JPH0641533B2 - ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルム - Google Patents

ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルム

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JPH0641533B2
JPH0641533B2 JP2148940A JP14894090A JPH0641533B2 JP H0641533 B2 JPH0641533 B2 JP H0641533B2 JP 2148940 A JP2148940 A JP 2148940A JP 14894090 A JP14894090 A JP 14894090A JP H0641533 B2 JPH0641533 B2 JP H0641533B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた機械的特性、走行性、耐摩耗性及び平面
性を有する二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トフィルムに関する。
更に詳しくは、均一な表面を有しテープ走行性に優れ、
摩耗粉の発生が少なく、特に高密度の磁気記録途に適し
た二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ムに関するものである。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
ポリエステルフィルムはその物理的、化学的特性に優れ
ていることから産業用基材として広く用いられている。
ところで近年、電気及び電子機器の小型化、軽量化、高
性能化が切望されるようになり、それに伴い使用されて
いるフィルムに対しても要求特性がより厳しいものとな
って来ている。かかる状況下、ポリエステルフィルムの
中でも特にポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ムが機械的強度や耐熱性に優れることから注目され実用
化されつつあり、該フィルムの中でも特に機械的強度に
優れ、均一微細な表面構造を有し、走行性及び耐摩耗性
に優れたフィルムが望まれている。
かかるフィルムは、電気絶縁材料やコンデンサー誘導体
用として賞用される他、特に磁気記録用ベースフィルム
として利用価値が高い。例えば、磁気記録媒体の小型
化、長時間化に伴ないベースフィルムの薄膜化、ひいて
は高強度化が望まれている。
ところでポリエチレン−2,6−ナフタレートの二軸配
向フィルムもポリエチレンテレフタレートのそれと同
様、縦延伸はロール間の周速差を利用して行なわれる
が、この場合、往々にしてフィルム表面が摩耗してしま
うし、また製品フィルムと基材、例えばガイドピンとの
摩擦、摩耗によっても摩耗粉が生成してしまう。
従来、ポリエステルフィルムの走行性及び耐摩耗性を改
良する手段として、フィルム中に不活性な微粒子を存在
させフィルム表面を適度に粗らす方法が知られており、
ある程度その改良が為されているが、必ずしも充分な結
果は得られていない。
例えば微粒子としてポリエステル製造時の触媒残渣等か
らのいわゆる析出粒子を用いた場合は、延伸により該微
粒子が破壊され易いため走行性や耐摩耗性が劣り、また
再生使用も困難である。
また、カオリン,酸化ケイ素、二酸化チタン,リン酸カ
ルシウム等のポリエステルに不活性な無機化合物粒子を
添加した場合は、延伸により該粒子が破壊、変形される
ことはなく、比較的急峻な突起を与えるため走行性は改
良されるが、通常その粒度分布が広いためしばし粗大突
起に基因する電磁変換特性の悪化、ドロップアウトの多
発が認められるようになる。
この二律背反の減少を克服するため、近年シャープな粒
度分布を有する無機または有機の粒子を用いることが提
案されている。例えば特開昭62−207356号公
報、特開昭59−217755号公報にはそれぞれ単分
散性の酸化ケイ素、乳化重合法による架橋有機粒子が示
されている。しかしながらこの場合も酸化ケイ素粒子の
場合はその硬度が高いためフィルムが接触する基材を傷
つけ易いしまた架橋有機粒子の場合は延伸により粒子が
変形し易い点や耐熱性において難がある。
このようにこれまで走行性及び耐摩耗性を高度に満足
し、且つ必要な他の諸特性例えば平面性、表面の均一性
を兼ね備えたポリエステルフィルムは得られていないの
が実情である。
特にフィルムの走行速度や張力の点においてしばしば厳
しい条件下で使用されるポリエチレン−2,6−ナフタ
レートフィルム、就中機械的強度の大きい該フィルムに
関してはこれらの特性が不充分でその改良が特に望まれ
ていた。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者は上記課題に鑑み、鋭意検討を行なった結果、
ある特定の炭酸カルシウム粒子を含有しその溶融時の比
抵抗がある特定範囲にあるフィルムが、かかる目的を達
成し得ることを知見し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、平均粒径が0.07〜1.5μmで、
下記式に定義する粒度分布値が1.60以下であるバテライ
ト型炭酸カルシウム粒子を0.005〜2.0重量%含有し、縦
方向と横方向のF−5値の和が25kg/mm2以上、溶融時
の比抵抗が1×107〜5×108Ω−cmであることを特
徴とする二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレート
フィルムに存する。
(式中、d25,d75は粒子群の積算体積を大粒子側から
計測し、それぞれ総体積の25%,75%に相当する粒
径(μm)を示す。) 以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明におけるポリエチレン−2,6−ナフタレートと
は、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのアル
キルエステルを主たる酸成分とし、エチレングリコール
を主たるグリコール成分としてエステル化反応あるいは
エステル交換反応を行なった後、重縮合反応を行なうこ
とにより得られるポリエステルを指すが、その一部を他
の成分で置き換えてもよい。例えば酸成分の一部をナフ
タレン−2,7−ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、p−ヒド
ロキシ安息香酸もしくはその低級アルキルエステルで置
き換えてもよいし、またグリコール成分の一部をトリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサ
メレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等で置換してもよい。いず
れにしても本発明でいうポリエチレン−2,6−ナフタ
レートとは80モル%以上、好ましくは90モル%以上
がエチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエス
テルを指す。
また本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィ
ルムは、かかるポリエステルを出発原料とする二軸に配
向されたフィルムを指すが、とりわけ縦及び横方向に高
強度な本発明のフィルムを得るためには、次のような方
法が好ましく採用される。
即ち、通常280〜320℃でポリエステルを押出機よ
りシート状に押出し、90℃以下に急冷して実質的に無
定形のシートとし、縦横に逐時二軸延伸あるいは同時二
軸延伸する。この場合、縦、横の延伸倍率を高倍率、例
えば各々3.5倍以上とすることによって達成することも
できるが、比較的低倍率で縦、横延伸した後、更に11
0〜180℃の温度で各々の方向に再度延伸を行なって
もよい。
この場合各々の延伸を多段で行なってもよいし、途中で
熱処理等を加えてもよい。いずれにしても本発明のフィ
ルムには、熱収縮率を小さく保つため180℃以上26
0℃以下の温度範囲で0.1〜10秒間、熱処理を施すこ
とが好ましい。
本発明においてはこのようにして得られたフィルムの縦
方向と横方向のF−5値の和が25kg/mm2以上であるこ
とが必要であり、好ましくは30kg/mm2以上、更に好ま
しくは35kg/mm2以上である。この値が25kg/mm2未満
では外力に対する寸法安定性が悪く、特に精密さが要求
される磁気記録媒体用としては不適切なものとなる。な
お本発明においては、縦方向と横方向のF−5値の和が
かかる範囲にあっても、特に縦方向のF−5値が13kg
/mm2以上、且つ横方向のF−5値が12kg/mm2以上であ
ることが望ましい。
本発明においては、かかるポリエステルフィルムにある
特定の粒子を配合することにより、走行性、耐摩耗性に
優れた、特に磁気記録媒体として用いるに適したフィル
ムを得るが、そのためにはある特定のバテライト型炭酸
カルシウム粒子を用いる必要がある。
炭酸カルシウム粒子の製法としては天然の炭酸カルシウ
ムを粉砕、分散する方法の他、例えば特開昭59−69
425号公報に示されているように水酸化カルシウムの
液に二酸化炭素含有ガスを反応せしめるいわゆる合成法
による沈降性炭酸カルシウムが知られている。この場合
比較的粒径の揃ったカルサイト型炭酸カルシウム粒子が
得られ、これを例えば特公平1−16856号公報に示
されているようにポリエステルフィルムに配合すること
も知られているが、該粒子はなお所望の粒度分布には達
し得ない。
本発明者らはかかる合成法において系の水素イオン濃度
や反応速度を始めとする製造条件を選定することにより
粒度分布の極めて鋭いバテライト型の炭酸カルシウムを
製造し得ることを知見した。
この代表的な例として、丸尾カルシウム(株)製VAN
銘柄を挙げることができる。該バテライト型炭酸カルシ
ウムはそのままポリエステル製造工程に添加することも
できるが、反応系への溶解度を減少させまた分散性を向
上させるため表面処理を施しておくことが好ましい。こ
の分散剤を兼ねる表面処理剤としては例えば特開昭59
−69426号公報あるいは特開平1−256558号
公報に記載してあるような表面処理剤、特に高分子ポリ
カルボン酸あるいはそれらのナトリウム塩、アンモニウ
ム塩等が好ましく用いられる。これらは通常該粒子の製
造段階の途中で加えると効果的である。
かかるバテライト型炭酸カルシウムは球状あるいは楕円
球状として得られその長径と短径との比は通常1.8程度
以下である。本発明においてはその粒度分布値は1.60以
下、好ましくは1.50以下、更に好ましくは1.40以下でな
ければならない。この値が1.60を越えると最終的に得ら
れるフィルムの表面粗度が不均一となり、電磁気特性を
損ねてしまう。
また本発明で用いる該粒子の平均粒径は0.07〜1.5μm
好ましくは0.15〜1.0μmでなければならない。この値
が0.07μm未満では走行性や耐摩耗性がほとんど改良さ
れないし、一方1.5μmを越えるようになると粗度は均
一ではあるものの絶対値が大きくなり過ぎ電磁気特性が
悪化する。
またそのフィルムへの配合量は0.005〜2.0重量%、好ま
しくは0.01〜0.8重量%の範囲から選択される。配合量
が0.005重量%未満では走行性や耐摩耗性が向上しない
し、逆に20重量%を越えると電磁気特性が低化してし
まう。
このように本発明においてはある特定の炭酸カルシウム
粒子を用いることにより磁気記録媒体用ベースフィルム
として必要は諸特性を改良するが、この効果はフィルム
の溶融時の比抵抗が1×107〜5×108Ω−cmである
とき平面性の改良が高度に達成でき特に優れたものとな
る。
即ち、本発明者らの知見によれば、従来知られている二
軸配向ポリエチレンナフタレートフィルムの長期的なう
ねり、即ち平面性は必ずしも充分ではなく、特に精密さ
が要求される磁気記録媒体の基材としては実用上不適切
なものであった。二軸延伸フィルムの平面性の良否は無
定形シートの均一性如何によるところが大きく、特にフ
ィルムの厚みが薄くなるほど例えば30μ以下の場合に
この事が顕著にあらわれる。
この平面性を改良するためには溶融ポリマーから無定形
シートを得るに際し、該シートに静電荷を与え該シート
を静電的に回転冷却ドラムに強く押しつける方法、即ち
静電印加冷却法が有効であり、かかる炭酸カルシウム粒
子を含むフィルムを製造するに際し、その溶融時の比抵
抗を1×107〜5×108Ω−cm、好ましくは1×10
7〜1×108Ω−cmとするのが良いことを知見した。
なお、溶融時の比抵抗を所望の値に調節するためには次
のような方法を採用すれば良い。
即ち、比抵抗を減ずるためにはポリエステルに金属成分
を可溶化せしめれば良く、このためには例えばエステル
交換反応触媒として用いられた金属元素あるいは必要に
応じエステル交換反応又はエステル化反応後に添加した
金属元素に対し比較的少量例えば当量以下のリン化合物
を添加する手段が好ましく採用される。
一方、比抵抗を高めるためにはポリエステルに溶存する
金属化合物の量を減じるようにする。
本発明においてはエステル交換反応法、エステル化反応
法のいずれをも採用し得るが、好ましくは前者であり具
体的には例えばマグネシウム触媒、マンガン触媒、カル
シウム触媒等を用い0.3〜1.0倍当量程度のリン化合物の
存在下該粒子を含むポリエステルの重合度を高める。
このように、本発明の方法により機械的特性、走行性、
耐摩耗性及び平面性に優れたポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムを得ることができるが、本発明の趣
旨を損なわない範囲で更にフィルム特性を改良する目的
等のために他の粒子を1種以上併用しても良い。
併用する粒子としてはポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートの場合いわゆる析出粒子は通常得難いので、添加粒
子を用いることが望ましい。この添加粒子とはポリエス
テル製造工程に外部から添加する粒子を指すが、具体的
にはカオリン、タルク、カーボン、硫化モリブデン、石
膏、岩塩、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、フッ化リ
チウム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシ
ウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン等を挙げることがで
きる。
なお、かかる添加粒子の例として耐熱性の高分子微粉体
を挙げることもできる。この場合の典型的な例として
は、例えば特公昭59−5216号公報に記載されてい
るような、分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有す
るモノビニル化合物と架橋剤として分子中に二個以上の
脂肪族の不飽和結合を有する化合物との共重合体を例示
することができるが、勿論これらに限定される訳ではな
く、例えば熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ
樹脂、熱硬化性尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂あるい
はポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂の
微粉体を用いることもできる。
なお当然の事ながら本発明のバテライト型炭酸カルシウ
ム粒子と組合せることが可能な粒子として、天然の炭酸
カルシウムや合成法によるカルサイト型炭酸カルシウム
を挙げることができる。
なお本発明においては併用する粒子はその平均粒径が本
発明のバテライト型炭酸カルシウムのそれよれ大きい場
合は該炭酸カルシウムと同重量以下、好ましくは0.005
〜0.5倍重量、より好ましくは0.01〜0.3倍重量の範囲か
ら選択すると良い。また逆に併用する粒子の粒径の方が
小さい場合は該炭酸カルシウムと同重量以上、例えば1
〜20倍重量とすることもできる。
なお、本発明においては平均粒径の異なるかかるバテラ
イト型粒子を2種以上用いても良い。
ところで近年磁気記録用ベースフイルムには平坦性、易
滑性、耐摩耗性更には接着性に加え新たに耐擦傷性がし
ばしば要求されるようになった。これは例えばテープが
高速で走行する際、テープが接触する部分から傷つけら
れたり、発生した摩耗粉によりフイルムに傷が入り易く
なったりするためである。傷付きが多いと外観上好まし
くないということもさることながら、工程の汚染やドロ
ップアウトの増加を引き起こすようになる。
この耐擦傷性を高度に改良するためには併用する粒子と
して特に酸化アルミニウムを選択することが好ましい。
就中、平均粒径0.5μm以下好ましくは0.1μm以下のデ
ルタ型もしくはガンマ型の酸化アルミニウム粒子、特に
デルタ型のそれが好ましく用いられる。これらの粒子の
製造法としては例えば熱分解法即ち無水塩化アルミニウ
ムを原料とて火焔加水分解させる方法、あるいはアンモ
ニウム明ばん熱分解法即ち水酸化アルミニウムを出発原
料とし硫酸と反応させて硫酸アルミとしたのち硫酸アン
モニウムと反応させアンモニウム明ばんとして焼成する
方法等を挙げることができる。
これらの方法により得られる酸化アルミニウムの一次粒
径は通常5〜40nmの範囲にあるが、しばしば0.5μ
mを越える凝集体を形成しているので、適度に解砕して
使用することが望ましい。この場合多少凝集した二次粒
子となっていても良いが、見かけ上の平均粒径は.5μm
以下、好ましくは0.1μm以下とするのが良い。
このように本発明においてはバテライト型炭酸カルシウ
ムと必要に応じ微細な酸化アルミニウム粒子を始めとす
る他の粒子を用いることにより極めて優れた特に磁気記
録媒体用に適したポリエチレン−2,6−ナフタレート
フィルムを得ることを可能ならしめた。
ところで本発明のバテライト型炭酸カルシウム粒子を含
むポリエステルの製造に際しては該粒子は、ポリエステ
ルの合成反応中に添加するのが好ましい。特に、エステ
ル交換反応又はエステル化反応終了後、重縮合反応開始
前に添加するのが好適である。
なお、該粒子は、通常、エチレングリコール等の溶媒中
に粒子濃度3〜50重量%のスラリーとして添加する。
スラリーの粒子濃度が3重量%未満では、エチレングリ
コールの使用量が増し、エチレングリコールの原単位が
大きくなり好ましくない。また、粒子濃度が50重量%
を超えたスラリーを添加すると、粒子の分散性が往々に
して悪化する。
なお、ポリエステル合成の重縮合反応触媒としては、S
b、Ge、Ti、Sn、Si化合物等の通常用いられて
いる触媒が使用される。
特に磁気記録媒体用として好適な本発明のフイルムは特
定の粒子と特定のフイルム物性との組合せにより初めて
得られるものであるが、そのフイルム表面粗度は中心線
平均粗さで通常0.005〜0.1μm、好ましくは0.007〜0.0
8μm、より好ましくは0.01〜0.03μmの範囲から選択
される。
本発明のフイルムはビデオテープ用のベースフィルムと
して賞用される他、オーディオ用のそれとして用いた場
合にも特に効果を発揮し得る。
もちろん必要に応じコンデンサーの誘電体用、包装用、
装飾用、製版用その他の用途に用いることも可能であ
る。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発
明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。
尚、本発明の諸物性の測定は以下の方法によって行なっ
た。
実施例中、「部」及び「%」とあるのは各々「重量部」
及び「重量%」を意味する。
(1)平均粒径及び粒度分布値 粒径は電子顕微鏡による写真法で測定し等価球に換算し
た。粒度分布は約1000個の粒子の粒径を測定し、大
粒子側から体積を積算した。総体積に対し、25%時の
粒径をd25とし、75%時の粒径をd75としてその比
〔d25/d75〕の値で粒度分布のシャープさを示した。
この値が1に近いほどシャープである。なお平均粒径は
50(μm)で表わされる。
(2)F−5 5%伸長時の応力、kg/mm2で表わし、測定はインストロ
ン引張試験機を用いて行った。
二軸延伸フィルムからフィルムの縦方向の長さ150m
m、横方向の長さ6.25mmのサンプル片を5枚切り出し、
引張速度50mm/mmつかみ間隔及び標点間隔50mmにて
引張試験を行った。
得られたS−S曲線から5%伸長時の荷重を読み取り次
式に従ってF−5値を算出し5点の平均値を求めた。
(3)溶融時の比抵抗 ブリテイツシジアーナルオブアブライドフイジックス
(Brit.J.Appl.Phya)第17巻、第1
149〜1154頁(1966年)に記載してある方
法。但しこの場合ポリマーの溶融温度は295℃とし直
流1,000Vを印加した直後の値を溶融時の比抵抗と
する。
(4)フィルムの滑り性 第1図の装置により、固定した硬質クロムメッキ金属ロ
ール(直径6mm)にフィルムを巻き付け角135°
(θ)で接触させ、53g(T2)の荷重を一端にかけ
て、1m/分の速度でこれを走行させ、他端の抵抗力
(T1(g))を測定し、次式により走行中の摩擦係数
(μd)を求めた。
(5)フィルム表面粗度 中心線平均粗さ(Ra); (株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。即ち、フィルム断面曲線
からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を
抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の
方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表わしたと
き、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わす。中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表わした。尚、触針の先端半径は
2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとし
た。
最大高さ(Rt); (株)小坂研究所製 表面粗さ測定機(SE−3F)に
よって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ
抜き取った部分(以下、抜き取り部分という。)の平均
線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直
線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値を
マイクロメートル(μm)単位で表わしたものを抜き取
り部分の最大高さとした。最大高さは、試料フィルム表
面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から
求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表わした。
尚、この時使用した触針の半径は、2.0μm荷重30mg
でカットオフ値は、0.08mmである。なおRt/Raが小
さいほどそのフィルムの表面粒度は均一である。
(6)耐摩耗性の評価 第2図に示すテープ摩耗評価機を用い、幅10mmのポリ
エステルフィルムを200m長さにわたって走行させ図
中(I)で示した固定ピン(直径6mm、材質SUS42
0−J2、仕上げ0.2S)に付着した摩耗粉の量を目視
評価し4ランクに分けた。なお、フィルムの走行速度は
11.4m/分とし張力を(V)で示したテンションピック
アップで検出し、初期張力を300g、フィルムとの巻
き付け角θを135°とした。
ランクA:付着が全く認められない。
ランクB:付着が極く僅か認められるが実用上は問題な
い。
ランクC:付着量がやや多く長時間使用すると問題とな
りうる。
ランクD:付着量が多く実用上使用し難い。
(7)磁気テープ特性 まず、次に示す磁性塗料をポリエステルフィルムに塗布
し、乾燥後の膜厚が2μmとなるように磁性層を形成し
た。即ち磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30
部、ニトロセルロース10部、塩酢ビ共重合体10部、
レシチン5部、シクロヘキサノン100部、メチルイソ
ブチルケトン100部及びメチルエチルケトン300部
をボールミルにて48時間混合分散後ポリイソシアネー
ト化合物5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエステ
ルフィルムに塗布した後、塗料が充分乾燥固化する前に
磁気配向させ、その後乾燥した。更に、この塗布フィル
ムをスーパーカレンダーにて表面処理し、1/2インチ幅
にスリットしてビデオテープとした。このビデオテープ
を松下電器(株)製NV−3700型ビデオデッキによ
り、常速にて下記の磁気テープ特性を評価した。
VTRヘッド出力; シンクロスコープにより測定周波数4メガヘルツに於け
るVTRヘッド出力を測定し基準サンプルに対する相対
値をデシベル(dB)で表示した。
ドロップアウト数; 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)製ドロップアウトカウン
ターにて15μsec−20dBにおけるドロップアウト
数を約20分間測定し、1分間当りのドロップアウト数
(個/分)に換算した。
(8)耐擦り傷性 幅1/2インチにスリットした磁気テープを硬質クロムメ
ッキ金属ピン(直径mm、仕上げ3S)に張力50g、巻
き付け角135°、走行速度3m/秒で磁気テープのベ
ースフィルム面を1回擦過させる。
次に擦過面にアルミニウムを約1000Å真空蒸着し、
傷の量を目視判定し以下の5ランクに分けた。
ランク1:傷の量が極めて多い。
ランク2:傷の量が多い。
ランク3:傷の量が2、4の中間。
ランク4:傷の量が少ない。
ランク5:傷が付かない。
(9)フィルムの平面性 フィルムの縦方向1000m毎の10ケ所の各各につい
て、横方向10cm毎に10点、合計100点のフィルム
厚みを測定する。
フィルム厚みの測定は安立電子製マイクロメーターを用
いて行ない、該当する箇所の周辺のフィルムを10枚重
ねて測定し1枚当りに換算する。
すべての測定値のうち、最大値をXmax、最小値をX
min、相加平均値をXとするとき をフィルムの厚みむらとするが、この値は小さいほど好
ましい。
実施例1 ジメチル−2,6−ナフタレート100部とエチレング
リコール60部及び酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を
反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留出
し、エステル交換反応を行ない、反応開始から4時間を
要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を
終了した。
次いで平均粒径0.25μm、粒度分布値1.29の高分子ポリ
カルボン酸で表面処理を施したバテライト型炭酸カルシ
ウム(丸尾カルシウム(株)製VAN−030)0.5部
をエチレングリコールスラリーとして添加し、更にリン
酸0.03部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重
縮合反応を行ない、固有粘度0.60aポリエチレン−2,
6−ナフタレートを得た。
次いで得られたポリマーを0.3mmHg235℃で7時間固
相重合し、固有粘度0.68のポリマーを得、295℃で押
出機よりシート状に押し出し静電印加冷却法を用いて暑
さ110μmの無定形シートを得た。次いで回転ロール
の周速差を利用して縦方向に3.9倍、更にテンターで横
方向に3.7倍延伸し、220℃で5秒間、熱処理を行な
い、厚み8μmの二軸配向フィルムを得た。
次いで得られたフィルムに磁性層を塗布し、磁気テープ
を製造した。
実施例2,3及び比較例1〜4 表1に示すようにフィルム中に含有せしめる粒子及びフ
ィルム特性を変える他は実施例1と同様にして二軸延伸
フィルムを得、更に磁気テープを製造した。
なお比較例4のフィルムは腰が弱く巻取り、巻出し時に
貼りつきが生じ易く不適切なフィルムであったので評価
に値しなかった。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例のフィルムは全て走行性、
耐摩耗性に優れ、とりわけ微細な酸化アルミニウムを併
用した実施例3のフィルムは特に耐擦傷にも優れ磁気記
録媒体用のベースフィルムとして適していることが解
る。比較例1,2は本発明の範囲外の粒子を用いた場合
の例であるが、フィルム表面が不均一で磁気テープ特性
が悪化する。
〔発明の効果〕
本発明のフィルムは特に走行性及び耐摩耗性が要求され
る高密度記録用の高強度フィルムにおいて特定の炭酸カ
ルシウム粒子を配合することによりこれらを高度に改良
せしめたものであり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図はフィルムの走行性を評価する装置の走行系の概
略図である。図中(I)は6mm、SUS−420−J
2固定ピン、(II)は入口テンションメーター、(II
I)は出口テンションメーターを示し、巻き付け角
(θ)は135°である。第2図は、フィルムの耐摩耗
性を評価する装置の走行系の概略図である。図中、(I
V)は6mm、SUS−420−J2固定ピン、(V)
はテンションメーターを示し、巻き付け角(θ)は13
5°である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.07〜1.5μmで、下記式に定
    義する粒度分布値が1.60以下であるバテライト型炭酸カ
    ルシウム粒子を0.005〜2.0重量%含有し、縦方向と横方
    向のF−5値の和が25kg/mm2以上、溶融時の比抵抗が
    1×107〜5×108Ω−cmであることを特徴とする二
    軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム。 (式中、d25,d75は粒子群の積算体積を大粒子側から
    計測し、それぞれ総体積の25%,75%に相当する粒
    径(μm)を示す)
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