JPH0480979B2 - - Google Patents
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- JPH0480979B2 JPH0480979B2 JP60165290A JP16529085A JPH0480979B2 JP H0480979 B2 JPH0480979 B2 JP H0480979B2 JP 60165290 A JP60165290 A JP 60165290A JP 16529085 A JP16529085 A JP 16529085A JP H0480979 B2 JPH0480979 B2 JP H0480979B2
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Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は自動車用のボデイシートやエアクリ
ーナ、オイルタンクなどの如く、高強度と優れた
成形加工性(特に曲げ性および張出性)が要求さ
れる成形加工品に使用されるアルミニウム合金圧
延板およびその製造方法に関し、特に圧延後の熱
処理のままで成形加工の用途に供されしかも成形
加工時にリユーダースマークの発生のない高強度
成形加工用アルミニウム合金圧延板およびその製
造方法に関するものであつて、基本的には、JIS
5000番系で知られるA−Mg系合金をベースと
したアルミニウム合金圧延板とその製造方法に関
するものである。 従来の技術 従来一般に自動車用ボデイシート等の成形加工
用の自動車用板材としては冷延鋼板が多用されて
いたが、最近では自動車を軽量化してその燃費を
改善するため、従来の冷延鋼板に変えてアルミニ
ウム合金圧延板を使用する要望が強まつている。 このような用途に供されるアルミニウム合金圧
延板としては、従来はA−Mg系の5052合金O
材や5182合金O材、あるいはA−Cu系の2036
合金T4処理材、さらにはA−Mg−Si系の6009
合金T4処理材、6010合金T4処理材等が適用され
ている。 発明が解決すべき問題点 前述の5052合金O材や5182合金O材は、自動車
用ボデイシート材等としては強度が不十分であ
り、また成形加工時にリユーダースマークが発生
して外観不良が生じる問題がある。また2036合金
T4処理材では成形性が劣り、さらに6009合金T4
処理材では強度が不十分であり、また6010合金
T4処理材では成形性が劣る問題がある。 したがつて従来は、自動車用ボデイシートに適
した充分な強度を有すると同時に成形性が優れか
つ成形加工時にリユーダースマークの発生のない
アルミニウム合金圧延板は実質的に存在せず、そ
のため自動車用ボデイシート等について冷延鋼板
に代えて軽量なアルミニウム合金を使用すること
がためらわれていたのである。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、5052合金O材や5182合金O材なみの優れた成
形性、特に優れた曲げ性と張出性を有すると同時
に、冷延鋼板なみの強度を有し、かつ成形加工時
におけるリユーダースマークの発生のない成形加
工用熱処理型アルミニウム合金圧延板およびその
製造方法を、A−Mg系をベースとした合金系
で実現することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 第1発明は、リユーダースマークの発生のな
い、強度および成形性に優れた成形加工用熱処理
型アルミニウム合金圧延板を提供するものであつ
て、A−Mg系合金をベースとし、これに少量
のCuを積極的に添加して、従来のA−Mg系合
金では行なわれていなかつたT4処理、すなわち
溶体化処理−急冷−常温時効によつて析出硬化が
図られるようにし、併せてMn,Zrの1種または
2種を適量添加したものである。具体的には、第
1発明のアルミニウム合金圧延板は、Mg1.5〜
5.5%(重量%、以下同じ)、Cu0.18〜1.5%を含
有し、かつMn0.05〜0.6%およびZr0.05〜0.3%の
うちの1種または2種を含有し、さらに不純物と
してのFeおよびSiをFe0.05〜0.4%、Si0.05〜0.4
%の範囲内とし、残部がAおよびその他の不可
避的不純物よりなることを特徴とするものであ
る。 また第2発明は、リユーダースマークの発生の
ない、強度および成形性に優れた成形加工用熱処
理型アルミニウム合金圧延板を製造する方法を提
供するものであつて、具体的には、前記同様の成
分のアルミニウム合金鋳塊を、450〜560℃の温度
で均質化処理した後、所要の板厚まで圧延し、次
いで460〜560℃の範囲内の温度で溶体化処理を行
なつて1000℃/min以上の冷却速度で急速冷却す
ることを特徴とするものである。 作 用 先ずこの発明における合金成分限定理由につい
て説明する。 Mg: Mgはこの発明の系のアルミニウム合金におい
て基本となる合金成分であつて、強度および成形
性とりわけ伸びと張出性を向上させるに寄与す
る。Mgが1.5%未満では強度および成形性が不十
分となつて自動車用ボデイシート等として不適当
となり、一方5.5%を超えれば伸びが低下すると
ともに圧延性が劣化するから、1.5%〜5.5%の範
囲内に限定した。 Cu: Cuはこの発明の特徴的な添加元素であつて、
溶体化処理−急冷によつて充分に溶体化させるこ
とにより、その後のS相(A−Mg−Cu相)の
析出によつて強度および曲げ性を向上させるに寄
与し、かつリユーダースマークの発生を防止する
に有効な元素である。Cuが0.18%以下ではこれら
の効果が少なく、一方1.5%を越えれば強度は向
上するが成形性が劣化するから、0.18〜1.5%の
範囲内に限定した。なおCuはこの範囲内でも特
に0.5%を越え1.0%以下の範囲内とすることが望
ましい。 Mn,Zr: これらはいずれも再結晶粒を微細化させて組織
を均一化するに有効な元素であるが、それぞれ
0.05%未満ではその効果がなく、一方Mnが0.6%
を越えれば成形性が低下し、Zrが0.3%を越えれ
ば巨大金属間化合物が生じるから、Mnは0.05%
〜0.6%の範囲内に、またZrは0.05〜0.3%の範囲
内に限定した。 Fe,Si: これらは不可避的不純物として通常アルミニウ
ム合金に含有されるものであり、この発明におい
ても特に重要な元素ではないが、それぞれ0.4%
を越えれば晶出物量が増して成形性を劣化させ、
一方0.05%未満まで高純度化することは経済的で
はないから、それぞれ0.05〜0.04%の範囲内とし
た。 上記各元素のほか、鋳塊結晶粒微細化のため
に、Ti、またはTiおよびBを添加してもよい。
但し初晶TiA3粒子の晶出を防止するためには
Tiは0.15%以下とすることが望ましく、また
TiB2粒子の生成を防止するためにはBは500ppm
以下とすることが望ましい。 次にこの発明のアルミニウム合金圧延板の製造
方法について説明する。 先ず前述のような成分組成のアルミニウム合金
の鋳塊に対して、450〜560℃の範囲内の温度で1
〜48時間の均質化処理を行なう。このような均質
化処理を行なうことにより、成形加工性を向上さ
せるとともに、再結晶粒を微細化することができ
る。その温度が450℃未満では上述の効果が得ら
れず、一方560℃を越えれば共晶融解が生じるあ
それがあり、またその処理時間が1時間未満では
十分な効果が得られず、一方48時間を超える長時
間の処理は経済的ではなく、したがつて均質化処
理の温度、時間を前述のように定めた。 均質化処理後、常法に従つて熱間圧延を施し、
さらに必要に応じて冷間圧延を行なつて所要の板
厚とする。 その後最終熱処理として、460〜560℃の範囲内
の温度で溶体化処理し、1000℃/min.以上の冷
却速度で急冷する。この処理は強度への寄与の大
きいA−Mg−Cu相(S相)の溶体化を図つて
強度、伸びを向上させることを主目的としたもの
である。 溶体化処理温度が460℃未満では溶体化処理の
効果が不十分であつて、十分な強度および伸びが
得られず、一方560℃を越える高温では共晶融解
のおそれがあり、したがつて溶体化処理温度は
460℃〜560℃の範囲内とした。なお、この発明の
合金組成の場合、S相の析出は少量であるから、
溶体化処理温度での保持時間は特に問題とならな
いが、経済性の観点からは5分以下とすることが
望ましい。溶体化処理後の冷却は、S相その他の
第2相の析出を抑えるために1000℃/min.以上
の冷却速度とする必要がある。このような冷却速
度を得るための冷却方法としては、強制空冷や水
冷などがあるが、焼入歪を可及的に少なくする観
点から、強制空冷を適用することが望ましい。 なお上述のような溶体化処理−急冷は最終熱処
理であり、しかもその後は歪矯正程度を除いて実
質的に冷間加工を行なわずに所要の強度を得るか
ら、この発明の方法における調質はJIS調質記号
T4に相当する。ここで、従来のA−Mg系合金
(JIS 5000番系合金)は、非熱処理型合金として
知られているものであり、従来はA−Mg系合
金についてT4処理を行なうことは全く考えられ
ていなかつた。これに対しこの発明では、A−
Mg系をベースとして、析出硬化に寄与するCuを
少量積極添加して、T4処理合金とした点に大き
な特徴がある。 溶体化処理して冷却した後には歪矯正を行なう
のが通常であるが、この歪矯正のためのレベリン
グストレツチは、製品板における伸びの低下を防
ぐために3%以下とすることが望ましい。 以上のような条件、方法によつて得られたアル
ミニウム合金圧延板は、5052合金O材や5182合金
O材なみの優れた成形性、特に優れた曲げ性と張
出性とを有するとともに、冷延鋼板なみの高強度
を有し、かつ成形加工時におけるリユーダースマ
ークの発生も防止される。 実施例 [実施例 1] 第1表に示すような成分組成の合金を連続鋳造
し、530℃で10時間の均質化処理を施し、続いて
板厚4mmまで熱間圧延し、さらに板厚1mmまで冷
間圧延した。次いで最終熱処理として、第2表に
示すような種々の条件での処理を施した。最終熱
処理後2週間常温時効した後の機械的特性、成形
性を調べた結果を第3表に示す。なお第3表中に
おいて曲げ(mm)は180°曲げ最小半径を示し、ま
たLDRは限界絞り比を示す。なおまた第2表に
おいて、熱処理記号A,Bにおける強制空冷は冷
却速度1800℃/mm程度でこの発明の冷却速度範囲
内、また熱処理記号E,Fにおける水焼入れは冷
却速度1000℃/sec以上で本発明範囲内である。 第3表から明らかなように、この発明の成分範
囲内の合金1,2について、この発明のプロセス
条件範囲内の溶体化処理−急冷を行なつて調質を
T4とした場合には、5182合金(合金番号3)の
O材(熱処理記号C)と同等の張出性、曲げ性を
示し、かつ強度が向上されており、しかもリユー
ダースマークの発生がないことが明らかである。
このことから、この発明によれば自動車用ボデイ
ーシート、エアークリーナー、あるいはオイルタ
ンクなど、強成形加工を受けしかも高強度が要求
される部材に好適なA合金圧延板が得られるこ
とが判る。 [実施例 2] 第1表に示す合金について実施例1と同様に処
理した後、加工ベーキングによる耐力低下を調べ
るため、種々の加工度(0%,5%,10%)で加
工を行なつてその状態での耐力を調べるととも
に、各加工度の板に対し175℃×1hrのベーキング
を施した後の耐力を調べた。その結果を第4表に
示す。 第4表から明らかなようにこの発明による合金
の場合は、加工ベーキング後の耐力低下がA−
Mg系の5182合金(合金番号3)よりも格段に少
なく、したがつて成形加工後塗装焼付を行なう自
動車用ボデイシート材に最適であることが判る。 発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明によれ
ば、優れた成形性、特に優れた曲げ性と張出性を
有し、かつ自動車用ボデイシート等に適した充分
な強度を有し、しかも成形加工時にリユーダース
マークの発生のないA合金圧延板を得ることが
でき、したがつて自動車用ボデイシートやその他
の自動車部品等に対するA合金の用途を拡大し
て、自動車車体の軽量化を一層推進することが可
能となるなど、顕著な効果をもたらすことができ
る。
ーナ、オイルタンクなどの如く、高強度と優れた
成形加工性(特に曲げ性および張出性)が要求さ
れる成形加工品に使用されるアルミニウム合金圧
延板およびその製造方法に関し、特に圧延後の熱
処理のままで成形加工の用途に供されしかも成形
加工時にリユーダースマークの発生のない高強度
成形加工用アルミニウム合金圧延板およびその製
造方法に関するものであつて、基本的には、JIS
5000番系で知られるA−Mg系合金をベースと
したアルミニウム合金圧延板とその製造方法に関
するものである。 従来の技術 従来一般に自動車用ボデイシート等の成形加工
用の自動車用板材としては冷延鋼板が多用されて
いたが、最近では自動車を軽量化してその燃費を
改善するため、従来の冷延鋼板に変えてアルミニ
ウム合金圧延板を使用する要望が強まつている。 このような用途に供されるアルミニウム合金圧
延板としては、従来はA−Mg系の5052合金O
材や5182合金O材、あるいはA−Cu系の2036
合金T4処理材、さらにはA−Mg−Si系の6009
合金T4処理材、6010合金T4処理材等が適用され
ている。 発明が解決すべき問題点 前述の5052合金O材や5182合金O材は、自動車
用ボデイシート材等としては強度が不十分であ
り、また成形加工時にリユーダースマークが発生
して外観不良が生じる問題がある。また2036合金
T4処理材では成形性が劣り、さらに6009合金T4
処理材では強度が不十分であり、また6010合金
T4処理材では成形性が劣る問題がある。 したがつて従来は、自動車用ボデイシートに適
した充分な強度を有すると同時に成形性が優れか
つ成形加工時にリユーダースマークの発生のない
アルミニウム合金圧延板は実質的に存在せず、そ
のため自動車用ボデイシート等について冷延鋼板
に代えて軽量なアルミニウム合金を使用すること
がためらわれていたのである。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、5052合金O材や5182合金O材なみの優れた成
形性、特に優れた曲げ性と張出性を有すると同時
に、冷延鋼板なみの強度を有し、かつ成形加工時
におけるリユーダースマークの発生のない成形加
工用熱処理型アルミニウム合金圧延板およびその
製造方法を、A−Mg系をベースとした合金系
で実現することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 第1発明は、リユーダースマークの発生のな
い、強度および成形性に優れた成形加工用熱処理
型アルミニウム合金圧延板を提供するものであつ
て、A−Mg系合金をベースとし、これに少量
のCuを積極的に添加して、従来のA−Mg系合
金では行なわれていなかつたT4処理、すなわち
溶体化処理−急冷−常温時効によつて析出硬化が
図られるようにし、併せてMn,Zrの1種または
2種を適量添加したものである。具体的には、第
1発明のアルミニウム合金圧延板は、Mg1.5〜
5.5%(重量%、以下同じ)、Cu0.18〜1.5%を含
有し、かつMn0.05〜0.6%およびZr0.05〜0.3%の
うちの1種または2種を含有し、さらに不純物と
してのFeおよびSiをFe0.05〜0.4%、Si0.05〜0.4
%の範囲内とし、残部がAおよびその他の不可
避的不純物よりなることを特徴とするものであ
る。 また第2発明は、リユーダースマークの発生の
ない、強度および成形性に優れた成形加工用熱処
理型アルミニウム合金圧延板を製造する方法を提
供するものであつて、具体的には、前記同様の成
分のアルミニウム合金鋳塊を、450〜560℃の温度
で均質化処理した後、所要の板厚まで圧延し、次
いで460〜560℃の範囲内の温度で溶体化処理を行
なつて1000℃/min以上の冷却速度で急速冷却す
ることを特徴とするものである。 作 用 先ずこの発明における合金成分限定理由につい
て説明する。 Mg: Mgはこの発明の系のアルミニウム合金におい
て基本となる合金成分であつて、強度および成形
性とりわけ伸びと張出性を向上させるに寄与す
る。Mgが1.5%未満では強度および成形性が不十
分となつて自動車用ボデイシート等として不適当
となり、一方5.5%を超えれば伸びが低下すると
ともに圧延性が劣化するから、1.5%〜5.5%の範
囲内に限定した。 Cu: Cuはこの発明の特徴的な添加元素であつて、
溶体化処理−急冷によつて充分に溶体化させるこ
とにより、その後のS相(A−Mg−Cu相)の
析出によつて強度および曲げ性を向上させるに寄
与し、かつリユーダースマークの発生を防止する
に有効な元素である。Cuが0.18%以下ではこれら
の効果が少なく、一方1.5%を越えれば強度は向
上するが成形性が劣化するから、0.18〜1.5%の
範囲内に限定した。なおCuはこの範囲内でも特
に0.5%を越え1.0%以下の範囲内とすることが望
ましい。 Mn,Zr: これらはいずれも再結晶粒を微細化させて組織
を均一化するに有効な元素であるが、それぞれ
0.05%未満ではその効果がなく、一方Mnが0.6%
を越えれば成形性が低下し、Zrが0.3%を越えれ
ば巨大金属間化合物が生じるから、Mnは0.05%
〜0.6%の範囲内に、またZrは0.05〜0.3%の範囲
内に限定した。 Fe,Si: これらは不可避的不純物として通常アルミニウ
ム合金に含有されるものであり、この発明におい
ても特に重要な元素ではないが、それぞれ0.4%
を越えれば晶出物量が増して成形性を劣化させ、
一方0.05%未満まで高純度化することは経済的で
はないから、それぞれ0.05〜0.04%の範囲内とし
た。 上記各元素のほか、鋳塊結晶粒微細化のため
に、Ti、またはTiおよびBを添加してもよい。
但し初晶TiA3粒子の晶出を防止するためには
Tiは0.15%以下とすることが望ましく、また
TiB2粒子の生成を防止するためにはBは500ppm
以下とすることが望ましい。 次にこの発明のアルミニウム合金圧延板の製造
方法について説明する。 先ず前述のような成分組成のアルミニウム合金
の鋳塊に対して、450〜560℃の範囲内の温度で1
〜48時間の均質化処理を行なう。このような均質
化処理を行なうことにより、成形加工性を向上さ
せるとともに、再結晶粒を微細化することができ
る。その温度が450℃未満では上述の効果が得ら
れず、一方560℃を越えれば共晶融解が生じるあ
それがあり、またその処理時間が1時間未満では
十分な効果が得られず、一方48時間を超える長時
間の処理は経済的ではなく、したがつて均質化処
理の温度、時間を前述のように定めた。 均質化処理後、常法に従つて熱間圧延を施し、
さらに必要に応じて冷間圧延を行なつて所要の板
厚とする。 その後最終熱処理として、460〜560℃の範囲内
の温度で溶体化処理し、1000℃/min.以上の冷
却速度で急冷する。この処理は強度への寄与の大
きいA−Mg−Cu相(S相)の溶体化を図つて
強度、伸びを向上させることを主目的としたもの
である。 溶体化処理温度が460℃未満では溶体化処理の
効果が不十分であつて、十分な強度および伸びが
得られず、一方560℃を越える高温では共晶融解
のおそれがあり、したがつて溶体化処理温度は
460℃〜560℃の範囲内とした。なお、この発明の
合金組成の場合、S相の析出は少量であるから、
溶体化処理温度での保持時間は特に問題とならな
いが、経済性の観点からは5分以下とすることが
望ましい。溶体化処理後の冷却は、S相その他の
第2相の析出を抑えるために1000℃/min.以上
の冷却速度とする必要がある。このような冷却速
度を得るための冷却方法としては、強制空冷や水
冷などがあるが、焼入歪を可及的に少なくする観
点から、強制空冷を適用することが望ましい。 なお上述のような溶体化処理−急冷は最終熱処
理であり、しかもその後は歪矯正程度を除いて実
質的に冷間加工を行なわずに所要の強度を得るか
ら、この発明の方法における調質はJIS調質記号
T4に相当する。ここで、従来のA−Mg系合金
(JIS 5000番系合金)は、非熱処理型合金として
知られているものであり、従来はA−Mg系合
金についてT4処理を行なうことは全く考えられ
ていなかつた。これに対しこの発明では、A−
Mg系をベースとして、析出硬化に寄与するCuを
少量積極添加して、T4処理合金とした点に大き
な特徴がある。 溶体化処理して冷却した後には歪矯正を行なう
のが通常であるが、この歪矯正のためのレベリン
グストレツチは、製品板における伸びの低下を防
ぐために3%以下とすることが望ましい。 以上のような条件、方法によつて得られたアル
ミニウム合金圧延板は、5052合金O材や5182合金
O材なみの優れた成形性、特に優れた曲げ性と張
出性とを有するとともに、冷延鋼板なみの高強度
を有し、かつ成形加工時におけるリユーダースマ
ークの発生も防止される。 実施例 [実施例 1] 第1表に示すような成分組成の合金を連続鋳造
し、530℃で10時間の均質化処理を施し、続いて
板厚4mmまで熱間圧延し、さらに板厚1mmまで冷
間圧延した。次いで最終熱処理として、第2表に
示すような種々の条件での処理を施した。最終熱
処理後2週間常温時効した後の機械的特性、成形
性を調べた結果を第3表に示す。なお第3表中に
おいて曲げ(mm)は180°曲げ最小半径を示し、ま
たLDRは限界絞り比を示す。なおまた第2表に
おいて、熱処理記号A,Bにおける強制空冷は冷
却速度1800℃/mm程度でこの発明の冷却速度範囲
内、また熱処理記号E,Fにおける水焼入れは冷
却速度1000℃/sec以上で本発明範囲内である。 第3表から明らかなように、この発明の成分範
囲内の合金1,2について、この発明のプロセス
条件範囲内の溶体化処理−急冷を行なつて調質を
T4とした場合には、5182合金(合金番号3)の
O材(熱処理記号C)と同等の張出性、曲げ性を
示し、かつ強度が向上されており、しかもリユー
ダースマークの発生がないことが明らかである。
このことから、この発明によれば自動車用ボデイ
ーシート、エアークリーナー、あるいはオイルタ
ンクなど、強成形加工を受けしかも高強度が要求
される部材に好適なA合金圧延板が得られるこ
とが判る。 [実施例 2] 第1表に示す合金について実施例1と同様に処
理した後、加工ベーキングによる耐力低下を調べ
るため、種々の加工度(0%,5%,10%)で加
工を行なつてその状態での耐力を調べるととも
に、各加工度の板に対し175℃×1hrのベーキング
を施した後の耐力を調べた。その結果を第4表に
示す。 第4表から明らかなようにこの発明による合金
の場合は、加工ベーキング後の耐力低下がA−
Mg系の5182合金(合金番号3)よりも格段に少
なく、したがつて成形加工後塗装焼付を行なう自
動車用ボデイシート材に最適であることが判る。 発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明によれ
ば、優れた成形性、特に優れた曲げ性と張出性を
有し、かつ自動車用ボデイシート等に適した充分
な強度を有し、しかも成形加工時にリユーダース
マークの発生のないA合金圧延板を得ることが
でき、したがつて自動車用ボデイシートやその他
の自動車部品等に対するA合金の用途を拡大し
て、自動車車体の軽量化を一層推進することが可
能となるなど、顕著な効果をもたらすことができ
る。
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Mg1.5〜5.5%(重量%、以下同じ)、Cu0.18
〜1.5%を含有し、かつMn0.05〜0.6%および
Zr0.05〜0.3%のうちの1種または2種を含有し、
さらに不純物としてのFeおよびSiをFe0.05〜0.4
%、Si0.05〜0.4%の範囲内とし、残部がAおよ
びその他の不可避的不純物よりなることを特徴と
するリユーダースマークの発生のない成形加工用
熱処理型T4処理アルミニウム合金圧延板。 2 Mg1.5〜5.5%(重量%、以下同じ)、Cu0.18
〜1.5%を含有し、かつMn0.05〜0.6%および
Zr0.05〜0.3%のうちの1種または2種を含有し、
さらに不純物としてのFeおよびSiをFe0.05〜0.4
%、Si0.05〜0.4%の範囲内とし、残部がAおよ
びその他の不可避的不純物よりなるアルミニウム
合金鋳塊を、450〜560℃の温度で均質化処理した
後、所要の板厚まで圧延し、次いで460〜560℃の
範囲内の温度で溶体化処理を行なつて1000℃/
min以上の冷却速度で急速冷却することを特徴と
するリユーダースマークの発生のない成形加工用
熱処理型T4処理アルミニウム合金圧延板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16529085A JPS6227544A (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 成形加工用熱処理型t4処理アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16529085A JPS6227544A (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 成形加工用熱処理型t4処理アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6227544A JPS6227544A (ja) | 1987-02-05 |
JPH0480979B2 true JPH0480979B2 (ja) | 1992-12-21 |
Family
ID=15809516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16529085A Granted JPS6227544A (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 成形加工用熱処理型t4処理アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6227544A (ja) |
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JPS5814497A (ja) * | 1981-07-17 | 1983-01-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | X線発生装置 |
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JPS6050864B2 (ja) * | 1982-03-31 | 1985-11-11 | 住友軽金属工業株式会社 | 曲げ加工性に優れた成形加工用アルミニウム合金材料およびその製造法 |
JPS6018519B2 (ja) * | 1982-08-30 | 1985-05-10 | 株式会社山田ドビ− | プレスのための平衡装置 |
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-
1985
- 1985-07-26 JP JP16529085A patent/JPS6227544A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6227544A (ja) | 1987-02-05 |
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