JPH0367011B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱可塑性樹脂からなる成形体のバリ除
去装置に関し、詳しくは吹込成形によつて成形さ
れるアームレスト外皮等の環状成形体のバリ発生
箇所に加熱板を押し当てることによりバリを溶融
し、除去するバリ除去装置に関するものである。

（従来の技術） 環状成形体の顕著な１例である上記アームレス
トの外皮は、第１図に示すように２個分を一体に
して、吹込成形により成形される。

この吹込成形は、その方法によると、成形機の
ダイより押し出された円筒状のバリソンを金型の
成形用凹部位置に位置せしめ、半割金型を閉じる
と同時に金型中のバリソン内にノズルから圧縮空
気を吹き込んでバリソンを膨張させて金型の成形
用凹部内面へ密着させ、金型を冷却した後、成形
体を取り出す工程であるため、取り出された成形
体は金型によつて挟持された箇所にはバリソンの
不要物が成形体に付着しているために、この付着
不要物を引き裂いて除去することが必要となり、
この部分には小さな喰い切りバリが発生し外観上
好ましくなかつた。そのため、この喰い切りバリ
を除去する方法としては従来、カツターによる手
作業が一般に行われていたが、この場合には削り
すぎることによる品質のバラツキがあり、殊にバ
リが小さい場合にはこの手作業は非常に困難であ
つた。

しかもそれだけでなく、喰い切りバリの発生箇
所が多い場合には手作業による除去は非常に時間
の要するものであつた。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は従来のこのような点を改善し、短時間
に喰い切りバリを除去して外観の良好な成形体と
なし得る喰い切りバリ除去装置を提供することを
目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 即ち、上記目的を達成するための本発明装置の
特徴は、吹込成形による環状の熱可塑性樹脂中空
成形体をそのバリ部分を露顕せしめて保持する溝
を有し、中央部を開口部とする輪状の支持型の外
側各コーナーに、上記成形体曲面部に向かい突出
移動可能で、該曲面部のバリ部分に沿う当接面と
ヒーターとを有した加熱板を設け、かつ前記支持
型の中央開口部内に、上記成形体内側部に向かい
突出移動可能で、該成形体内側のバリ部分に沿う
当接面とヒーターとを有した内側加熱板を設けた
ことにある。

（作用） 吹込成形によつて成形された環状成形体は、成
形体外側の曲面部及び内側部に喰い切りバリが発
生する。

即ち、上記本発明装置によれば、成形体を支持
型の溝部で保持せしめ位置決めを行つた後、外側
の加熱板と内側の加熱板とを夫々のバリ部分に当
接させることにより、極めて短時間に、しかも均
質に喰い切りバリを除去することが可能である。

（実施例） 以下、添付図面を参照して、本発明実施例の装
置を説明する。

第１図は軟質塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を
使用し吹込成形によつて得られた中空成形体１で
あり、この成形体１は金型から取り出されたと
き、図示のように２つのアームレスト外皮２が連
結部３を介して左右対称に位置する環状の連結中
空体形状となつている。そして金型から取り出さ
れた成形体１には通常、金型によつて挾持された
箇所に成形原料の不要物が付着しており、この不
要物を引き裂いて除去すると中空成形体１表面の
外側の各コーナー部と内側のほぼ全域にわたつて
突出した小さな喰い切りバリ４が発生する。

そこで上記中空成形体１は、次の工程で、その
喰い切りバリを除去することが行われるが、本発
明にあつては、第２図、第３図に示すような装置
を用いてこれを除去する。

即ち、本発明肝要をなすこの装置は、中空成形
体１をその喰い切りバリ４を露顕せしめて保持す
る溝部５を有し、中央部分を開口部とする輪状の
支持型６の外側各コーナー角部に、シリンダー７
により突出移動可能でヒーター８を具備した加熱
板９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄを有し、かつ支持型６
の中央開口部１０内に上下移動し左右移動する内
側加熱板１１ａ，１１ｂを設けたものであり、こ
の装置によつてバリ取りがなされる。

即ち、まず前記中空成形体１を支持型６の溝部
５へ設置した後、成形体の喰い切りバリ発生領域
に密接できるような形状を有しそしてバリ部のみ
に接触しうるような当接面１２を有する薄板状の
加熱板９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄを突出移動せしめ
て該当接面１２を成形体の喰い切りバリ４に押圧
し、それと同時に成形体の内側の喰い切りバリ４
に対しては、これに接触しうるような該当接面１
２′をもつ内側加熱板１１ａ，１１ｂを移動させ
て該当接面１２′を成形体の内側の喰い切りバリ
４に押圧し、これらの押圧を所要時間保持して喰
い切りバリ４を溶融した後、各加熱板９ａ，９
ｂ，９ｃ，９ｄ，１１ａ，１１ｂを元の位置へも
どして成形体１を支持型６から取り出す。

ここで、各加熱板の温度ならびに押圧時間は成
形体の素材や環境温度によつて変化するが、塩化
ビニルあるいはポリプロピレン樹脂を素材とする
成形体においては通常、加熱板の温度を200℃〜
220℃そして押圧時間を２〜５秒とすることが最
適条件であり、またその他の熱可塑性樹脂を素材
とする成形体にあつても夫々加熱板の温度および
押圧時間を適宜選定すれば同様に喰い切りバリを
加熱溶融することによつて除去することができ
る。

以上、本発明装置の実施例につき説明したが、
特に、バリ発生の小さい吹込成形によつて得られ
る環状成形体が特に本発明装置によると手作業に
比べて極めて短時間に効率よく完全なバリ除去作
業できる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明成形体のバリ取り
装置は、吹込成形による環状中空成形体の外側部
及び内側部に発生する喰い切りバリを、該成形体
を保持する輪状の支持型の外側コーナーに設けた
加熱板と該支持型内側に設けた内側加熱板とによ
り、自動的に溶融して除去せしめるものであり、
単に成形体をセツトするのみで短時間にして外観
の良い均質な喰い切りバリの完全除去ができ、成
形体の外観、実用的価値を向上せしめる効果を奏
し、その構成の簡易さと相俟つて工業的製造に適
し、頗る実効が期待される。

【図面の簡単な説明】

第１図は吹込成形によつて得られた環状中空成
形体の１例を示す斜視図、第２図は本発明の喰い
切りバリ除去装置の実施態様を示す平面図、第３
図は第２図の−断面図である。 １…成形体、４…喰い切りバリ、６…支持型、
９ａ〜９ｄ，１１ａ，１１ｂ…加熱板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 吹込成形による環状の熱可塑性樹脂中空成形
   体をそのバリ部分を露顕せしめて保持する溝を有
   し、中央部を開口部とする輪状の支持型の外側各
   コーナーに、上記成形体曲面部に向かい突出移動
   可能で、該曲面部のバリ部分に沿う当接面とヒー
   ターとを有した加熱板を設け、かつ前記支持型の
   中央開口部内に、上記成形体内側部に向かい突出
   移動可能で、該成形体内側のバリ部分に沿う当接
   面とヒーターとを有した内側加熱板を設けたこと
   を特徴とする成形体のバリ除去装置。