JP2514012Y2 - 自動車用ヘッドレスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用ヘッドレストの改良に関する。

（従来の技術） 従来、第７図に示すように、シートバック１の上部に
取付けられるポール２で前後揺動自在に支持された、い
わゆるスイング式のヘッドレスト３は種々実用化されて
いる。

該ヘッドレスト３は、第８図に示すように、フレーム
４に取付けたコ字形状の板バネ（不図示）をポール２の
水平部2aに嵌着することにより、フリクションが与えら
れつつ前後揺動自在に支持されるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、ヘッドレスト３の揺動角の規制は、第８図
に示したように、ポール２の水平部2aにストッパープレ
ート５を所定角度で溶接固定して、最前揺動位置ａは、
フレーム４の前端部をストッパープレート５に当接さ
せ、最後揺動位置ｂは、フレーム４の平面部をストッパ
ープレート５に当接させることにより行っていた。

しかしながら、ストッパープレート５は、ポール２に
予め溶接固定されているので、揺動角の異なるヘッドレ
ストを必要とする場合、当接位置の異なるフレームを別
に用意しなければならず、フレームに汎用性を持たせる
ことができなかった。

また、第９図に示すように、ヘッドレスト３の表皮６
の端末6a,6bは、一方の端末6aにセットプレート７を縫
着して、該セットプレート７を他方の端末6bに係止して
いたので、別成型品のセットプレート７を必要とすると
いう問題もあった。

本考案は上記問題を解決するためになされたもので、
上記のようなスイング式のヘッドレストにおいて、フレ
ームの汎用化及びセットプレートの廃止等を目的とする
ものである。

（課題を解決するための手段） このため本考案は、シートバックの上部に取付けられ
たポールで前後摺動自在に支持されたヘッドレストであ
って、上記ヘッドレストのフレーム下部に凹部が形成さ
れ、該凹部に合成樹脂もしくはラバー製のブロック体が
取付けられ、該ブロック体に、上記ポールの垂直部に当
て止められる揺動角規制部と、ヘッドレストの表皮の端
末を係止する係止部とが一体形成されていることを特徴
とするものである。

（考案の作用・効果） 本考案は、揺動角規制部と係止部とを一体形成したブ
ロック体を、ヘッドレストのフレームの凹部に取付け
て、該ブロック体の係止部に表皮の端末を係止すると共
に、ブロック体の揺動角規制部をポールの垂直部で当て
止めてヘッドレストの揺動角を規制するようにしたもの
である。

したがって、従来のように、ポールにストッパープレ
ートを溶接固定する必要がなくなり、部品点数及び組付
工数が削減する。

そして、ヘッドレストの揺動角を異ならせる場合に
は、揺動角規制部の位置を異ならせたブロック体をフレ
ームの凹部に取付ければよく、フレームが汎用化して、
コストダウンを図ることができる。

また、ブロック体に表皮端末の係止部を一体形成した
から、セットプレートを廃止でき、部品点数が削減し
て、コストダウンを図ることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細に説明
する。

第５図及び第６図に示すように、自動車用ヘッドレス
ト10は、シートバック11の上部に取付けられた左右一対
のポールガイド12でポール13の垂直部13a,13aが昇降自
在に支承されている。

該ヘッドレスト10内にはフレーム14が設けられ、該フ
レーム14の幅方向の略中央部に取付けたコ字形状の板バ
ネ15（第３図参照）がポール13の水平部13bに嵌着さ
れ、該板バネ15によりフレーム14（ヘッドレスト10）
が、フリクションを与えられつつ前後揺動自在に支持さ
れるようになっている。

上記フレーム14の下部には、正面（第５図）から見て
略台形状で、側面（第６図）から見て下方が開口した逆
Ｕ字形状の凹部14aが形成されている。

該凹部14aには、合成樹脂または硬質ラバー製のブロ
ック体16が嵌合されて取付けられている。

該ブロック体16は、第１図に詳細に示すように、上記
凹部14aに嵌合するよう略三角形状に形成され、幅方向
の略中央部の上部には、第３図にも示すように、上記板
バネ15が嵌入する切欠き16aが形成されている。

該ブロック体16の切欠き16aの両側部分には、上記ポ
ール13の水平部13bが嵌入する貫通孔16bが明けられてい
る。

該ブロック体16の両端側には、第２図にも示すよう
に、上記ポール13の垂直部13a,13aが臨まされて、逆Ｕ
字形状の切込み16c,16cがそれぞれ形成されている。

該各切込み16cの一方の面は、ヘッドレスト10の最前
揺動位置ａでポール13の垂直部13aの背面に当て止めら
れる前揺動角規制部16dに形成され、他方の面は、ヘッ
ドレスト10の最後揺動位置ｂでポール13の垂直部13aの
前面に当て止められる後揺動角規制部16eに形成されて
いる。

上記ブロック体16には、両端側の切込み16c,16cを除
いて、第３図及び第４図に詳細に示すように、上記貫通
孔16bや切欠き16aに連通しながら、幅方向に伸長するス
リット16fが形成され、該スリット16fの対向する内面
は、鋸歯を有する係止部16gに形成されている。

上記ヘッドレスト10の表皮18の端末18a,18bには、上
記係止部16gに差込み可能な平板状のプレート19,19がそ
れぞれ縫着されている。

上記のような構成であれば、組付けに際しては、ポー
ル13の水平部13bに、ブロック体16のスリット16fを押し
拡げながら貫通孔16bを嵌合させる。

ついで、ブロック体16をフレーム14の凹部14aに嵌合
させて、クリップ部等で凹部14aに取付ける。

その後、ブロック体16の切欠き16aに臨んでいるポー
ル13の水平部13bに板バネ15を嵌着して、該板バネ15を
フレーム14にピン等でかしめ固定する。

これにより、ポール13にフレーム14が前後摺動自在に
支持されることになる。

そして、フレーム14にパッド（不図示）を当てがい、
袋状の表皮18を上から被せて、表皮18の下側の端末18a,
18bのプレート19,19を重ね合わせた状態で、上記ブロッ
ク体16の係止部16gに下方から差込む。

これにより、表皮18の端末18a,18bがブロック体16の
係止部16gに係止されることになる。

完成したヘッドレスト10は、最前揺動位置ａでは、ブ
ロック体16の前揺動角規制部16dがポール13の垂直部13a
に当て止められ、最後揺動位置ｂでは、ブロック体16の
後揺動角規制部16eがポール13の垂直部13aに当て止めら
れる。

このように、本実施例によれば、ポール13に従来のよ
うなストッパープレートを溶接固定する必要がなくな
り、部品点数及び組付工数が削減するのである。

そして、ヘッドレスト10の揺動角を異ならせる場合に
は、揺動角規制部16d,16eの位置（角度）を異ならせた
ブロック体16をフレーム14の凹部14aに取付ければよい
ので、フレーム14が汎用化する。

また、ブロック体16に表皮18の端末18a,18bの係止部1
6gを一体形成しているから、従来のようなセットプレー
トも廃止でき、部品点数も削減するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るブロック体とポールの分解斜視
図、第２図はブロック体の揺動角規制部を示す第５図の
Ｉ−Ｉ線に相当する拡大断面図、第３図はブロック体の
切込みを示す第５図のII−II線に相当する拡大断面図、
第４図はブロック体の係止部を示す第５図のIII−III線
に相当する拡大断面図、第５図はフレームの正面図、第
６図は第５図の側面図、第７図は従来のヘッドレストを
備えた自動車用シートの斜視図、第８図は従来の揺動角
規制構造の断面図、第９図は表皮端末係止構造の断面図
である。 10…ヘッドレスト、11…シートバック、13…ポール、13
a…垂直部、13b…水平部、14…フレーム、14a…凹部、1
5…板バネ、16…ブロック体、16d,16e…揺動角規制部、
16g…係止部、18…表皮、18a,18b…端末。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックの上部に取付けられたポール
   で前後揺動自在に支持されたヘッドレストであって、 上記ヘッドレストのフレーム下部に凹部が形成され、該
   凹部に合成樹脂もしくはラバー製のブロック体が取付け
   られ、該ブロック体に、上記ポールの垂直部に当て止め
   られる揺動角規制部と、ヘッドレストの表皮の端末を係
   止する係止部とが一体形成されていることを特徴とする
   自動車用ヘッドレスト。