JPH0331594B2

JPH0331594B2 -

Info

Publication number: JPH0331594B2
Application number: JP61082651A
Authority: JP
Inventors: Toshio Ueda; Yoshinori Sato; Tooru Harada
Original assignee: Nitto Boseki Co Ltd
Current assignee: Nitto Boseki Co Ltd
Priority date: 1986-04-10
Filing date: 1986-04-10
Publication date: 1991-05-07
Also published as: JPS62238783A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明はインクジエツト記録用紙に関し、詳し
くは記録画像が詳明で、かつ耐水性、耐光性にす
ぐれたインクジエツト記録用紙に関する。〔従来の技術〕インクジエツト記録方式は製版の必要がなく、
かつ現像定着をも必要とせず紙に直接的に画像を
形成する印刷方式として、またカラー化が容易で
あること等から情報記録の分野において近年著し
い伸びをみせている。一般にインクジエツト記録は直径数十ミクロン
の細孔からインクを加圧噴出させ、数mm又は数数
十mm離れに記録紙上にドツト記録を行なうもので
あり、インクジエツト記録に用いられるインクの
染料は噴射の信頼性と画像濃度特性が要求される
ため水溶性の直接染料、酸性染料、反応染料等が
用いられている。しかしこれ等染料は水に対する
溶解度が極めて大きいため、当然のことながら形
成された後の画像に耐水性がなくインクジエツト
記録した印刷物を屋外に掲示した場合、雨等によ
り記録物ににじみが生じたり、また高湿下で長期
保存するだけでもにじみが生じることもある。これを改善するために下記のような種々の方法
が提案されている。 (1) 記録画像に耐水処理剤の水溶液を塗布する
（特開昭55−150396号公報）。 (2) 画像がある記録体表面を２価以上の金属塩で
処理して染料を不溶化することにより画像の耐
水性を上げる（特開昭56−86789号公報）。 (3) 記録シートをあらかじめカチオン性高分子電
解質で処理する（特開昭56−84992号、同60−
49990号、同60−161188号、同60−72785号、同
60−76386号公報）。そして、かかる記録シートとしては、最近イン
クの発色性の改善を目的とするポリアリルアミン
塩を塗工層に含有した被記録材（特開昭61−
58788号）や耐水性、耐光性の改良を目的とする
同ポリマーを含有するインクジエツト記録シート
（特開昭61−61887号）に関する技術が提案されて
いる。（発明が解決しようとする問題点）しかし、形成後の画像を耐水化処理する上記
(1)、(2)等の方法はそれを実施するための装置が大
型化し工程が複雑となるという欠点がある。一方
記録シートをあらかじめ高分子電解質で処理して
おく上記(3)の方法はかかる問題がなく、また耐水
性付与の目的もある程度は達成することが出来る
が、未だ十分ではなく、一層水に対する堅牢度の
高いものの開発が望まれている。さらにインクに水溶性染料を用いる第２の問題
点としては耐光性が劣る点が挙げられる。即ちこ
れ等の染料を用いたインクにより形成した画像の
耐光性は十分でなくフエードメーター10時間照射
により大きく退色し改善の必要性が指摘されてい
る。また、ポリアリルアミン塩を含有する記録シー
トの上記改良も、本発明者の試験によれば、赤色
についての防水性及び耐光性全般についてはなお
一層の改善が必要である。〔問題点を解決のための手段〕かかる現状において、本発明者らは水性インク
画像の耐水性および耐光堅牢度を改善したインク
ジエツト記録用紙を得るために脱意研究した結
果、紙を特定のポリアミンで処理することにより
このふたつの目的を同時に達成できることを見出
し、この知見に基いて本発明を完成するに至つ
た。即ち、本発明のインクジエツト記録用紙は紙の
表面に、ジアリルアミン酸塩とモノアリルアミン
酸塩の共重合体又は共重合体の部分中和（脱酸）
物を存在せしめたことを必須技術要件とするもの
であり、この必須技術要件により水性インク画像
の耐水性及び耐光堅牢度を向上させたものであ
る。本発明に用いるジアリルアミン酸塩とモノアリ
ルアミン酸塩の共重合体は又は（Ｘは無機又は有機酸残基を示す）で表わされる。モノアリルアミン酸塩とジアリル
アミン酸塩の共重合比は90／10〜10／90であるこ
とが好ましい。該共重合体は同一分子中に１級ア
ミノ基及び第２級アミノ基の両方を有し、かつ高
いアミノ基密度を持つことに特徴がある。また該共重合体を部分中和（脱酸）すれば性能
がさらに向上することが認められている。本発明
者の実験によれば、脱酸の程度が全アミノ基中２
〜70モル％特に５〜40モル％であるのが好まし
い。インクジエツト記録用紙の表面におけるこれ等
ポリアミンの含有量は0.1〜４ｇ／m²、好ましく
は0.2〜３ｇ／m²にすることが本発明の目的を達
成する上で好ましい。これらポリアミンの紙表面
への適用方法としては、以下の方法がある。 (1) ポリアミンを水溶液とし、必要ならば、通常
使用されるバインダー例えば酸化デンプン、ポ
リビニルアルコール等と混合し、サイズプレ
ス、ロールコーター等のコーターにより原紙に
塗工する。 (2) インク吸収能力の高い顔料例えば合成シリ
カ、合成アルミナ、炭酸カルシウム等を顔料と
して含むバインダーで塗層を形成したコート紙
の表面にエアナイフコーター、スプレー等でポ
リアミン水溶液を適用する。 (3) 直接上記顔料、バインダーからなる塗液中に
上記のポリアミンを添加し塗層する。また本発明のインクジエツト記録用紙に画像を
形成するために使用される水性インクは染料とし
て水溶性の直接染料、酸性染料、反応性染料のう
ちの少なくとも１種を含有すべきである。かかる
染料は分子中にスルホン酸基、カルボキシル基な
どのアニオン基を有することにより水溶性が付与
されているが、かかる染料を被記録体（インクジ
エツト記録用紙）の表面に付着、吸収させると、
染料中のアニオン基と被記録体中のカチオン基が
イオン結合して水不溶性の塩が形成され、の際１
級及び２級のアミノ基を有しカチオン密度の高い
本発明のポリアミンが特に有効であるものと考え
られる。本発明をさらに明らかにするために、本発明に
用いる共重合体及びその部分中和物の製造方法を
参考例として示した後に、実施例について説明す
る。参考例１ジアリルアミン１モル（97.2ｇ）に35％塩酸１
モル（104.2ｇ）を加えて濃度66.7％のジアリル
アミン塩酸塩（以下、DAA・HClと略称する。）
水溶液201.4ｇを得た。またモノアリルアミン１
モル（57.1ｇ）に35％塩酸１モル（104.2ｇ）を
加えて得た、濃度59.1％のモノアリルアミン塩酸
塩（以下、MAA・HClを略称する。）水溶液を、
ロータリーエバポレーターで減圧下で濃縮して濃
度66.7％のMAA・HClの水溶液を得た。このようにして調製したDAA・HCl水溶液
（濃度66.7％）100.7ｇとMAA・HCl水溶液（濃
度66.7％）71.5ｇを混合し、これに触媒としてア
ゾビス（２−アミジノプロパン）塩酸塩を全モノ
マーに対し、2.5％の割合で加え、50℃で48時間
重合させた。重合終了後この溶液をアセトンに沈
澱させ、ガラスフイルターで濾過後、減圧乾燥す
ることにより112ｇの、ジアリルアミン塩酸塩と
モノアリルアミン塩酸塩の共重合体を得た。この
ポリマーを以下Ｐ（DAA・HCl／MAA・HCl）
と略称する。参考例２参考例１で得たＰ（DAA・HCl／MAA・HCl）
の20％水溶液50ｇに3.5ｇの20％NaOH水溶液を
冷却しながら加え、全アミノ基のうち20％が脱塩
酸されたものの水溶液を得た。このポリマーを以
下PDMNと略称する。実施例１〜２参考例１で得られたＰ（DAA・HCl／MAA・
HCl）を用いて下記組成の塗工用組成物を調製し
た。微粉ケイ酸 100重量部ポリビニルアルコール 50 〃Ｐ（DAA・HCl／MAA・HCl） 0.5 〃水 500 〃この塗工用組成物を秤量60ｇ／m²、ステキヒトサ
イブ度20秒の市販上質紙上にワイヤバーで乾燥塗
工量12ｇ／m²となるよう塗工し常法により乾燥さ
せて実施例１のインクジエツト記録用紙を得た。
同様に参考例２の部分中和共重合体を用い実施例
２のインクジエツト記録用紙を得た。次に上記各
記録紙の品質試験を行つた。即ち、先ずインクジ
エツトプリンター松下電送製パナフアツクス6000
を使用して黒インク（ジエツトメーカーKT−
111、大日本塗料製）、赤インク（同RT223）、黄
インク（同YT−500）、青インク（同BT−500）
各色のベタ印刷を施した後、下記の方法で耐水性
と耐光性を評価した。耐水性：上記印刷物を１×１cmの大きさに切り25
℃の水10mlに５分間浸漬し、水に溶出した染料
量を分光光度計を用いて吸光度を測定すること
により測定した。この場合上記塗工用組成物に
おいてポリアミンを含有しない場の吸光度をＡ
とし、ポリアミンを含有する場合の吸光度をＢ
とし、Ｂ／Ａによつて耐水性の尺度とした。言
うまでもなくこの値の小さいほど耐水性は大き
い。耐光性：上記印刷物をカーボンアークフエードメ
ーター（スガ試験機(株)製）で10時間照射し照射
前後の色濃度をマクベスデンシトメーター
RD514で測定し照射後濃度を照射前濃度で徐
した百分率を耐光性の尺度とした。数値が高い
程耐光性は良好である。なお比較のため本発明のポリアミンに代え市販
ポリエチレンイミン（分子量10万）、又は市販ジ
シアンジアミド−エチレンジアミン縮合物、さら
にはジアリルアミン塩酸塩重合体、ジメチルジア
リルアンモニウムクロライド重合体を用いた他
は、本実施例と全く同様にして製造した比較例１
〜５のインクジエツト記録紙についても同様の評
価試験を行つた。これ等の結果を表１にまとめて
示す。

〔発明の効果〕

表１より明らかなように特定のポリアミンを用
いる本発明のインクジエツト記録用紙はポリエチ
レンイミンやジシアンジアミド−エチレンジアミ
ン縮合物を用いる従来品に比べ耐水性、耐光性と
もにはるかにすぐれている。さらに本発明に係るジアリルアミン塩酸塩とモ
ノアリルアミン塩酸塩の共重合体は驚くべきこと
にそれぞれの単独重合体よりすぐれた効果を有す
ることがわかる。そして、本発明によれば、耐水性、耐光性とも
に極めて良好なインクジエツト記録用紙が得ら
れ、該インクジエツト記録用紙によつてインクジ
エツト記録方式の普及が促進されるものと期待さ
れる。

Claims

【特許請求の範囲】

１紙の表面にジアリルアミン酸塩とモノアリル
アミン酸塩の共重合体、又は該共重合体の部分中
和（脱酸）物を存在せしめてなるインクジエツト
記録用紙。