用延伸シートは、成
形性を保持させるため延伸倍率を低く抑える必要があ
り、このため低倍率一軸延伸により製造される。しかし
ながら、低倍率一軸延伸は延伸班が発生し易いという解
決すべき課題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低倍
率で延伸した一軸延伸ポリエステルシートを製造する方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、延伸班
のない一軸延伸ポリエステルシートを製造する方法を提
供することにある。
【0005】本発明のさらに他の目的は、剛性が向上し
た低倍率の一軸延伸ポリエステルシートを製造する方法
を提供することにある。本発明のさらに他の目的および
利点は以下の説明から明らかとなろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、非晶ポリエステルシートを、
延伸送りローラーと延伸引取りローラーにニップローラ
ーを使用しそしてこれらのローラー間に該非晶ポリエス
テルシートのほぼ全巾に亘って延伸点を固定して低倍率
で一軸延伸する、ことを特徴とする一軸延伸ポリエステ
ルシートの製造方法によって達成される。
【0007】本発明の第二は、上記第一の発明におい
て、延伸引取りローラー直後のローラーにニップローラ
ーを用いることを特徴とするポリエステルシートの製造
方法である。
【0008】本発明の第三は、シート押出直後のキャス
トロール温度をガラス転移温度以下の出来るだけ高温域
で成形した結晶化度2〜10%のポリエステルシートを
延伸送りローラーと延伸引取りローラーにニップローラ
ーを使用して一軸延伸することを特徴とする上記ポリエ
ステルシートの製造方法である。
【0009】また本発明のポリエステル熱成形物は、上
記一軸低倍率延伸ポリエステルシートを熱成形して得ら
れることを特徴とする剛性に優れたポリエステル熱成形
物である。
【0010】本発明を更に詳しく説明すると、本発明に
おいてポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のホモポリマ
ーは勿論のこと、ジカルボン酸成分の80モル%以上、
好ましくは90モル%以上がテレフタル酸またはナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸であり、グリコール成分の
80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレン
グリコールである結晶性の熱可塑性ポリエステル樹脂が
有利に用いられる。
【0011】共重合成分としては、テレフタル酸を主た
る酸成分とする場合はナフタレン−2,6−ジカルボン
酸も、一方ナフタレン−2,6−ジカルボン酸を主たる
酸成分とする場合はテレフタル酸も含め、イソフタル
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、ヘキサヒドロジカルボン酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル
酸、アジピン酸、セバチン酸、p−β−ヒドロキシエト
キシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等の芳香族、脂環
族及び脂肪族の二官能カルボン酸等を挙げることができ
る。
【0012】また、グリコール成分としては、例えばジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカメチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4’−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、−ビス(4’−
β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等が挙げ
られる。
【0013】なお、本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲において少量の3官能以上の多
官能性化合物を共重合成分として用いることができる。
【0014】本発明のポリエステルの粘度は、好ましく
は1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=4
0/60混合溶媒で20℃で測定した極限粘度(IV)
が0.5ないし1.0以下、より好ましくは0.6以上0.
9以下の範囲である。
【0015】また本発明のポリエステルは、必要に応じ
て公知の染顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電
防止剤等を含有していてもよい。
【0016】延伸前のシートは実質的に非晶状態であ
り、結晶化度は通常2%以下である。また、シートの厚
さは特に限定しないが、有効部(両端耳部各5〜10cm
を除いた部分)で50〜1000μmであり好ましくは
100〜500μmである。延伸後のシート幅は特に限
定しない。延伸後両端耳部を各50〜100mmを除去し
た部分を実用として用いるのが好ましい。
【0017】本発明に用いるシート成膜方法はタッチロ
ール方式、静電印加方式、エアーナイフ方式等の公知の
方式でよい。押出機は単軸押出機、二軸押出機、タンデ
ム押出機等公知の方式でよく、ベントの有無は問わな
い。ベントの無い場合またはベントの真空度が30torr
より悪い場合は、予め原料を公知の乾燥方法例えば真空
加熱乾燥機やホッパードライヤーで乾燥し水分率を10
0ppm以下、望ましくは50ppm以下にする。水分率が高
いとシートのIV低下が激しかったり、フィッシュアイ
が発生し易いやすい。IVの値は通常0.5〜1.0、好
ましくは0.6〜0.9である。0.5より低下すると機
械的物性が極端に低下し、一方1.0を超えると賦型が
困難となる。一方ベントの真空度が30Torr以下(好ま
しくは10Torr以下)の場合は、原料樹脂は通常の環境
での飽和水分率3,000〜7,000ppmであれば特に
問題ない。また、樹脂の形状はペレット(チップ)、フ
ラフ、粉体状でも特に問題なく、成形品のリサイクルを
使用してもよい。
【0018】一軸延伸方法は一旦、成膜したシートロー
ル巻を一軸延伸装置にかけてもよく、成膜直後に一軸延
伸(インライン)してもよいが、熱エネルギー的にはイ
ンライン方式が望ましい。成膜一軸延伸されたポリエス
テルシートは熱収縮率が延伸方向に20%以上且つ延伸
と直角方向の熱収縮率が5%未満であり、シートの有効
部の厚み斑が±15%以下(好ましくは10%以下)で
あればよい。
【0019】比較的高い温度で延伸し、延伸配向性を得
る方法としては、押出成膜時に冷却ロール(キャストロ
ール)温度をガラス転移温度以下のできるだけ高温にし
実質的に透明で結晶化度2〜10%、好ましくは3〜6
%のシートに成膜する方法が挙げられる。
【0020】本発明の延伸方法としては、延伸送りロー
ラーと延伸引取りローラーにニップローラーを使用し、
かつ該延伸ローラー間にポリエステルシートの全巾に亘
って延伸点を固定して低倍率延伸する。好ましくは、更
に延伸引取りローラー直後のローラーにニップローラー
を用いる。より安定に均一延伸するためには、延伸送り
ローラーと延伸引取りローラーの間隔を300mm以下
(好ましくは100mm以下)のできるだけ短くする方
法、延伸送りローラーと延伸引取りローラーにニップロ
ーラーを使用した2段以上の一軸多段延伸を採用する方
法、および延伸部を赤外線ヒーターで補助加熱する方法
等が採用される。これらの方法を適宜組合せることがよ
り好ましい。
【0021】エチレンテレフタレート単位を主成分とす
るポリエステルの場合、延伸倍率が1.5倍未満では強
度・剛性の向上が小さく、一方2.5倍を超えるとシー
トの延伸方向と直交方向の熱収縮率も大きくなり熱成形
時に十分賦型出来ない。また延伸温度はガラス転移温度
(Tg)以上であればよい。適切な延伸温度は厚みやシ
ートの走行速度により異なるので特に上限を限定しにく
いが、あまり高すぎると延伸による剛性向上効果が少な
い。更に高いと膠着や白化の恐れがある。
【0022】延伸送りローラーと延伸引取りローラーの
間には非晶ポリエステルシートのほぼ全巾に亘って延伸
点を固定する。延伸点は、ポリエステルシートの走行方
法にほぼ直交して設けたガイドバー、エッジまたはロー
ラーにより固定するのが好ましい。かかるガイドバー、
エッジまたはローラーは延伸送りローラーと延伸引取り
ローラーとの間に1個又は複数個設けることができる。
また延伸引取りローラーの後にさらに別の延伸引取りロ
ーラーを設け、この両延伸引取りローラー間にもガイド
バーまたはエッジをさらに設けることができる。この場
合には、延伸送りローラーと延伸引取りローラー間のガ
イドバーまたはエッジでまず一段目を延伸し、次いで両
延伸引取りローラー間のガイドバーまたはエッジで二段
目の延伸を行うことができる。
【0023】ガイドバーおよびはエッジは適宜温度調節
ができる構造を有する。延伸倍率は、延伸を一段で行う
かあるいは二段以上の多段で行うかに関係なく、1.5
〜2.5倍とするのが好ましい。本発明の一軸延伸方法
はより具体的に例えば以下のようにして実施することが
できる。
【0024】一軸延伸方法は、例えば一旦、押出機にて
未延伸無配向シートを押出し成膜してロール巻きにす
る。押出されたシートの厚み斑は通常±10%以下、好
ましくは±5%以下である。本発明で用いる非晶ポリエ
ステルシートの場合、延伸前のシートの両端部のネック
ン対策として延伸前のシートの断面形状が両端より中央
部で2〜10%厚いもの、または両端部が中央部より少
なくとも1.3倍以上を有するものを使用する場合もあ
る。
【0025】その後延伸装置:繰り出し装置、温調ロー
ルを配し、シートを延伸温度まで加熱し、延伸送りロー
ラーと延伸引取りローラー間で一軸延伸をかけ、必要に
よりヒートセットさせる方法(オフライン)、または未
延伸無配向シート成膜直後に一軸延伸をかけ、必要によ
りヒートセットさせる方法(インライン)でもよい。ポ
リエステルの延伸は、成膜後の時間的な影響があり、ま
た熱エネルギー的にもインライン方式が望ましい。
【0026】均一延伸方法としては、例えば延伸送りロ
ーラーと延伸引取りローラー間に該ポリエステルシート
にほぼ直交して全巾に亘って適宜温調したガイドバーお
よび/またはエッジを単独または複数個組み合わせて延
を固定する方法を用いる。更にこの方法に、延伸送
りローラーと延伸引取りローラーにニップローラーを使
用し、延伸引取りローラー直後のローラーにニップロー
ラーを用いる方法、延伸送りローラーと延伸引取りロー
ラーの間隔が300mm以下、好ましくは100mm以下の
できるだけ短くする方法、延伸部を赤外線ヒーター等で
補助加熱する方法の2種以上を組み合わせる方法等が挙
げられる。これらの方法を用いるとより均一な延伸がで
きる。
【0027】一軸延伸されたシートの配向を維持するた
めに、延伸後にヒートセットロールを数本設けロール温
度を100℃以上、200℃以下にし、ヒートセット時
間が3分以内になるようにシートを通しヒートセットを
行ってもよい。またロール間でのシートのヒートセット
とは別に、熱成形した後に110℃以上、好ましくは1
30℃以上で結晶化度をコントロールして透明性を維持
させつつヒートセットを行うこともできる。
【0028】一軸延伸ポリエステルシートの延伸方向の
熱収縮は、延伸倍率を増しても熱収縮率が60%を越え
ず、逆に低下傾向を示すようになる。延伸方向の熱収縮
比は、下記式1
【0029】
【式1】
【0030】で表わされるがこの値が0.9以下になる
と熱成形時に賦型できない。本発明方法で得られた一軸
延伸ポリエステルシートは、式1で表わされる熱収縮比
が0.93〜0.98の間にあるのが好ましい。
【0031】本発明による一軸延伸されたシートは、好
ましくは厚み斑が±15%以下、より好ましくは±10
%以下である。ポリエステルの場合、未延伸部に比べ延
伸部の応力が高くなるため、未延伸部分から延伸され均
一延伸化される。また、実用上シートの厚み斑は±15
%以下であれば使用できるが、延伸点を固定することに
より、容易に一軸延伸の均一性が向上し厚み班が小さく
なる。
【0032】一軸延伸された該ポリエステルシートの熱
成形方法としては従来公知の方法でよく、熱板成形、真
空成形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。剛性
の評価法は、シートの場合には引張弾性率で行い、熱成
形品では曲げ強度、腰強度で評価した。
【0033】以下、測定方法を説明する。 (1)極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール=40
/60の混合溶媒に試料を溶かし、ウベロード粘度計を
用い20℃で測定した。
【0034】(2)熱収縮率 シート20cm×20cmを乾熱オーブン中に置き、130
℃×30分放置する。次いで、冷却した後、寸法を中央
部の10cm×10cmで測定する。l0:熱収縮前寸法、
l:熱収縮後寸法とすると、熱収縮率は下式で与えられ
る。
【0035】
【式2】
【0036】(3)結晶化度 密度勾配管を用いて測定した密度dから下式により算出
する。
【0037】
【式3】
【0038】但し、da:非晶状態の密度(例えばポリ
エチレンテレフタレートでは1.335g/ml)、dc
結晶状態の密度(例えばポリエチレンテレフタレートで
は1.455g/ml)
【0039】(4)引張弾性率 シートの剛性の評価として引張弾性率を用いる。 オリエンテック製:テンシロンRTA−100を用い、
JISの引張試験に準拠し測定する。但し、引張速度は
50mm/minとした。
【0040】(5)容器の曲げ強度、腰強度 容器の剛性の評価に曲げ強度(図2参照)と腰強度(図
3参照)を用いる。 島津製作所製:オートグラフAGS−500Sを使用す
る。但し、ヘッドスピードは50mm/minとした。
【0041】(6)容器の耐熱性 熱成形容器に熱湯を入れ、容器が変形する温度で評価し
た。
【0042】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】比較例1 三酸化アンチモンを重合触媒として、重合した極限粘度
(IV)0.85のポリエチレンテレフタレート(以下
PETと称する)のペレットを未乾燥のままベント付2
軸押出機でタッチロール方式により幅960mm、厚み8
00μmの実質的に未延伸無配向のシートを得た(キャ
ストロール温度55℃)。このシートをキーフェル社製
の熱成形機にて、タテ160mm、ヨコ130mm、深さ3
5mmの熱成形を行った結果、賦型は良好であった。得ら
れた結果を表1に示す。
【0044】実施例1 比較例1の未延伸無配向シートを、400φの80℃の
予熱ローラー4本により予めシートを予熱し、送りロー
ラーと引取りローラー間で400℃の赤外線ヒーターを
シート上部から照射し、シートの下側にガイドバーを設
け、延伸点を固定させ(延伸装置A法)、送りローラー
と引取りローラーの周速比が1:1.5の縦方向に1.5
倍に延伸し、冷却した。赤外線ヒーターはシート面から
約3cm上方にシートの走行方向に直交する方向にその長
軸が平行になるように固定された。また、ガイドバーは
シート面(投影面)上で赤外線ヒーターの測定位置の最
後部(シートの進行方向側)に設置された。
【0045】延伸点については、ロール間隔を100mm
にし、80℃のガイドバーに未延伸シートを長さを2m
m, 接触角90度で接触させることで固定させた。その
結果、偏光板による延伸斑は認められなかった。次いで
延伸シートをキーフェル社製の熱成形機にて、タテ16
0mm、ヨコ130mm、深さ35mmの熱成形を行った。熱
成形時の賦型は良好で、未延伸無配向シートの成形性
(比較例1)となんら変わりはなく、剛性のある容器が
得られた。得られた結果を表1に示す。
【0046】実施例2 延伸倍率を2倍にした以外は実施例1と同様にシートを
製造した。その結果、偏光板による延伸斑は認められ
ず、また熱成形性も良く、剛性のある容器が得られた。
得られた結果を表1に示す。
【0047】実施例3 延伸倍率を2.5倍にした以外は実施例1と同様にシー
トを製造した。その結果、偏光板による延伸斑は認めら
れず、また熱成形性も良く、剛性のある容器が得られ
た。得られた結果を表1に示す。
【0048】比較例2 延伸倍率を3倍にした以外は実施例1と同様にシートを
製造した。その結果、偏光板による延伸斑は認められな
かった。しかし、熱収縮比が0.32で熱成形性が悪
く、熱成形時に充分賦型出来ず、容器を得ることが出来
なかった。得られた結果を表1に示す。
【0049】比較例3 比較例1の未延伸無配向シートを、400φの80℃の
予熱ローラー4本により予めシートを予熱し、送りロー
ラーと引取りローラー間隔を100mmにし、400℃の
赤外線ヒーターをシート上部から照射し、ガイドバーを
設けることなく、送りローラーと引取りローラーの周速
比が1:2の縦方向に2倍に延伸し、冷却した。その結
果、偏光板による延伸斑が認められた。延伸シートをキ
ーフェル社製の熱成形機にて、タテ160mm、ヨコ13
0mm、深さ35mmの熱成形を行った。熱成形性はシート
の位置により異なり、賦型の良好なところと賦型できな
いところがあった。得られた結果を表1に示す。
【0050】実施例4 図1に示した延伸装置により延伸した。すなわち、三酸
化アンチモンを重合触媒として、重合した極限粘度(I
V)0.85のPET樹脂ペレットを未乾燥のままベン
ト付2軸押出機にて幅960mm、厚み600μmの実質
的に未延伸無配向シートを成膜し、そのままインライン
で400φの80℃の予熱ローラー4本によりシートを
予熱し、送りローラーと引取りローラー間でシートの下
側にエッジを設け、延伸点を固定させ(延伸装置B法、
図1参照)、送りローラーと引取りローラーの周速比が
1:1.5の縦方向に1.5倍に延伸し、冷却した。
【0051】赤外線ヒーターは実施例1の場合と同じ位
置に同様に固定された。また、エッジは、実施例1と同
様に設置された。延伸点については、ロール間隔を80
mmにし90℃のエッジに未延伸シートを長さを2mm、接
触角90度で接触させることで固定させた。その結果、
偏光板による延伸斑は認められなかった。延伸シートを
実施例1と同じ熱成形機を用いて成形し、熱成形時の賦
型は良好で、剛性のある容器が得られた。得られた結果
を表1に示す。
【0052】実施例5 二酸化ゲルマニウムを重合触媒として、重合した極限粘
度(IV)0.85のPET樹脂ペレットを未乾燥のま
まベント付2軸押出機にて幅960mm、厚み600μm
の実質的に未延伸無配向シートを成膜し、そのままイン
ラインで400φの80℃の予熱ローラー2本によりシ
ートを予熱し、送りローラーと引取りローラー間でまず
シートの上側にエッジを次いで20mm間隔でシートの下
側にエッジを設け、延伸点を固定させ(延伸装置C
法)、送りローラーと引取りローラーの周速比が1:
2.5の縦方向に2.5倍に延伸し、冷却した。延伸点に
ついては、ローラー間隔を150mmにし90℃のエッジ
に未延伸シートを長さを1mm、接触角90度で接触させ
ることで固定させた。その結果、延伸斑は認められなか
った。延伸シートを実施例1と同じ熱成形機を用いて成
形し、熱成形時の賦型は良好で、剛性のある容器が得ら
れた。得られた結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】実施例6および7 延伸引取りローラーと直後のニップローラーの間に40
0φの加熱ローラーを3本設けて一軸延伸した後110
℃と150℃でヒートセットを施こす以外、実施例4と
同様にして延伸シートを製造し、次いで熱成形して容器
を得た。表2から判るように耐熱性の向上した延伸シー
トであり、容器も剛性と耐熱性の向上したものであっ
た。
【0055】
【表2】
【0056】実施例8および9 実施例2で用いた延伸前の無延伸無配向シートの断面形
状は、平均厚み500μmのフラットである。実施例9
では平均厚み500μmで中央部520μm、両端部4
90μm(約6%中央部がなだらかに凸)の断面形状を
もったものを原反シートに用いた(実施例9)。実施例
10では中央部平均厚みが500μmで両端耳部が70
0μm(両端耳部が中央部の1.40倍)の断面形状を
もった原反シートを用い、各々実施例2と同様2倍に一
軸延伸した。これ等の一軸延伸シートの厚み斑は、何れ
も実施例2に比較し一層改善された。この結果を表3に
示す。
【0057】
【表3】
【0058】実施例10および11 キャストロールの温度を68℃、72℃に変更する以
外、直接インラインで実施例4と同様に一軸延伸した。
次いで、これ等を熱成形し評価した。その結果を表4に
示す。実施例10、11では実施例2に比較し剛性の向
上効果が見られた。なお、実施例2のペット樹脂のガラ
ス転移温度は74〜76℃である。
【0059】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートを製造する際に使用した延伸装
置の概略説明図である。
【図2】本発明のシートから製造した容器の曲げ強度を
測定する方法を示した概略図である。
【図3】本発明のシートから製造した容器の腰強度を測
定する方法を示す概略図である。
【符号の説明】 1 二軸押出機、2 シート金型、3 キャストロー
ル、4、5 ガイドローラー、6、6’、17、17'
ニップローラー、7、8、9、10 予熱ローラー、
11、11’ 延伸送りローラー(ニップローラー)、
12、12’ 延伸引取りローラー(ニップローラ
ー)、13、13’ 冷却ローラー(ニップローラ
ー)、14 赤外線ヒーター、15、16 冷却ローラ
ー、18 捲取、19 延伸(エッジ)。
フロントページの続き (72)発明者 高井 俊之 埼玉県鴻巣市赤見台3−23−2 (72)発明者 鈴木 正広 埼玉県鴻巣市宮地3−6−31 (56)参考文献 特開 平3−234613(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 55/02 - 55/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶ポリエステルシートを、延伸送りロ
    ーラーと延伸引取りローラーにニップローラーを使用し
    そしてこれらのローラー間に該非晶ポリエステルシート
    のほぼ全巾に亘って延伸点を固定して低倍率で一軸延伸
    する、ことを特徴とする一軸延伸ポリエステルシートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 非晶ポリエステルシートを1.5〜2.5
    倍で一軸延伸する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、延伸引取りローラー
    直後のローラーにニップローラーを用いることを特徴と
    するポリエステルシートの製造方法。
  4. 【請求項4】 延伸送りローラーと延伸引取りローラー
    の間隔が300mm以下である請求項1に記載のポリエス
    テルシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 シートとして両端部の厚みより中央部の
    厚みが2〜10%厚い断面形状の原反シートを用いる請
    求項1に記載のポリエステルシートの製造方法。
  6. 【請求項6】 両端部の厚みが中央部の厚みより少なく
    とも1.3倍以上である断面形状を有する原反シートを
    用いる請求項1に記載のポリエステルシートの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 シート押出直後のキャストロール温度を
    ガラス転移温度以下の出来るだけ高温域で成形した結晶
    化度2〜10%のポリエステルシートを延伸送りローラ
    ーと延伸引取りローラーにニップローラーを使用して一
    軸延伸することを特徴とする請求項1に記載のポリエス
    テルシートの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の一軸低倍率延伸ポリエ
    ステルシートを熱成形して得られる剛性に優れたポリエ
    ステル熱成形物。
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