JPH01225738A - 成形加工用熱処理型アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は自動車用のボディシートや骨格材、エアクリ
ーナ、オイルタンクなどの如く、高強度と優れた成形加
工性（特に曲げ性および張出性）が要求される成形加工
品に使用されるアルミニウム合金圧延板およびその製造
方法に関し、特に圧延後の熱処理のままで成形加工の用
途に供されしかも室温時効による材料特性の経時変化が
なく耐応力腐食割れ性（以後耐ＳＣＣ性とよぶ）に優れ
た高強度成形加工用アルミニウム合金圧延板およびその
製造方法に関するものである。

従来の技術 従来一般に自動車用ボディシート等の成形加工用の自動
車用板材としては冷延鋼板が多用されていたが、最近で
は自動車を軽量化してその燃費を改善するため、従来の
冷延鋼板に代えてアルミニウム合金圧延板を使用する要
望が強まっている。

このような用途に供されるアルミニウム合金圧延板とし
ては、従来はＡｌ７−Ｍｇ系の５０５２合金Ｏ材や５１
８２合金Ｏ材、あるいはＡｊｌ−Ｃｕ系の２０３６合金
Ｔ合金理材、さらにはＡｆＩ−Ｍｇ　−３ｉ系の６００
９合金Ｔ合金理材、６０１０合金Ｔ合金理材等が適用さ
れている。

発明が解決すべき問題点 前述の５０５２合金Ｏ材や５１８２合金Ｏ材は、自動車
用ボディシート材等としては成形後の焼付塗装後の強度
が不十分であり、しかも、耐ＳＣＣ性が劣り常に高い強
度が付与され腐食環境下にさらされる部位に用いること
は安全上問題がある。また２０３Ｂ合金Ｔ４処理材では
成形性が劣り、さらに６００９合金Ｔ合金理材では強度
が不十分であり、また６０１０合金Ｔ合金理材では成形
性が劣る問題がある。

さらにＡ、Ｑ−Ｃｕ系、Ａｆｉ　−Ｍｇ−８ｌ系や、Ａ
Ｎ　−Ｍｇ　−Ｚｎ　−Ｃｕ系の各合金は室温時効によ
る材料特性の経時変化が大きく、製造後時間がたつと成
形性が低下する欠点があり、成形時の在庫管理、ロフト
管理が複雑になるという問題がある。

したがって従来は、自動車用ボディシートに適　　　　
　　−した充分な強度を有すると同時に成形性ならびに
耐ＳＣＣ性が優れ、かつ製造後に材料特性の経時変化が
ないというすべての長所を兼ねそなえたアルミニウム合
金圧延板は実質的に存在せず、そのため自動車用ボディ
シート等について冷延鋼板に代えて軽量なアルミニウム
合金を使用することがためられれていたのである。

この発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、５０５
２合金Ｏ材や５１８２合金０材なみめ優れた成形性、特
に優れた曲げ性と張出性を有すると同時に、冷延鋼板な
みの強度を有し、かつ耐ＳＣＣ性に優れ、室温時効によ
る材料特性の経時変化のない成形加工用熱処理型アルミ
ニウム合金圧延板およびその製造方法を提供することを
目的とするものである。

問題点を解決するための手段 第１発明は、強度および成形性、耐ＳＣＣ性に優れ、室
温時効による材料特性の経時変化のない成形加工用熱処
理型アルミニウム合金圧延板を提供するものであって、
Ａｇ−Ｍｇ系合金にＣｕおよびＣｒを積極的に添加した
ものである。具体的には、第１発明のアルミニウム合金
圧延板は、Ｍｇ　１．５〜５．５％（重量％、以下同じ
）、Ｃｕ０．１８〜１．５％、Ｃｒ　０．０５〜０．３
％を含有し、残部がＡ、１！およびその他の不可避的不
純物よりなることを特徴とするものである。

また第２発明は、強度および成形性、耐ＳＣＣ性に優れ
、かつ室温時効による材料特性の経時変化のない成形加
工用熱処理型アルミニウム合金圧延板を製造する方法を
提供するものであって、具体的には、前記同様の成分の
アルミニウム合金鋳塊を、４５０〜５６０℃の温度で均
質化処理した後、所要の板厚まで圧延し、次いで３６０
〜５６０℃の範囲内の温度で溶体化処理を行なって１０
０℃／ｆｆ１ｉｎ以上の冷却速度で急速冷却することを
特徴とするものである。

作　　　用 先ずこの発明における合金成分限定理由について説明す
る。

Ｍｇ　： Ｍｇはこの発明の系のアルミニウム合金において基本と
なる合金成分であって、強度および成形性とりわけ伸び
と張出性を向上させるのに寄与する。Ｍｇが１．５％未
満では強度および成形性が不十分となって自動車用ボデ
ィシート等として不適当となり、一方５．５％を超えれ
ば伸びや耐ＳＣＣ性が低下するとともに圧延性が劣化す
るから、１．５％〜５．５％の範囲内に限定した。

Ｃｕ： Ｃｕはこの発明の特徴的な添加元素であり強度・曲げ性
を向上させるのに有効な元素である。

また、Ｍｇを３％以上含有する合金では耐ＳＣＣ性が低
下する欠点があるがＣｕを添加することにより耐ＳＣＣ
性を飛Ｗ的に改善できることがわかった。さらに５００
０系合金を加工後、塗装焼付処理を行なうと著しく軟化
してしまうが、Ｃｕ添加すると、焼付処理時の時効硬化
のため、軟化量はわずかに抑えられる。Ｃｕが０．１８
％以下では、これらの効果が少なく、一方、１．５％を
越えれば強度は向上するが成形性が劣化１７、また、溶
体化処理後の室温時効で、材料特性の経時変化が、大き
くなるので０．１８〜１．５％の範囲内に限定した。な
おＣｕはこの範囲内でも特に０．２％を越え１．０％以
下の範囲内とすることが望ましい。

Ｃｒ： Ｃｒは再結晶粒を微細化させて組織を均一化するととも
に強度および耐ＳＣＣ性を向上させるのに有効である。

０．０５％未満ではその効果がなく、一方Ｃｒが０．３
％を越えれば巨大金属間化合物が生じるから、Ｃｒは０
．０５〜０，３％の範囲内に限定した。

その他の不純物 Ｆｅ、Ｓｉ　　： これらは不可避的不純物として通常アルミニウム合金に
含有されるものであり、この発明においても特に重要な
元素ではないが、それぞれ０．４％を越えれば晶出物量
が増して成形性を劣化させ、一方０．０５％未満まで高
純度化することは経済的ではないから、それぞれ０．０
５〜０．４％の範囲内とすることが望ましい。

上記各元素のほか、鋳塊結晶粒微細化のために、ＴＩ、
またはＴＩおよびＢを添加してもよい。

但し初晶Ｔ　ｉＡ　（ｌ　ａ粒子の晶出を防止するため
にはＴ１は０．１５％以下とすることが望ましく、また
Ｔ　ｉＢ　２粒子の生成を防止するためにはＢは５００
ｐｐｒａ以下とすることが望ましい。

Ｂｅ　： 溶湯の酸化を除く意味でＭｇが１，５％以上含まれる合
金溶湯においてはＢｅを添加することが一般的である。

本発明においてもＢｅを添加することにより他性能を劣
化させることはない。添加量は通常５０ｐＩ）Ｉｎ以下
が一般的である。

次にこの発明のアルミニウム合金圧延板の製造方法につ
いて説明する。

先ず前述のような成分組成のアルミニウム合金の鋳塊に
対して、４５０〜５８０℃の範囲内の温度で１〜４８時
間の均質化処理を行なう。このような均質化処理を行な
うことにより、成形加工性を向上させるとともに、再結
晶粒を微細化することができる。その温度が４５０℃未
満では上述の効果が得られず、一方５６０℃を越えれば
共晶融解が生じるおそれがあり、またその処理時間が１
時間未満では十分な効果が得られず、一方４８時間を超
える長時間の処理は経済的ではなく、したがって均質化
処理の温度、時間を前述のように定めた。

均質化処理後、常法に従って熱間圧延を施し、さらに必
要に応じて冷間圧延を行なって所要の板厚とする。この
際熱間圧延と冷間圧延の間、もしくは冷間圧延と冷間圧
延の間に中間焼鈍を入れると、性能の一層の向上に有効
である。

その後３８０〜５８０℃の範囲内の温度で溶体化処理し
、１００℃／ｌ１ｌｉｎ、以上の冷却速度で急冷する。

この処理は強度への寄与の大きいＡｌ１−ＭｇＣｕ相（
Ｓ相）の溶体化を図って強度、伸び、耐ＳＣＣ性を向上
させることを主目的としたものである。

溶体化処理温度が３６０℃未満では溶体化処理の効果が
不十分であって、十分な強度および伸び、耐ＳＣＣ性が
得られず、一方５６０℃を越える高温では共晶融解のお
それがあり、したがって溶体化処理温度は３６０〜５６
０℃の範囲内とした。なお、この発明の合金組成の場合
、Ｓ相の析出は少量であるから、溶体化処理温度での保
持時間は特に問題とならないが、経済性の観点からは５
分以下とすることが望ましい。溶体化処理後の冷却は、
Ｓ相その他の第２相の析出を抑えるために１００℃／ｗ
ｉｎ以上の冷却速度とする必要がある。このような冷却
速度を得るための冷却方法としては、強制空冷や水冷な
どがあるが、焼入歪を可及的に少なくする観点から、強
制空冷を適用することが望ましい。

溶体化処理して冷却した後には歪矯正を行なうのが通常
であるが、この歪矯正のためのレベリング、ストレッチ
、スキンバスなどは、製品板における伸びの低下を防ぐ
ために３％以下とすることが望ましい。

さらに、上記の歪矯正時の加工歪を除去し、より高い成
形性を得るため、第１図、第２図に示した範囲内で温度
時間・加熱速度で最終熱処理を行なっでも耐ＳＣＣ性な
どの他の諸特性が変化することはない。

以上のような条件、方法によって得られたアルミニウム
合金圧延板は、５０５２合金Ｏ材や５１８２合金０材な
みの優れた成形性、特に優れた曲げ性と張出性とを有す
るとともに、冷延鋼板なみの高強度を有し、かつ耐ＳＣ
Ｃ性に優れ、室温時効による材料特性の経時変化がない
。

実施例 ［実施例１］ 第１表に示すような成分組成の合金を連続鋳造し、５３
０℃で、１０時間の均質化処理（ただし合金９のみ４７
０℃ｘ　１Ｏｈｒ）を施し、続いて板厚４ｍ＋ｇま、で
熱間圧延し、さらに板厚ｌｌ１ＩＩまで冷間圧延した。

次いで最終熱処理として、第２表に示すような種々の条
件での処理を施した。最終熱処理後２週間室温時効した
後の機械的特性、成形性を調べた結果を第３表に示す。

なお第３表中において曲げ（ｍｍ）は１８０＠曲げ最小
半径を示し、ＬＤＲは限界絞り比を示す。また、ＳＣＣ
は各材料を最終熱処理後３０％冷間圧延した後１２０℃
×７日の増感処理を施し、Ｄ　Ｉ　Ｎ５０９０ｇのルー
プ曲げ試験片を３．５％　ＮａＣ９中で交互浸漬試験１
ケ月を行なったときの応力腐食割れ発生の有無を示す。

なおまた第２表において、熱処理記号Ａ、　　Ｂにおけ
る強制空冷は冷却速度１８００℃／　ｔＡｌ　ｎ程度で
この発明の冷却速度範囲内、また熱処理記号Ｅ、　　Ｆ
における水焼入れは冷却速度１００℃／ｓｅｅ以上で本
発明範囲内である。

第３表から明らかなように、この発明の成分範囲内の合
金１．２．３について、この発明のプロセス条件範囲内
の溶体化処理−急冷を行った場合には、５１８２合金（
合金番号５）のＯ材（熱処理記号Ｄ）と同等か、その以
上の張出性、曲げ性を示し、かつ強度が向上されており
、しかも明らかに耐ＳＣＣ性が優れている。このことか
ら、この発明によれば自動車用ボディシート骨格材、エ
アークリーナー、あるいはオイルタンクなど、強酸形加
工を受けしかも高強度かつ耐ＳＣＣ性が要求される部材
に好適なＡｆｉ合金圧延板が得られること第　２　表　
：　最終熱処理条件 が判る。

［実施例２］ 第１表に示す合金について実施例１と同様に処理した後
、加工ベーキングによる耐力低下を調べるため、種々の
加工度（０％、５％、　１０％）で加工を行なってその
状態での耐力を調べるとともに、各加工度の板に対し１
７５℃Ｘ１ｈｒのベーキングを施した後の耐力を調べた
。その結果を第４表に示す。

第４表から明らかなようにこの発明による合金の場合は
、加工ベーキング後の耐力低下がＡｌ１−Ｍｇ系の５１
８２合金（合金番号５）よりも格段に少なく、したがっ
て成形加工後塗装焼付を行なう自動車用ボディシート材
に最適であることが判る。

［実施例３］ 第１表に示す合金について実施例１と同様に処理した後
、種々の時間室温時効したときの耐力と、プレスによる
φ１００球頭張出高さを調べた。その結果を第５表に示
す。

第５表から明らかなように、２０３６合金（合金番第　
　５　　表　：　室温時効性 号６）　、６０１０合金（合金番号７）は室温時効が長
くなると、著しい強度増加と張出性の低下を示すのに対
し、本発明合金は強度、張出性の継変化は全く認められ
ない。

発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明によれば、優れ
た成形性、特に優れた曲げ性と張出性を有し、かつ自動
車用ボディシート等に適した十分な強度と対応力腐食割
れ性を有し、しかも、室温時効による材料特性の経時変
化がないＡ、９合金圧延板を得ることができ、したがっ
て自動車用ボディシートやその他の自動車部品等に対す
るｌ）合金の用途を拡大して、自動車車体の軽量化を一
層推進することが可能となるなど、顕著な効果をもたら
すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は最終熱処理における加熱・冷却速度と温度との
関係を示す図面。 第２図は最終熱処理における保持時間と温度との関係を
示す図面である。 手続補正書く自発） 昭和６３年特許願第５００２９号 ２゜発明の名称 成形加工用熱処理型アルミニウム合金圧延板およびその
製造方法 ３、補正をする者 事件との関係　　　特許出願人 〒　１０３　　　チ］ウオウ　二本ンハ゛シムロマチ住
所　東京都中央区日本橋室町四丁目３番１８号図面 ５、補正の内容

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｍｇ１．５〜５．５％（重量％、以下同じ）、Ｃ
   ｕ０．１８〜１．５％を含有し、かつＣｒ０．０５〜０
   ．３％を含有し、残部がＡｌおよびその他の不可避的不
   純物よりなることを特徴とする成形加工用熱処理型アル
   ミニウム合金圧延板。
2. （２）Ｍｇ１．５〜５．５％（重量％、以下同じ）、Ｃ
   ｕ０．１８〜１．５％を含有し、かつＣｒ０．０５〜０
   ．３％を含有し、残部がＡｌおよびその他の不可避的不
   純物よりなるアルミニウム合金鋳塊を４５０〜５８０℃
   の温度で均質化処理した後、所望の板厚まで圧延し、次
   いで３６０〜５６０℃の範囲内の温度で溶体化処理を行
   なって１００℃／ｍｉｎ以上の冷却速度で急速冷却する
   ことを特徴とする成形加工用熱処理型アルミニウム合金
   圧延板の製造方法。