JPH0415077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用座席のランバーサポート（腰
椎支持）装置、詳しくは組付性の向上を目的とし
たものである。

（従来の技術とその問題点） 従来のこの種のランバーサポート装置は、例え
ば特公昭55−49号公報に開示されているように、
ランバープレートを係止したトーシヨンスプリン
グを、バツクフレームのブラケツトに係止したピ
ン等に回動自在に枢着する構造であり、このトー
シヨンスプリングの枢着はトーシヨンスプリング
の一端を巻装したピン等をバツクフレームのブラ
ケツトに種々工具を使用して固定することにより
行なつている。そのため、トーシヨンスプリング
の組付に際し、その作業性が頗る悪い不具合があ
つた。しかも、前記従来品のランバーサポート装
置は、構造が複雑であり、その製造においても工
数を要する。

（解決すべき課題） そこで、本考案は構造が簡単で、その組付性が
良いランバーサポート装置を提供することを目的
とするものである。

（解決すべき手段） そのため、本考案は、コ字状に折曲させて、そ
の中央部にランバープレートを有するトーシヨン
スプリングの両端に、夫々同一方向に折曲する係
合部を延設し、一方、この係合部を係止するバツ
クフレーム側に固着した係止片に夫々の係合部に
対して加わる荷重に対して直交状に切欠した係止
孔を設け、該係止孔に前記トーシヨンスプリング
の係合部を嵌合することによつて、トーシヨンス
プリングを組付けてなるものである。

従つて、前記バツクフレームに固着する係止片
の係止孔は、トーシヨンスプリングを起伏させる
カム側は、カムによるトーシヨンスプリングの起
伏方向に対して直交状に、また、他方の係止片の
係止孔はトーシヨンスプリングに加わる荷重（ラ
ンバープレートに加わる荷重と同一方向の荷重）
方向に対して直交状に夫々切欠されており、この
両係止孔にトーシヨンスプリングの両端より延設
した係合部を嵌合することにより、トーシヨンス
プリングを両係止片に脱落することなく装着する
構造である。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案に係るランバーサポート装置を
備えたシートバツクのフレーム構造体を示し、図
中、１はランバープレートで、トーシヨンスプリ
ング２に装着され、該トーシヨンスプリング２の
両端はバツクフレーム５の左右両側部に固着した
係止片３ａ，３ｂに夫々取付けられ、一方の係止
片３ａ側に配設したカム４にトーシヨンスプリン
グ２の一側部が当接している。従つて、シートバ
ツク外に突出する軸４１の先端に配設した操作ハ
ンドル（不図示）を回動操作すると、軸４１を介
してカム４が回転し、このカム４の回転変位によ
つてトーシヨンスプリング２が、係止片３ａ，３
ｂに係合する個所を回転中心として起伏してラン
バープレート１を前後方向に移動させ、着座者の
腰椎支持圧を調節する。

なお、第１図において、図中６はバツクフレー
ム５の左右両下端部間に架設したパイプ製の補強
杆、３は同上部左右間に架設した金属板製の補強
板、８，８は発泡体（例えばウレタンフオームな
ど）製のクツシヨン材（不図示）を支持するＳば
ねを夫々示し、斯るＳばね８等をバツクフレーム
５に組付ける際に、前記ランバーサポート装置を
構成するトーシヨンスプリング２を前記係止片３
ａ，３ｂに組付ける。

以下、第２図乃至第５図に基づいて本案装置を
具体的に説明すると、図示するトーシヨンスプリ
ング２は鋼線をコ字状に折曲させると共に、その
両端を同一方向に折曲させて係合部２２，２３を
形成し、且つ一方の側部側に上方にコ字状に折曲
させてカム接合部２１を設けたものであり、該ト
ーシヨンスプリング２の略中央にランバープレー
ト１が設けてある。

ランバープレート１の中央にはトーシヨンスプ
リング２の中央に設けた突部２４が嵌合する通孔
１２が開孔され、その通孔１２の左右には第５図
に示すように後方側に上下口縁を折曲して形成し
た挟持部１１，１１を切設して、トーシヨンスプ
リング１を挟持するように構成されている。

カム４は軸４１の一端に固着され、この軸４１
はバツクフレーム５に溶接によつて固定したブラ
ケツト４４に貫挿した支管４３に、ブツシユ４２
を介して回動自在に枢着し、その軸４１のシート
バツクの外方に突出する部分に操作ハンドル（不
図示）を固定している。そして、このブラケツト
４４の端縁は円弧状に形成したガイド４４ａが設
けてあり、このガイド４４ａに沿つて、カム４に
設けたストツパ４５が摺接し、その両端に係止す
ることにより、操作ハンドルの回動範囲を一定に
規制している。

トーシヨンスプリング１のカム接合部２１側の
係合部２２を取付ける係止片３ａは、前記バツク
フレーム５に固定したブラケツト４４と一体に、
且つシートバツクの下部方向に向けて折曲されて
いる。そして、この係止片３ａには第３図に示す
ようにシートバツクの下方より上方に向けて、即
ち、トーシヨンスプリング１のカム接合部２１を
上下に押動する方向に対して直交状に切欠した係
止孔３１が開孔されている。

一方、トーシヨンスプリング１の他の係合部２
２を取付ける係止片３ｂは、第２図に示すよう
に、シートバツクの前面方向から背裏方向に向け
て切欠した係止孔３２が開孔されている。即ち、
この係止孔３２の切欠はトーシヨンスプリング１
に加わる荷重に対して直交状に形成されている。

図中、２５，２５はトーシヨンスプリング１の
両係合部２２に装着して、係止片３ａ，３ｂの係
止孔３１，３２に嵌合して、トーシヨンスプリン
グ２の係合部２２，２３における係止片３ａ，３
ｂに対する回動性を向上するための、合成樹脂製
カラーである。

次に、本考案に係るランバープレート装置の組
立方法を説明すると、まず、バツクフレーム５
に、補強杆６、補強板７等を溶接する際に同時
に、係止片３ａと一体のブラケツト４４及び係止
片３ｂを溶接する。次に、トーシヨンスプリング
２の中央部の突部２４をランバープレート１の通
孔１２に挿込むと共に、その両側をランバープレ
ート１の挟持部１１，１１に挟持すると、ランバ
ープレート１はトーシヨンスプリング２に取付け
られる。然る後、トーシヨンスプリング２の左右
の係止部２２，２３をカラー２５，２５と共に、
係止片３ａ，３ｂの係止孔３１，３２に嵌合する
と、トーシヨンスプリング２のカム当接部２１が
カム４に当接して、本考案に係るランバーサポー
ト装置が組立られる。

（効果） 本考案は叙上の如く、コ字状のトーシヨンスプ
リングの両端より同一方向に係合部を延設し、こ
の係合部をバツクフレームに固定して係止片の係
止孔に嵌合することにより、ランバーサポート装
置が組立てられるため、従来品に比べ組付性が頗
る良く、その作業性を向上し得る。

そして、係止孔に嵌合したトーシヨンスプリン
グの係合部は、その係合部に加わる荷重方向に対
して直交状に切欠した係止孔内に嵌合している。
従つて、何ら特別な固定手段を設けることなくト
ーシヨンスプリングが脱落することがなく、確実
に取付けることができる。

しかも、トーシヨンスプリングに係合部を延設
し、且つ係止片に一定方向に切欠した係止孔を設
ければ良いため、構造が極めて簡単で低原価で提
供できると共に、故障が生じ難いランバーサポー
ト装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案装置を備えたフレーム構造体の斜視図、第２図
は第１図における−線断面図、第３図は第２
図における−線断面図、第４図は分解斜視
図、第５図は第１図における−線断面図であ
る。 図中、１はランバープレート、２はトーシヨン
スプリング、２２，２３はトーシヨンスプリング
の係合部、３ａ，３ｂは係止片、３１，３２は係
止孔、４はカム、５はバツクフレームを夫々示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向の中央部にランバープレートを有する
   と共に、コ字状に折曲させてバツクフレームの左
   右に渉つて回動可能に取付けるトーシヨンスプリ
   ングと、バツクフレームの左右に夫々固着してト
   ーシヨンスプリングの端部を係止する二ケの係止
   片と、該係止片の一方側に装設してトーシヨンス
   プリングを起伏させるカムとからなり、前記トー
   シヨンスプリングの両端には夫々同一方向に折曲
   する係合部を延設し、前記カム側の係止片にはカ
   ムによるトーシヨンスプリングの起伏方向に対し
   て直交状に切欠した係止孔を設け、他方の係止片
   にはトーシヨンスプリングに加わる荷重に対して
   直交状に切欠した係止孔を設け、該両係止孔に前
   記トーシヨンスプリングの係合部を嵌合すること
   により、ランバープレートを備えたトーシヨンス
   プリングを組付けてなるランバーサポート装置。