JPH04121616U - グロメツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、自動車等のパネルへ電線等を挿通
する場合に使用するグロメットに関し、グロメット本体
とインナーを組付ける場合、グロメット本体の環状凹部
にインナーの係合板を嵌合させる作業が容易にできる構
造のグロメットを提供することを目的とする。 【構成】 合成樹脂等の硬質部材からなるインナー３の
胴部８の一方の端部に周設された係合板９に係合凸部１
１を設けるとともに、ゴム等の軟質部材からなるグロメ
ット本体２のフランジ部５上の前記係合凸部１１と対向
する位置に係合凹部１２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等のパネル孔へ電線等を挿通する場合に使用するグロメット の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５は、従来使用されているグロメットの分解斜視図である。グロメットａは 、弾性ゴム部材から成る本体ｂと合成樹脂製の剛性部材から成るインナーｃより 構成されている。 本体ｂは、筒状のワイヤハーネス挿通部ｄの一方の端部にフランジｅが連設さ れるとともに、該フランジｅ周縁にパネル孔に対するシール部ｇが周設され、さ らに該周縁部内側に環状凹部ｈが設けられている（図７参照）。 インナーｃは、筒状の胴部ｉの一方の端部に係合板ｊが周設され、他方の端部 に可撓係止片ｋが連設され、該胴部ｉ及び係合板ｊの円周上の一部は軸方向に切 断されている。

【０００３】 使用時において、本体ｂのワイヤハーネス挿通部ｄにワイヤハーネスを挿通し 、次いでインナーｃの胴部ｉの切断面の端部ｉ′，ｉ″からワイヤハーネスを空 間ｒに収容する。この状態で図６（ワイヤハーネス及びパネル孔は省略）に示す ように本体ｂのフランジｅのシール部ｇを開拡しながらインナーｃの係合板ｊの 周縁を逐次本体ｂの環状凹部ｈに嵌合する。次いでインナーｃが本体ｂと嵌合し た状態でインナーｃの可撓係止片ｋの連設されている端部からパネル孔へ挿入し 可撓係止片ｋでグロメットａはパネル孔に係止されグロメットａの取付け作業は 終了する。この時本体ｂのシール部ｇはパネル孔周縁に密着してシールの機能を 果たす。

【０００４】 上記のように構成されているので、ワイヤハーネスグロメットのパネル孔への 取付けにおいては、主体部ｂのフランジｅに周設されたシール部ｇを一々開拡し ながら全周にわたり環状凹部ｈに、インナーｃの係合板ｊを係合させねばならな い為作業性が極めて悪い。即ち、図６及び図７に示すように先ず係合板ｊの円周 上の一部を環状凹部ｈに挿入し逐次円周に沿って挿入部分を増やしてゆくのであ るが、この時係合板ｊと環状凹部ｈとの相対的位置がずれ、挿入をしようとして いる部分の対称的な反対側から外れてしまう。是を防止するためには、片手で外 れようとする最初に嵌合した部分を押さえながら、もう一方の手で逐次係合板ｊ と環状凹部ｈとを嵌合してゆく要がありこの為極めて作業性が悪い。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記した点に鑑み、ワイヤハーネス用グロメットにおいて、インナー をグロメット本体に組み付ける作業がより簡単に出来るような構造のグロメット を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、軟質のグロメット本体のフランジ部 に周設した環状凹部に硬質の樹脂製インナーの係合板を嵌入し、上記グロメット 本体をパネル等のケーブル挿入孔に係止し、ケーブルと上記ケーブル挿入孔を密 封するグロメットにおいて、前記インナーの係合板に係合凸部を設けるとともに 、前記グロメット本体のフランジ部の該係合凸部と対向する位置に係合凹部を設 けた構造を採用した。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案による実施例のグロメット１の分解斜視図であり、図２はグロメ ット本体２にインナー３を嵌合する過程の斜視図であり、図３は同じく縦断面図 である。図４は他の実施例の要部の縦断面図である。 図１において、ゴム等の軟質部材からなるグロメット本体２は、ワイヤハーネ スの挿通部たる筒状体４の一方の端部に後述する係合凸部１１と係合する略直方 体状の係合凹部１２が設けられたフランジ部５が連設されるとともに、外周縁部 ５ａは折り返されて内側に環状凹部６を形成し更に外方に折り返されてシール部 ７が形成されている。

【０００８】 硬質の合成樹脂からなるインナー３は、筒状の胴部８の一方の端部に輪郭が略 直方体状の係合凸部１１が立設された中空円板状の係合板９が周設されるととも に、他方の端部には可撓係止片１０が一体的に形成されている。インナー３の胴 部８及び係合板９は円周上の一部が連続して延長方向に切断されるとともに、胴 部８の切断面の一方端縁部８ａには係止突起を形成した係合舌片が連設され、他 方の端縁部８ｄには前記係合舌片と係合する収容孔が形成され前記係止突起との 係止手段を構成している。

【０００９】 上記のように構成されているので使用時において、グロメット本体２のワイヤ ハーネス挿通部たる筒状体４にワイヤハーネスを挿通し、次いでインナー３の胴 部８切断面の端縁部８ａ，８ｄの間からワイヤハーネスを収容空間１３に収容し 、インナー３の胴部８の端縁部８ａの係合舌片を端縁部８ｄの収容孔に収容し相 互に係止する。

【００１０】 この状態で図３（ワイヤハーネス及びパネル孔は省略）に示すようにグロメッ ト本体２のフランジ部５のシール部７を開拡しインナー３の係合板９上の係合凸 部１１を、先ずグロメット本体２の係合凹部１２に挿入し係合させ（図３参照） 、次いでインナー３のフランジ９の周縁を逐次グロメット本体２の環状凹部６に 嵌合してゆく（図２参照）。この場合、インナー３のフランジ９とグロメット本 体２の係合凹部１２とは、既に係合凸部１１と係合凹部１２とで係合しているの で相対的にずれることも無く、従って嵌合させる片端から嵌合部のシール部７が 外れることも無く、又是を防止するため既に嵌合した部分を片方の手で押さえ続 ける必要もない。

【００１１】 次いでインナー３の可撓係止片１０の連設されている端部からパネル孔（図示 せず）へ挿入し可撓係止片１０でグロメット１はパネル孔に係止されるとともに グロメット本体２のシール部７はパネル孔周縁に密着しグロメット１の取付け作 業は終了する。 図４は本考案の他の実施例の要部の縦断面図であり、インナー３′の係合板９ ′に立設された係合凸部１１′は先端が鍵状１１ａ′に形成されるとともに、一 方グロメット本体２′のフランジ部５′に形成される係合凹部１２′も前記係合 凸部１１′と対応して奥部が鍵状１２ａに形成されている。その他の構成につい ては、第１実施例と同様であるので説明は省略する。

【００１２】 上記のように構成されているので使用時において、第１実施例との相違点のみ 説明すると、グロメット本体２′にインナー３′を嵌合する手始めとしてグロメ ット本体２′のフランジ５′上の係合凹部１２′にインナー３′の係合板９′上 の係合凸部１１′を挿入させた後、中心方向に若干スライドし係合凸部１１′の 鍵部１１ａ′を、係合凹部１２′の鍵部１２ａ′と係合させることにより、嵌合 初期においてグロメット本体２のフランジ部５′とインナー３′の係合板９′と が離反するような力が作用しても離反することは無い。他の部分の作用は第１実 施例と同様なため省略する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は上記したように、ワイヤハーネス用グロメットにおいて、インナーの 係合板とグロメット本体のフランジ部にそれぞれ係合部を設けた為、両者を組付 ける場合インナーの係合板がグロメット本体の環状凹部と容易に嵌合させること のできることを特長とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による実施例のグロメットの分解斜視図
である。

【図２】グロメット本体にインナーを嵌合する過程の斜
視図である。

【図３】同じく縦断面図である。

【図４】本考案の他の実施例の要部の縦断面図である。

【図５】従来例の分解斜視図である。

【図６】従来例のグロメット本体にインナーを嵌合する
過程の斜視図である。

【図７】従来例の同じく縦断面図である。

【符号の説明】

１ グロメット ２ グロメット本体 ３ インナー ５ フランジ部 ６ 環状凹部 ７ シール部 ８ 胴部 ９ 係合板 １０ 可撓係止片 １１ 係合凸部 １２ 係合凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟質のグロメット本体のフランジ部に周
   設した環状凹部に硬質の樹脂製インナーの係合板を嵌入
   し、上記グロメット本体をパネル等のケーブル挿入孔に
   係止し、ケーブルと上記ケーブル挿入孔を密封するグロ
   メットにおいて、前記インナーの係合板に係合凸部を設
   けるとともに、前記グロメット本体のフランジ部の該係
   合凸部と対向する位置に係合凹部を設けたことを特徴と
   するグロメット。