JPH0140764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特に可倒式ドアミラーに好適なバツク
ミラーの保持装置に関するものである。

自動車のフロントドアに配設したドアミラーは
外部からの衝撃等に対しこれを吸収する目的で車
体に対し前後方向へ傾倒する。そして、傾倒後は
元の定位置に復帰するように、又平常時には定位
置に安定に保持されるようにミラー本体を収納し
たハウジングと車体側、即ちドア側面に固設した
ベース部材間にはスプリングを張架し、当該ハウ
ジングをベース部材に弾接支持せしめている。

ところが、ハウジングは通常合成樹脂素材にて
成形するため塑性変形防止等の観点からあまり引
張力の大きなスプリングを張架することはでき
ず、又スプリングによるハウジングの弾接する力
も分散するため自動車走行中の走行風によつてハ
ウジング、更にはミラー本体が振動してしまう問
題がある。

そこで、この問題を解決するため、従来に於て
はスプリングの補助機構を通してハウジングをベ
ース部材に対し前後方向へ傾倒可能にヒンジ結合
する中間板に先端が大径の係止ピンを設け、他方
ベース部材に当該係止ピンと略垂直方向に交差す
る棒状の係止スプリングを設けることにより補助
保持手段を構成し、これによつてハウジングが定
位置にあるとき係止ピンの頚部を係止スプリング
に掛けて係止ピン、即ちハウジングを固定してい
た。

しかしながら、斯かる従来例をはじめこの種の
補助保持手段は通常一方側に個別に設けられ、ま
た、一方向に対する例えば弾圧保持手段であるた
めハウジングとベース部材のがたつきを十分に防
止することはできず前述したミラー本体の振動を
完全に防止するには至つていない。

本考案は斯かる弊害を解決するもので、ハウジ
ングとベース部材のがたつきを効果的に防止する
ことにより平常時にはバツクミラーを定位置へ安
定に保持し、走行風によるミラー本体の振動を防
止することができるとともに、併せて構造簡易で
低コストに達成することができるバツクミラーの
保持装置の提供を目的とするものである。

本考案は以上の目的を達成するため自動車の車
体に固設したベース部材の側部に中間連結部材の
一端をヒンジ結合するとともに、ミラー本体を収
納したハウジングの側部に上記中間連結部材の他
端をヒンジ結合し、当該ハウジングを上記ベース
部材に傾倒自在に連結したバツクミラー、特にド
アミラーに適用し、その主たる構成とするところ
は、ベース部材とハウジングとにそれぞれ係合部
を設けるとともに、中間連結部材に各係合部と係
合してベース部材とハウジングとを引き付ける弾
性部材から成る係合部を設け、ベース部材とハウ
ジングを直接的且つ確実に保持するようにしたこ
とを特徴とする。

以下には本考案を更に具体化した好適な実施例
を挙げ図面を参照して詳述する。

図面に於て第１図は本考案に係る保持装置を含
むドアミラーの斜視図、第２図は保持装置を明示
する同平面図をそれぞれ示す。先ず、本考案を明
確にするため各図を参照してドアミラーの全体的
概略構成について説明する。図中符号１で示され
たドアミラー（バツクミラー）は自動車のフロン
トドア側面に固設したベース部材２を備え、これ
は一般的に軽合金等の硬質素材で形成される。

一方、このベース部材２の側部にはこれと別体
のハウジング３を備える。ハウジング３は合成樹
脂素材等にて正面開口のケース状に成形し、後述
するスプリングの引張力にてベース部材２にその
側部３ａが圧接し、両者はデザイン的に一体化
し、且つハウジング３は所定角度で定位置に保持
される。

また、ベース部材２とハウジング３は中間連結
部材４にて相連結する。この連結部材４は上側連
結部４ａ、下側連結部４ｂ、これら両端部を夫々
連結する前側連結部４ｃ、後側連結部４ｄにて四
角形のフレーム状に形成し、後側連結部４ｄの両
端はベース部材２側部に離間して設けた一対の軸
受部７及び８の内側間に配し軸ピン１０にて中間
結部材４とベース部材２を前後方向（第２図中上
下方向）へ回動自在になるようヒンジ結合ａす
る。

他方、前側連結部４ｃの両端はハウジング３の
側部３ａ前側に離間して設けた一対の軸受部１３
及び１４の内側間に配し軸ピン１５にてハウジン
グ３を中間連結部材４に対し前後方向へ回動自在
になるようヒンジ結合ｂする。

また、ハウジング３内部にはモータユニツトを
配設してあり、これにミラー本体１６の裏面を支
持せしめ、もつて外部からモータユニツトを制御
することによりミラー本体１６の視界角度を任意
に調整できるようにしている。図中符号１７は当
該モータユニツトに接続するワイヤハーネスであ
る。

更に、ハウジング３内部の特に先端側には上下
に離間した一対のスプリング１８及び１９の一端
を必要により支持基板等を利用して取り付けると
ともに、このスプリング１８及び１９の他端は連
結プレート２０の両端に取り付ける。そして、こ
の連結プレート２０の中間部には両端をフツク状
に折曲したリンク部材２１の一端を掛止せしめ、
他方このリンク部材２１の他端は前記中間連結部
材４にて形成されるフレームの空間を貫通しベー
ス部材２側に設けたフツク受２２に掛止する。こ
れによりスプリング１８及び１９はベース部材２
とハウジング３間に所定の引張力を作用して張架
されることになる。

次に、第１図乃至第５図を参照し、本考案の要
部構成について説明する。特に第３図乃至第５図
は要部に用いる弾性部材を例示する側面図（第１
図又は第２図中Ａ方向矢視）を示す。

第１図中符号２３は弾性部材で一枚のプレート
部材からなる。弾性部材２３は中間部分の取付プ
レート部２４、この両端側から夫々反対方向に延
設した係合プレート部２５及び２６からなる。そ
して、取付プレート部２４は適且穿設した取付孔
を利用しリベツト２７…にて前記中間連結部材４
の連結部４ａ又は（及び）４ｂの内側面にリベツ
ト止めする。また、係合プレート部のうち一方の
係合プレート部２５はベース部材２側へ延設突出
し、他方の係合プレート部２６はハウジング３側
へ延設し、各プレート部２５及び２６の先端部は
山状に凸出せしめて係合部２５ａ及び２６ａを形
成する。

他方、ベース部材２には前記係合プレート部２
５の係合部２５ａが係合する係合凹部２８を形成
する。この係合凹部２８は例えばベース部材２の
内壁部分であつて、ハウジング３が平常時におけ
る定位置のときの前記係合部２５ａの位置に対応
して形状及び位置が選定される。

また、ハウジング３にも同様、前記係合プレー
ト部２６の係合部２６ａが係合する係合凹部２９
を形成する。この係合凹部２９はハウジング３の
内壁部分であつて、ハウジング３が平常時におけ
る定位置のときの前記係合部２６ａの位置に対応
して形状及び位置を選定する。

第３図及び第４図は斯かる係合部及び係合凹部
の形状及び位置関係を示す。第３図は前記した上
側連結部４ａ及び下側連結部４ｂ双方の内側面に
弾性部材２３−１及び２３−２を取り付けるとと
もに、ベース部材２側に係合凹部２８−１及び２
８−２を、又ハウジング３側に係合凹部２９−１
及び２９−２を夫々形成した場合を示し、特にハ
ウジング３をベース部材２に対し離間せしめ第２
図のように係合プレートの係合部と係合凹部が
夫々解除されている状態である。第４図は第１図
及び第２図同様一方の連結部、即ち下側連結部４
ｂの内側面に係合プレート２６を取り付けた場合
で、係合プレート部の係合部２６ａがハウジング
３の係合凹部２９に係合している状態を示してい
る。なお、第３図及び第５図に於て、２４−１，
２４−２，２４−３は取付プレート部、２５−
１，２５−２，２５−３，２６−１，２６−２，
２６−３は係合プレート部、２５ａ−１，２５ａ
−２，２５ａ−３，２６ａ−１，２６ａ−２，２
６ａ−３は係合部を夫々示す。

よつて、ハウジング３が傾倒しハウジング３と
中間連結部材４の係合が解除されているときには
第３図の如き位置関係になるとともに、定位置に
保持されているときには第４図の左側の如き係合
部２６ａがハウジング３の内壁部端を越えて係合
凹部２９に係合する。この際係合部２６ａは係合
し易すく、且つハウジング３と中間連結部材４を
引き寄せ合う方向に力を付与すべくその凸出せし
めた角度を選定するとともに、係合時は弾性部材
２３の係合プレート部２６が湾曲して係合凹部２
９に弾接する。この為、弾性部材２３，２３−
１，２３−２は所定の弾性を有する金属板を利用
して形成し、ハウジング３が定位置のときには振
動等によつてもがたつかないように素材、形状、
大きさ、位置等を選定する。

第５図は変更実施例を示し、弾性部材２３−３
を合成樹脂素材等の他の弾性素材を利用した場合
を例示する。これにより、厚さ等の形状を大きく
するが、軽量化、低コストを図れる利点を有す。
なお、第１図乃至第５図を通し同一部分には特に
説明を加えた部分を除き同一符号を付しその構成
を明確にした。また、本考案は実施例に限定され
るものではなく各部の形状等に於て細部の任意変
更は要旨を逸脱しないかぎり本考案範囲に許容さ
れるものである。

以上の説明から明らかなように、本考案に係る
バツクミラーの保持装置は、ベース部材およびハ
ウジングに係合部を、また、中間連結部材に弾性
部材から成る係合部を設け、これら係合部を係合
させてベース部材およびハウジングを中間連結部
材に引き付けるようにしたため、一体化した単体
の弾性部材にてベース部材とハウジングを連続一
体的に結合することができベース部材とハウジン
グ間の例えばヒンジ結合部のがたつき等を効果的
に防止することができる。

よつて、平常時にはバツクミラーを定位置に安
定に保持し、走行風によるミラー本体の振動を防
止できる。

更にまた、斯かる振動防止は単体の弾性部材の
みで足り、構造簡易で低コストに達成できる等各
種利点を具備するバツクミラーの保持装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る保持装置を含むドアミラ
ーの斜視図、第２図は保持装置を明示する同平面
図、第３図乃至第５図は要部に用いる弾性部材を
例示する側面図（第１図又は第２図中Ａ方向矢
視）である。 尚図面中、２はベース部材、３はハウジング、
４は中間連結部材、４ａは上側連結部、４ｂは下
側連結部、１６はミラー本体、２３，２３−１，
２３−２，２３−３は弾性部材、２５ａ，２５ａ
−１，２５ａ−２，２５ａ−３，２６，２６ａ−
１，２６ａ−２，２６ａ−３は係合部、２８，２
８−１，２８−２，２９，２９−１，２９−２は
係合凹部、ａ，ｂはヒンジ結合である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固設したベース部材の側部に中間連結部
   材の一端をヒンジ結合するとともに、ミラー本体
   を収納したハウジングの側部に前記中間連結部材
   の他端をヒンジ結合し、前記ハウジングを前記ベ
   ース部材に体し傾倒自在に連結したバツクミラー
   において、前記ベース部材と前記ハウジングに係
   合部を設け、前記中間連結部材に前記係合部と係
   合し、前記ベース部材と前記ハウジングを引きつ
   ける弾性部材から成る係合部を設けたことを特徴
   とするバツクミラーの保持装置。