JPS6332751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はいわゆる可倒式のバツクミラーの取付
装置に関するものである。

自動車の車体外板に取付けられるバツクミラー
において、人や異物の衝突時に倒れて衝撃を緩和
するようにされたものは可倒式バツクミラーとし
て周知である。その一般的な構造は、車体外板の
裏面において車体外板とフツク杆の下端との間に
圧縮ばねを縮設し、車体外板の表面に突出したフ
ツク杆の上端をミラー保持用のステーの下部に連
結させることにより、ステーを車体外板に圧接し
て取付けるものである。しかしながら、この構造
では組付け時の作業性が悪いため、圧縮ばねを縮
設した状態でフツク杆を車体外板の裏面などに仮
係止できるようにしたものが、例えば実公昭56−
52113号公報に開示されている。これはフツク杆
に係脱自在な係合片を補強板に変位自在に取付
け、ステーの取付けの際にはフツク杆を係合片に
仮係止しておき、取付けが終了すると仮係止が外
れるようにして組付けの作業性を改善したもので
あるが、係合片が変位自在なため仮係止が外れた
後に自由に動きまわつて騒音の原因になつたり、
ステーが外力により傾いた時に再び係止されてス
テーが元に戻らなくなつたりする可能性がある。

本考案はこの点に着目し、ステーが傾いても係
止されることがなく、また騒音の原因になること
もない仮係止部を設けることを目的としてなされ
たものである。すなわち、本考案はフツク杆の上
端にステーに連結するためのフツク片を回動自在
に軸着し、フツク片の軸着部より下部の側縁にフ
ツク片とフツク杆の軸線が折れ曲つた場合にのみ
フツク片の側縁より突出する係止爪を形成し、車
体外板の裏面に当接した補強板に前記フツク片の
係止爪に対応する係合突部を形成したことを特徴
としている。従つて、フツク片がステーに連結さ
れていてフツク片とフツク杆に圧縮ばねの力が加
わつている時は、フツク片とフツク杆の軸線は一
致し、折れ曲ることがないためフツク片の係止爪
は突出せず、ステーが傾いても係合突部に係止さ
れるようなことはなく、また騒音の原因となる部
材はないので、前述したような不具合は生じない
のである。

以下、本考案の実施例について図面に基づいて
説明する。図において、１は上部にミラー（図示
せず）を保持したステー、２は車体外板、３は受
座、４は補強板であり、受座３と補強板４は第２
図に示すように受座３のスナツプ爪片５を補強板
４に係止することにより、車体外板２の両面に一
体的に固定されている。７はフツク杆、８はフツ
ク杆７の上端に軸金具９によつて回動自在に軸着
されたフツク片、１０は圧縮ばね、１１はばね皿
であり、フツク杆７の下端は二又になつて支持片
１２が設けられ、この支持片１２でばね皿１１を
支持しており、補強板４とばね皿１１との間に圧
縮ばね１０が縮設され、フツク片８はステー１に
固定されたハンガー１５のフツク部１６に係止さ
れている。ハンガー１５はばね材のような弾力性
を有する線材からなるもので、中央にＶ字状のフ
ツク部１６を形成し、更に両端を互いに反対方向
に且つ平行に折り曲げて脚片１７を形成し、脚片
１７の部分をステー１の取付溝１８にはめ、ビス
１９で取付けられた止め金２０によつてステー１
に押圧固定されている。２５は電動リモコン用の
コード、２６はコネクタ、２７は受座３に設けら
れた位置決めとコード通し穴を兼ねるボス部、２
８はコード穴である。

フツク杆７とフツク片８は、いずれも板材のプ
レス加工によつて得られたもので同一の幅寸法と
なつており、フツク片８には軸金具９による軸着
部より下部の側縁に下向きの係止爪３０が形成さ
れている。またこの係止爪３０に対応して、補強
板４には穴３１の一部に係合突部３２が形成され
ている。そして、フツク片８がハンガー１５に係
止されている時には、フツク片８とフツク杆７に
は圧縮ばね１０による張力Ｐが加わり、第５図ａ
に示すようにフツク片８とフツク杆７は直線状と
なるから、係止爪３０はフツク杆７の側縁７ａよ
り突出しない。またフツク片８がハンガー１５に
係止していない時には、フツク片８が傾いて第５
図ｂに示すようにフツク片８とフツク杆７の軸線
は角度θで折れ曲り、係止爪３０は側縁７ａより
突出し、係合突部３２に係止可能となるのであ
る。係止爪３０が係合突部３２に係止した状態で
はフツク片８の反対側の側縁が受座３に当つて回
り止めされる。

組付けを行なう際には、まずフツク杆７に支持
されたばね皿１１と補強板４の間に圧縮ばね１０
を縮設してフツク片８の係止爪３０を補強板４の
係合突部３２に仮係止した受座３と補強板４を車
体外板２の所定の位置に取付ける。これで車体外
板２の裏面での作業は終り、仮係止の状態は圧縮
ばね１０の力によつて維持される。次いで、ステ
ー１を受座３の上に持つて来てハンガー１５のフ
ツク部１６をフツク片８に係止させ、ステー１を
圧縮ばね１０の力に抗して少し上に持ち上げる
と、フツク片８とフツク杆７は直線状となつて係
止爪３０が係合突部３２から外れるので、ステー
１を受座３の正規の位置に載置する。なお、第１
図はフツク片８がまだハンガー１５に完全に係止
していない仮係止状態を示している。こうして組
付け作業はきわめて簡単に終了する。一旦フツク
片８をハンガー１５に係止させると、この係止が
外れない限りフツク片８とフツク杆７は圧縮ばね
１０の力によつて直線状に保たれ、ステー１が傾
いた場合でも係止爪３０は係合突部３２に係止で
きる程度に突出することはなく、再係止すること
はない。

上述のように、本考案は、フツク杆の上端に回
動自在に軸着されたフツク片を設け、このフツク
片にフツク杆との軸線が折れ曲つた場合にのみフ
ツク杆の側縁より突出して補強板の係合突部に係
止可能となる係止爪を形成したものであり、構造
は簡単であり、ステーが傾いた場合に自然に再係
止させてステーを元に戻せなくなるようなことは
なく、また変位自在な部材などがないため騒音が
生ずることもないなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部の破断側面
図、第２図は同上の破断正面図、第３図は第２図
Ａ−Ａ線断面図、第４図は同要部の分解斜視図、
第５図ａ及び第５図ｂは動作説明のための要部の
側面図である。 １……ステー、２……車体外板、４……補強
板、７……フツク杆、８……フツク片、９……軸
金具、１０……圧縮ばね、１５……ハンガー、３
０……係止爪、３２……係合突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体外板の裏面において車体外板とフツク杆の
   下端との間に圧縮ばねを縮設し、車体外板の表面
   に突出したフツク杆の上端をステーの下部に連結
   させることにより、ステーを車体外板に圧接して
   取付けるようにしたバツクミラーの取付装置にお
   いて、フツク杆の上端にステーに連結するための
   フツク片を回動自在に軸着し、フツク片の軸着部
   より下部の側縁にフツク片とフツク杆の軸線が折
   れ曲つた場合にのみフツク片の側縁より突出する
   係止爪を形成し、車体外板の裏面に当接した補強
   板に前記フツク片の係止爪に対応する係合突部を
   形成してなるバツクミラーの取付装置。