JPH05345963A - 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
高成形性アルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH05345963A JPH05345963A JP17924592A JP17924592A JPH05345963A JP H05345963 A JPH05345963 A JP H05345963A JP 17924592 A JP17924592 A JP 17924592A JP 17924592 A JP17924592 A JP 17924592A JP H05345963 A JPH05345963 A JP H05345963A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Mg6〜10wt%、Be0.0001〜0.
01wt%を含有し、かつMn,Cr,Zr,Vのうち1
種または2種以上を合計0.01〜0.2wt%含有し、
さらにTi0.005〜0.1wt%またはTi0.00
5〜0.1wt%とB0.00001〜0.05wt%を含
有し、残部が実質的にAlからなるアルミニウム合金鋳
塊を均質化処理後、所定の板厚まで圧延し、次いで45
0〜550℃の温度で120秒以内の加熱を施し、その
後直ちに800℃/分以上の平均冷却速度で急速冷却す
ることにより、アルミニウム合金板の平均結晶粒径を2
0〜120μmとする高成形性アルミニウム合金板の製
造方法。 【効果】 伸びが大きくて成形性に優れ、かつ熱間圧延
性が良好で生産性にも優れ、さらにリューダースマーク
の発生のない成形用アルミニウム合金板が得られる。
01wt%を含有し、かつMn,Cr,Zr,Vのうち1
種または2種以上を合計0.01〜0.2wt%含有し、
さらにTi0.005〜0.1wt%またはTi0.00
5〜0.1wt%とB0.00001〜0.05wt%を含
有し、残部が実質的にAlからなるアルミニウム合金鋳
塊を均質化処理後、所定の板厚まで圧延し、次いで45
0〜550℃の温度で120秒以内の加熱を施し、その
後直ちに800℃/分以上の平均冷却速度で急速冷却す
ることにより、アルミニウム合金板の平均結晶粒径を2
0〜120μmとする高成形性アルミニウム合金板の製
造方法。 【効果】 伸びが大きくて成形性に優れ、かつ熱間圧延
性が良好で生産性にも優れ、さらにリューダースマーク
の発生のない成形用アルミニウム合金板が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用のボディパネ
ル、エアクリーナ、オイルタンクなどの如く、強度と成
形性を要求される成形加工品に使用されるアルミニウム
合金板の製造方法に関する。
ル、エアクリーナ、オイルタンクなどの如く、強度と成
形性を要求される成形加工品に使用されるアルミニウム
合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に自動車用ボディパネルなどの
成形用板材としては冷延鋼板が多用されていたが、最近
では自動車の車体を軽量化してその燃費を改善するた
め、アルミニウム合金板を使用する要望が強まってい
る。このような用途に使用されるアルミニウム合金板と
しては、Al−Mg系の5052合金(Al−2.5wt
%Mg−0.25wt%Cr)O材や、5182合金(A
l−4.5wt%Mg−0.35wt%Mn)O材、あるい
はAl−Cu系の2036合金(Al−2.6wt%Cu
−0.25wt%Mn−0.45wt%Mg)T4材、Al
−Mg−Si系の6009合金(Al−0.8wt%Si
−0.38wt%Cu−0.5wt%Mn−0.6wt%M
g)T4材、6010合金(Al−1.0wt%Si−
0.38wt%Cu−0.5wt%Mn−0.8wt%Mg)
T4材などがある。この内、Al−Mg系の合金は成形
性と強度が共に優れるのできびしい成形をうける部材に
しばしば用いられている。
成形用板材としては冷延鋼板が多用されていたが、最近
では自動車の車体を軽量化してその燃費を改善するた
め、アルミニウム合金板を使用する要望が強まってい
る。このような用途に使用されるアルミニウム合金板と
しては、Al−Mg系の5052合金(Al−2.5wt
%Mg−0.25wt%Cr)O材や、5182合金(A
l−4.5wt%Mg−0.35wt%Mn)O材、あるい
はAl−Cu系の2036合金(Al−2.6wt%Cu
−0.25wt%Mn−0.45wt%Mg)T4材、Al
−Mg−Si系の6009合金(Al−0.8wt%Si
−0.38wt%Cu−0.5wt%Mn−0.6wt%M
g)T4材、6010合金(Al−1.0wt%Si−
0.38wt%Cu−0.5wt%Mn−0.8wt%Mg)
T4材などがある。この内、Al−Mg系の合金は成形
性と強度が共に優れるのできびしい成形をうける部材に
しばしば用いられている。
【0003】このAl−Mg系合金板は通常、鋳造→均
質化処理→熱間圧延→冷間圧延→焼鈍という工程で製造
され、必要に応じて冷間圧延の途中に中間焼鈍を施すこ
ともある。なお、板の平坦性が特に要求される場合は、
焼鈍の後にテンションレベラー、ローラーレベラー、ス
キンパス圧延等の手段により整直矯正が施されることも
ある。
質化処理→熱間圧延→冷間圧延→焼鈍という工程で製造
され、必要に応じて冷間圧延の途中に中間焼鈍を施すこ
ともある。なお、板の平坦性が特に要求される場合は、
焼鈍の後にテンションレベラー、ローラーレベラー、ス
キンパス圧延等の手段により整直矯正が施されることも
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のAl−Mg
系合金板は、アルミニウム合金としては延性が優れてい
るが、その伸びは高々30%程度であり、冷延鋼板の伸
びが40%以上あるのに対し劣っている。このため、特
に張出し、曲げ、伸びフランジ加工など、伸びが支配要
因とされる成形性が冷延鋼板に比べて劣っているのが実
情である。
系合金板は、アルミニウム合金としては延性が優れてい
るが、その伸びは高々30%程度であり、冷延鋼板の伸
びが40%以上あるのに対し劣っている。このため、特
に張出し、曲げ、伸びフランジ加工など、伸びが支配要
因とされる成形性が冷延鋼板に比べて劣っているのが実
情である。
【0005】さて、Al−Mg系合金においてはMg含
有量が多いほど伸びが向上することが知られている。従
って伸びを向上させるためMg含有量を従来(2.5〜
5wt%)よりも多くした高Mg合金が検討されている。
しかるに、Mg含有量を多くすると熱間圧延性が低下
し、圧延が不可能になるという問題点がある。またMg
含有量を多くすることによるもう1つの問題点は成形時
にリューダースマーク(ストレッチャーストレインマー
ク)が発生しやすく、成形品の美観を損ねるという点で
ある。
有量が多いほど伸びが向上することが知られている。従
って伸びを向上させるためMg含有量を従来(2.5〜
5wt%)よりも多くした高Mg合金が検討されている。
しかるに、Mg含有量を多くすると熱間圧延性が低下
し、圧延が不可能になるという問題点がある。またMg
含有量を多くすることによるもう1つの問題点は成形時
にリューダースマーク(ストレッチャーストレインマー
ク)が発生しやすく、成形品の美観を損ねるという点で
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みてな
されたものであって、従来のAl−Mg系合金板の伸び
を改善して冷延鋼板並の40%程度とし、かつ熱間圧延
性が優れ、さらにリューダースマークの発生のない成形
用アルミニウム合金板を提供するものである。
されたものであって、従来のAl−Mg系合金板の伸び
を改善して冷延鋼板並の40%程度とし、かつ熱間圧延
性が優れ、さらにリューダースマークの発生のない成形
用アルミニウム合金板を提供するものである。
【0007】即ち本発明は、Mg6〜10wt%、Be
0.0001〜0.01wt%を含有し、かつMn,C
r,Zr,Vのうち1種または2種以上を0.01〜
0.2wt%含有し、さらにTi0.005〜0.1wt%
またはTi0.005〜0.1wt%とB0.00001
〜0.05wt%を含有し、残部がその他の不可避的不純
物とAlからなるアルミニウム合金鋳塊を均質化処理
後、所定の板厚まで圧延し、次いで450〜550℃の
温度で120秒以内の高温短時間加熱を施し、直ちに8
00℃/分以上の平均冷却速度で急速冷却することによ
り、平均結晶粒径を20〜120μmとすることを特徴
とするものであり、さらに前記アルミニウム合金の不純
物としてFe,Si,Cuをそれぞれ0.2wt%以下に
規制するのはより有効である。
0.0001〜0.01wt%を含有し、かつMn,C
r,Zr,Vのうち1種または2種以上を0.01〜
0.2wt%含有し、さらにTi0.005〜0.1wt%
またはTi0.005〜0.1wt%とB0.00001
〜0.05wt%を含有し、残部がその他の不可避的不純
物とAlからなるアルミニウム合金鋳塊を均質化処理
後、所定の板厚まで圧延し、次いで450〜550℃の
温度で120秒以内の高温短時間加熱を施し、直ちに8
00℃/分以上の平均冷却速度で急速冷却することによ
り、平均結晶粒径を20〜120μmとすることを特徴
とするものであり、さらに前記アルミニウム合金の不純
物としてFe,Si,Cuをそれぞれ0.2wt%以下に
規制するのはより有効である。
【0008】
【作用】まず、本発明の合金成分の限定理由について説
明する。
明する。
【0009】Mgは強度と伸びを付与するために添加す
る。しかしてMgが6wt%未満では本合金板は40%程
度の伸びが得られず、一方10wt%を越えると圧延性が
急激に低下し、製造が困難となる。
る。しかしてMgが6wt%未満では本合金板は40%程
度の伸びが得られず、一方10wt%を越えると圧延性が
急激に低下し、製造が困難となる。
【0010】Beは溶解鋳造時の溶湯酸化防止と、均質
化処理中の鋳塊の酸化によるMgの減失を防ぐため添加
する。しかして0.0001wt%未満ではその効果が不
十分であり、0.01wt%を越えると毒性が問題とな
る。
化処理中の鋳塊の酸化によるMgの減失を防ぐため添加
する。しかして0.0001wt%未満ではその効果が不
十分であり、0.01wt%を越えると毒性が問題とな
る。
【0011】Mn,Cr,V,Zrは熱間圧延性を改善
するために添加する。本発明者等は種々検討の結果、高
Mg合金の熱間圧延性は、該合金の熱間圧延前、すなわ
ち均質化処理後の鋳塊において結晶粒が粗大な場合に劣
ることを見出し、これに対してMn,Cr,V,Zrを
上記合金に添加することにより均質化処理中の粗大結晶
粒の成長を抑制して、熱間圧延性が顕著に向上すること
を見出した。そしてこれらの1種または2種以上を合計
0.01〜0.2wt%添加するが、0.01wt%未満で
は上記効果が不十分であり、0.2wt%を越えると粗大
な金属間化合物を形成し伸びが低下する。
するために添加する。本発明者等は種々検討の結果、高
Mg合金の熱間圧延性は、該合金の熱間圧延前、すなわ
ち均質化処理後の鋳塊において結晶粒が粗大な場合に劣
ることを見出し、これに対してMn,Cr,V,Zrを
上記合金に添加することにより均質化処理中の粗大結晶
粒の成長を抑制して、熱間圧延性が顕著に向上すること
を見出した。そしてこれらの1種または2種以上を合計
0.01〜0.2wt%添加するが、0.01wt%未満で
は上記効果が不十分であり、0.2wt%を越えると粗大
な金属間化合物を形成し伸びが低下する。
【0012】Ti、またはTiとBは、鋳塊組織の均一
微細化のために添加する。しかしてTiが0.005wt
%未満ではその効果が少なく、0.1wt%を越えると粗
大な金属間化合物を形成し伸びが低下する。他方BはT
iと共存して鋳塊微細化効果をさらに高めるので、0.
00001〜0.05wt%添加するのが望ましい。しか
してBが0.00001wt%未満では上記効果が不十分
であり、0.05wt%を越えると粗大なTiB2 粒子を
形成し、伸びが低下する。
微細化のために添加する。しかしてTiが0.005wt
%未満ではその効果が少なく、0.1wt%を越えると粗
大な金属間化合物を形成し伸びが低下する。他方BはT
iと共存して鋳塊微細化効果をさらに高めるので、0.
00001〜0.05wt%添加するのが望ましい。しか
してBが0.00001wt%未満では上記効果が不十分
であり、0.05wt%を越えると粗大なTiB2 粒子を
形成し、伸びが低下する。
【0013】Fe,Si,Cuは本発明合金において不
純物となるものであり、それぞれ0.2wt%以下に制限
する。しかしてこれらの含有量がそれぞれ0.2wt%を
越えた場合、FeとSiは金属間化合物を形成するため
伸びを劣化させ、Cuは熱間圧延中に結晶粒界に偏析し
粒界強度を下げるため、熱延圧延中に割れが発生しやす
くなる。特に本発明のように高Mg合金ではCuの規制
が製造上重要であり、望ましくは0.1wt%未満とした
方が良い。
純物となるものであり、それぞれ0.2wt%以下に制限
する。しかしてこれらの含有量がそれぞれ0.2wt%を
越えた場合、FeとSiは金属間化合物を形成するため
伸びを劣化させ、Cuは熱間圧延中に結晶粒界に偏析し
粒界強度を下げるため、熱延圧延中に割れが発生しやす
くなる。特に本発明のように高Mg合金ではCuの規制
が製造上重要であり、望ましくは0.1wt%未満とした
方が良い。
【0014】なお、その他の不純物(Zn,Pbなど)
は合計0.3wt%以下ならば、本発明の顕著な効果を奏
する上で特に問題はない。
は合計0.3wt%以下ならば、本発明の顕著な効果を奏
する上で特に問題はない。
【0015】次に本発明の製造条件について説明する。
まず、上述のような成分組成のアルミニウム合金の鋳塊
に対して通常法により均質化処理を施す。この均質化処
理により溶質原子の分布均一化を図り、強度、延性の向
上、及び焼鈍後の組織を均一化することができる。その
温度が450℃未満、時間が1時間未満では効果が不十
分であり、600℃を越えるとバーニング(局部溶融)
を生じるおそれがある。
まず、上述のような成分組成のアルミニウム合金の鋳塊
に対して通常法により均質化処理を施す。この均質化処
理により溶質原子の分布均一化を図り、強度、延性の向
上、及び焼鈍後の組織を均一化することができる。その
温度が450℃未満、時間が1時間未満では効果が不十
分であり、600℃を越えるとバーニング(局部溶融)
を生じるおそれがある。
【0016】次に、通常法に従い熱間圧延および冷延圧
延により所定の板厚とする。
延により所定の板厚とする。
【0017】その後、連続焼鈍炉(CAL)などにより
450〜550℃で120秒以下の高温短時間加熱を施
し、直ちに800℃/分以上の平均冷却速度で急速冷却
することにより、平均結晶粒径20〜120μmの再結
晶組織とする。
450〜550℃で120秒以下の高温短時間加熱を施
し、直ちに800℃/分以上の平均冷却速度で急速冷却
することにより、平均結晶粒径20〜120μmの再結
晶組織とする。
【0018】ここで再結晶粒径を上記の如く制限した理
由を説明する。再結晶粒径が20μm未満であると本発
明組成のような高Mg合金ではリューダースマークの発
生が顕著となると共に伸びが低下する。逆に再結晶粒径
が120μmを越えると成形品の肌荒れが顕著になると
同時にやはり伸びが低下する。伸びの最も大きくなるの
は結晶粒径が50〜80μmの範囲である。
由を説明する。再結晶粒径が20μm未満であると本発
明組成のような高Mg合金ではリューダースマークの発
生が顕著となると共に伸びが低下する。逆に再結晶粒径
が120μmを越えると成形品の肌荒れが顕著になると
同時にやはり伸びが低下する。伸びの最も大きくなるの
は結晶粒径が50〜80μmの範囲である。
【0019】このような理由で再結晶粒径は20〜12
0μmの範囲とする必要があり、このため最終冷間圧延
後、連続焼鈍炉(CAL)などにより、450〜550
℃の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施す。
0μmの範囲とする必要があり、このため最終冷間圧延
後、連続焼鈍炉(CAL)などにより、450〜550
℃の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施す。
【0020】上記加熱温度が450℃未満では再結晶が
不十分かあるいは再結晶しても結晶粒径が20μm未満
であり、伸びが少なくリューダースマークも発生してし
まう。他方加熱温度が550℃を越えるか、または加熱
時間が120秒を越えると再結晶粒が粗大化し、結晶粒
径が120μmを越えたり、バーニングを起こしたりす
るので不適当である。
不十分かあるいは再結晶しても結晶粒径が20μm未満
であり、伸びが少なくリューダースマークも発生してし
まう。他方加熱温度が550℃を越えるか、または加熱
時間が120秒を越えると再結晶粒が粗大化し、結晶粒
径が120μmを越えたり、バーニングを起こしたりす
るので不適当である。
【0021】加熱後、直ちに800℃/分以上の平均冷
却速度で急速冷却する。これは冷却速度がこれより遅い
とMg原子による転位の固着がおこり、リューダースマ
ークが発生しやすくなるからである。この冷却は空冷、
水冷、ミスト冷却にいずれでも良い。
却速度で急速冷却する。これは冷却速度がこれより遅い
とMg原子による転位の固着がおこり、リューダースマ
ークが発生しやすくなるからである。この冷却は空冷、
水冷、ミスト冷却にいずれでも良い。
【0022】このような熱処理を施した後、必要に応じ
てテンションレベラー、ローラーレベラー等の手段によ
り整直矯正を施しても良い。
てテンションレベラー、ローラーレベラー等の手段によ
り整直矯正を施しても良い。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0024】(実施例1)表1に示すNo.1〜No.11
の組成のアルミニウム合金を常法に従いDC鋳造し、5
20℃で4時間の均質化処理後、開始温度450℃で板
厚5mmまで熱間圧延し、さらに板厚1mmまで冷間圧延し
た。次いで連続焼鈍炉により530℃、10秒間加熱し
て再結晶させた後直ちに平均冷却速度1200℃/分で
空冷した。
の組成のアルミニウム合金を常法に従いDC鋳造し、5
20℃で4時間の均質化処理後、開始温度450℃で板
厚5mmまで熱間圧延し、さらに板厚1mmまで冷間圧延し
た。次いで連続焼鈍炉により530℃、10秒間加熱し
て再結晶させた後直ちに平均冷却速度1200℃/分で
空冷した。
【0025】
【表1】
【0026】このようにして得られたアルミニウム合金
板の平均結晶粒径を測定し、さらに引張試験により引張
強さ、耐力、伸び、リューダースマークの発生状況を調
査した。それらの結果を表2に示す。
板の平均結晶粒径を測定し、さらに引張試験により引張
強さ、耐力、伸び、リューダースマークの発生状況を調
査した。それらの結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2より明らかなように、本発明組成のN
o.1〜5は熱間圧延性が良好であり、伸びも38%〜4
1%と高い。これに対しMg量の少ないNo.6、Mn,
Cr,Zr,Vの合計量の多いNo.8、Fe,Siの多
いNo.10は伸びが低い。またMn,Cr,Zr,Vの
少ないNo.7、Cuの多いNo.9、Mgの多いNo.11
は熱間圧延で割れが発生し、製造不能であった。
o.1〜5は熱間圧延性が良好であり、伸びも38%〜4
1%と高い。これに対しMg量の少ないNo.6、Mn,
Cr,Zr,Vの合計量の多いNo.8、Fe,Siの多
いNo.10は伸びが低い。またMn,Cr,Zr,Vの
少ないNo.7、Cuの多いNo.9、Mgの多いNo.11
は熱間圧延で割れが発生し、製造不能であった。
【0029】(実施例2)実施例1のNo.3の合金のD
C鋳塊を500℃で8時間の均質化処理後、開始温度4
70℃で板厚4mmまで熱間圧延し、さらに板厚1.2mm
まで冷間圧延した。次いで表3に示す種々の条件で焼鈍
を施した(No.12〜No.18)。このようにして得ら
れたアルミニウム合金板の平均結晶粒を測定し、さらに
引張試験により引張強さ、耐力、伸び、リューダーマー
クの発生状況を調査した。それらの結果を表3に示す。
C鋳塊を500℃で8時間の均質化処理後、開始温度4
70℃で板厚4mmまで熱間圧延し、さらに板厚1.2mm
まで冷間圧延した。次いで表3に示す種々の条件で焼鈍
を施した(No.12〜No.18)。このようにして得ら
れたアルミニウム合金板の平均結晶粒を測定し、さらに
引張試験により引張強さ、耐力、伸び、リューダーマー
クの発生状況を調査した。それらの結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】表3より明らかなように、本発明の製造方
法によるNo.12〜14のアルミニウム合金板は、伸び
が40〜42%と高く、リューダースマークの発生もな
い。これ対し加熱温度の低いNo.15は結晶粒径が14
μmと小さくリューダースマークが発生した。また、冷
却の遅いNo.16、温度と冷却速度の低いNo.18は、
いずれもリューダースマークが発生、加熱時間の長いN
o.17は結晶粒が粗大化して伸びが劣り、さらに肌荒れ
も顕著であった。
法によるNo.12〜14のアルミニウム合金板は、伸び
が40〜42%と高く、リューダースマークの発生もな
い。これ対し加熱温度の低いNo.15は結晶粒径が14
μmと小さくリューダースマークが発生した。また、冷
却の遅いNo.16、温度と冷却速度の低いNo.18は、
いずれもリューダースマークが発生、加熱時間の長いN
o.17は結晶粒が粗大化して伸びが劣り、さらに肌荒れ
も顕著であった。
【0032】
【発明の効果】このように本発明によれば、伸びが大き
く成形性に優れ、熱間圧延性が良好で生産性に優れ、か
つリューダースマークの発生のない成形用アルミニウム
合金板が得られ、工業上顕著な効果を奏する。
く成形性に優れ、熱間圧延性が良好で生産性に優れ、か
つリューダースマークの発生のない成形用アルミニウム
合金板が得られ、工業上顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪田 孝弘 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 戸次 洋一郎 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 林 稔 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社
Claims (2)
- 【請求項1】 Mg6〜10wt%、Be0.0001〜
0.01wt%を含有し、かつMn,Cr,Zr,Vのう
ち1種または2種以上を合計0.01〜0.2wt%含有
し、さらにTi0.005〜0.1wt%またはTi0.
005〜0.1wt%とB0.00001〜0.05wt%
を含有し、残部が実質的にAlからなるアルミニウム合
金鋳塊を均質化処理後、所定の板厚まで圧延し、次いで
450〜550℃の温度で120秒以内の加熱を施し、
その後直ちに800℃/分以上の平均冷却速度で急速冷
却することにより、アルミニウム合金板の平均結晶粒径
を20〜120μmとすることを特徴とする高成形性ア
ルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム合金におい
て不純物としてのFe,Si,Cuがそれぞれ0.2wt
%以下に規制されている請求項1に記載の高成形性アル
ミニウム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17924592A JPH05345963A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17924592A JPH05345963A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05345963A true JPH05345963A (ja) | 1993-12-27 |
Family
ID=16062476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17924592A Pending JPH05345963A (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 高成形性アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05345963A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2018204100A (ja) * | 2017-04-15 | 2018-12-27 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | マグネシウムと、クロム、マンガン及びジルコニウムのうちの少なくとも1つとを添加したアルミニウム合金、並びにその製造方法 |
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1992
- 1992-06-12 JP JP17924592A patent/JPH05345963A/ja active Pending
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