JPH0551618U - 熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂成型品のゲート跡の処理を簡単
にするとともに仕上げ面の品質を向上させること 【構成】 熱可塑性樹脂からなる成型品４のゲート跡部
５を加熱溶融により潰すヒータ７を仕上げ作業用のテー
ブル３に設けた熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インジェクション成型により成型される熱可塑性樹脂成型品の仕上 げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、インジェクション成型により成型される熱可塑性樹脂成型品には、金型 のゲート跡が残ることが多い。このため、成型品の表面にゲート跡が著しく突出 した場合には、このゲート跡をニッパ等により切断していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、成型品に複数のゲート跡部が存在すると、一つ一つそのゲート 跡をニッパによって切断すると、手間がかかると共に、作業効率が著しく悪く、 ゲート跡の切断面の仕上げの品質が一定しないという問題があった。

【０００４】 そこで、本考案は熱可塑性樹脂成型品のゲート跡の処理を簡単且つ効率良く行 なうと共に、仕上げ面の品質を向上させることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本願考案の請求項１にかかる熱可塑性樹脂成型品 の仕上げ装置は、熱可塑性樹脂成型品のゲート跡を加熱溶融により潰す加熱手段 を設けたことを特徴とする。

【０００６】 また、本願考案の請求項２にかかる熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置は、複数 のゲート跡を有する熱可塑性樹脂成型品を位置決する位置決手段と、前記複数の ゲート跡に対応する位置に配設されて前記複数のゲート跡を加熱溶融により潰す 複数の加熱手段とを備えたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案の第１の熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置によれば、ゲート跡に加熱手 段を当接させて加熱すると、ゲート跡が溶融して潰れるので、ゲート跡の処理が 簡単であり、潰したゲート跡の表面が平滑になるので、仕上げ品質が安定する。

【０００８】 本考案の第２の熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置によれば、第１の考案にかか る作用に加えて、熱可塑性樹脂成型品を位置決手段に位置決めさせると、熱可塑 性樹脂成型品の複数のゲート跡がそれぞれ加熱手段に対応した位置関係になるの で、加熱手段を加熱すると、一度に複数のゲート跡を潰すことが出来ることとな り、成型品の仕上げ処理の手間が更に簡単になる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例にかかる熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置を図面に基づ いて説明する。図中、１は仕上げ装置としての作業台であり、作業台１は脚部２ とテーブル３からなる。作業台１にはポリエチレン樹脂（ＰＥ）或はＡＢＳ樹脂 などの熱可塑性樹脂からなる成型品４が配設される。成型品４の裏面側には凹所 ４ａが複数箇所形成されており、各々の凹所４ａにゲート跡部５が僅かに突出し ている。

【００１０】 テーブル３には、成型品４の裏面に複数形成されたゲート跡部５のそれぞれの 位置に対応して開口部６が複数個形成されている。各々の開口部６には加熱手段 としてのヒータ７の加熱金属部８が臨んでいる。加熱金属部８の先端部９はテー ブル３の表面から多少突出している。先端部９がテーブル３から突出する高さは 成型品４の凹所４ａの深さより少し短く形成されており、ゲート跡部５を成型品 ４の裏面の一般面から突出させないと共に、成型品４のゲート跡部５を潰した場 合に、凹所４ａ内で溶融したゲート跡部５を成型品４の一般面に突出させないよ うになっている。又、加熱金属部８の先端部９は球面状に凹んでおり、潰れたゲ ート跡部５を先端部９から外側にはみださせず、且つ潰れたゲート跡部５の表面 が僅かに丸くなるように形成されている。

【００１１】 テーブル３の下面側の開口部６の周囲には、支柱としてのリブ１０が突設され ている。このリブ１０はヒータ７の四方を取り囲むように４箇所形成され、ヒー タ７の電源部１１は４つのリブ１０に熱絶縁されて保持されている。

【００１２】 テーブル３の上面側には成型品４を位置決めする位置決め手段としてのガイド 突起１２が複数箇所形成されている。複数のガイド突起１２は成型品４の外周形 状に沿うように配設されており、ガイド突起１２に成型品４を嵌込んで固定する と、成型品４に形成された複数のゲート跡部５がヒータ７の各加熱金属部８にそ れぞれ臨むようになっている。

【００１３】 ヒータ７の電源部１１には、例えばバイメタルを利用した温度調節機構が設け られており、加熱金属部８が過度に加熱されることを防止している。尚、図示し ないが、テーブル３には電源部１１への通電制御を行う操作ボタンが設けられて いる。

【００１４】 本実施例にかかる熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置では、成型品４の周縁部形 状に合わせて位置決め突起１２が突設され、しかも、成型品４が位置決め突起１ ２に位置決めされた時に、成型品４の複数のゲート跡部５に対応させてヒータ７ の加熱金属部８が配設されているので、４箇所の位置決め突起１２により囲まれ た部位に成型品４を上方から押しつけると、成型品４が位置決め突起１２に嵌合 した状態となり、成型品４の裏面に形成された複数のゲート跡部５がヒータ７の 加熱金属部８の先端部９に当接する。

【００１５】 この状態でヒータ７に通電すると、温度調節機構が働いて加熱金属部８がゲー ト跡部５を溶融させる所定の温度に加熱されるので、成型品４をテーブル３側に 押圧することにより、加熱金属部８の先端部９のカーブに沿ってゲート跡部５が 溶けて平滑に潰れる。これによって成型品４のゲート跡部５の潰しが完了する。

【００１６】 しかも、成型品４に形成される複数のゲート跡部５に対応させてヒータ７をテ ーブル３に配設しているので、一度にゲート跡部５の表面仕上げを行なうことが 出来、作業効率が向上する。

【００１７】 更に、加熱金属部８の先端部９がテーブル３から突出する高さは凹所４ａの深 さより短いので、成型品４の一般面がテーブル３に当接しても加熱金属部８の先 端部９は凹所４ａの底には届かず、ゲート跡部５の先端部がやや丸くなった状態 で滑らかに潰れる。従って、ゲート跡部５の仕上げ面の品質が向上することとな る。

【００１８】

【効果】

本考案の請求項１にかかる熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置によれば、ゲート 跡に加熱手段を加熱して当接させると、ゲート跡が溶融して簡単に潰れると共に 、潰したゲート跡の表面が平滑になるので、仕上げ品質が毎回安定する。また、 本考案の請求項２にかかる熱可塑性樹脂成型品の仕上げ装置によれば、位置決め 手段に熱可塑性樹脂成型品を位置決めさせると、ゲート跡と加熱手段とがそれぞ れ対応して当接するので、各々の加熱手段を加熱すると、一度に複数のゲート跡 を潰すことが出来、成型品の仕上げ処理の手間が一層簡単になるとともに、第１ の考案にかかる効果に加えて、仕上げ作業がはかどる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例にかかる熱可塑性樹脂成型品
の仕上げ装置の構成を示す斜視図である。

【図２】 図１のII−II線における加熱手段一部切欠拡
大の断面図である。

【符号の説明】

１ …作業台 ２ …脚部 ３ …テーブル ４ …成型品 ５ …ゲート跡部 ６ …開口部 ７ …ヒータ ８ …加熱金属部 ９ …先端部 １０…リブ １１…電源部 １２…ガイド突起

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性樹脂成型品のゲート跡を加熱溶
   融により潰す加熱手段を設けた熱可塑性樹脂成型品の仕
   上げ装置。
2. 【請求項２】 複数のゲート跡を有する熱可塑性樹脂成
   型品を位置決する位置決手段と、前記複数のゲート跡に
   対応する位置に配設されて前記複数のゲート跡を加熱溶
   融により潰す複数の加熱手段とを備えた熱可塑性樹脂成
   型品の仕上げ装置。