JPH04365834A - 低温焼付による硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents

低温焼付による硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板及びその製造方法

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JPH04365834A
JPH04365834A JP13006991A JP13006991A JPH04365834A JP H04365834 A JPH04365834 A JP H04365834A JP 13006991 A JP13006991 A JP 13006991A JP 13006991 A JP13006991 A JP 13006991A JP H04365834 A JPH04365834 A JP H04365834A
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青史 津山
Takeshi Fujita
毅 藤田
Shinji Mitao
三田尾 真司
Hideaki Fukai
英明 深井
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、160℃程度の低温
における焼付における硬化性に優れた、自動車車体等に
好適なプレス成形用アルミニウム合金板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車ボディ−シ−ト等の成形
加工用板材として表面処理冷延鋼板が多用されているが
、近年、自動車の燃費向上のための軽量化の要望が高ま
っており、その要望を満たすべく自動車ボディ−シ−ト
等にアルミニウム合金板が使用され始めてきている。
【0003】自動車ボディ−シ−ト用アルミニウム合金
としては、非熱処理型のAl−Mg系合金と、熱処理型
のAl−Cu系、Al−Mg−Si系に分けられる。非
熱処理型のAl−Mg系合金としては、CuやZnを微
量添加し、熱処理して用いることを前提としたものが開
発されている(特開昭57−120648、特開昭53
−103914等)。
【0004】しかし、これらは熱処理型のAl合金より
やや成形性が優れてはいるものの、従来の表面処理冷間
圧延鋼板よりも劣り、さらには塗装焼付工程により強度
の上昇が得られない。また、熱処理型であるAl−Cu
系の2036、Al−Mg−Si系の6009、601
0、6011では成形性が劣り、さらには欧米における
200℃での焼付けに対して省エネルギの観点から進め
られた日本国内で主流の170℃以下の温度で30分間
たらず保持する低温短時間の焼付けでは強度が上昇せず
、2000系においては逆に低下するという問題もあっ
た。このように、従来のアルミニウム合金では、自動車
ボディシートに要求される特性、特に成形性と焼付硬化
性が十分に満足されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかかる事情
に鑑みてなされたものであって、自動車車体用等として
十分なプレス成形性を有し、低温かつ短時間の焼付にお
いても焼付硬化性が良好なアルミニウム合金板及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本願発明者等は
、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、化
学成分組成を適切に調整し、製造条件を適正化すること
により、熱処理後の伸びが30%以上で、かつ165℃
で20分間といった低温・短時間の焼付処理においても
焼付後の降伏強度を焼付前よりも約6kgf /mm2
 以上硬化することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、プレス成形性の向上と塗装焼
付後の耐デント性の向上を図るべく、材料特性としての
破断伸びと、低温・短時間焼付後の降伏強度との両特性
を改善するとともに、プレス歪み模様を生じなくさせた
ものである。
【0007】特に、化学成分組成については、塗装焼付
後における高強度化の観点から、Al−Mg系合金にS
i及びCuを意図的に適量複合添加した。すなわち、低
温・短時間でも高い焼付け硬化性が得られるのは、その
硬化に寄与する析出強化相であるMg2 SiおよびA
l2 CuMgに対してMgを過剰に添加することが重
要であり、本発明の骨子をなすものである。さらに、成
形性改善のため、結晶粒を等軸化し、かつ極微量のFe
,Ti,Bを添加したものである。
【0008】すなわち、この発明に係る低温焼付による
硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板は、重
量%で、Mgを1.5〜3.8%、Siを0.15〜0
.76%、Cuを0.25〜3.0%、Feを0.03
〜0.25%、Tiを0.005〜0.15%、Bを0
.0002〜0.05%の範囲で含有し、かつSi及び
MgがSi≦(6−Mg)/6(%)の関係を満たし、
残部がAl及び不可避的不純物からなり、結晶粒におけ
る圧延方向の軸長をL、Lに対して垂直の板厚方向の軸
長をHとした場合に、その平均アスペクト比L/Hが1
.3以下であることを特徴とする。また、この組成に対
し、0.01〜0.15%のMn、0.01〜0.15
%のCr、0.01〜0.12%のZr、0.01〜0
.18%のV、及び0.2〜0.5%のZnのうち1種
又は2種以上をさらに含んでいてもよい。これらの元素
のうちMn,Cr,Zr,Vは、再結晶抑制元素である
から、異常粒成長を抑制する目的で添加してもよいが、
その量は成形性向上の観点から従来よりも低い上述の範
囲に限定される。また、Znは強度の向上を目的に添加
される。
【0009】また、この発明に係る低温焼付による硬化
性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法
は、上記組成のアルミニウム合金鋳塊に対して450〜
580℃の範囲内の温度で1段又は多段の均質化処理を
施した後、この鋳塊を熱間圧延及び冷間圧延することに
より所望の板厚とし、次いで440〜580℃の範囲内
の温度まで3℃/秒以上の加熱速度で加熱してその温度
で0〜120秒間保持し、その後100℃まで2℃/秒
以上の冷却速度で冷却することを特徴とする。これによ
り、平均アスペクト比L/Hが1.3以下の結晶粒の上
記アルミニウム合金板が得られる。
【0010】この場合に、熱間圧延と冷間圧延との間、
又は冷間圧延と冷間圧延との間、又はその両方で、32
0〜580℃の範囲内の温度における中間焼鈍処理を1
回又は2回以上実施することが好ましい。以下、この発
明について詳細に説明する。なお、以下の説明において
%表示は重量%を表わす。先ず、この発明に係るアルミ
ニウム合金の成分組成の限定理由について説明する。
【0011】Mg:  Mgは本発明に係る合金におけ
る必須の基本成分であり、適量合金されることにより合
金の強度及び延性の向上に大きく寄与する。しかし、M
gが1.5%未満では十分な強度および焼付け硬化性が
得られず、逆に3.8%を超えると焼付け硬化が低下す
るのみならず,Si添加を前提とする本発明の成分系で
は、Mg2 Siが粗大な状態で溶け残り、伸びすなわ
ち成形性が低下する。従って、Mgの含有量を1.5〜
3.8%の範囲に規定する。
【0012】Si:  SiはMgと結合し、焼付時に
Mg2 Siなる化合物を析出させ、Al−Cu−Mg
系化合物の析出を促進させることから、Cuとの複合添
加により焼付け後の強度向上に寄与する重要な元素であ
る。 本発明のようにMg2 Si化学量論組成に対し、過剰
にMgが含有されている場合は、低温焼付けでも硬化が
生じるが、Siが0.15%未満では焼付け後の強度を
向上させる効果が十分でなく、逆に0.76%を超える
と溶体化処理においても熱間圧延等で析出していた粗大
なMg2 Si系析出物が固溶せず、成形性が低下する
。従って、Siの含有量を0.15〜0.76%の範囲
に規定する。
【0013】Cu:  Cuは焼付け前の強度上昇に効
果があるのみならず、主としてAl−Mgと結びつき、
Al2 CuMg系析出物を形成し、Siとの複合添加
により、低温焼付けでの硬化に寄与する成分である。し
かし、Cuの含有量が0.25%未満ではその効果が十
分に得られず、逆に3.0%を超えると成形性及び耐食
性を劣化させる。従って、Cuの含有量を0.25〜3
.0%の範囲に規定する。
【0014】Fe:   Feは不可避的不純物として
通常アルミニウム合金に含有されるものであり、含有量
が0.25%を超えるとAlとの共存により成形性に悪
影響を及ぼす粗大な晶出物が生成されやすく、また、S
iと結び付き析出硬化として有用なSiの量を低下させ
る。しかし、微量の添加により成形性の向上に寄与し、
これらの含有量が0.02%未満と少なすぎると成形性
が劣化する。従って、  Feの含有量を0.02〜0
.25%の範囲に規定する。
【0015】Ti,B:  Ti及びBはTiB2 等
として存在し、鋳塊の結晶粒を微細化して熱間での加工
性等を改善する効果を有するので、これらを複合添加す
るのが極めて重要である。しかしながら、これらを過剰
に添加すると粗大な晶出物を生成し、成形性を劣化させ
るのでTi及びBの含有量を、夫々0.005〜0.1
5%、及び0.0002〜0.05%の範囲に規定する
。 以上が、本発明のアルミニウム合金板の必須元素である
が、これらのうちMg及びSiについては、以下の(1
) 式を満たす必要がある。 Si≦(6−Mg)/6  (%)…………(1)
【0
016】これは、Al−Mg−Si系ではMg含有量の
上昇により、Mg2 Siの固溶限が減少するために、
熱処理後にも熱間圧延等で生成した粗大なMg2 Si
が溶け残り、成形性を低下させるので、Si添加量をM
g含有量に応じて制御することが極めて重要であること
を意味している。本発明においては低温焼付けによる硬
化性を確保するためにSi添加を必須の条件とするため
に、その添加量については(1) 式を満足させること
が重要である。本発明においては、以上の必須元素の他
に、必要に応じて、Zn,Mn,Cr,ZrおよびVの
うち1種または2種以上を適量添加してもよい。
【0017】Zn:  Znは強度の向上に寄与する元
素であるが、0.2%未満では十分な効果が得られず、
逆に、0.5 %を超えると延性及び焼付け後の焼付硬
化性を低減させる。従って、Znの含有量を0.2〜0
.5%に規定する。
【0018】Mn,Cr,Zr,V:  これらの元素
は再結晶抑制元素であるから、異常粒成長を抑制する目
的で適量添加してもよい。しかし、これらの合金成分は
、再結晶粒の等軸化に対し負の効果があり成形性を低下
させるため、これらの含有量は従来のアルミニウム合金
よりも少ない範囲に規定する必要がある。従って、Mn
,Cr、Zr、Vの含有量を夫々0.01〜0.15%
、0.01〜0.12%、0.01〜0.12%、0.
01〜0.18%に規定する。
【0019】上記元素の他、通常のアルミニウム合金と
同様、不可避的不純物が含有されるが、その量は本発明
の効果が損なわれない範囲であれば許容される。例えば
、Be、Na,K等は、それぞれ0.001%以下程度
なら含有していても、特性上の支障はない。次に、組織
について説明する。
【0020】アルミニウム合金の成形性は、結晶粒形状
に大きく依存している。等軸平均アスペクト比L/H(
L:圧延方向の結晶粒軸長、H:Lに対し垂直の板厚方
向軸長)が1.3を超えると成形性が劣り、プレス時に
歪模様が現出するようになるため、等軸平均アスペクト
比は1.3以下であることが必要である。次に、この発
明の合金の製造条件について説明する。
【0021】上記範囲に成分・組成が規定されたアルミ
ニウム合金を常法により溶解・鋳造し、その鋳塊に対し
て450〜580℃の範囲内の温度で1段又は多段の均
質化熱処理を施す。このような均質化処理を施すことに
より、鋳造時に晶出した共晶化合物の拡散固溶を促進し
、局部的ミクロ偏析を軽減する。また、この処理により
、最終製品の結晶粒の異常粒成長を抑制し、均一化を図
るうえで重要な役割を果たすMn,Cr,Zr,Vの化
合物を微細に析出させることができる。しかし、この処
理の温度が450℃未満の場合には上述したような効果
が不十分であり、一方580℃を超えると共晶融解が生
じる。従って、均質化処理の温度を450〜580℃の
範囲とした。なお、この温度範囲内での保持時間が1時
間未満では上述の効果が十分に得られず、72時間を超
える長時間の加熱はその効果が飽和してしまうため、こ
の均質化処理の保持時間は1〜72時間が望ましい。
【0022】次いで、このような均質化処理が施された
鋳塊に対し、常法に従って所定の板厚を得るために熱間
圧延及び冷間圧延を行う。また、歪矯正又は表面粗度調
整のため、以下に示す熱処理の前後両方、又はいずれか
一方で5%以下のレベリング、ストレッチング、又はス
キンパス圧延を実施してもよい。
【0023】圧延終了後、このような圧延板材に対し、
440〜580℃の範囲内の温度に3℃/秒以上の加熱
速度で加熱して、その温度に達して後即座に、又は12
0秒間以下の期間保持した後、100℃まで2℃/秒以
上の冷却速度で急速冷却するといった条件の熱処理を施
す。この処理により組織が均一化し、結晶粒の平均アス
ペクト比が1.3以下に調整され、さらに加工歪が除去
され、結果としてプレス成形性を向上させることができ
る。また、この熱処理は、焼付硬化に対する寄与が大き
いAl2 CuMg、Mg2 Si等の金属間化合物の
溶体化を図り、焼付硬化性の向上を達成するものである
。この場合に、加熱温度が440℃未満では、上述のよ
うな効果を十分に得ることができない。また、加熱速度
が3℃/秒未満であったり、加熱温度が580℃を超え
たり、保持時間が120秒よりも長かったりすると、結
晶粒の一部が異常粒成長を起こしてしまう。さらに、1
00℃までの冷却速度が2℃/秒未満では、冷却中に上
述の化合物が粗大に析出し、プレス成形性及び焼付硬化
性の点で望ましくない。従って、上述のように製造条件
が規定される。
【0024】このような工程に加えて、上述の熱間圧延
と冷間圧延との間、又は冷間圧延と冷間圧延との間、又
はその両方で、1回又は2回以上の中間焼鈍を施すこと
が望ましい。この中間焼鈍を施すことにより、冷間圧延
の際のエッジ割れを防止することができるので、歩留ま
りを向上させることができる。しかし、この際の温度が
320℃未満ではその効果が十分ではなく、また580
℃を超えると共晶融解が生じる。従って、中間焼鈍は3
20〜580℃の範囲で行う。なお、この中間焼鈍は必
須のプロセスではなく、省プロセスの観点からはこの中
間焼鈍を省略しても構わない。
【0025】このようにして得られたアルミニウム合金
板は、破断伸びが30%以上となり、また低温焼付によ
る硬化性にも優れている。従って、このようなアルミニ
ウム合金板は自動車ボディ−シ−ト用として好適である
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。 (実施例1)
【0027】表1、表2に示すような成分・組成を有す
る合金を溶解−連続鋳造し、得られた鋳塊を面削した後
、510℃で10時間、さらに冷却の途中で450℃で
4時間の2段の均質化処理を実施し、次いで鋳片を46
0℃に加熱し、板厚4mmまで熱間圧延を行い、350
℃で1時間の中間焼鈍を施した。その後、室温に冷却し
、圧延率75%の冷間圧延を行って厚さ1mmの板材と
した。なお、熱間圧延の仕上り温度は280℃であった
。また、中間焼鈍は昇温・冷却ともに50℃/時間の徐
加熱及び徐冷で行った。この厚さ1mmの板材を510
℃まで10℃/秒の速度で加熱し、10秒保持後、10
0℃まで20℃/秒の冷却速度で強制空冷を行った。
【0028】このようにして製造した板材を室温で30
日間放置後、所定形状に切出し、引張試験(JIS5号
,引張方向:圧延方向)及びコニカルカップ試験(JI
SZ2249:試験工具17型)を実施し、結晶粒の平
均アスペクト比L/Hを測定した。なお、コニカルカッ
プ試験はプレス成形のシミュレ−トとして行い、張出し
と深絞りとの複合成形性をCCV(mm)により評価し
た(CCVが小さいほど成形性に優れている)。また、
結晶粒形状はGa処理によりミクロ組織を現出し、サン
プル数50として切断法により求めた。さらに、プレス
成形後の塗装焼付をシミュレ−トするために、160℃
で  20分間の熱処理(焼付に対応)を行い、その後
もう一度上述した熱処理後の試験と同一条件で引張試験
を行った。
【0029】これらの試験結果を表3、4に示す。なお
、「焼付硬化」の欄は、焼付シミュレ−ト後の降伏強度
から、最終熱処理後の降伏強度を引いた値を示している
。また、コニカルカップ試験後の表面性状も併記した。
【0030】なお、表1の合金番号1〜18は本発明の
組成範囲内の実施例であり、表2の合金番号19〜34
はその範囲から外れる比較例である。合金番号34は従
来からボディ−シ−ト用に用いられている6111合金
である。
【0031】表3から明らかなように、実施例である合
金番号1〜18は平均アスペクト比が1.3以下で、破
断伸びが30%以上と高く、CCVも良好で優れた成形
性が得られた。また、焼付硬化も降伏強度で約6kgf
 /mm2 以上と高い値を有し、優れた成形性と低温
焼付硬化性とを有していることが確認された。
【0032】これに対して、表2に示す比較例の合金番
号19〜34は、表4から明らかなように、平均アスペ
クト比が1.3以下であっても、成形性及び焼付硬化性
のうち双方又は一方が実施例よりも劣っていた。例えば
焼付硬化に寄与する成分であるMg、Si、Cuのいず
れかの含有量が低い合金番号21,22,23、及び焼
付硬化性を低下させる成分であるZnの含有量が多い合
金番号31は、焼付硬化性が低く、2〜3kgf /m
m2 程度であった。逆に、Mg,Si,Cuの含有量
が多い合金番号19,20,34は成形性が低かった。 また、Mn,Cr,Zr,V,Ti−B,Feの量が本
発明の範囲から外れている合金番号32,33,29,
30,27,28も成形性が低くかった。この中で合金
番号32,33は平均アスペクト比が1.3以上であり
、成形性が低いのみならず、表面性状も劣り、歪模様が
生じた。さらに、Si量が(6−Mg)/6を超える合
金番号25,26も成形性が劣っていた。 (実施例2)
【0033】次に、表1に示した合金のうち、合金番号
1の組成を有する鋳塊を使用し、表5に示す製造条件で
合金板材を製造した。なお、表5に特に記載されていな
い処理については実施例1の条件を採用した(圧延条件
等)。なお、表3中記号A〜Eは本発明に係る製造方法
の範囲内の実施例であり、記号F〜Lはその範囲から外
れる比較例である。このようにして製造した板材につい
て実施例1と同様の評価試験を行った。その結果も表5
に併記する。表5から明らかなように、本発明の条件を
満足しない比較例は伸び及び成形性、あるいは焼付硬化
性が不十分であることが確認された。
【0034】例えば、比較例のG,H,I,Jのように
中間焼鈍温度あるいは熱処理温度が高かったり、加熱速
度が小さい又は保持時間が長い場合には、異常粒成長が
生じ、成形性及び表面性状が劣っていることが確認され
た。また、溶体化焼入における冷却速度が小さいKでは
、焼付硬化性に劣っていた。溶体化焼入における加熱保
持温度が低いLでは、平均アスペクト比が1.3を超え
ており、伸びも低いため、成形性に劣り、表面性状も悪
かった。さらに、焼付硬化性も不十分であった。
【0035】
【発明の効果】この発明によれば、伸び、プレス成形性
、及び低温・短時間の塗装焼付の際の焼付硬化能が従来
のアルミニウム合金板よりも優れており、プレス成形性
と塗装焼付後の耐デント性が要求される自動車ボディ−
シ−ト用等として好適なアルミニウム合金板及びその製
造方法が提供される。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量%で、Mgを1.5〜3.8%、
    Siを0.15〜0.76%、Cuを0.25〜3.0
    %、Feを0.03〜0.25%、Tiを0.005〜
    0.15%、Bを0.0002〜0.05%の範囲で含
    有し、かつSi及びMgがSi≦(6−Mg)/6(%
    )の関係を満たし、残部がAl及び不可避的不純物から
    なり、結晶粒における圧延方向の軸長をL、Lに対して
    垂直の板厚方向の軸長をHとした場合に、その平均アス
    ペクト比L/Hが1.3以下であることを特徴とする低
    温焼付による硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム
    合金板。
  2. 【請求項2】  重量%で、0.01〜0.15%のM
    n、0.01〜0.15%のCr、0.01〜0.12
    %のZr、0.01〜0.18%のV、及び0.2〜0
    .5%のZnのうち1種又は2種以上をさらに含んでい
    ることを特徴とする請求項1に記載の低温焼付による硬
    化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】  重量%で、Mgを1.5〜3.8%、
    Siを0.15〜0.76%、Cuを0.25〜3.0
    %、Feを0.03〜0.25%、Tiを0.005〜
    0.15%、Bを0.0002〜0.05%の範囲で含
    有し、かつSi及びMgがSi≦(6−Mg)/6(%
    )の関係を満たし、残部がAl及び不可避的不純物から
    なるアルミニウム合金の鋳塊に対し、450〜580℃
    の範囲内の温度で1段又は多段の均質化処理を施した後
    、この鋳塊を熱間圧延及び冷間圧延することにより所望
    の板厚とし、次いで440〜580℃の範囲内の温度ま
    で3℃/秒以上の加熱速度で加熱してその温度で0〜1
    20秒間保持し、その後100℃まで2℃/秒以上の冷
    却速度で冷却することを特徴とする低温焼付による硬化
    性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法
  4. 【請求項4】  前記アルミニウム合金の鋳塊は、重量
    %で、0.01〜0.15%のMn、0.01〜0.1
    5%のCr、0.01〜0.12%のZr、0.01〜
    0.18%のV、及び0.2〜0.5%のZnのうち1
    種又は2種以上をさらに含んでいることを特徴とする請
    求項3に記載の低温焼付による硬化性に優れたプレス成
    形用アルミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】  熱間圧延と冷間圧延との間、又は冷間
    圧延と冷間圧延との間、又はその両方で、320〜58
    0℃の範囲内の温度における中間焼鈍処理を1回又は2
    回以上実施することを特徴とする請求項3又は4に記載
    の低温焼付による硬化性に優れたプレス成形用アルミニ
    ウム合金板の製造方法。
JP3130069A 1991-03-30 1991-05-31 低温焼付による硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2595836B2 (ja)

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